非正規雇用の割合は36.5%、正規の職員・従業員の割合は63.5%です。総務省統計局「労働力調査(基本集計)」の2025年(令和7年)平均では、非正規の職員・従業員は2,128万人、正規は3,708万人でした。割合の分母は役員を除く雇用者です。
男女別では非正規の割合が男性22.3%、女性52.0%でした。全体の数字だけでは、学生のアルバイト、子育てと両立するパート、フルタイムの契約社員、定年後の嘱託の違いはわかりません。仕事を選ぶときは、呼び名と、契約期間・勤務時間・待遇を分けて確認します。
非正規36.5%、正規63.5%の分母は役員を除く雇用者
| 区分 |
人数 |
割合 |
| 正規の職員・従業員 |
3,708万人 |
63.5% |
| 非正規の職員・従業員 |
2,128万人 |
36.5% |
出典:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2025年平均結果の概要」表Ⅰ-6-1、表Ⅰ-6-2。2025年の年平均、全国、男女計。人数は推計値、割合は公表値。確認日:2026年10月22日。
これは「日本人全員のうち非正規で働く人」の割合ではありません。自営業主や家族従業者、会社の役員、失業者、仕事をしていない人は分母に含みません。「働く人の何割」という説明でも、就業者全体の割合と取り違えると意味が変わります。
年平均は、ある日だけの社員名簿を数えた数字でもありません。月々の結果をならした年間の状態です。新卒採用の多い月だけの数字や、求人サイトで募集されている求人の割合と比べると、対象も期間も違います。
正規か非正規かは、勤め先での呼び方で分ける
労働力調査の正規・非正規は、勤め先での呼称による区分です。非正規にはパート、アルバイト、労働者派遣事業所の派遣社員、契約社員、嘱託、その他が含まれます。短時間かどうか、有期契約かどうかとは別の区分です。
フルタイムで働く非正規の人もいます。逆に、無期の契約になったから必ず正社員という呼び名になるわけではありません。求人を読むときは「社員」の文字だけで決めず、正社員としての募集なのか、契約社員や派遣社員の募集なのかを確認します。
給与の統計も同じです。一般労働者は通常の所定労働時間・日数で働く人の区分で、正社員だけを指しません。年収や勤続年数の記事と数字を並べるときには、同じ名前の集団だと思い込まないことです。
男女別:男性22.3%、女性52.0%
2025年平均の男女別の人数と割合です。割合は男女それぞれの役員を除く雇用者の中での構成比であり、非正規全体に占める男性・女性の割合ではありません。
| 区分 |
正規の人数 |
非正規の人数 |
非正規の割合 |
| 男性 |
2,367万人 |
678万人 |
22.3% |
| 女性 |
1,341万人 |
1,450万人 |
52.0% |
| 男女計 |
3,708万人 |
2,128万人 |
36.5% |
出典:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2025年平均結果の概要」表Ⅰ-6-1、表Ⅰ-6-2。万人単位で表章されるため、内訳の合計と総数が一致しないことがあります。
女性では非正規の割合が男性より高い結果です。この差は、今働いている人たちの構成を示しています。女性の希望がすべて非正規に向いている、正社員を希望しても採用されない人がすべてだ、という両方の説明とも、この表だけでは成り立ちません。
どんな理由で今の雇用形態についたかは、後の詳細集計の表で分けて読みます。理由の調査を見ても、一人ひとりの事情をすべて拾えるわけではありません。性別の平均から、応募者本人の希望する働き方を決めることはできません。
企業研究では、男女別の採用と働き方を調べたいのか、自分が応募する求人の雇用形態を知りたいのかを分けます。会社全体で非正規が多くても、今回の募集が正社員なら、入社時の契約と入社後の処遇を具体的に確認するほうが直接役立ちます。
年齢別ランキング:非正規の割合が高いのは65歳以上
以下は2025年平均、役員を除く雇用者のうち非正規の割合です。全体の年齢区分を高い順に並べ、男性と女性も併記しました。単位は%で、中央値や企業ごとの割合の平均ではありません。
| 順位 |
年齢階級 |
男女計 |
男性 |
女性 |
| 1 |
65歳以上 |
76.1% |
69.8% |
83.3% |
| 2 |
15〜24歳 |
52.3% |
49.8% |
54.8% |
| 3 |
55〜64歳 |
42.6% |
23.4% |
63.6% |
| 4 |
45〜54歳 |
29.6% |
8.2% |
52.4% |
| 5 |
35〜44歳 |
25.7% |
8.9% |
44.9% |
| 6 |
25〜34歳 |
20.7% |
13.6% |
28.5% |
出典:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2025年平均結果の概要」表Ⅰ-6-2。年齢階級は資料の区分のまま掲載。順位は男女計によります。
若い層と高齢層で割合が高い並びです。ただし、15〜24歳には学校に通いながら働く人も入ります。この表を「学校を卒業した若者の半数が非正規」と読むことはできません。新卒で就職する人だけを集めた調査ではないためです。
65歳以上も、若い時からずっと非正規で働いてきた人だけではありません。現在の雇用形態を示す表で、生涯の経歴を追跡したものではありません。定年後の継続雇用などを確認したいなら、その制度と対象者を別に調べます。
男女計の順位と、男性だけ、女性だけの並びは違います。同じ年齢でも、家計や勤務時間の希望、仕事の経験は個別に違います。平均と自分を比べて雇用形態を選ぶのではなく、必要な収入と働ける時間を決めてから求人を読む順番にします。
雇用形態別の人数ランキング:パート1,031万人が最多
人数は労働力調査(基本集計)2025年平均・第Ⅰ-1表で確認しました。全国、男女計、非正規の職員・従業員の内訳です。単位は万人。人数が多い順に並べています。
| 順位 |
雇用形態 |
人数 |
| 1 |
パート |
1,031万人 |
| 2 |
アルバイト |
481万人 |
| 3 |
契約社員 |
273万人 |
| 4 |
労働者派遣事業所の派遣社員 |
156万人 |
| 5 |
嘱託 |
105万人 |
| 6 |
その他 |
81万人 |
出典:総務省統計局「労働力調査(基本集計)」2025年平均、第Ⅰ-1表。役員を除く雇用者、非正規の職員・従業員。万人単位の公表値のため内訳の合計は総数に必ずしも一致しません。
呼び名が違えば、すべての待遇や契約期間も決まるわけではありません。パートとアルバイトの名称は勤務先によって使い方が違います。契約社員でも仕事の範囲や契約期間は会社ごとに確認が必要です。
派遣社員の場合は、働く場所と雇用契約を結ぶ相手を分けます。派遣先で仕事をすることと、派遣元との契約の内容は別です。応募先の説明が勤務場所の紹介だけなら、雇用主、契約期間、給与の支払条件を確認します。
「非正規だから休みが少ない」「契約社員だから必ず正社員になれる」といった一括りの説明は使えません。募集要項の労働時間、休日、賞与、契約更新、転換制度を一つずつ見て、書かれていない項目を面接で聞きます。
過去10年の推移:2015年37.4%から2025年36.5%へ
2015年から2025年までの年平均を並べました。10年間の変化を確認するため、起点と終点を含む表です。各年の役員を除く雇用者に占める構成比で、2025年の人数を過去にも固定して計算したものではありません。
| 年 |
正規の割合 |
非正規の割合 |
| 2015年(平成27年) |
62.6% |
37.4% |
| 2016年(平成28年) |
62.5% |
37.5% |
| 2017年(平成29年) |
62.8% |
37.2% |
| 2018年(平成30年) |
62.2% |
37.8% |
| 2019年(令和元年) |
61.8% |
38.2% |
| 2020年(令和2年) |
62.9% |
37.1% |
| 2021年(令和3年) |
63.3% |
36.7% |
| 2022年(令和4年) |
63.1% |
36.9% |
| 2023年(令和5年) |
63.0% |
37.0% |
| 2024年(令和6年) |
63.2% |
36.8% |
| 2025年(令和7年) |
63.5% |
36.5% |
出典:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2025年平均結果の概要」表Ⅰ-6-2。男女計、公表された割合。
割合は毎年上がっているわけではありません。2025年は2024年より非正規の割合が低下しました。ただ、同じ資料では非正規の人数は前年から2万人増え、正規の人数は54万人増えています。人数が増えながら、その区分の割合が下がることはあります。
割合は分子だけでなく、分母となる雇用者全体の動きでも変わります。「非正規が減った」と書かれていたら、人数か割合かを読み分けます。全国の割合が下がったことから、応募先の正社員登用が進んだと説明することもできません。
時系列の数字は、同じ最新版の資料に並んでいる値を使います。労働力調査には推計人口の基準の切替えなどに伴う数値の改定があります。昔の公表資料と新しい資料から値を継ぎ足すより、比較用の時系列表で条件をそろえます。
非正規を選んだ理由:時間の都合が36.6%
総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年平均結果の概要」表Ⅱ-1では、現職の雇用形態についた主な理由を集計しています。全国、男女計の人数と割合を、割合の高い順に並べました。
| 順位 |
主な理由 |
人数 |
割合 |
| 1 |
自分の都合のよい時間に働きたいから |
757万人 |
36.6% |
| 2 |
家計の補助・学費等を得たいから |
366万人 |
17.7% |
| 3 |
その他 |
273万人 |
13.2% |
| 4 |
家事・育児・介護等と両立しやすいから |
226万人 |
10.9% |
| 5 |
正規の職員・従業員の仕事がないから |
173万人 |
8.4% |
| 6 |
専門的な技能等をいかせるから |
166万人 |
8.0% |
| 7 |
通勤時間が短いから |
110万人 |
5.3% |
出典:総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年平均結果の概要」表Ⅱ-1。割合の分母は主な理由別内訳の合計で、理由不詳を含む非正規総数2,128万人とは異なります。資料掲載の値をそのまま使用。
この表は主な理由の集計です。時間の都合を挙げた人に、給与や契約更新への不安がないという意味ではありません。「その他」に入る人の事情を、正社員希望や育児などへ勝手に割り振ることもできません。
正規の仕事がないと答えた173万人の存在も、時間の都合を選んだ人の存在も、どちらも数字の一部です。非正規全員を「仕方なく働いている人」と説明したり、全員が自由に選んだと説明したりすると、表の中身を失います。
男女別の最多も時間の都合で、男性35.0%、女性37.3%です。ただし、同じ回答でも何時に働きたいか、どれくらいの収入が必要かまではわかりません。応募する側も、自分が希望する時間帯と、会社が必要とする時間帯が合うかを直接確認します。
応募前には、雇用形態より先に契約の中身を並べる
正規の割合が高い会社でも、自分が応募する仕事が正規雇用とは限りません。非正規が多い業種でも、求人によって募集条件は違います。全国の構成比を知った後は、自分が結ぶ契約の内容に戻ります。
| 求人で気になる表現 |
具体的に確かめること |
| 社員募集 |
正社員か契約社員か、雇用主はどこか |
| 契約更新あり |
更新の判断基準、更新の上限 |
| 正社員登用あり |
対象となる職種、選考条件、直近の実績 |
| フルタイム |
所定労働時間と日数、残業、勤務時間帯 |
| 賞与あり |
自分の雇用区分も対象か、算定方法 |
| 無期雇用 |
正社員との違い、転勤と担当業務の範囲 |
制度があることと、実際に使われていることを分けて聞きます。登用制度なら、受けた人数と登用された人数、対象期間がそろっているかを確認します。人数が少ない職種では、率だけを見ても実態がつかみにくいため、条件の説明も聞きます。
働く時間が違えば、月給や年収にも差が出ます。賃金を比べるときは、同じ仕事と勤務時間で何が違うかを見ます。集団の平均の読み方は、男女の賃金格差でも整理しています。非正規という呼び名だけを理由に、個別の待遇を納得したことにしないことです。
正社員登用の実績は、応募する仕事の実績かを見る
会社全体で登用実績があっても、募集している職種が対象とは限りません。対象となる部署、必要な経験、選考の時期、登用後に変わる仕事と待遇を聞きます。制度の名称が同じでも、入社後の役割まで同じとは限らないためです。
登用を前提に働くつもりなら、登用前の契約で生活を続けられるかも確認します。登用されることを確定した条件に入れて、収入や勤務地を判断しないことです。応募する時点の条件と、選考に通った後の条件を分けて書きます。
月給を比べるなら、勤務日数と仕事の範囲をそろえる
正社員の月給とパートの月収を、そのまま同じ働き方の賃金として比べないことです。勤務日数や時間が違えば、月に受け取る総額にも違いが出ます。比較のメモには月給だけでなく、所定労働時間、所定労働日数、勤務時間帯を書きます。
時給の求人でも、毎月どれだけ働けるかが決まっていなければ、月の収入は固定できません。希望したシフトが必ず入るのか、仕事の量によって変わるのかを聞きます。求人にある収入例を、自分に保証される収入と取り違えないためです。
仕事の範囲も確認します。同じ職場で働いていても、担当する業務、判断の責任、異動や転勤の範囲が違うことがあります。呼び名だけで待遇の違いを説明されたら、どの条件が実際に異なるのかを具体的に聞きます。
手当や賞与は、自分の雇用区分が支給対象かを読みます。全社の採用ページに載っている制度でも、今回の求人へそのまま適用されるとは限りません。福利厚生の紹介と、雇用契約の条件を分けて確認する必要があります。
社会保険などの扱いが生活に関わる人は、自分の予定する勤務時間と契約期間を示して、加入の取り扱いを確認します。非正規という分類だけでは、個別の加入条件は決まりません。未確認の制度を前提に、手取りや働き方を決めないことです。
勤務時間を増やしたいとき、家庭の事情で減らしたいときに、どんな相談ができるかも聞きます。今の求人の条件だけでなく、入社後に条件が変わるときの手順を知っておくと、将来の希望と会社の運用を比べられます。変更できると決めつけず、制度と実例を確認します。
非正規の割合は働く人の構成を知る統計です。収入の安定、仕事の経験、生活との両立を、ひとつの数字で全部判断するための指標ではありません。自分に必要な条件を言葉にして、求人の書面と会社の説明を一つずつ照合します。
その会社の雇用と待遇は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめる
求人票では雇用形態、契約期間、所定労働時間、更新条件を読みます。面接では求人に書かれた制度が自分に適用されるかを聞き、採用が決まった段階で示される条件と照合します。正社員を希望するなら、入社時から正社員なのか、入社後に選考があるのかを曖昧にしません。
厚生労働省のしょくばらぼで、会社が掲載している採用や雇用管理の情報も確認できます。対象年度と雇用区分を読み、募集職種と関係する数字かを確かめます。正社員登用の実績など、載っていない情報は会社に聞きます。空欄を実績ゼロとは読みません。
企業の情報を調べる順序は、企業研究のやり方でまとめています。「非正規の割合が何%ならよい会社か」と全国平均を合否の線にせず、自分に必要な収入、働く時間、契約の継続、将来の仕事の範囲が明確かを確認します。その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめます。