育児休業給付金は、原則として育休開始から180日目までの支給額は、休業開始時賃金日額に支給日数と67%を掛けて計算します。181日目以降は50%です。2026年8月1日から2027年7月31日まで、支給日数30日の上限は67%で332,454円、50%で248,100円です。支給は原則1歳までで、条件を満たすと延長できます。
月給に割合を掛けるだけでは、自分の確定額は出ません。休業前の賃金、休業中の賃金や就業、取得する期間で変わります。会社の担当者に休業の日程と申請の予定を伝え、ハローワークが確認する賃金日額と、どの支給単位期間の分を申請するかを確かめます。
67%と50%の計算に使うのは、手取りではなく休業前の賃金
根拠は、厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」令和8年8月1日改訂版の15〜17頁です。休業開始時賃金日額は、原則として休業開始前の賃金を基に算定します。産前産後休業から続けて育休を取るときは、原則として産前産後休業開始前の賃金を使います。資料の確認日は2026年10月22日です。
基本の式は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で、育休開始から181日目以降は「×50%」に変わります。日額は、原則として算定対象の直近6か月間の賃金総額を180で割った額です。税や社会保険料を引いた後の手取りではありません。臨時に支払われる賃金や3か月を超える期間ごとの賃金は除きます。
支給日数は原則30日です。暦の上でその月が何日あるかだけで、毎回の支給額を変える計算ではありません。育休終了日の属する支給単位期間などでは扱いが変わるため、開始日、終了日、支給単位期間を確認します。
出生時育児休業給付金の支給日数は、67%となる180日に通算されます。産後パパ育休を取った後に通常の育休を取るときは、別の給付だから67%の期間が最初から始まるとは考えないでください。会社の申請内容と支給決定通知書で通算を確かめます。
月給別の金額は、公式Q&Aの仮定例で見る
厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」令和8年8月版のQ12には、休業前の平均月額別の例が載っています。いずれも育児休業期間を対象とする賃金の支払がない仮定です。公式が「程度」として示す値を、そのまま掲載します。
| 仮に休業前の平均月額が |
180日目まで |
181日目以降 |
| 15万円程度 |
月額10万円程度 |
月額7.5万円程度 |
| 20万円程度 |
月額13.4万円程度 |
月額10万円程度 |
| 30万円程度 |
月額20.1万円程度 |
月額15万円程度 |
出典:厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」令和8年8月版Q12(表番号なし)。平均月額を仮定した給付の説明例で、受給者の平均や中央値ではありません。
仮に算定対象の平均月額30万円、日額10,000円、支給日数30日、休業中の賃金なしなら、10,000円×30日×67%=201,000円、50%なら150,000円です。この仮定では円未満の端数は生じません。実際の支給額は、ハローワークが証明書に基づいて確定する日額などで決まります。
賞与を含めた年収から月額を作ったり、給与振込額をそのまま使ったりすると、公式の算定対象とずれます。給与明細を持って担当者に聞くなら、どの賃金月とどの支給項目が証明書に載るのかを確認してください。
2026年8月改定の上限・下限:30日分の額を混同しない
令和8年8月1日〜令和9年7月31日の額です。休業開始時賃金日額の上限は16,540円、下限は3,203円。30日分の育児休業給付金は次のとおりです。
| 給付率 |
支給上限額 |
支給下限額 |
| 67% |
332,454円 |
64,380円 |
| 50% |
248,100円 |
48,045円 |
出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」令和8年8月1日改訂版16頁「支給上限額」(表番号なし)。支給日数30日。下限額は休業期間を対象とする賃金が支払われなかったときの額です。
下限額は、どの受給者にも必ずその金額が振り込まれるという意味ではありません。休業中に会社から賃金が支払われたときは、それより低い額になることもあります。支給日数が違えば、この表の月額をそのまま使えません。
給付の限度額は適用期間を必ず付けて確認します。前年の支給決定通知書を持つ同僚の額や、改定前の記事の額が、今の支給対象期間にそのまま当てはまるとは限りません。給与が高い人でも、算定日額が上限に達すれば、給与全体に67%を掛けた額にはなりません。
支給条件:雇用保険の加入と休業前の勤務を確かめる
同パンフレットの育児休業給付金の支給要件では、雇用保険の被保険者で、原則1歳未満の子を養育するための育児休業を取ることが前提です。休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が12か月以上必要です。その基準で足りないときは、賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上の完全月で確認します。
休業前の勤務だけでなく、休業中の状況も見られます。支給単位期間の就業日数は10日以下で、10日を超えるときは就業時間80時間以下であることなどが要件です。育休終了日の属する支給単位期間には、全日休業の日が必要になる扱いもあります。
会社に育休制度があることと、雇用保険の給付が出ることは別の確認です。パートや有期契約という呼び名だけで対象外と決めず、加入状況と支給要件を確認します。有期雇用では契約の終了が明らかでないことなどの条件もあります。契約期間や更新については、予定ではなく現在の契約書を用意します。
転職直後でも、今の会社だけの在籍期間から受給の可否を即断しないでください。前の勤務先の加入期間があるなら、その状況を担当者やハローワークへ伝えます。逆に「雇用保険に入っているから必ず支給される」とも言い切れません。過去の受給や休業前の勤務を含めて確認を受けます。
休業中に給与が出ると、給付が減ることがある
パンフレット16頁では、支払賃金と給付の調整を示しています。67%の期間は、休業開始時賃金日額×支給日数に対する賃金の割合が13%以下なら基本の給付額、13%超80%未満なら「同日額×支給日数×80%−賃金額」です。50%の期間は、調整が始まる境目が30%となります。80%以上の賃金が支払われると給付は支給されません。
これは「働いてもよい日数」と同じ基準ではありません。日数・時間の条件と、支払賃金による調整の両方を確認します。休業中に業務を頼まれたら、実際に働いた日、時間、その業務に対する給与を残し、申請書に正しく反映してもらいます。
いつまで:原則1歳まで、延長は1歳6か月・2歳で別に確認
厚生労働省Q&AのQ14では、原則として1歳の誕生日の前々日までが支給対象です。法律上「1歳に達する日」が誕生日の前日となるため、誕生日そのものまでと覚えるとずれます。会社の休業終了日と給付の終了日は、日付で照合してください。
保育所等に入れないなど所定の事情があると、1歳6か月まで、さらに2歳まで延長できます。夫婦ともに育休を取るパパ・ママ育休プラスにも期間の特例がありますが、全員が無条件に延長される制度ではありません。夫婦の取得日程を担当者に伝えて判断を受けます。
保育所等に入れないことを理由とする延長は、令和7年4月から手続が見直されています。保留通知だけで足りると考えず、延長事由認定申告書、自治体に提出した利用申込書の写し、入所保留通知書などを確認します。申込書は提出前に全ページを保存してください。
判定では、速やかな職場復帰のために保育所等へ申し込んでいることも見られます。入所希望日や申込みの期限、内定辞退の有無も関係するため、申請の締切が来てから書類を探すと対応が遅れます。自治体の入所申込みと、雇用保険の延長審査を別々の手続として進めます。
産休と育休は、休む理由と期間が違う
厚生労働省の「働きながらお母さんになるあなたへ」では、労働基準法に基づく産前産後休業と、育児のための休業を区別しています。出産する本人の産休を、育休と同じ給付金で数えないでください。
| 休業 |
法律上の基本の期間・扱い |
| 産前休業 |
出産予定日の6週間前から、本人の請求で取得。多胎妊娠は14週間前から |
| 産後休業 |
出産翌日から原則8週間。6週間経過後は本人の請求と医師の判断による例外あり |
| 育児休業 |
原則として子が1歳になるまで。産後休業から続けて取るときは産後休業終了後から |
| 産後パパ育休 |
子の出生後8週間以内に通算4週間、28日まで。通常の育休とは別の制度 |
出典:厚生労働省「働きながらお母さんになるあなたへ」7頁(PDF8ページ目)、同省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」令和8年8月改訂版(表番号なし)。期間を比べる制度表で、取得実績の平均ではありません。
産前産後休業中の経済的支援と、雇用保険の育児休業給付金は申請先や制度が違います。産休から育休へ移る人は、会社に「休業が切り替わる日」「それぞれの申請書」「給与が支払われる期間」を一緒に確認します。連続して休んでいても、給付の書類まで自動で同じ手続になるわけではありません。
出生時育児休業給付金と出生後休業支援給付金は別に見る
出生時育児休業給付金は、産後パパ育休に対する雇用保険の給付です。基本の支給率は67%で、出生後8週間以内の休業について最大28日分が対象です。産後休業中の本人に、その産後休業分として支給する給付ではありません。
出生後休業支援給付金は2025年4月に創設されました。対象期間内に本人が通算14日以上の対象育休を取り、原則として配偶者も通算14日以上取るなどの要件を満たすと、日額×対象休業日数×13%が最大28日分支給されます。配偶者が雇用労働者でないなど、配偶者の育休を要件としない例外もあります。
67%と13%を合わせると80%ですが、この割合が全育休期間に続くわけではありません。対象期間と最大28日という上限があります。出産する本人と、それ以外の親では対象期間の取り方も違うため、家族の休業予定を日付で並べて確認します。
同パンフレット16頁の出生後休業支援給付金は、28日分の上限60,205円、下限11,658円です。令和9年7月31日までの額です。育児休業給付金の30日分の上限と、そのまま同じ日数の額として足さないでください。
申請は原則会社経由。振込日は給与支払日と分けて聞く
育児休業給付金の申請は、原則として会社を通じて、事業所所在地を管轄するハローワークへ行います。本人が希望すれば本人による申請も可能です。会社は賃金月額証明書、申請書、出勤簿や賃金台帳などを用意するため、本人の口座や休業日程の確認も必要です。
支給申請は原則2か月に一度です。本人が希望すれば1支給単位期間ごとの申請もできます。毎月の給与と同じ日に必ず振り込まれる制度ではありません。会社が書類を出す予定日、追加資料が必要か、支給決定通知書が届いたかを分けて聞きます。
会社に申出をした日、会社がハローワークに提出した日、支給が決定した日は別です。生活費の予定を組むなら、申請前の段階で振込日を断定せず、手続がどこまで進んだかを確かめてください。
初回申請までに、会社と休業の予定表をそろえる
会社へ渡す予定は、「出産予定日」「実際の出生日」「産後休業の終了日」「育児休業の開始と終了」を別々に書きます。出産が予定とずれたときは、前の予定表をそのまま申請へ使わず、どの書類を差し替えるかを担当者に確認します。家族それぞれが休むなら、配偶者側の申請予定も並べてください。
出生後休業支援給付金の対象期間は、産後休業をする本人では出生後16週間、それ以外では原則出生後8週間という違いがあります。厚生労働省の公式試算ツールも、母親と父親で別に日程を入力する作りです。出生日と出産予定日の関係による扱いもあるため、共通の締切日だと思い込まず、パンフレットの日程の説明で確認します。
給与明細は、休業直前の振込額だけを残すのでは足りません。算定対象期間の賃金がわかる明細をそろえ、会社から証明書の内容を説明してもらいます。休業前に勤務時間の変更や欠勤があったなら、その期間も伝えます。本人が計算した概算と会社の証明する日額が違うときは、使った月と賃金項目の違いから確認します。
申請の控えと支給決定通知書は組にして保管します。通知にある対象期間、日数、支給額を見れば、どの休業分の入金かを区別できます。支給額が以前と違っていても、率の切替、終了月の日数、賃金の調整、限度額の改定のどれかを確認せず、計算ミスと断定しないでください。
復帰を早める・延ばすときは、給与と給付の両方を連絡する
復職日が変わると、会社の給与計算だけでなく給付の支給対象期間も確認し直します。休業の終了を申請担当に伝えていないまま、前の予定で書類が作られないようにしてください。会社の勤務予定を直しただけで、ハローワークへの申請まで直ったとは限りません。
復帰後に短時間勤務を利用することと、育休を続けることは違います。育休中の給付が同じ額で続くと考えず、厚生労働省が別に案内する育児時短就業給付の対象になるかを確認します。雇用保険の制度と会社独自の手当を区別して聞くと、給与の説明が混ざりません。
休業を延ばすときも、会社の承認と給付期間の延長審査を同じものと考えないでください。会社の休業制度が法定より長くても、その全期間に雇用保険給付が出るとは限りません。会社が認める休業終了日と、給付の支給対象の最終日を別々の欄に残します。
育休取得率の規模別ランキング:給付額の差ではない
育休を取る実績にも目を向けます。令和7年度雇用均等基本調査、事業所調査付属統計表第12表の男性育児休業取得率を高い順に並べました。常用労働者5人以上の民営事業所が調査対象です。配偶者が2023年10月1日〜2024年9月30日に出産した男性のうち、2025年10月1日までの取得開始者と開始予定の申出者を数え、産後パパ育休も含みます。
| 順位 |
事業所規模 |
男性の育児休業取得率 |
| 1 |
500人以上 |
60.7% |
| 2 |
100〜499人 |
54.6% |
| 3 |
30〜99人 |
49.9% |
| 4 |
5〜29人 |
42.9% |
出典:厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」事業所調査付属統計表第12表。単位は%。給付の受給率、平均受給額、休業日数の順位ではありません。
大きい事業所ほど高いという集計でも、個別の会社で希望の日程が取れるかは別です。詳しい業界別の数値と取得期間は男性の育休取得率で確認できます。会社を比べる際は取得率だけでなく、取得人数と休んだ長さを聞きます。
求人票・面接・しょくばらぼで、休業と復帰の実績を確かめる
応募先には「育休を取れますか」から一歩進めて、希望する取得期間を相談する窓口、給付の申請担当、引継ぎの進め方、復帰後の勤務時間を聞きます。会社独自の給与補填があるなら、その期間と雇用保険給付への影響も担当者に確認します。
企業研究のやり方に沿って、求人票の制度、面接で聞いた運用、しょくばらぼの取得実績を並べます。給付金の全国共通の条件と、その会社で実際に休んで戻った人の数字を分けて確かめると、入社後に聞き直す項目がはっきりします。