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失業保険をもらいながらアルバイトはできる? 申告と減額のしくみ

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この記事の答え

  • 失業保険を受けている間もアルバイトはできる。働いた日は収入の有無にかかわらず失業認定申告書で申告する
  • 1日4時間以上⁠は就労でその日の支給は後ろに繰り越し、4時間未満は内職・手伝いで収入により減額。週20時間以上⁠の継続的な仕事は就職扱い
  • 減額は「1日⁠の収入-1,429円+基本手当日額⁠」⁠が賃金日額の80%⁠を超えた分。1,429円⁠は令和8年8月1日以降の控除額

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失業保険(雇用保険の基本手当)⁠を受けている間も、アルバイトはできます。ただし、働いた日は収入の有無にかかわらず、認定日に失業認定申告書で申告します。1日4時間以上働いた日は「就労」⁠でその日の支給が後ろに繰り越され、4時間未満は「内職・手伝い」⁠で収入の額によって減額されます。週20時間以上⁠の継続的な仕事に就くと「就職」⁠の扱いになり、基本手当は止まります。

減額の計算に使う控除額は、令和8年(2026年)8月1日から1,429円です。厚生労働省の雇用保険の基本手当日額の変更(令和8年7月31日発表)⁠で⁠、1,391円から引き上げられました。この記事の数字とルールは、厚生労働省とハローワークの公開資料で2026年10月25日⁠に確かめたものです。

扱いの細かいところは、ハローワークが事情を聞いて判断します。働く前に、受給しているハローワークで「この働き方はどの扱いになるか」⁠を聞いておくと、後で困りません。基本手当そのもののしくみは失業保険の記事⁠にまとめています。

アルバイトの時間で変わる3つの扱い

アルバイトをした日は、働いた時間で扱いが変わります。ハローワーク渋谷の失業保険のQ&Aと、ハローワーク神戸の失業保険受給中の方へのページ⁠をもとに整理しました。

働き方 扱い 基本手当への影響 申告書の印
1日4時間未満 内職・手伝い 収入の額によって、その日の分が減額されることがある ×
1日4時間以上 就労 その日の分は支給されず、後ろに繰り越し ○
週20時間以上⁠の継続的な仕事 就職 基本手当は支給されない(条件を満たせば再就職手当) 就職の欄に記入

出典:ハローワーク渋谷の失業保険のQ&AのQ3、ハローワーク神戸の受給中の方への案内の3と7、ハローワークインターネットサービスの失業認定申告書の記入例⁠。

ハローワーク神戸の案内では、4時間ちょうどは4時間以上⁠に入り、週20時間ちょうどは週20時間未満に入りません。つまり、1日4時間ぴったりは就労、週20時間ぴったりは就職の側です。週20時間未満なら、基本手当の支給は止まりません。

名前がアルバイト、パート、研修、試用期間でも扱いは同じです。ハローワーク渋谷のQ&Aでは、名称と収入の有無を問わず申告するよう書いています。お金をもらわない手伝いやボランティアも、申告の対象になります。

時間だけでは決まらない例外

失業認定申告書の裏面の注意書きには、例外も書かれています。1日4時間未満でも、雇用保険の被保険者になる場合や、自営業を営むなどでハローワークが仕事を紹介してもすぐに応じられない場合は、就職・就労です。

逆に、1日4時間以上働いても、1日あたりの収入が賃金日額の最低額に届かない場合は、内職・手伝いに含まれることがあります。厚生労働省の基本手当日額の変更のお知らせでは、令和8年8月1日以降の賃金日額の下限額は3,203円です。

4時間以上働いた日:支給は先送りで、受給期間は延びない

1日4時間以上働いた日は、基本手当が支給されません。ただし、その日の分が消えるわけではなく、後ろに繰り越されます。ハローワーク神戸の例は次のとおりです。

  • 認定期間:4月1日〜4月28日⁠の28日⁠間
  • この間に4時間以上⁠の仕事を3日
  • 4月29日⁠の認定日に支給されるのは25日⁠分
  • 働いた3日分は、働かなかった場合の支給終了予定日の後に受け取る

注意するのは、受給期間の満了日は動かないことです。受給期間は原則として離職した日の翌日から1年間なので(ハローワークのサイトの基本手当について⁠)⁠、繰り越した日数が満了日までに収まらなければ、その分は受け取れません。満了日までの残りの日数が少ない人ほど、繰り越しが多いと受け取れない日が出やすくなります。

4時間未満のアルバイト:減額の計算

4時間未満の内職・手伝いで収入を得た日は、その収入の額によって基本手当が減ることがあります。減るかどうかは次の式で決まります。

1日⁠の収入-控除額1,429円 + 基本手当日額 が 賃金日額の80%⁠を超えたら、超えた分を減額

厚生労働省の令和8年7月31日⁠の発表資料の別添1では、次の3つ⁠に分けて説明しています。

計算の結果 扱い
(1日の収入-1,429円) + 基本手当日額 ≦ 賃金日額の80% 全額支給
(1日の収入-1,429円) + 基本手当日額 > 賃金日額の80% 超えた分を減額して支給
1日⁠の収入-1,429円 ≧ 賃金日額の80% その日は不支給

出典:厚生労働省、雇用保険の基本手当日額の変更(令和8年7月31日発表)別添1の2。控除額は令和8年8月1日以降の額。

賃金日額は、離職前6か月⁠に毎月決まって払われた賃金から出した1日あたりの額で、雇用保険受給資格者証の第1面14欄に書かれています。基本手当日額は同じ証の19欄です。自分の数字は手元の受給資格者証で確かめます。

公式の例:内職で収入を得たとき

同じ資料には、賃金日額7,000円⁠、基本手当日額5,201円⁠の60歳未満の人が、28日⁠の認定期間に2日間内職して6,000円⁠を得た例があります。

  • 1日あたりの収入:6,000円 ÷ 2日 = 3,000円
  • 1日あたりの減額:(3,000円 - 1,429円) + 5,201円 - 7,000円 × 80% = 1,172円
  • 認定期間の支給額:5,201円 × 26日 + (5,201円 - 1,172円) × 2日 = 143,284円

内職をしなかった28日分は5,201円 × 28日 = 145,628円なので、2日⁠の内職で2,344円減った計算です。一方、内職で6,000円⁠を得ているので、手元に入るお金の合計は増えています。

自分の数字に当てはめる例

公式の例と同じ式に、仮の数字を当てはめます。賃金日額9,000円⁠、基本手当日額6,013円(同じ資料にある、賃金日額9,000円⁠の60歳未満の人の令和8年8月以降の日額⁠)⁠の人が、1日3時間・時給1,100円⁠のアルバイトをした日です。

  • 1日⁠の収入:1,100円 × 3時間 = 3,300円
  • 収入-控除額+日額:3,300円 - 1,429円 + 6,013円 = 7,884円
  • 賃金日額の80%:9,000円 × 80% = 7,200円
  • 減額:7,884円 - 7,200円 = 684円
  • その日の支給:6,013円 - 684円 = 5,329円

収入が少ない日は減額されないこともあります。この人の場合、1日⁠の収入が1,429円 + 7,200円 - 6,013円 = 2,616円以下なら、全額支給の範囲に収まります。

基本手当日額の上限:令和8年8月1日からの額

減額の計算でも、基本手当日額と賃金日額が出発点です。令和8年8月1日から、年齢ごとの上限額は次のとおりです。

離職時の年齢 賃金日額の上限 基本手当日額の上限
29歳以下 14,900円 7,450円
30〜44歳 16,540円 8,270円
45〜59歳 18,220円 9,110円
60〜64歳 17,400円 7,830円

出典:厚生労働省、雇用保険の基本手当日額が変更になります(令和8年8月1日から)(表番号なし)⁠。下限は全年齢で賃金日額3,203円⁠、基本手当日額2,562円⁠。

8月1日より前から受給している人も、8月1日以降の認定日に返される受給資格者証に、新しい基本手当日額が印字されます。日額が変わった人は、減額の計算も新しい日額で考えます。

失業保険を受け始めた人の数:年齢別のランキング

厚生労働省の令和6年度の雇用保険事業年報から、基本手当(所定給付日数分)⁠を初めて受けた人の数を年齢別に並べました。令和6年⁠度(2024年4月〜2025年3月⁠)⁠の人数で、単位は人です。

順位 年齢 初回受給者数 特定受給資格者 特定以外受給資格者 特定理由離職者
1 45〜59歳 388,874人 93,372人 272,837人 22,665人
2 30〜44歳 318,802人 56,562人 247,029人 15,211人
3 60〜64歳 228,066人 33,712人 186,750人 7,604人
4 29歳以下 214,191人 21,698人 186,141人 6,352人
計 全年齢 1,149,933人 205,344人 892,757人 51,832人

出典:厚生労働省、令和6年度雇用保険事業年報第8表(1)〜(3)⁠、基本手当基本分の①初回受給者数。年齢別の初回受給者数は3つ⁠の区分を足したもの。

初回受給者の78%ほどは、倒産・解雇などの特定受給資格者でも、年報でいう特定理由離職者でもない「特定以外受給資格者」⁠で⁠す⁠。同じ年報の概要の第13表では、基本手当基本分の受給者実人員(年度平均)⁠は令和4年度405,306人⁠、令和5年度423,289人⁠、令和6年度427,403人でした。

この数字は、失業保険を受け始めた人の数です。そのうち何人がアルバイトをしたか、何人が減額されたかは、年報には載っていません。

待期・給付制限の間のアルバイト

ハローワーク神戸の案内では、受給資格決定日から「失業の状態にあった日」⁠が通算7日たつまでが待期で、この間は基本手当が出ません。待期の7日⁠は失業の状態にあった日で数えるので、働いた日は入りません。待期中にアルバイトをすると、その分だけ待期の満了が後ろにずれます。

離職理由によっては、待期のあとに給付制限期間があります。この間の働き方も認定日に申告します。給付制限中に仕事が決まったときの手続きは、ハローワーク渋谷のQ&AのQ1にあるように、採用前にハローワークに連絡します。

週20時間以上⁠の仕事が決まったら:就職の届け出と再就職手当

アルバイトの名目でも、週20時間以上⁠の継続的な仕事に就いたら就職です。ハローワーク神戸の案内では、就職の前日にハローワークに来所して届け出ます。就職日はその事業所に在籍する初日で、初出勤日とは限りません。

新しい職場で雇用保険に入るかどうかは、雇用保険の加入条件⁠で確かめます。基本手当は就職日以降止まりますが、支給残日数などの条件を満たせば再就職手当を受けられます。計算と条件は再就職手当の記事⁠にまとめています。

申告のしかた:失業認定申告書の書き方

失業認定申告書の第1面では、次のように書きます。

  • 1欄:認定期間中に就職・就労・内職・手伝いをしたかを「した」「しない」⁠で選び、カレンダーに就労の日は○、内職・手伝いの日は×を付ける
  • 2欄:内職・手伝いで収入を得た人は、収入のあった日、収入額、何日分の収入かを書く

ハローワークインターネットサービスの記入例では、10月18日⁠に×を付け、2欄に「10月20日・2,000円⁠・2日分⁠」⁠と書いています。収入は、働いた日ではなく、収入があった日の直後の認定日に申告します。給料日が次の認定期間になる場合も、働いた日の印は今回の申告書に付けます。

ハローワーク神戸は、窓口に持っていくメモとして、働いた日、それぞれの労働時間、会社名、給与の締め日と支給日、4時間未満で働いた日の収入額を挙げています。シフト表や給与明細を残しておくと、記入が正確になります。

申告しないと不正受給:返還と納付命令

失業認定申告書の注意書きには、申告しなかったり偽ったりすると、以後の給付が受けられなくなり、不正に受けた額の返還とそれに加えた一定の金額の納付を命じられ、詐欺罪として罰せられることがあると書いています。ハローワークインターネットサービスの雇用保険の具体的な手続きでも、パート、アルバイト、日雇、試用期間などで働いたことを申告しないことや、内職や手伝いの収入を隠すことを、不正受給の例に挙げています。

「少しだけだから」「現金でもらったから」⁠は理由になりません。働いた日は全部書き、収入は分かった時点で申告します。

求人票・面接・しょくばらぼで、その会社の数字を確かめる

失業保険を受けている間のアルバイトは、生活費の足しになる一方で、次の仕事探しの時間とのバランスが要ります。求職活動の実績も、原則として認定期間ごとに2回以上必要です(ハローワーク神戸の案内。初回の認定日は1回⁠)⁠。

次の会社を探すときは、求人票の給与だけでなく、残業時間、有給休暇の取得率、若い人が辞めていないかを並べて見ます。前の会社を辞めた理由と同じことが起きない会社を選ぶためです。会社ごとの実際の数字は、厚生労働省のしょくばらぼで確かめられます。面接では、求人票に書いていない残業や休みの実態を聞き、答えをメモしておきます。

出典

よくある質問

失業保険をもらいながらアルバイトしてもいいですか?

できます。ただし、ハローワークの案内どおり、パート、アルバイト、研修などの名称や収入の有無を問わず、働いた日は認定日に失業認定申告書で申告します。申告しないと不正受給として処分されることがあります。

失業保険中のアルバイトは何時間までですか?

ハローワーク渋谷のQ&Aでは、1日4時間未満は内職・手伝い、4時間以上⁠は就労・就職の扱いです。また、名称がアルバイトでも週20時間以上⁠の継続的な仕事に就いたら就職と扱うとしています。ハローワーク神戸は、週20時間未満なら基本手当の支給は止まらないと案内しています。

1日4時間以上働いた日の失業保険はどうなりますか?

その日の基本手当は支給されず、後ろに繰り越されます。ハローワーク神戸の例では、28日⁠の認定期間に3日働くと25日分が支給され、3日分は受給期間内なら後で受け取れます。受給期間の満了日は変わりません。

4時間未満のアルバイトで失業保険はいくら減りますか?

厚生労働省の令和8年7月31日⁠の発表では、1日⁠の収入から控除額1,429円⁠を引いた額と基本手当日額の合計が賃金日額の80%⁠を超えると、超えた分が減ります。例では賃金日額7,000円⁠、日額5,201円の人⁠が2日⁠で6,000円⁠を得ると、1日1,172円減ります。

待期期間中にアルバイトしてもいいですか?

ハローワーク神戸の案内では、待期は受給資格決定日から失業の状態にあった日が通算7日たつまでの期間です。働いた日は失業の状態ではないため、その分だけ待期の満了が後ろにずれます。働く前にハローワークで確かめます。

アルバイトを申告しないとどうなりますか?

失業認定申告書の注意書きでは、申告しなかったり偽ったりすると、以後の給付を受けられなくなり、不正に受けた額の返還とそれに加えた一定の金額の納付を命じられ、詐欺罪で罰せられることがあると書いています。

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