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セクハラ・マタハラの定義:会社がとるべき措置と相談先

・ナギサコーポレーション(運営)

この記事の答え

  • 令和7年度の男女雇用機会均等法に関する相談は21,320件⁠。セクシュアルハラスメントが8,723件で最多
  • セクハラは対価型と環境型。妊娠・出産のハラスメントは制度等の利用への嫌がらせ型と状態への嫌がらせ型
  • 会社には窓口整備、事実確認、被害者への配慮、再発防止などが必要。社内だけで解決できないときは労働局に相談する

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セクハラは、職場での意に反する性的な言動への対応で労働条件上の不利益を受けたり、その言動で働く環境が害されたりすることです。マタハラは、妊娠・出産や関連する制度の利用をめぐる嫌がらせなどを指します。厚生労働省の令和7年度の集計で、男女雇用機会均等法に関する相談は21,320件⁠、うちセクシュアルハラスメントは8,723件⁠で最多でした。

制度と統計の確認日は2026年10月23日です。嫌だった出来事がどの名称に当たるかを、自分だけで決め切る必要はありません。発言、行動、業務や体調への影響を記録し、社内窓口や労働局の雇用環境・均等部(室)⁠に相談します。

セクハラは対価型と環境型に分かれる

厚生労働省のセクシュアルハラスメント防止指針は、男女雇用機会均等法11条⁠に基づく措置を説明しています。令和8年10月1日適用の指針を確認しました。

型 何が起きるか 記録する事実
対価型 性的な言動への対応によって不利益を受ける 断った内容、その後の配置や評価などの扱い
環境型 性的な言動によって就業環境が害される 言動の内容、頻度、仕事に出た支障

出典:厚生労働省、セクシュアルハラスメント防止指針、2の職場におけるセクシュアルハラスメントの内容。

対価型は、性的な要求を拒否したことなどに対して、解雇、降格、減給、不利益な配置などが行われる形です。相手が好意を持っていたか、冗談のつもりだったかだけで判断するものではありません。要求と不利益な扱いの事実を分けて記録します。

環境型は、性的な発言、身体への接触、性的な画像の掲示などによって、働くうえで支障が生じる形です。必ず給与が下がらなければ対象にならない、という制度ではありません。仕事に集中できない、出勤が苦痛になるなど、何が起きたかを具体的に伝えます。

性別や交際の有無だけでは決まらない

被害を受ける人は女性に限りません。男性も対象で、同性に対する性的な言動も含まれます。性的指向や性自認にかかわらず、意に反する性的な言動であるかなどを見ます。「同性同士だからセクハラではない」という説明は適切ではありません。

明確に拒否しなかったから問題がない、とも言い切れません。立場や人間関係のために拒否を伝えにくいことがあります。相談するときは、当時どう反応したか、なぜその反応をしたかも、覚えている範囲で伝えます。相手の意図を推測する必要はありません。

不快に感じたことだけから、個別の行為が法的に必ずセクハラに当たると断定することもできません。経緯や周囲の状況などを含めて確認されます。ただし、その判断が終わるまで相談を待つ必要はありません。

出張先や取引先で起きたことも職場の問題になる

指針でいう職場は、普段の事務所だけではありません。業務を行う場所には出張先や取引先なども含まれます。勤務時間外の会食でも、実質的に職務の延長と認められるものは対象になり得ます。場所や時刻だけで切り分けず、仕事との関係を整理します。

相手も上司だけとは限りません。同僚、取引先、顧客などからの言動も問題になります。会社の従業員ではない人が相手だからといって、社内窓口への相談を諦める必要はありません。

正社員だけでなく、パート、契約社員なども対象です。派遣では派遣元と派遣先の関係も含めて確認します。自分の雇用主がどこかに加えて、実際に指示を受ける職場で何があったかを伝えると、相談先が状況を把握しやすくなります。

就活中や採用面接での性的な言動も、働き始めてからの問題と混同せず、厚生労働省の最新案内で相談先を確認します。雇用契約前であることだけを理由に、何も相談できないと思い込まないようにします。

マタハラは制度利用と妊娠・出産の状態を分ける

厚生労働省の妊娠・出産等に関するハラスメント防止指針は、制度等の利用への嫌がらせ型と状態への嫌がらせ型を示しています。

根拠条文の番号にも注意が必要です。以前の資料では男女雇用機会均等法11条⁠の3と書かれていますが、令和8年10月1日適用の指針では15条⁠に基づく措置として記載されています。古い条番号を、確認日現在の番号としてそのまま使わないようにします。

型 問題になる言動の内容 確認すること
制度等の利用への嫌がらせ型 産休などの利用を妨げる、利用に伴い嫌がらせをする 使おうとした制度と相手の言動
状態への嫌がらせ型 妊娠・出産したことなどを理由に嫌がらせをする 伝えた事実と、その後に起きたこと

出典:厚生労働省、妊娠・出産等に関するハラスメント防止指針、2の内容。令和8年10月1日適用。

制度利用の相談をしたら退職をほのめかされた、申請を繰り返し取り下げるよう迫られた、といった事実を整理します。妊娠したことを理由とする言動なら、いつ伝えたか、その後どのような発言や対応があったかを残します。

会社が行う不利益取扱いと、上司や同僚による就業環境を害する言動は、分けて相談します。同じ出来事に両方の問題が含まれることもあります。辞令や契約更新の説明と、日常の嫌がらせを時系列で並べると、関係がわかりやすくなります。

安全配慮や業務調整の話し合いとは区別する

指針は、客観的に見て業務上の必要性に基づく業務分担や安全配慮などの言動は、ハラスメントに該当しないとしています。引き継ぎや勤務予定の確認が、すべて嫌がらせになるわけではありません。

ただし、業務上の調整という名目があれば何でも許されるわけでもありません。本人の希望を確認せず制度利用を断念させるなど、具体的な言動を見ます。担当変更があったら、変更の理由、説明、本人への確認、給与への影響を分けて記録します。

妊娠や体調に関する情報は、相談に必要な範囲で伝えます。職場全体へ詳しく公表することと、担当窓口が事実確認のために把握することは違います。誰まで共有されるのかを相談時に確かめます。

パタハラは男性の育休などの利用を妨げる問題

男性が育児休業などを利用することへの嫌がらせは、一般にパタハラと呼ばれます。法令上の確認では、育児・介護休業法25条と、厚生労働省の育児休業等に関するハラスメント防止の指針⁠を読みます。対象は男女の労働者です。

育児休業の申出を妨げる、利用したことで繰り返し嫌がらせをするなど、制度利用に関する言動で就業環境が害される問題を扱います。妊娠・出産の状態への嫌がらせ型を、そのまま男性の育休の説明に当てはめるのではありません。

育休の相談とハラスメントの相談は、必要なら並行して進めます。育休の期間や申出の手続きを知りたいときは育休の期間と延長の条件⁠で確認できます。手続きを進めたいのか、言動を止めてほしいのか、両方なのかを窓口に伝えます。

相談内容別ランキングではセクハラが最多

厚生労働省の令和7年度雇用均等関係法令の施行状況表2−1で、男女雇用機会均等法に関する相談内容を件数の多い順に並べました。全国の都道府県労働局雇用環境・均等部(室)⁠で扱った相談です。個人の被害率や、違法行為と認定された人数ではありません。

順位 相談内容 件数 構成比
1 セクシュアルハラスメント 8,723件 40.9%
2 婚姻・妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い 5,721件 26.8%
3 母性健康管理 2,984件 14.0%
4 妊娠・出産等に関するハラスメント 1,663件 7.8%
5 その他 1,153件 5.4%
6 性差別 1,076件 5.0%

出典:厚生労働省、令和7年度の都道府県労働局雇用環境・均等部(室)⁠に⁠お⁠け⁠る雇用均等関係法令の施行状況、5ページ・表2−1。単位は件・%。年度内の相談件数で、平均や中央値ではない。

合計は21,320件です。性差別の区分には募集・採用、配置・昇進、教育訓練、間接差別等が含まれます。構成比は資料の公表値をそのまま載せています。資料中の条番号は対象年度当時の区分で、現在の指針の番号とは分けて読みます。

順位が低い相談内容でも、本人が受けた影響が軽いという意味ではありません。相談に来なかった出来事は集計されないため、この数字だけで実際の発生件数や企業ごとの危険度を測ることもできません。

会社は窓口の設置から再発防止まで対応する

各指針では、相談先を用意するだけでなく、事案が起きた後の対応も求めています。相談窓口があるという説明を聞いたら、誰が受け付け、どう事実確認をし、結果をどう知らせるかまで確認します。

会社の対応 相談する側が確認する点
方針を明確にして周知 禁止する言動、行為者への対応が説明されているか
相談に対応する体制 直属の上司以外へ相談できるか
迅速で正確な事実確認 何を誰から確認する予定か
被害者・行為者への適切な対応 接触を避ける措置などをどう検討するか
再発防止 周知や職場の仕組みをどう見直すか
プライバシー保護・不利益取扱い防止 情報を誰が知り、何を共有するか

出典:厚生労働省、各ハラスメント防止指針の事業主が講ずべき措置。

妊娠・育休等のハラスメントでは、業務体制の整備など背景となる要因への対応も含まれます。休む人を責めるだけでは、制度を利用できる職場になりません。引き継ぎや人員配置をどう調整するかは会社の取り組みとして確認します。

相談や事実確認への協力を理由に、解雇などの不利益な扱いをしないことも必要です。「相談したら不利になる」⁠と言われたときは、その発言自体も記録します。望む対応を伝えることと、事実確認に協力することを分けて整理します。

パワハラとの違いはラベルより言動で伝える

労働施策総合推進法のパワハラは、優越的な関係を背景とする言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超え、就業環境を害するものです。厚生労働省のパワーハラスメント防止指針は、これらの要素を満たすものを扱います。適正な業務指示や指導は含まれません。

性的な発言と威圧的な指導、育休の妨害などが重なることもあります。相談前にどれかに分類し切る必要はありません。いつ、どこで、どのような言葉や行動があり、何が変わったかを伝えます。

「自分の能力が足りないから仕方ない⁠」⁠とまとめると、確認すべき言動が見えなくなります。仕事のミスの事実と、相手がとった対応を分けます。注意された内容が妥当かという問題と、性的な発言や脅しがあったかという問題は別に確認できます。

相談前には日時・言動・影響を残す

メモには【日時】【場所】【言われた言葉・された行動】【同席者の有無】【仕事や体調への影響】【相談した先と回答】⁠を書きます。正確に思い出せない部分は、不明と残します。後から推測で会話を足すより、確実な事実と記憶が曖昧な点を分けるほうが相談に使えます。

メールやチャット、申請の履歴、契約や配置の通知があれば、出来事との関係を整理します。公開の場に相手や自分の情報を掲載する必要はありません。相談先に見せる資料として、必要な範囲で扱います。

相談するときは「言動を止めたい」「接触を避けたい」「制度の申請を進めたい」「今後の対応を知りたい」⁠と⁠、希望も伝えます。希望がまだ決まらなくても、そのまま相談できます。記録が十分に揃うまで、つらい状況を続ける必要はありません。

相談窓口には望む対応と共有範囲を伝える

社内窓口に相談するときは、受付担当がその後も対応するのか、別の部署や外部の担当へ引き継ぐのかを聞きます。直属の上司が相談の相手方であるなら、その上司を経由しない連絡方法を確認します。相談のたびに同じ説明を繰り返す負担があるときは、時系列のメモを渡す方法も使えます。

事実確認では、相手や周囲への聞き取りが必要になることがあります。秘密にしてほしいという希望を伝えたうえで、どの段階で誰に何を伝えるかを確認します。誰にも一切知らせずに必ず解決できる、と自分だけで前提を置かないことです。

相談後の連絡方法も決めます。職場で電話を受けにくいなら、連絡可能な方法や時間を伝えます。回答を待っている間に新たな言動があったときは、最初の相談とは別の日付で記録して、窓口へ追加で知らせます。

接触を避ける対応は本人の負担も確認する

席や業務の変更を提案されたら、相手と接触しなくて済むかに加え、自分の仕事や通勤、評価にどのような影響が出るかを聞きます。被害者への配慮として何が行われるかは、本人の意向を踏まえて検討されるものです。変更の目的と期間が曖昧なら、説明を求めます。

言動が止まっても、休暇の申請や業務の分担が進まない問題が残ることがあります。ハラスメント対応の結論と、制度を利用する手続きを別に確認します。「相談は終了しました」⁠と言われたときも、未解決の事項があれば、何が残っているかを具体的に伝えます。

社外へ相談するときは、社内で何を伝え、どのような回答を受けたかを持参すると経緯を説明しやすくなります。社内相談をしていなくても、その理由を伝えて相談できます。窓口を利用する前に、すべての交渉を自分で終える必要はありません。

相談後に仕事の割り振りや評価が変わったときは、変更の事実と説明された理由を残します。すべてが相談への報復だと即断するのではなく、以前との違いと会社の説明を窓口に伝えます。相談者への不利益取扱いの問題も含めて確認を求められます。

面談の記録は決まったことと未回答を分ける

窓口と話した後は、対応すると説明された内容、まだ調査する内容、次の連絡の予定を分けて残します。何が決まったか曖昧なら、理解した内容を短く伝えて確認します。相談者と会社で予定の理解が違うまま待ち続けることを防げます。

事実関係の聞き取りを受けるときは、自分で見聞きした部分と、他の人から聞いた部分を分けます。相手の評価や性格を説明するより、実際の発言や行動、起きた順番を伝えます。覚えていない部分は無理に埋めず、不明と説明して構いません。

同じ職場の人に相談したことがあるなら、その日時と伝えた内容も整理します。周囲に広く説明し直すことより、必要な窓口に正確な情報が届くことを優先します。窓口の担当者への連絡が難しいときは、別の担当や社外窓口への相談方法を確認します。

相談することで休暇や勤務の調整が必要になったら、その手続きも聞きます。ハラスメントの判断結果を待つことと、現在の心身や就業の困難に対応することを分けて相談できます。必要な対応を言葉にしにくければ、今できなくなっている仕事や生活上の支障から伝えます。

社外の相談先と応募先の対応を確かめる

厚生労働省のハラスメント対策の公式案内から、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)⁠を確認できます。社内窓口が機能しないときや、会社に伝える前に相談したいときも利用します。賃金や労働時間の相談は労働基準監督署への相談との違いを確認します。

転職先には、相談窓口、相談後の流れ、育休等の申請方法、配属先の引き継ぎ体制を聞きます。採用資料の「風通しがよい」だけでは、相談の仕組みはわかりません。公開情報の調べ方は企業研究のやり方⁠で整理できます。

厚生労働省のしょくばらぼで育休取得や働き方の情報を読み、面接の説明と照合します。全国の相談件数を、応募先の発生件数として使うことはできません。その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめます。

よくある質問

セクハラの定義は何ですか?

厚生労働省のセクシュアルハラスメント指針では、職場での意に反する性的な言動への対応による労働条件上の不利益や、性的な言動による就業環境の悪化を扱います。対価型と環境型の2つ⁠があり、同性間も対象です。

マタハラには何が含まれますか?

厚生労働省の妊娠・出産等ハラスメント指針では、制度等の利用への嫌がらせ型と状態への嫌がらせ型を示しています。令和7年度の男女雇用機会均等法関係の相談では、妊娠・出産等に関するハラスメントは1,663件でした。

男性の育休への嫌がらせも相談できますか?

相談できます。厚生労働省の育児・介護休業法の指針は男女の労働者を対象とし、同法25条⁠に基づく防止措置を説明しています。育休などの制度利用を妨げる言動は、事実を整理して相談します。

会社の相談窓口は設置だけで十分ですか?

十分ではありません。厚生労働省の各ハラスメント指針は、相談対応、迅速で正確な事実確認、配慮、再発防止などを求めます。令和7年度の均等法相談21,320件⁠は窓口への相談の集計で、会社の違反認定件数ではありません。

証拠が揃わないと相談できませんか?

揃っていなくても相談できます。厚生労働省の指針は、該当するか微妙なものも広く相談対応する扱いです。令和7年度の均等法関係のセクハラ相談は8,723件⁠。自分で法的な結論を出してから相談する必要はありません。

相談先は労働基準監督署ですか?

ハラスメント防止措置や妊娠・育休を理由とする不利益取扱いは、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)⁠が相談先です。厚生労働省の令和7年度法施行状況は均等法関係の相談21,320件⁠を計上しています。賃金や労働時間の問題は別の担当につながることもあります。

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