広島県の最低賃金は、令和8年(2026年)10月11日から時間額1,141円です。前年度の1,085円から56円上がり、引上げ率は5.2%でした。47都道府県の改定額を高い順に並べると11番目で、中国地方5県の中では最も高い額です。県内の事業場で働く人には、正社員かパートか、学生かどうかに関係なく、この額が時給の下限になります。
最低賃金を上回る時給でも、残業の多さや休みの取りやすさで、同じ時給の重みは変わります。広島県の会社の残業時間や有給休暇の数字は、広島県の会社を採用の数字で比べるページで並べています。時給と合わせて見ると、求人の違いが分かりやすくなります。
広島県の最低賃金は1,141円:切り替わりの日に注意
使う資料は、厚生労働省の令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧と、広島労働局の広島県の最低賃金についてのページです。2026年10月25日に開いて確認しました。
| 項目 |
広島県の値 |
| 令和8年度の時間額 |
1,141円 |
| 改定前(令和7年度) |
1,085円 |
| 引上げ額 |
56円 |
| 引上げ率 |
5.2% |
| 発効日 |
令和8年10月11日 |
| 47都道府県での順位 |
11番目 |
出典:厚生労働省、令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧。順位は47都道府県の改定額を高い順に並べて数えました。広島県と同じ額の県はありません。
広島労働局のページには、令和8年10月10日までは1,085円と書かれています。10月の給与は、10日までの勤務が1,085円、11日以降の勤務が1,141円で比べます。月の途中で額が変わるので、10月分の明細は日ごとの勤務時間と合わせて確かめます。
全国加重平均の1,177円と比べると、広島県は36円低い額です。引上げ額56円は全国加重平均の引上げ額と同じでした。改定前の額で並べても広島県は11番目で、順位は動いていません。
中国地方5県と比べると最も高い
中国地方の5県を全国一覧から取り出し、改定額の高い順に並べました。
| 県 |
令和8年度 |
改定前 |
引上げ額 |
発効日 |
| 広島 |
1,141円 |
1,085円 |
56円 |
10月11日 |
| 岡山 |
1,104円 |
1,047円 |
57円 |
10月2日 |
| 山口 |
1,101円 |
1,043円 |
58円 |
10月8日 |
| 島根 |
1,092円 |
1,033円 |
59円 |
10月10日 |
| 鳥取 |
1,090円 |
1,030円 |
60円 |
10月3日 |
出典:厚生労働省、令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧。発効日はすべて令和8年です。
広島県と2番目の岡山県の差は37円です。改定前は38円の差でした。引上げ額は広島県の56円が5県で最も小さく、鳥取県の60円が最も大きいので、額の低い県ほど大きく上がっています。
5県とも10月中に改定後の額へ切り替わり、広島県の10月11日は5県で最も遅い発効日です。県境をまたいで働く人は、住んでいる県ではなく働く事業場がある県の額を見ます。
広島県の最低賃金の推移:ここ数年で上げ幅が大きくなった
広島労働局の推移表から、平成29年度以降の10年分を抜き出しました。
| 年度 |
時間額 |
引上げ額 |
発効日 |
| 平成29年度 |
818円 |
25円 |
平成29年10月1日 |
| 平成30年度 |
844円 |
26円 |
平成30年10月1日 |
| 令和元年度 |
871円 |
27円 |
令和元年10月1日 |
| 令和2年度 |
871円 |
0円 |
改定なし |
| 令和3年度 |
899円 |
28円 |
令和3年10月1日 |
| 令和4年度 |
930円 |
31円 |
令和4年10月1日 |
| 令和5年度 |
970円 |
40円 |
令和5年10月1日 |
| 令和6年度 |
1,020円 |
50円 |
令和6年10月1日 |
| 令和7年度 |
1,085円 |
65円 |
令和7年11月1日 |
| 令和8年度 |
1,141円 |
56円 |
令和8年10月11日 |
出典:広島労働局、広島県最低賃金額の推移(平成3年から令和8年)。令和2年度は改定がなく、令和元年10月1日からの871円が続きました。
平成29年度の818円から令和8年度の1,141円まで、323円上がりました。1,000円を超えたのは令和6年度の1,020円からです。推移表の引上率では、令和7年度の6.37%が平成3年度以降で最も大きい値です。
令和6年度までは発効日が10月1日でそろっていましたが、令和7年度は11月1日、令和8年度は10月11日です。年度によって発効日が変わるので、毎年その年の発効日を確かめます。
広島県の特定最低賃金:1,141円を上回るのは鉄鋼業だけ
広島県には、8つの産業に特定最低賃金があります。特定最低賃金は、その産業の事業場で働く人に適用されます。広島労働局の一覧には、業種ごとに対象から外れる軽易な業務も書かれています。厚生労働省の最低賃金の種類の説明どおり、地域別と特定の両方がかかる人には高いほうが適用されます。
| 業種 |
10月11日からの額 |
発効日 |
| 製鉄業、鋼材、銑鉄鋳物、可鍛鋳鉄製造業、その他の鉄鋼業 |
1,179円 |
令和7年12月31日 |
| 建設用・建築用金属製品、その他の金属製品製造業 |
県の1,141円 |
令和8年10月11日 |
| はん用機械器具、生産用機械器具、業務用機械器具製造業 |
県の1,141円 |
令和8年10月11日 |
| 電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具、情報通信機械器具製造業 |
県の1,141円 |
令和8年10月11日 |
| 自動車・同附属品製造業 |
県の1,141円 |
令和8年10月11日 |
| 船舶製造・修理業、舶用機関製造業 |
県の1,141円 |
令和8年10月11日 |
| 自動車小売業 |
県の1,141円 |
令和8年10月11日 |
| 各種商品小売業 |
県の1,141円 |
令和8年10月11日 |
出典:広島労働局、特定最低賃金(広島県)(2026年10月25日確認)。各業種の除外の範囲(高炉によらない製鉄業等を除く、など)はリンク先の一覧にあります。
広島労働局の特定(産業別)最低賃金の推移を見ると、令和7年度の改正で電子部品等製造業は1,110円、自動車・同附属品製造業は1,105円(どちらも令和7年12月31日発効)でした。この2業種は改定前の県の額1,085円を上回っていましたが、10月11日からの1,141円を下回ったため、今は県の額が適用されています。
鉄鋼業等の1,179円は、県の1,141円より38円高い額です。該当する事業場で特定最低賃金の対象になる人は、1,179円が下限です。推移表では、特定最低賃金の改正は12月31日発効の年が多く、県の額より遅れて切り替わります。
月給と年収に直した計算:時給×時間数で出す
1,141円で働いたときの額面を計算します。前提の時間を変えると額が変わるので、どの前提かを必ず確かめてください。税金や社会保険料を引く前の額で、手取りではありません。
| 働き方の前提 |
1か月の時間 |
1か月の額 |
12か月の額 |
| 1日8時間・月20日 |
160時間 |
182,560円 |
2,190,720円 |
| 1日7.5時間・月20日 |
150時間 |
171,150円 |
2,053,800円 |
| 1日5時間・月16日 |
80時間 |
91,280円 |
1,095,360円 |
計算:1,141円 × 160時間 = 182,560円、182,560円 × 12か月 = 2,190,720円。ほかの行も時給×時間数です。残業代、賞与、手当は入れていません。
改定前の1,085円で160時間働くと173,600円です。56円の引上げで、1か月160時間なら8,960円、12か月で107,520円増える計算です。
広島県で働く人全体の年収は、広島県の平均年収で年齢別・業種別・会社の規模別に見られます。最低賃金ちょうどでフルタイムを1年続けた額は、平均とはかなり離れた水準です。
月給制の人は月平均の所定労働時間で割る
月給制の人は、月給を時間額に直してから1,141円と比べます。厚生労働省の最低賃金額以上かどうかを確認する方法の式は次のとおりです。
| 給与の形 |
比べ方 |
| 時給 |
時給 ≧ 1,141円 |
| 日給 |
日給 ÷ 1日の所定労働時間 ≧ 1,141円 |
| 月給 |
月給 ÷ 1か月平均所定労働時間 ≧ 1,141円 |
出典:厚生労働省、最低賃金額以上かどうかを確認する方法。
1か月平均所定労働時間は、1日の所定労働時間 × 年間の所定労働日数 ÷ 12で出します。たとえば1日7.5時間で年240日なら、7.5 × 240 ÷ 12 = 150時間です。この場合、対象となる月給が171,150円を下回れば1,141円に届きません。年間休日から労働日数を出す手順は、時給の計算と最低賃金との比べ方で詳しく説明しています。
最低賃金との比較に入れない手当
広島労働局のページは、最低賃金に算入しない賃金として次の4つを挙げています。
| 算入しない賃金 |
例 |
| 精皆勤手当、通勤手当、家族手当 |
― |
| 所定時間外労働、所定休日労働、深夜労働に対して支払われる賃金 |
割増賃金など |
| 臨時に支払われる賃金 |
結婚手当など |
| 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金 |
賞与など |
出典:広島労働局、広島県の最低賃金について、最低賃金の基礎知識。
給与明細の総支給額から、この4つを引いた額で比べます。残業代の多い月は総支給額が大きく見えますが、比べるのは残業代を外した部分です。基本給が低く、手当で総額を整えている給与なら、手当が上の4つに入るかどうかを一つずつ確かめます。
広島県の最低賃金を下回っていたときの相談先
最低賃金より低い額で働く約束をしていても、その部分は無効です。厚生労働省の最低賃金とはの説明では、最低賃金と同じ額を約束したものとみなされ、会社は差額を払う必要があります。
広島労働局は、最低賃金の不明な点は労働基準部賃金室か最寄りの労働基準監督署へ、と案内しています。監督署の場所は、広島労働局の労働基準監督署の一覧で確かめられます。
相談するときは、次の3つを手元に置きます。
- 10月11日の前後を含む月の給与明細
- 労働条件通知書か雇用契約書
- 働いた日と時間が分かる記録(シフト表、タイムカードの写し、手書きのメモ)
時給制なら明細の時給を、月給制なら上の式で出した時間額を、1,141円(10月10日までの勤務は1,085円)と並べて書いておくと、どこが足りないかをすぐ説明できます。
その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめる
最低賃金は法律の下限です。時給が最低賃金ぎりぎりかどうかは、会社の公開データからは分かりません。求人票の時給と、会社が公開している残業時間・有給休暇の数字を一緒に見ると、その職場での働き方が見えてきます。
広島県の会社の数字は、広島県のランキングでまとめています。残業時間が少ない順と有給休暇の取得率が高い順の表から、会社ごとのページを開けます。市ごとなら、広島市・福山市・東広島市・呉市のページもあります。
求人票では、時給のほかに所定労働時間、固定残業代の有無、昇給の基準を見ます。面接では、繁忙期の残業時間やシフトの決め方を聞けます。厚生労働省のしょくばらぼでも、会社が公表した数字を確かめられます。47都道府県の額は最低賃金ランキング2026で並べています。