週休3日制の会社は、まだ少数です。厚生労働省の令和7年就労条件総合調査では、何らかの週休3日制が適用されている労働者は2.4%、毎週3日休める完全週休3日制は0.2%でした。会社で最も多くの人に適用される週休制で数えると、何らかの週休3日制の企業は0.9%です。
業種と規模で差があり、卸売業・小売業や運輸業・郵便業、1,000人以上の企業で割合が高くなっています。国家公務員は2025年4月から、勤務時間の総量を保ったまま、週1日を限度に勤務しない日を選べるようになりました。週休3日の求人を見るときは、休日の数だけでなく、1日の時間と給与の決め方を一緒に確かめます。この記事の数字と制度は、2026年10月25日に確かめました。
調べた資料:就労条件総合調査の「週休制の形態」
使う資料は、厚生労働省の令和7年就労条件総合調査です。常用労働者30人以上の民営企業を対象に、令和7年1月1日現在の週休制などを調べています。結果の概要は概況の労働時間の章に、業種別の値はe-Statの原表第4表にあります。
調査では、週休制を次のように分けています。言葉が似ているので、先に整理しておきます。
| 区分 |
中身 |
| 完全週休2日制 |
毎週2日休み |
| 完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度 |
月3回、隔週、月2回、月1回の週休2日制など |
| 何らかの週休3日制 |
下の2つを合わせたもの |
| 完全週休3日制より休日日数が実質的に少ない制度 |
月3回、隔週、月2回、月1回の週休3日制など |
| 完全週休3日制 |
毎週3日休み |
| 完全週休3日制より休日日数が実質的に多い制度 |
月1回以上、完全週休3日より多く休む。3勤4休など |
出典:厚生労働省、令和7年就労条件総合調査の概況、第2表と第3表の注。
ニュースで「週休3日」と言われるとき、毎週3日休める形を思い浮かべがちです。統計では、月に1回だけ週休3日になる制度も「何らかの週休3日制」に入ります。数字を見るときは、どの区分の値かを確かめます。
企業の割合と、労働者の割合は違う
概況の第2表は、企業で最も多くの労働者に適用される「主な週休制」で企業を数えた割合です。第3表は、それぞれの週休制が適用されている労働者の割合です。会社の一部の部署だけが週休3日制だと、企業の割合には出にくく、労働者の割合には出ます。この記事のランキングは、労働者の割合を使います。
週休3日制の割合:適用される労働者は少数
| 区分 |
企業の割合 |
労働者の割合 |
| 何らかの週休2日制 |
92.6% |
94.4% |
| うち完全週休2日制 |
65.5% |
73.3% |
| 何らかの週休3日制 |
0.9% |
2.4% |
| うち完全週休3日制 |
0.0% |
0.2% |
| 完全週休3日制より休日日数が実質的に多い制度 |
0.2% |
0.2% |
| 週休1日制又は週休1日半制 |
5.6% |
3.0% |
出典:厚生労働省、令和7年就労条件総合調査の概況、第2表(主な週休制の形態別企業割合)と第3表(週休制の形態別適用労働者割合)。
何らかの週休3日制が適用される労働者は、2.4%です。前の年の調査では3.1%だったので、令和7年は下がっています。企業の割合も、前の年の1.6%から0.9%に下がりました。毎週3日休める完全週休3日制は、労働者の0.2%です。
広がっているのは、完全週休2日制のほうです。完全週休2日制の企業の割合は、前の年の56.7%から65.5%に上がっています。週休3日の話題は増えても、統計で見ると、多くの会社はまず毎週2日休める形を整えている段階です。
業種別ランキング:卸売業・小売業が5.3%で最も高い
| 順位 |
業種 |
何らかの週休3日制 |
うち完全週休3日制 |
完全週休2日制 |
| 1 |
卸売業、小売業 |
5.3% |
0.2% |
69.8% |
| 2 |
運輸業、郵便業 |
5.0% |
0.0% |
39.7% |
| 3 |
宿泊業、飲食サービス業 |
4.0% |
1.0% |
67.9% |
| 4 |
鉱業、採石業、砂利採取業 |
3.5% |
- |
47.2% |
| 5 |
電気・ガス・熱供給・水道業 |
2.2% |
0.1% |
87.2% |
| 6 |
教育、学習支援業 |
2.1% |
0.0% |
62.6% |
| 7 |
医療、福祉 |
2.0% |
0.2% |
73.9% |
| 8 |
サービス業(他に分類されないもの) |
1.9% |
0.2% |
66.2% |
| 9 |
製造業 |
1.8% |
0.2% |
75.3% |
| 10 |
生活関連サービス業、娯楽業 |
1.4% |
0.2% |
63.0% |
| 11 |
学術研究、専門・技術サービス業 |
1.3% |
0.2% |
89.8% |
| 12 |
金融業、保険業 |
0.8% |
0.0% |
98.3% |
| 13 |
建設業 |
0.7% |
0.0% |
76.5% |
| 13 |
不動産業、物品賃貸業 |
0.7% |
0.1% |
80.4% |
| 15 |
情報通信業 |
0.4% |
0.2% |
96.7% |
| 16 |
複合サービス事業 |
0.0% |
- |
92.8% |
| ― |
調査産業計 |
2.4% |
0.2% |
73.3% |
出典:厚生労働省、令和7年就労条件総合調査、原表第4表(企業規模、産業、週休制の形態別適用労働者割合)の企業規模計。適用労働者には、監視・断続労働の人や管理監督者など、労働時間の定めのない人を含みません。「-」は該当なし、0.0%は表の「0」です。公表値が同じ業種は同順位としています。
上位は、店舗や物流など、日によって人の配置が変わる業種です。卸売業・小売業を分けると、小売業は8.9%、卸売業は1.1%でした。運輸業・郵便業は、完全週休2日制が39.7%と低く、月3回や隔週の週休2日などの制度が42.3%を占めています。
毎週3日休める完全週休3日制に限ると、宿泊業・飲食サービス業の1.0%が最も高く、ほかの業種は0.2%以下です。ランキング上位の業種でも、多くは月に何回か週休3日になる形と読めます。
上位4業種は、どれも完全週休2日制の割合が全体の73.3%を下回っています。運輸業・郵便業の完全週休2日制は39.7%で、16業種の中で最も低い値です。店舗や物流のように毎日動く職場では、休みの形も人によって違いやすいと読めます。
一方、情報通信業や金融業・保険業は、完全週休2日制が9割を超えています。週休3日制の割合は低くても、毎週2日の休みはほぼそろっている業種です。業種ごとの年間休日の平均は、年間休日の平均の記事で比べられます。
3勤4休などは別の区分に入る
調査には、完全週休3日制よりさらに休みが多い「完全週休3日制より休日日数が実質的に多い制度」という区分もあります。調査の注では、月1回以上、完全週休3日より多く休む制度で、3勤4休などを指すとしています。何らかの週休3日制の2.4%には含まれず、別に数えられています。
原表第4表で、この区分が適用される労働者は全体で0.2%です。業種別では、鉱業・採石業・砂利採取業が3.2%、宿泊業・飲食サービス業が1.0%、サービス業(他に分類されないもの)が0.7%でした。1日の勤務時間がかなり長くなる働き方なので、休みの多さだけで選ばず、1回の勤務の長さと夜勤の有無を確かめます。
企業規模別:大きい会社ほど割合が高い
| 企業規模 |
何らかの週休3日制 |
うち完全週休3日制 |
完全週休2日制 |
| 1,000人以上 |
4.0% |
0.2% |
79.0% |
| 300〜999人 |
2.5% |
0.1% |
74.8% |
| 100〜299人 |
1.3% |
0.3% |
72.3% |
| 30〜99人 |
1.0% |
0.1% |
63.8% |
| 計 |
2.4% |
0.2% |
73.3% |
出典:厚生労働省、令和7年就労条件総合調査の概況、第3表。適用労働者の割合。
規模が大きいほど、何らかの週休3日制の割合は高くなっています。原表第4表で、1,000人以上の企業を業種別に見ると、小売業は18.4%、運輸業・郵便業は15.6%でした。大手の小売や物流では、一部の働き方として週休3日の形が入っていると読めます。
ただし、完全週休3日制は、どの規模でも0.3%以下です。規模の大きな会社に入れば週休3日を選べる、とは言えません。
小さい会社では、週休1日の形も残る
同じ第3表で、週休1日制または週休1日半制が適用される労働者は、30〜99人の企業で6.0%、1,000人以上で1.1%でした。完全週休2日制も、30〜99人の企業は63.8%で、1,000人以上の79.0%より低くなっています。
小さい会社では、週休3日より前に、毎週2日休めるかどうかが確かめる点になります。統計の「何らかの週休2日制」には、月に1回だけ週2日休む制度も入ります。求人票の「週休2日制」と「完全週休2日制」の違いも、同じように確かめます。
週休3日の会社では、労働時間と給与はどう決まるか
週休3日の会社を考えるとき、休みが増える分をどう扱うかで、働き方が大きく変わります。労働基準法では、法定労働時間は1日8時間・週40時間で、休日は毎週1日か、4週間で4日以上が必要です。週休3日はこの最低限より休日が多い形なので、法律上の問題は、休みの数ではなく労働時間の組み方で起きます。
大きく分けると、次の2つの考え方があります。
| 考え方 |
1日の時間 |
給与 |
| 週の労働時間を保つ |
勤務日が長くなる。週40時間なら1日10時間 |
週休2日と同じ考え方で決まることが多い |
| 週の労働時間を減らす |
1日の時間は変えない |
時間が減る分、変わることがある |
週の時間を保ったまま1日10時間働く場合、1日8時間を超える時間が出ます。割増賃金を払わずにこの形をとるには、1か月単位や1年単位の変形労働時間制、フレックスタイム制などの仕組みを、労使協定や就業規則で定める必要があります。仕組みがないまま10時間働けば、8時間を超えた分は時間外労働です。フレックスタイム制の決まりはフレックスタイム制にまとめています。
時間を減らす形なら、月給や賞与がどう変わるかを書面で確かめます。時間に比例して決まる場合の考え方は、次の計算です。
【今の月給】円 × 【新しい週の時間】 ÷ 【今の週の時間】 = 時間に比例させた月給
たとえば週40時間から32時間に減らす制度で、時間に比例させるなら、月給は今の8割になります。実際には、時間を減らしても基本給を下げない会社もあれば、手当だけを調整する会社もあります。計算どおりになるとは限らないので、提示された条件の数字で確かめます。基本給は同じでも、時間に連動する手当が変わる場合もあります。週休3日を選べる制度なら、選んだ場合と選ばない場合の両方の条件を、並べて比べます。
休日が増えても「法定休日」は週1日
週休3日の会社でも、労働基準法の法定休日は毎週1日(または4週4日)です。残りの2日は会社が決める所定休日になります。休日に出勤したときの割増率は、法定休日か所定休日かで違います。違いは法定休日とはで整理しています。
週4日勤務になったときの、休憩と有給休暇
1日の時間を延ばして週休3日にすると、休憩の決まりも変わります。労働基準法34条では、労働時間が6時間を超えれば少なくとも45分、8時間を超えれば少なくとも1時間の休憩が必要です。1日10時間の勤務なら、1時間以上の休憩が要ります。拘束される時間は、休憩を足して11時間以上になります。
有給休暇は、週の所定労働日数が4日でも、週30時間以上働く人は、週5日の人と同じ日数が付与されます。日数に応じて少なく付与されるのは、週4日以下で、かつ週30時間未満の人です。1日8時間で週4日、週32時間なら、通常の日数が付きます。
ただ、1日の所定労働時間が長いと、有給1日で休める時間も長くなる一方、年間の勤務日は減ります。時間単位で有給を取れる会社かどうかも、あわせて聞いておくと使い方の幅が広がります。
国家公務員の選択的な週休3日
一般職の国家公務員は、2025年4月1日から、フレックスタイム制を使って、週1日を限度に、勤務時間を割り振らない日を、設けられるようになりました。それまでは、育児や介護をする職員などに限られていた仕組みです。
人事院の令和5年度の年次報告書によると、人事院は令和5年8月7日、勤務時間の総量を維持したうえで、この措置を一般の職員にも広げるよう勧告しました。政府は同年10月20日の閣議で勧告どおりの見直しを決め、法律は同年11月に成立しています。施行は令和7年4月1日です。
人事院の勤務時間制度の概要では、通常の勤務は1日7時間45分、週38時間45分です。フレックスタイム制では、原則4週間で155時間(1週間あたり38時間45分)の中で、職員の申告を考慮して勤務時間を割り振ります。土日や祝日などに加えて、週1日を限度に勤務時間を割り振らない日を設定できます。
つまり、国家公務員の週休3日は、勤務時間を減らす制度ではありません。ほかの日の勤務を長くして、週の総量を保つ形です。民間の求人で「公務員と同じ週休3日」と書かれていても、時間の組み方は会社ごとに違うので、中身を確かめます。
週休3日の求人で確かめること
週休3日をうたう求人は、まだ多くありません。見つけたときは、言葉の印象で決めずに、次の点を書面で確かめます。
| 確かめたいこと |
聞くこと・見る欄 |
| 休みの形 |
毎週3日休みですか。月に何回ですか。選べる制度ですか |
| 1日の時間 |
勤務日の所定労働時間と、休憩時間は何時間ですか |
| 時間の制度 |
変形労働時間制やフレックスタイム制を使っていますか |
| 給与 |
週休2日の場合と比べて、基本給や手当はどう決まりますか |
| 年間休日 |
年間休日は何日ですか。祝日や夏季休暇は別ですか |
| 対象者 |
全員が対象ですか。部署や職種で決まっていますか |
年間休日の日数は、週休の形が違う会社を比べるときに役立ちます。1年は52週と1日か2日なので、毎週3日休むと、週休だけで156日以上になります。完全週休2日制なら104日以上です。祝日や夏季休暇の扱いで、ここからさらに増えます。
求人票に「年間休日」が書いてあれば、週休の形と見比べます。完全週休3日制とあるのに年間休日が少なく見えるなら、祝日の週は勤務日になるなど、数え方が違うことがあります。どの日が休みになるのか、会社のカレンダーを見せてもらうと確実です。1年の労働日数の数え方は年間労働日数の記事で確かめられます。
その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめる
業種別・規模別の割合は、応募先の休日の形が、業界の中でどの位置かを見る物差しです。その会社で実際に週何日休めるか、1日何時間働くかは、求人票、面接、労働条件通知書で確かめます。
厚生労働省のしょくばらぼでは、掲載している企業の月の残業時間や、有給休暇の取得状況などを見られます。休日の数とあわせて、実際に休めているかを数字で比べます。