産休のうち産前休業は、出産予定日の6週間前から取れます。双子などの多胎妊娠は14週間前からです。本人が請求して取得し、予定日を含めて42日、多胎は98日と数えます。産後休業は実際の出産日の翌日から8週間が原則です。厚生労働省の案内に基づく、2026年10月23日確認の制度です。
予定日が決まったら、休業を始められる日、最終出勤の予定、産後休業が終わる予定、育休を始める予定を分けて書きます。給付金の申請や保険料免除は、産休の申出とは別の手続きです。休む日が決まっただけで、お金の手続きまで終わったとは考えないようにします。
産前は本人の請求、産後は就業制限が原則
労働基準法65条は、6週間以内、多胎妊娠なら14週間以内に出産予定の女性が休業を請求したときに、使用者は就業させてはならないと定めています。会社の独自の福利厚生ではなく、法律に基づく休業です。
産後は本人の申出の有無にかかわらず、8週間を経過しない女性を原則として就業させられません。ただし、出産後6週間を経過した本人が請求し、医師が支障がないと認めた業務に就くことは可能です。本人の希望だけ、会社の判断だけで早められる制度ではありません。
| 区分 |
基本の扱い |
| 産前休業 |
予定日の6週間前から請求できる |
| 多胎の産前休業 |
予定日の14週間前から請求できる |
| 産後休業 |
出産翌日から8週間は原則就業不可 |
| 産後の例外 |
6週間経過後、本人の請求と医師の判断が必要 |
出典:厚生労働省、産前・産後の休業についての労働基準法65条の説明
産前休業の開始可能日になったら、必ずその日から休まなければならないという意味ではありません。本人が請求して取得します。ただし、体調や医師の指導があるときは、仕事の予定だけを優先せず、勤務の調整を会社に伝えます。
出産当日は産前休業に含めます。予定日当日を産後の初日として計算すると、終わりの日がずれます。産後は翌日から数える、と分けて覚えると日付を確認しやすくなります。
開始日は、予定日を含めて数える
東京労働局の妊娠・出産・育児の年表は、産前休業を出産予定日を含め6週間、多胎妊娠は14週間と説明しています。日数にすると42日と98日です。カレンダーで予定日を1日目としてさかのぼる計算です。
単胎なら予定日から41日を引いた日、多胎なら97日を引いた日が開始可能日です。「6週間前」という言葉だけを見て予定日から42日引くと、1日早くなります。会社の計算表や自動計算を使うときも、予定日を含めているか確認します。
以下は、出産予定日を2027年1月15日と仮定した計算例です。公的統計の実績ではありません。出産日も予定日どおりだったと仮定し、法定の期間を暦日で数えています。土日祝日や会社の休日も含みます。
| 確認する日 |
仮定からの計算 |
日付 |
| 単胎の産前開始可能日 |
予定日を含め42日 |
2026年12月5日 |
| 多胎の産前開始可能日 |
予定日を含め98日 |
2026年10月10日 |
| 出産日 |
予定日どおりと仮定 |
2027年1月15日 |
| 産後休業の初日 |
出産翌日 |
2027年1月16日 |
| 産後休業の最終日 |
出産翌日から56日目 |
2027年3月12日 |
| 通常の育休開始予定日 |
産後休業の翌日 |
2027年3月13日 |
出典:厚生労働省、労働基準法65条に関する産前・産後の休業の案内と東京労働局の年表。日付は仮定の予定日から計算
単胎と多胎の開始日は、同時に使うものではありません。自分の妊娠の状況に対応する欄を使います。産後休業の期間は、多胎だからそのまま長くなるわけではなく、どちらも原則8週間です。
最終出勤日は、産前休業の開始日の前日と必ず一致するわけではありません。所定休日や年次有給休暇が間にあれば変わります。会社に提出する表では、休業開始日と最後に勤務する日を別の欄に書くと、引き継ぎの日程がずれにくくなります。
出産日が動いたら、産後の予定を計算し直す
予定日より遅れて出産したときは、予定日から出産当日までの期間も産前休業です。予定日を過ぎたから産後休業が始まるわけではありません。産後の期間は、実際の出産日の翌日から数え直します。
予定日より早く出産したときは、産前の期間が当初の予定より短くなります。それでも産後休業を短くする話ではありません。実際の出産日に合わせて、産後の終了日と育休の開始予定日を更新します。
この扱いは厚生労働省の産前産後休業Q&Aで確認できます。会社へは、予定日変更と実際の出産の連絡を分けます。最初に提出した予定を、人事担当が自動で把握しているとは限りません。
出産日が変わると、休業の届け出、出産手当金の対象期間、社会保険料免除の期間にも確認が必要です。カレンダーだけを直して終わらず、変更届が必要か、誰にいつ知らせるかを会社と確認します。
給付や免除の担当が別なら、人事から担当部署へ情報が届いているかも聞きます。出産後に何度も同じ説明をしなくて済むよう、連絡先と提出物を産前のうちにまとめておきます。
パートや派遣でも、休業の権利と給付条件を分ける
厚生労働省は、産前・産後休業の対象を、正社員、パート、派遣社員など働き方に関係なく、すべての女性労働者と説明しています。「正社員だけ」「勤続が短いから一律に産休なし」という説明は、そのまま受け取らず確認します。
入社からの期間や契約の長さだけで、産休と育休と給付を一括して判断しないことです。産休は労働基準法、育休は育児・介護休業法、出産手当金は健康保険、育児休業給付は雇用保険というように制度が分かれています。
有期契約なら、休業開始予定日だけでなく契約満了日と更新の説明も確認します。産休を取れることと、契約がどのように続くかは同じ質問ではありません。契約書と会社の説明を並べ、わからない点を担当者に聞きます。
派遣で働くときは、雇用主である派遣元に申出と手続きを確認します。派遣先で勤務の調整が必要な場合も、派遣先への口頭連絡だけで申出が完了したと考えず、派遣元の担当者にも状況を伝えます。
休業を理由とする不利益な扱いが心配なら、都道府県労働局の雇用環境・均等部または室へ相談します。会社と話した内容、契約期間、申出の記録を用意すると、何について相談したいかを伝えやすくなります。
会社へは、開始予定日と引き継ぎを一緒に伝える
申出の様式、提出先、必要な資料を会社に聞きます。就業規則に書かれた手続きがあっても、急な出産や体調変化が起きることはあります。予定どおりに進まないときの連絡先も確認しておきます。
出産予定日は【出産予定日】です。【産前休業開始予定日】から産前休業を取得したいため、必要な手続きを教えてください。担当業務は【引き継ぎ内容】にまとめます。予定日や体調に変更があった場合の連絡先も確認したいです。
業務の引き継ぎは、担当中の案件、期限、保存場所、判断が必要な点に分けます。休業中に本人へ都度連絡しないと仕事が進まない状態を避けるため、代わりに判断する担当者を決めてもらいます。
「休業中も連絡が取れるはず」と期待されると、休養と手続きが混ざります。業務連絡と、人事手続きに必要な連絡を区別して、使う連絡先を確認します。仕事の資料や顧客情報を私用の連絡手段に移しておく必要はありません。
予定より早く休む可能性があるなら、すべて終えてから申出をしようとせず、途中の資料も共有できる形にします。体調に合わせて何を先に引き継ぐかを決め、残る仕事の配分は上司と相談します。
育休制度の規定がある事業所の割合を規模別に比べる
産休後に育休へ進む際は、休みの日付と会社の運用も確認します。厚生労働省の令和7年度雇用均等基本調査から、育児休業制度の規定がある事業所の割合を高い順に並べました。調査は令和7年10月1日現在、常用労働者5人以上の事業所が対象です。
| 順位 |
事業所規模 |
規定ありの割合 |
| 1 |
500人以上 |
100.0% |
| 2 |
100〜499人 |
99.8% |
| 3 |
30〜99人 |
95.6% |
| 4 |
5〜29人 |
81.3% |
出典:厚生労働省、令和7年度雇用均等基本調査結果概要の事業所調査の図2、付属統計表第1表に対応。単位は事業所の割合で、取得率や平均日数ではない
会社の規模ではなく、事業所の規模で比べた表です。規定がある割合を「産休を取れた人の割合」と読み替えることもできません。規定がない事業所でも、法律の適用がなくなるわけではありません。
同調査の育児休業取得率は女性88.3%、男性50.9%です。令和5年10月から令和6年9月までの出産者等のうち、令和7年10月1日までに育児休業を開始した人と申出済みの人を含む割合です。産休の取得率とは別の数字です。
全国の割合が高くても、配属先でどのように仕事を引き継ぐかはわかりません。面接や入社後の面談では、制度の有無に加え、申出から休業開始までの担当者、代替要員、復帰時の相談の進め方を聞きます。
出産手当金は、休業とは別に健康保険へ申請する
協会けんぽの出産手当金の案内では、被保険者が出産のため会社を休み、給与の支払いを受けなかった期間について給付を説明しています。産休に入った全員へ、会社の給与と同じ額が自動で支払われる制度ではありません。
対象期間は、出産日以前42日、多胎なら98日から、出産翌日以後56日目までの範囲です。実際の出産が予定日より遅れたときは、産前側を予定日から数えます。その範囲のうち、実際に会社を休んだ期間が対象となります。
給与の支払いがあると、支給されない、または差額の支給となることがあります。自分が健康保険の被保険者本人か、休業中の給与を会社がどう扱うかを確認します。扶養に入っている人の給付と混同しないようにします。
申請書には、勤務や給与に関する会社の証明、出産に関する医師等の証明が関係します。提出時期、分けて申請できるか、どこへ出すかを加入先へ確認します。詳しい条件と申請の流れは出産手当金の受給条件で整理しています。
生活費の予定では、休業開始日と入金日を同じ日に置きません。会社が申請を取りまとめる日、本人が資料を出す日、審査後の支払いは別です。未確認の入金予定を前提にせず、手元の資金と毎月の支出を並べます。
社会保険料免除は、会社の届け出を確認する
日本年金機構の産前産後休業の手続きでは、対象となる健康保険・厚生年金保険について、被保険者本人分と事業主分の保険料が免除されると説明しています。事業主が申出書を提出する手続きです。
免除期間は、産前産後休業開始月から、終了日の翌日の属する月の前月までです。終了日が月末なら終了月までになります。休業の日数だけでなく、終了日の翌日がどの月かを見る仕組みです。
会社に確認するのは、申出書を提出したか、申告した休業開始日と終了予定日が正しいか、出産日が変わった後の変更が必要かです。給与明細の控除は会社の徴収時期とも関係するため、控除された月だけで未処理と決めず、何月分かを聞きます。
この免除の話を、住民税などのすべての支払いがなくなる説明には広げません。休業中も支払いが残るものがあるため、会社からの請求方法や自分で納付する項目を確認します。健康保険料と厚生年金保険料を中心に、項目ごとに分けます。
産後休業から育休への切り替えも、先に準備する
出産した本人が通常の育休へ続けて入るときは、産後休業が終わった翌日からの予定を組みます。出産日が変われば、その日付も動きます。産前に作る日程表は予定として管理し、出産後に確定した情報で更新します。
育児休業の申出と、雇用保険の育児休業給付の申請は同じではありません。休業を取得できても、給付は被保険者期間など別の条件を確認します。産休中の出産手当金と、育休中の給付を同じ窓口の同じ申請と思わないようにします。
給付の順番と手続きは育児休業給付金の条件で確認できます。会社には、誰が申出を受け、給付申請を担当するか、本人へ何をいつ案内するかを聞きます。休業が始まってから担当者を探す負担を減らせます。
復帰時の働き方も、産休開始日と同時にすべて決める必要はありません。ただし、どの時期に面談し、勤務時間や配属を相談するかは先に確認できます。体調や家庭の状況が変わったときに連絡できる窓口を残します。
産休に入る前の家計は、支払先ごとに整理する
会社の給与が止まる日と、給付の申請ができる日、実際に振り込まれる日は一致しません。休業中にいくら使えるかを考えるときは、給与の支払予定、給付の申請状況、手元のお金を分けます。支給されると決まっていない額は、確定した収入に入れません。
会社へ聞く内容も、休業中は有給か無給か、最後の給与で何が精算されるか、本人が別途支払うものはあるかに分けます。総額だけを聞くと、社会保険料の免除や給与控除の時期が混ざりやすくなります。明細のどの項目が変わるかを確認します。
出産手当金の申請は、加入している健康保険の窓口で進めます。育休の給付まで同じ申請書で済むわけではありません。会社がまとめて案内する場合でも、提出物ごとに対象の制度と提出先を確認すると、何が未提出かがわかります。
復帰の相談は、休業前の約束と後の状況を分ける
産休前には、復帰について相談する窓口と時期を決めておきます。出産前には予測できない事情もあるため、勤務時間や担当業務をその時点で全部確定するより、状況が変わったらどう連絡するかを共有します。
会社から復帰後の働き方を説明されたら、制度の対象となる期間、申出の手続き、配属先での仕事の分け方を確認します。「時短が使える」という説明だけでは、実際の始業と終業、会議の時間、残る仕事の調整はわかりません。
休業中の案内は、本人が確認できる連絡先へ送ってもらいます。社内システムへアクセスできなくなるなら、人事手続きの連絡をどう受け取るかを先に確認します。仕事の依頼と、本人に必要な手続きの案内を混ぜないようにします。
休業前の引き継ぎ資料には、連絡しなくても仕事が進む情報をまとめます。復帰時には休業中の変更を会社から共有してもらう必要もあります。本人だけが準備を担う話にせず、部署側で担当することも具体的に聞きます。
制度の説明が食い違ったら、何を断られたかを確かめる
「産休は使えない」と言われたときは、休業の取得そのもの、会社の給与、出産手当金、育休のどれを指すかを確認します。制度名が混ざったままだと、どこへ相談するかも決まりません。担当者の説明を、制度ごとに書き分けます。
産前産後休業の権利については、厚生労働省の労働基準法65条の案内と照合します。健康保険の給付なら加入先、保険料免除なら会社の社会保険担当や年金事務所というように、確認先を分けます。社内でわからないと言われても、制度自体がないとは限りません。
予定日と休業開始希望日、雇用形態、契約期間、相手からの返答を用意して相談します。体調や医師の指導があるときは、それも伝えます。相談のためにすべての資料が集まるまで待たず、現在わかっている事実から話せます。
その会社の実際の数字を、求人票・面接・しょくばらぼで確かめる
応募先では、産休・育休制度があるかに加え、取得実績、復帰後の働き方、休業者の仕事を引き継ぐ仕組みを確認します。求人票の制度名だけでは、配属先での運用は見えません。
【職種】で産休や育休を取った方の実績と、復帰後の勤務時間の相談方法を教えてください。休業中の仕事は、部署内でどのように分担していますか。
厚生労働省のしょくばらぼにある育児休業の取得情報も、対象期間と人数を見て読みます。求人票、面接での説明、公開されている実際の数字を照合し、休む前から復帰後まで相談できる職場かを確かめます。