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転職理由・退職理由の伝え方:面接で人事が確かめていることと例文8選

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この記事の答え

  • 転職理由は「前の職場で合わなかった事実」「次に求める条件」「この会社を選んだ根拠」⁠の3文で話す
  • 人事が確かめているのは、辞めた理由が入社後にもう一度起きないか。前職の悪口かどうかではない
  • 本当の理由が人間関係や給料でも嘘は要らない。不満を「次に求める条件」⁠に言い換え、その条件が応募先にあるかを先に確かめる

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転職理由・退職理由は、「前の職場で合わなかった事実」「次に求める条件」「この会社を選んだ根拠」⁠の3つ⁠を1文ずつ話します。面接で人事が確かめているのは、辞めた理由が入社後にもう一度起きないかどうかです。本当の理由が人間関係や給料でも、嘘をつく必要はありません。不満をそのまま言うのではなく、次に求める条件に言い換えれば話せます。

ここでは、実際に多い退職理由を厚生労働省の統計で確かめたうえで、理由ごとの言い換えの例文を8つ載せます。

転職した人が前の会社を辞めた理由(厚生労働省の統計)

厚生労働省は毎年、転職して入社した人が前の会社を辞めた理由を集計しています。次の表は、厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要⁠」⁠の「転職入職者の状況」(2025年の1年間)⁠にある、転職入職者が前職を辞めた理由別の割合を、男女別に多い順に並べたものです。「その他の個人的理由」⁠と⁠、出向などを含む「その他の理由」⁠は除いています。

男性の上位です。

順位 前職を辞めた理由 割合
1 定年・契約期間の満了 16.1%
2 給料等収入が少なかった 9.9%
3 職場の人間関係が好ましくなかった 8.9%
4 労働時間、休日等の労働条件が悪かった 8.5%
5 会社の将来が不安だった 6.9%
6 会社都合 5.3%
7 仕事の内容に興味を持てなかった 5.2%
7 能力・個性・資格を生かせなかった 5.2%

女性の上位です。

順位 前職を辞めた理由 割合
1 労働時間、休日等の労働条件が悪かった 12.9%
2 職場の人間関係が好ましくなかった 11.5%
3 定年・契約期間の満了 9.8%
4 給料等収入が少なかった 8.6%
5 会社都合 6.2%
6 仕事の内容に興味を持てなかった 4.6%
7 会社の将来が不安だった 4.3%
8 能力・個性・資格を生かせなかった 3.9%

同じ調査で年齢を25〜29歳⁠に絞ると、男性は「給料等収入が少なかった」13.1%⁠、「会社の将来が不安だった」11.0%⁠、「職場の人間関係が好ましくなかった」10.7%⁠の順です。女性は「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」14.1%⁠、「給料等収入が少なかった」13.4%⁠、「職場の人間関係が好ましくなかった」10.5%⁠の順です。

給料、労働時間や休日、人間関係は、転職した人が実際に多く挙げている理由です。言ってはいけない理由ではなく、どう伝えるかの問題です。

転職して給料は上がったか

同じ調査で、転職入職者の賃金が前の職場より「増加」⁠し⁠た割合は40.8%⁠、「減少」⁠は31.0%⁠、「変わらない」⁠は25.5%でした。1割以上増えた人は28.2%です。給料を理由に転職しても、必ず上がるとは限りません。

出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」転職入職者の状況

面接で人事が確かめていること3つ

厚生労働省の「公正な採用選考の基本」⁠は⁠、採用選考を「応募者の適性・能力に基づいた基準⁠」⁠で行うこと、面接では職務の遂行に必要な適性・能力を評価する観点から質問項目と評価基準を決めておくことを求めています。転職理由の質問も、この考え方の中にあります。ここから考えると、転職理由を聞いて確かめられるのは次の3つです。

  1. 辞めた理由が、入社後にもう一度起きないか。前職で合わなかった条件が応募先にもあれば、同じ理由でまた辞めるかもしれない
  2. 起きたことを事実で説明できるか。誰かのせいにする話し方より、何が起きていて自分はどうしたかを言える人のほうが、入社後の仕事ぶりを想像しやすい
  3. 次の仕事で求めていることが、この求人と合っているか。求めている条件が応募先に無ければ、入社してもお互いに困る

1つ目がいちばん大事です。「残業が多くて辞めた」人が残業の多い部署に応募していれば、同じことが起きると考えられます。応募先の残業の実態を調べたうえで話せば、理由そのものが志望動機になります。

伝え方の型は3文

転職理由は、次の3文で組み立てます。長く話すほど、不満を並べているように聞こえます。

順番 話すこと 例
1文目 前の職場で合わなかった事実 月の残業が40時間⁠を超える月が続いていました
2文目 だから次に求める条件 残業を減らす仕組みのある職場で、長く働きたいと考えました
3文目 この会社を選んだ根拠 御社は前年度の月平均残業時間を公開していて、10時間台でした

3文目が抜けると「不満があったから辞めた」⁠で話が終わり、なぜこの会社なのかが伝わりません。3文目の事実は先に確かめておきます。調べ方は企業研究のやり方⁠で説明しています。

守ることは3つです。

  • 嘘をつかない。在籍期間、辞めた時期、自分から辞めたのか会社の都合だったのかは、事実どおりに言う
  • 前の会社や人の悪口にしない。起きていた事実だけを言い、評価は付けない
  • 3文目に、確かめていない条件を書かない。確かめられないことは、面接の逆質問で聞く

伝わりにくい言い方と、直し方の例です。

  • 「上司と合わなかった」→ 仕事の進め方のどこが合わなかったかを言う
  • 「給料が安かった」→ 評価や昇給の仕組みのどこが合わなかったかを言う
  • 「成長したかった」→ 何ができるようになりたいかを言う
  • 「特にありません」→ 小さくても、次に求める条件を1つ言う

本当の理由別の言い換え例文8選

どれも本当の理由を別の理由に差し替えず、同じ事実を「次に求める条件」として言い直したものです。数字や制度は例なので、自分の事実と応募先で確かめたことに置き換えてください。

1. 人間関係が合わなかった

本当の理由:上司との関係がつらかった、職場の雰囲気が合わなかった。

前の職場では、仕事の進め方を上司が一人で決めていて、担当者が意見を出す場がありませんでした。次は、チームで話し合って進め方を決める職場で働きたいと考えています。御社の採用ページで、週に1回チームで仕事を振り返る時間があると読み、応募しました。

誰が悪いかの話にせず、仕事の進め方や相談のしかたなど、職場の仕組みのどこが合わなかったのかに置き換えます。

2. 給料が少なかった

本当の理由:給料が上がらない、同業他社より低い。

前の会社では、成果を出しても給与に反映される仕組みがなく、3年⁠間ほぼ同じ額でした。評価の基準がはっきりしていて、成果が給与につながる会社で働きたいと考えています。御社の求人票に、半期ごとの評価と昇給の基準が書かれていたことが応募のきっかけです。

額だけを言うと「もっと高い会社があれば、また移るのでは⁠」⁠と受け取られます。評価や昇給の仕組みまで言うと、応募先の制度と比べてもらえます。

3. 労働時間や休日の条件が悪かった

本当の理由:残業が多い、休みが取れない。

前の職場では、月の残業が40時間⁠を超える月が続き、有給休暇もほとんど使えませんでした。仕事の量を見直す仕組みのある職場で、長く働きたいと考えています。御社は前年度の月平均残業時間と有給休暇の取得日数を公開していて、その数字を見て応募しました。

「楽をしたい」⁠と受け取られないよう、長く働き続けたいという目的を添えます。

4. 会社の将来が不安だった

本当の理由:業績が悪い、事業が縮んでいる。

前の会社では、主力の商品の売上が数年続けて減り、新しい事業への投資も止まっていました。これから伸ばしていく事業に関わって、経験を積みたいと考えています。御社の中期経営計画で、〇〇の事業に力を入れると読みました。

前の会社の業績を悪く言うのではなく、自分が関わりたい事業を中心に話します。

5. 仕事の内容に興味を持てなかった

本当の理由:やりたい仕事ではなかった、配属が希望と違った。

前の職場では事務の仕事を担当していましたが、お客様と直接話す業務に関わる機会がありませんでした。社内の手続きを支える仕事より、お客様の相談に直接応える仕事をしたいと考えています。

「何でもいいから別の仕事」⁠に聞こえないよう、やりたい仕事を具体的に言います。

6. 能力や資格を生かせなかった

本当の理由:取った資格や経験が使われなかった。

在職中に〇〇の資格を取りましたが、担当する業務では使う機会がありませんでした。資格を生かせる業務を担当し、実務の経験を積みたいと考えています。

応募先の業務でその資格がどう使われるのかは、求人票の仕事内容で確かめます。

7. 契約期間が満了した

本当の理由:有期の契約が終わった。

1年ごとの契約で働いていましたが、更新の上限に達したため退職しました。次は、期間の定めのない雇用で長く働きたいと考えています。

事実を短く言えば足ります。厚生労働省の労働条件明示のルールの案内⁠のとおり、2024年4月から有期の労働契約には更新上限の有無と内容を示すことが必要です。応募先が有期の契約なら、更新上限も先に確かめます。

8. 会社の都合で辞めた

本当の理由:倒産、事業所の閉鎖、人員の削減。

勤めていた事業所が閉鎖になり、退職しました。前の職場で担当していた〇〇の経験を生かせる仕事を探しています。

隠す必要はありません。経緯は1文で言い、何ができるか、何をしたいかに話を移します。

例文を使う前に確かめること

例文は、3文目の「この会社を選んだ根拠」⁠が本当であって初めて使えます。「残業の少ない職場で働きたい」⁠と話して応募先の残業が多ければ、その話は自分に不利になります。求人票、しょくばらぼなどの公的データで確かめ、わからなければ面接の逆質問や、このサイトの会社に質問する⁠で聞きます。

家族の事情や病気で辞めた場合

「公正な採用選考の基本」⁠は⁠、家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴など)⁠を面接で尋ねることを、就職差別につながるおそれがある事項として挙げています。介護や家族の事情で辞めた場合、事情の中身を細かく話す必要はありません。

家庭の事情で退職しました。現在は落ち着いていて、フルタイムでの勤務に支障はありません。

働くうえで必要なこと(勤務できる時間、転勤ができるかどうかなど)⁠だ⁠け⁠を伝えれば足ります。自分の体調が理由の場合も、今の勤務に支障があるかどうかを伝えます。

短い期間で辞めた・転職が2回以上ある場合

在籍期間が短い場合や転職の回数が多い場合、面接する側は「うちでもすぐ辞めるのでは」⁠と考えます。在籍期間と辞めた経緯は事実どおりに言い、入社前に確かめなかったことを反省として1文、今回それをどう確かめたかを1文で言います。

前回は入社前に配属先の仕事内容を確かめていませんでした。今回は面接で担当する業務を伺い、求人票の内容と同じだと確かめたうえで応募しています。

新卒で入った会社を短い期間で辞めて、改めて会社を選び直している人は、就活の軸の決め方と例文⁠も参考になります。会社を選ぶ条件を1〜2個⁠に絞っておくと、転職理由の2文目がそのまま決まります。

よくある質問

転職で一番の理由は何ですか?

厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、転職して入社した人が前の会社を辞めた理由は、個人的な理由などを除くと、男性は「定年・契約期間の満了」16.1%⁠、「給料等収入が少なかった」9.9%⁠の順、女性は「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」12.9%⁠、「職場の人間関係が好ましくなかった」11.5%⁠の順でした。給料、労働条件、人間関係が、自分の意思で辞めた人の主な理由です。

転職理由は、面接でどこまで言うべきですか?

前の職場で合わなかった事実を1文、次に求める条件を1文、応募先を選んだ根拠を1文の、3文で足ります。経緯を長く話すほど不満を並べているように聞こえます。家族の事情や病気のように、働く力と関係のない事情は細かく話す必要はありません。

転職理由としてダメな例は?

前の会社や人の悪口だけで終わる理由、どの会社にも当てはまる理由(「成長したい」⁠だ⁠け⁠)⁠、応募先にも同じ条件がある理由(残業が理由なのに残業の多い部署に応募する⁠)⁠、事実と違う理由です。嘘は、在籍期間や辞めた経緯を確かめられたときに信用を失います。

退職理由として良い例は?

事実と、次に求める条件と、応募先を選んだ根拠がつながっている理由です。たとえば「成果が給与に反映される仕組みがなく、3年⁠間ほぼ同じ額だった。評価の基準がはっきりした会社で働きたい。御社は評価と昇給の基準を求人票に書いていた」⁠の⁠よ⁠う⁠な形です。

本当の退職理由が人間関係の場合、正直に言っていいですか?

「人間関係が悪かった」とだけ言うと、相手は何が起きたのか判断できません。誰が悪いかではなく、仕事の進め方や相談のしかたなど、起きていた事実を1文で言い、次はどういう環境で働きたいかにつなげます。作り話の理由に差し替える必要はありません。

家族の事情で辞めた場合、どこまで話す必要がありますか?

厚生労働省の「公正な採用選考の基本」⁠は⁠、家族に関することなど本人の適性・能力と関係のない事項を面接で尋ねることは、就職差別につながるおそれがあるとしています。介護や家族の事情で辞めた場合は「家庭の事情で退職し、今は勤務に支障はありません」のように、働くうえで必要なことだけ伝えれば足ります。

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