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フリーランス新法とは?業務委託の取引条件・支払期限・契約解除で確かめること

・ナギサコーポレーション(運営)

この記事の答え

  • フリーランス新法は2024年11月1日施行。取引の適正化と就業環境の整備を定める
  • 発注時の条件明示と原則60日以内⁠の支払いを確認。義務の範囲は発注側の属性や委託期間で異なる
  • 中途解除などの30日前予告は原則6か月以上⁠の継続委託が対象。雇用の解雇予告手当とは別制度

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フリーランス新法は2024年11月1日⁠に施行された、業務委託の取引条件と就業環境を守る法律です。対象の発注事業者には、原則60日以内⁠の報酬支払いなどが求められます。原則6か月以上⁠の継続委託を中途解除するときなどは、少なくとも30日前の予告も必要です。2026年10月23日⁠に公正取引委員会と厚生労働省の公式案内を確認しました。すべての相手・すべての契約に同じ義務がかかるわけではありません。

仕事を受ける前に、業務の範囲、報酬、受け渡す日、支払期日、契約終了の条件を文字で確認します。「あとで相談」「いつもの条件」だけで進めると、追加作業や支払いをめぐる食い違いが起きます。口頭で合意した内容も、発注書やメールなどに残っているかを見ます。

新法が対象にする人と取引を確かめる

正式な法律名は特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律です。フリーランス・事業者間取引適正化等法とも呼ばれます。公正取引委員会のフリーランス法パンフレットで、対象者と義務の全体を確認できます。

法律の対象となる受け手は、業務委託の相手方である事業者で、従業員を使用しない個人や、代表者以外に役員がおらず従業員を使用しない法人などです。日常語のフリーランスと、法律が定義する特定受託事業者は、必ずしも同じ範囲ではありません。

ここでの従業員には定義があります。単に手伝いを頼んだ人がいるかどうかだけで判定しません。人を雇う形態や契約期間などを公式の説明と照らし合わせます。副業で仕事を受ける人も、会社員であることだけを理由に対象外になるわけではありません。

発注する側も、個人か法人か、従業員を使用しているかなどで義務が変わります。従業員を使用しない発注事業者にも取引条件の明示は求められますが、すべての義務が同じようにかかるわけではありません。依頼を受けた相手と、実際に契約する相手が同じかも確認します。

消費者から受ける私的な依頼と、事業者間の業務委託も分けます。自分がフリーランスと名乗っていても、取引の性質によってこの法律の対象になるかは変わります。迷ったときは、相手の属性と仕事の依頼内容がわかる資料を用意して相談します。

発注時に仕事内容と報酬を文字で確認する

取引条件は、業務委託をしたときに直ちに書面または電磁的方法で明示する必要があります。口頭で説明しただけでは足りません。契約書という名前の書類でなければならないわけではなく、発注書、メール、必要事項を記したメッセージなどでも確認します。

受け手が確認したいのは、どんな成果物やサービスを、いつ、どこで提供し、いくらをいつ受け取るのかです。検査をするなら完了期日も見ます。担当者との会話が続いていても、依頼の確定条件が文面にないなら、着手前に明示を求めます。

確認する条件 文面で確かめること
当事者 誰が発注し、誰が受ける契約か
委託日 いつ依頼が成立したか
業務の内容 作るもの、行う作業、対応範囲
受領・提供の日 納品日やサービス提供日
場所 納品先、作業や提供の場所
検査 検査するなら完了期日
報酬 金額と支払期日
支払方法 現金以外なら必要な支払方法の事項

出典:公正取引委員会、フリーランス法パンフレット、取引条件の明示義務の説明。法定の明示事項を確認用に整理しています。

報酬額などを発注時に定められない正当な理由があるときは、未定の理由と、内容を決める予定期日などの明示が必要です。「未定」⁠と書けばいつまでも決めなくてよいという意味ではありません。確定した内容は、当初の依頼との関係がわかるように補充してもらいます。

継続取引で共通する条件を別紙にまとめる扱いもあります。そのときは、今回の注文がどの共通条件を参照するのかを確認します。後から共通条件のページが更新されることもあるため、受注時点の版を保存します。閲覧用のリンクだけで終わらせず、見られなくなる前に内容を残します。

実務で聞くなら「【依頼された業務】について、【納期】⁠と【報酬額】⁠、支払期日、検査の有無を書面またはメールで確認したいです⁠」⁠と伝えます。修正対応が必要な仕事なら、どこまでが当初の報酬に含まれるのかも合わせて確認します。

支払期日は原則として受領から数える

対象となる発注事業者は、給付を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間に支払期日を定め、その期日までに支払う必要があります。サービスの提供では、役務の提供を受けた日など、仕事の性質に応じた起算日を確認します。

請求書をいつ出したかだけで起算日が決まるわけではありません。検査が終わっていないという説明があっても、検査日を理由に自由に支払期限を先送りできる制度ではありません。納品した記録と、相手が受け取った記録を残します。

再委託には例外があります。再委託であること、元委託者の名称、元委託業務の対価の支払期日など必要事項を明示したときは、元委託支払期日から30日以内のできる限り短い期間に支払期日を定める扱いがあります。単に「元の発注者からまだ入金されていない⁠」⁠と言うだけでは、例外の条件を確認したことにはなりません。

支払日が過ぎたら、感情的なやり取りを重ねる前に、発注条件、受領日、請求書、約束した支払日、入金履歴を並べます。金額に争いがあるのか、支払時期だけが遅れているのかを分けると、相談窓口に経緯を伝えやすくなります。

月をまたぐ契約では、どの納品分に対する入金かも確認します。入金の総額が合っているように見えても、未払いの注文が残っていることがあります。仕事ごとの管理番号や件名で、発注・納品・請求・入金の記録をつなげておきます。

継続委託では報酬減額や不当なやり直しも確認する

対象の発注事業者が1か月以上⁠の業務委託をする場合には、受領拒否、報酬の減額、返品、買いたたき、購入・利用強制、不当な経済上の利益の提供要請、不当な給付内容の変更・やり直しが禁止されます。更新して継続する契約も、期間の判断を確認します。

受け手の責任ではないのに、後から報酬を減らされたり、納品を受け取ってもらえなかったりしたら、理由と依頼内容を記録します。やり直しの依頼も、それだけで全部違反とは決めず、当初の条件との違い、誰の事情で変わったか、費用負担がどうなっているかを確認します。

起きたこと 残しておく記録
報酬の減額を告げられた 当初の金額、変更額、説明された理由
納品を拒まれた 発注内容、納品日時、拒否の説明
修正が増え続ける 当初の仕様、修正依頼、追加費用の合意
商品購入を求められた 購入と仕事の受注の関係がわかる文面
無料作業を求められた 作業の目的、範囲、断った際の説明

出典:公正取引委員会、フリーランス法パンフレット、禁止行為の説明を踏まえた相談用の整理です。各事案の違法性を判定する表ではありません。

仕事を続けたいからといって、依頼の変更をすべて口頭で受ける必要はありません。「当初の【仕様】⁠か⁠ら【変更内容】⁠が増えるため、納期と追加費用を確認したいです」⁠と⁠、変更前後を並べます。相手の意図を推測するより、何が変わるかを具体的にします。

ハラスメント対策と相談先を受注前に確認する

対象の発注事業者には、ハラスメントに関する方針の明確化と周知、相談体制の整備、発生後の対応などが求められます。契約期間が短いことだけで、この対策の対象から外れるわけではありません。仕事の窓口と、困ったときの相談窓口が同じかも確認します。

発注担当者との関係で困ったときに、その担当者にしか相談できないと話が進みません。相談窓口の連絡先、どんな内容を受け付けるか、相談後にどう対応するかを受注前に確認します。契約書や共有ページに案内があるなら、保存しておきます。

相談したことや、事実確認に協力したことなどを理由に不利益な取扱いをしないことも確認します。相談した日時、伝えた内容、返ってきた説明を残します。関係者の個人情報を広く公開するのではなく、相談に必要な範囲で窓口に伝えます。

怖さや負担があるときは、担当者との直接交渉を続けることを前提にしません。社内の相談先が使えないなら、外部の窓口に経緯を整理して伝えます。証拠を完全にそろえてからでなければ相談できないと考える必要もありません。

中途解除の予告は継続期間と例外を見る

原則6か月以上⁠の継続的業務委託を解除したり、更新しなかったりするときは、対象の発注事業者は少なくとも30日前に予告する必要があります。更新によって6か月以上継続する場合も含まれます。契約期間だけでなく、基本契約や更新の実態を確認します。

予告の日から契約が終了するまでの間に理由の開示を請求したときは、原則として遅滞なく理由を開示する扱いです。通知を受けたら、終了日、終了する契約の範囲、予告の理由を分けて確認します。仕事の一部が終わるのか、取引そのものを止めるのかも聞きます。

災害などで予告が困難なときや、受け手の責めに帰すべき事由があるときなど、例外もあります。「契約に即時解除できると書いてあるから」という説明だけで、法定の予告が当然に不要になるわけではありません。公式パンフレットの例外要件と、相手の説明を照らし合わせます。

この30日前予告は、会社員の解雇予告とは別です。フリーランス新法の予告がなかったら自動的に30日分の報酬が支給される、と扱うことはできません。契約上の清算や損害の扱いを含め、個別の事情で相談します。

フリーランスの人数が多い産業のランキング

令和4年就業構造基本調査から、本業がフリーランスの人数を産業別に多い順で並べました。対象は全国の本業がフリーランスの人、単位は万人です。平均・中央値ではなく人数の推計値で、資料の小数の値をそのまま使っています。

順位 産業 人数
1 建設業 49.7万人
2 学術研究・専門・技術サービス業 36.7万人
3 サービス業(他に分類されないもの) 18.2万人
4 卸売業・小売業 17.5万人
5 不動産業・物品賃貸業 16.4万人
6 製造業 16.2万人
7 情報通信業 15.3万人
8 教育・学習支援業 12.5万人
― 全産業の総数 209.4万人

出典:総務省統計局、令和4年就業構造基本調査、結果の概要⁠の表6-2。産業別人数の上位8区分。2026年10月23日確認。

この調査のフリーランスの定義と、法律の特定受託事業者の定義は一致しません。人数をそのまま法律の保護対象者数と呼ぶことはできません。副業だけがフリーランスの人も、この表の本業の人数には含めていません。

人数が多い産業でも、契約書を見なくてよいわけではありません。反対に人数が少ない産業でも、法律の対象となる取引はあります。業界の慣行という説明と、実際の発注条件を分けて確かめます。

業務委託という名前でも働き方の実態を確認する

業務委託は、仕事の完成や業務の遂行を依頼する取引で、請負、委任、準委任などの契約が使われます。雇用されて指揮命令の下で働く関係とは、契約上の立場が違います。ただし、契約書の表題だけで労働者ではないと決まるわけではありません。

厚生労働省の労働者とはの説明は、仕事を断る自由、業務の指示、時間や場所の拘束、報酬の性質などから総合判断するとしています。特定の項目に当てはまっただけで、自分が必ず労働者だと断定しません。

実態に疑問があれば、業務指示、勤務の記録、契約書、報酬の支払い方を整理し、労働基準監督署の相談窓口へ伝えます。取引条件のトラブルと、労働者に当たる可能性の問題は、相談の中で切り分けます。

報酬を受け取った後の税金は、取引条件の適正化とは別の確認です。副業の確定申告と、会社員として別の勤務先でも働くときのダブルワークの社会保険も、契約形態に応じて確認します。

追加依頼を受けたら納期と報酬を確認し直す

当初の仕事が進んだ後で別の作業を頼まれたら、元の契約の範囲か、新しい依頼かを確認します。同じ担当者からの連絡でも、業務の内容が広がっていることがあります。受ける前に、当初の発注条件と今回の依頼を並べておきます。

納期を動かさず作業だけを増やす依頼なら、必要な対応と費用を文字で相談します。「対応できます」という返事だけで終わると、追加費用を含めて合意したのかがわからなくなります。納期、報酬、受け渡す内容について、何が変更になったかを文面に残します。

依頼を断ったときの説明も保存します。断る自由が実際にあるかは、労働者性の確認でも関係する情報です。ただし、依頼の断りにくさだけで法律上の労働者と決まるわけではありません。やり取り全体を相談先に示して判断を求めます。

契約終了時は作業済みの範囲を整理する

終了の連絡を受けたら、すでに納品したもの、制作途中のもの、まだ着手していないものを分けます。請求済みの報酬と未請求の作業も分けて、どこに争いがあるかを確認します。今後の仕事がなくなることと、すでに提供した仕事の支払いは別に整理します。

途中のデータを渡すよう求められたときは、引渡しの範囲や利用条件を契約で確認します。契約に書かれていない点は、追加の合意が必要かを相談します。終了することが決まったからといって、清算の条件まで自動的に一致したとは考えません。

相談用の記録には、相手の説明と自分の希望を別々に書きます。相手が何を言ったのかという事実と、こう扱ってほしいという要望が区別されていると、窓口も問題の所在をつかみやすくなります。相手の内心や業界の噂を付け足す必要はありません。

募集の表示と発注条件に違いがないか確認する

募集で見た報酬や仕事内容は、実際の発注条件と並べて読みます。話が進むうちに作業が増えていたり、報酬の計算単位が変わったりしていないかを確認します。月額の表示と、成果物ごとの表示では、受け取る額の前提が違います。

受注後の稼働を考えるときは、打合せ、修正、納品後の問い合わせ対応がどこまで含まれるかも聞きます。作業時間を自分で見積もるための質問と、法定の明示事項を確認する質問を分けると、条件書の不足がわかります。仕事の範囲が不明なまま、報酬だけで比較しないようにします。

窓口が仲介者であるときは、誰が発注者として条件を示し、誰が報酬を支払うかを確認します。連絡を取る人と契約の当事者が違うと、条件変更の合意を誰とするのかがあいまいになります。契約相手がわからない点は、作業を進める前に文字で確認します。

受注先の運用は条件書と面談で確かめる

契約に困ったときは、公正取引委員会のフリーランス法特設サイト⁠で案内されているフリーランス・トラブル110番などの窓口を使います。契約書、条件のメール、納品の記録、入金状況を持って、何が未解決かを伝えます。

次の受注先を探すときは、募集表示と条件書、面談の説明を比べます。修正の範囲、経費の負担、支払い、終了時の清算が空欄なら、始める前に確認します。雇用での転職も比べるなら、厚生労働省のしょくばらぼの職場情報も確認します。ただし、掲載された従業員の数字を業務委託の待遇として読み替えることはできません。

契約の名前より、文字で示された条件と実際の運用を見ます。その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめます。

よくある質問

フリーランス新法はいつからですか?

公正取引委員会のフリーランス法パンフレットで、2024年11月1日施行と確認できます。業務委託の取引条件の明示や、発注側の属性に応じた報酬支払い、就業環境の整備を定めています。

支払いはいつまでに受けられますか?

公正取引委員会の同パンフレットでは、対象の発注事業者は給付を受領した日から原則60日以内のできる限り短い期間に支払期日を定めます。再委託には必要事項の明示などを条件とした例外があります。

短い仕事にも全部の義務が適用されますか?

公正取引委員会の同パンフレットでは、報酬減額などの禁止は1か月以上⁠、育児介護等への配慮と中途解除等の予告は6か月以上⁠の業務委託が対象です。条件明示などは別に確認します。

契約を切られたら30日分の報酬が出ますか?

公正取引委員会の同パンフレットが示すのは、原則6か月以上⁠の継続委託での30日前予告などです。雇用の解雇予告手当とは別で、30日分の報酬を当然に請求できる制度と説明することはできません。

業務委託なら労働基準法は関係ありませんか?

厚生労働省の労働者とはの説明では、契約名ではなく実態を総合判断します。2024年11月1日から労基署に労働者性に疑義がある人の相談窓口が設けられています。自分だけで該当すると断定せず相談します。

フリーランスはどの産業に多いですか?

総務省統計局の令和4年就業構造基本調査、結果の概要表6-2では、本業がフリーランスの人数は建設業49.7万人⁠、学術研究・専門・技術サービス業36.7万人⁠の順です。法律の対象者数ではありません。

気になる会社の「ホント」⁠を⁠、会社に聞いてみませんか。

残業、休み、評価のしかた、職場の雰囲気。求人票に書いていないことを質問すると、会社に回答をお願いして、届いた答えをこのサイトに載せます。まだ載っていない会社にもリクエストできます。無料で、名前やメールアドレスは会社に伝わりません。

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