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男女の賃金格差は男性100に対し女性76.6:年齢別・規模別・業界別と会社の調べ方

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この記事の答え

  • 2025年⁠の一般労働者の所定内給与は男性373.4千円⁠、女性285.9千円⁠。男性を100とする女性の水準は76.6
  • 集団の平均の差は、同じ仕事の男女の賃金差と同じではない。年齢、役職、勤続年数、雇用形態をそろえて確かめる
  • 男女の賃金の差異の公表義務は、301人以上⁠に加え2026年4月から101〜300人にも拡大。企業の公表値は年間賃金で統計の月給とは違う

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男女の賃金格差は、男性の賃金を100とすると女性76.6です。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」⁠の一般労働者では、2025年6月分の所定内給与の平均は男性373.4千円⁠、女性285.9千円でした。女性の水準は前年の75.8から76.6⁠へ上がっています。

この数値は、男女それぞれの集団の平均を比べたものです。同じ仕事、同じ役職、同じ勤続年数の男女を組にして比べた結果ではありません。会社の数字を見るときも、全社員の比率を確認した後、雇用形態や役職ごとに何が違うかを調べます。

男性100に対する女性76.6は、手取りや年収の比率ではない

調査年 男性の所定内給与 女性の所定内給与 女性の水準(男性=100)
2024年(令和6年) 363.1千円 275.3千円 75.8
2025年(令和7年) 373.4千円 285.9千円 76.6

出典:厚生労働省、令和7年⁠の賃金構造基本統計調査の概況第1表。常用労働者10人以上⁠の民営事業所の一般労働者。給与は各年6月分の所定内給与額の平均、単位は千円。確認日:2026年10月22日⁠。

所定内給与は、きまって支給する現金給与から時間外勤務手当などの超過労働給与を引いた額です。税や社会保険料を差し引く前の給与で、賞与は含みません。残業代や賞与を含む年間収入、実際の手取りとは分けます。

一般労働者は、短時間労働者に該当しない通常の所定労働時間・日数の労働者です。正社員だけの集計ではありません。短時間勤務の人を含む会社の全労働者の年間賃金比率を、この76.6⁠とそのまま比べると、対象も賃金の範囲も変わります。

国税庁の年間給与を調べたいときは、日本の平均年収を年齢別・男女別に見る記事⁠で対象の違いを確認できます。月給の男女差と、賞与なども含む年収の男女差は、同じ見出しで扱われていても別の数字です。

水準が上がることと、個人の給与が上がることを分ける

男性100に対する女性の水準が上がると、集計上の男女の距離は近づきます。ただし、率の動きは男女双方の給与や人数構成に左右されます。女性の給与だけを追った伸び率ではありません。

2025年⁠の76.6は、公表されている指数です。これを各社員の給与の決まり方へそのまま当てて、「女性は必ずこの割合しか受け取れない⁠」⁠と読むことはできません。個別の待遇は、仕事、等級、勤務時間、手当の支給条件を確認します。

年齢別:若い層と中高年の層で平均の開きが違う

2025年⁠、一般労働者の男女別の所定内給与を並べました。企業規模計の平均値です。年齢別の金額を直接比べられるよう、資料と同じ千円単位で載せています。

年齢階級 男性 女性
19歳以下 212.5千円 201.4千円
20〜24歳 245.7千円 239.6千円
25〜29歳 288.0千円 268.8千円
30〜34歳 330.4千円 283.2千円
35〜39歳 366.2千円 292.4千円
40〜44歳 398.2千円 303.6千円
45〜49歳 420.7千円 305.7千円
50〜54歳 437.5千円 305.4千円
55〜59歳 445.6千円 305.7千円
60〜64歳 358.5千円 270.8千円
65〜69歳 304.3千円 240.7千円

出典:厚生労働省、令和7年賃金構造基本統計調査の概況の第2表。2025年6月分の所定内給与額の平均。年齢計には70歳以上も含みますが、表は概況にある65〜69歳までの階級を掲載。

男性の平均給与は55〜59歳⁠で高く、女性は45〜49歳⁠と55〜59歳⁠が同じ305.7千円です。年齢の違いに沿って男女の給与を並べると、若い層と中高年の層では開き方が違います。全体の比率だけでは、この違いが見えません。

ただし、この年齢表は一人の人が昇給する道筋を示していません。2025年⁠にそれぞれの年齢にいた人を集計したものです。今の若手が同じ年齢になったときに、表と同じ給与や男女差になるとは限りません。

年齢が同じでも、職種、学歴、勤続年数、役職の分布はそろっていません。「同年齢で違うから、同じ仕事でも同額だけ差がある⁠」⁠と読むこともできません。年齢をそろえることは確認の一段階で、個別の賃金制度までわかったことにはなりません。

企業規模別:大企業は男性428.0千円⁠、女性310.8千円

企業規模 男性 女性
大企業:1,000人以上 428.0千円 310.8千円
中企業:100〜999人 356.0千円 280.1千円
小企業:10〜99人 329.6千円 264.0千円

出典:厚生労働省、令和7年賃金構造基本統計調査の概況の第4表。2025年⁠の一般労働者、年齢計、所定内給与の平均。規模は企業全体の常用労働者数です。

男性も女性も、大企業、中企業、小企業の順に平均給与が高くなっています。ただし、賃金水準が高いことと、男女の差が小さいことは別の見方です。女性の給与が高い企業でも、男性の給与がそれ以上に高ければ、比率では差が残ります。

規模が同じだからといって、仕事の範囲や役職構成も同じではありません。同じ業界、同じ規模の統計は比較の入口として使い、応募先では自分の職種の等級や昇進条件を確認します。支店の人数だけで、企業規模の区分を決めないようにします。

業界別ランキング:女性の所定内給与が高い順に男女を比較

以下は2025年⁠の一般労働者、年齢計の所定内給与です。順位は男女差の小ささではなく、女性の平均給与が高い順です。金額の水準と男女の開きを混同しないよう、男性の金額も同じ表に並べます。

順位 産業 女性 男性
1 電気・ガス・熱供給・水道業 382.0千円 454.5千円
2 学術研究・専門・技術サービス業 353.5千円 477.9千円
3 情報通信業 *350.3千円 428.1千円
4 鉱業・採石業・砂利採取業 345.8千円 395.2千円
5 金融業・保険業 339.1千円 553.3千円
6 教育・学習支援業 322.8千円 444.8千円
7 不動産業・物品賃貸業 301.0千円 394.5千円
8 建設業 292.2千円 379.6千円
9 医療・福祉 289.7千円 378.0千円
10 卸売業・小売業 281.6千円 388.4千円
11 複合サービス事業 266.6千円 344.3千円
12 運輸業・郵便業 263.2千円 322.3千円
13 生活関連サービス業・娯楽業 256.9千円 328.2千円
14 サービス業(他に分類されないもの) 254.6千円 302.8千円
15 製造業 254.2千円 355.9千円
16 宿泊業・飲食サービス業 239.6千円 309.7千円

出典:厚生労働省、令和7年賃金構造基本統計調査の概況の第5-2表。単位は千円、所定内給与額の平均。*は回答数が少ないなど、資料が利用上の注意を付した値です。

金融業・保険業は女性339.1千円⁠、男性553.3千円です。女性の金額だけで「給与の高い業界」⁠と読めても、それだけで男女の差の小ささを説明することはできません。どの物差しの順位かを明確にして読む必要があります。

業界別の男女平均には、同じ業界の中で担当する仕事や役職の違いも含まれます。営業、事務、技術などの職種構成が同じとは限りません。産業別の差を、その業界のすべての会社の賃金制度の差として扱わないことです。

勤続年数と役職の違いは確認できるが、原因の割合は出せない

同じ概況第2表では、平均勤続年数は男性14.2年⁠、女性10.4年⁠、平均年齢は男性45.2歳⁠、女性43.2歳です。給与を比べている男女の構成が、すでに違うことを確認できます。

勤続が給与とどう関係するかは、第7表の勤続年数階級別給与でも確認できます。ただし、男女の勤続年数の差から、賃金格差の何割が説明できるかを計算することはできません。平均が違うという事実と、その違いが原因としてどれだけ効いているかは別の話です。

役職別にも給与の水準は違います。2025年⁠の一般労働者のうち雇用期間の定めのない人について、役職別の男女平均は次のとおりです。

役職 男性の所定内給与 女性の所定内給与
部長級 642.4千円 578.3千円
課長級 541.4千円 470.3千円
係長級 410.9千円 365.7千円
非役職者 332.1千円 280.1千円

出典:厚生労働省、令和7年賃金構造基本統計調査の概況の第8表。2025年⁠、所定内給与の平均。雇用期間の定めのない一般労働者という対象の違いに注意。

役職ごとに給与が違うため、男女の役職構成が違えば集団平均にも影響し得ます。それでも、上の表では同じ役職区分の中でも男女の平均が違います。「管理職の人数の違いだけで全部説明できる」⁠と⁠は読めません。

同じ部長級でも、部門の責任範囲、勤続年数、会社規模などはそろっていません。この表だけで同一の職務に対する不合理な待遇差を証明したり、反対に差はすべて合理的だと判断したりはできません。理由を確かめるには、もう一段細かい会社の説明が必要です。

差の背景を聞くときは、採用から昇進まで分ける

会社に「なぜ差があるのですか」とだけ聞くと、答えが広くなります。採用時の職種、経験者採用の等級、昇進候補の選び方、休業後の配置など、給与に関わる場面を分けます。

役職者の男女構成が違うなら、その違いを説明するだけで終わらず、昇進の条件や育成の機会を確認します。「勤続の差」⁠と説明されたら、短い勤続の人がどの採用経路や雇用形態に多いか、継続就業を支える制度が使われているかを聞きます。

勤続年数の長さ自体の読み方は、平均勤続年数の業界別・規模別データ⁠で確認できます。短い数字を個人の意欲に置き換えず、採用や配置の履歴から見ます。

賃金差異の公表義務は、2026年4月から101人以上へ拡大

301人以上⁠の事業主は、2022年7月から男女の賃金の差異の公表が義務化されています。2026年4月1日からは、常時雇用する労働者101〜300人⁠の事業主にも拡大されました。2026年10月時点で、301人以上だけが対象という説明は古くなっています。

根拠は、厚生労働省の「男女の賃金の額の差異の算出及び公表の方法について」(2026年2月18日最終改正)⁠と⁠、「女性活躍推進法に基づく男女間賃金差異の情報公表について」⁠で⁠す⁠。会社全体の常時雇用する労働者数で対象を確認します。

新たに対象になる事業主の初回公表は、施行後に最初に終了する事業年度の実績を、その次の事業年度開始後おおむね3か月以内⁠に行います。施行日当日に全社の新しい数字が出そろうわけではありません。対象企業なのに見つからないときは、公表期限と事業年度も確認します。

公表では、全労働者、正規雇用労働者、非正規雇用労働者に分け、男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合を示します。この記事前半の所定内給与という月給統計と、同じ範囲の賃金ではありません。

年間賃金の比率は、勤務時間の換算と注記まで読む

企業の公表値には、対象期間、対象労働者の範囲、賃金の範囲などの説明が付きます。短時間で働く人の人数を労働時間で換算しているかによっても、読み方が変わります。全労働者の比率だけを切り取ると、この違いを見落とします。

正規の区分では差が小さく、全労働者では大きいなら、非正規の構成や勤務時間の違いを確認します。ただし、内訳を見たことだけで差の全原因がわかったとはしません。賞与、手当、職種や役職など、算定範囲に含まれるものを順に確かめます。

前年より比率がよくなったときも、人数と給与の変化を分ける

会社が前年度より男女差が縮まったと公表していても、その理由が賃金制度の改善だけとは限りません。採用、退職、昇進、勤務時間の変化で集団の構成が変われば、平均の比率も動きます。値が改善したことと、何を変えた結果なのかを分けて読みます。

たとえば、経験の浅い社員の採用を増やすと、その集団の平均給与へ影響します。採用機会を広げた取り組みと、集計上の給与の比率の動きが、同じ向きになるとは限りません。比率だけで取り組みを評価せず、採用と昇進の数字、会社の説明を確認します。

逆に、比率が近づいても、男女双方の給与が希望する水準にあるかは別の話です。差が小さいという説明だけでは、自分の職種の給与が十分かを判断できません。求人票の額と昇給の条件を読み、今回の仕事でどんな経験を積めば給与が変わるかを聞きます。

前年と比較する前に、集計の対象が変わっていないかも確かめます。合併、事業の移管、雇用区分の見直しなどがあれば、同じ法人名でも比較する範囲が変わることがあります。資料の注記を読まずに、前年の値との差だけで評価を決めないことです。

会社が独自に職種別や役職別の数字を追加しているなら、全体の値とセットで読みます。追加の内訳だけを選んで全体の差をなかったことにしたり、全体の比率だけで内訳の違いを無視したりしません。自分が応募する仕事へ関係する情報を探すために使います。

説明が「昔から女性の勤続が短いため」⁠で止まっているなら、今の採用と継続就業に関する取り組みを聞きます。過去の構成の説明と、今後どのように育成や登用を進めるかは違う質問です。会社が課題として認識している点と、実際に変えている点を確認します。

公表値を読む目的は、会社を一つの比率だけで採点することではありません。給与の決まり方と、仕事の機会にどんな違いがあるかを確かめることです。説明できない部分が残ったら、推測で埋めず、選考中に確認したい点として整理しておきます。

会社ごとの数字を、厚生労働省のデータベースで見る

厚生労働省の男女間賃金差異に関する案内から「女性の活躍推進企業データベース⁠」⁠へ進み、応募先の情報を探します。会社情報では、所在地や法人の範囲を確かめたうえで、賃金差異の項目と説明欄を読みます。

全労働者、正規、非正規の区分と対象年度を並べ、会社が説明している背景を確認します。女性管理職比率、男女別の平均継続勤務年数などがあれば、同じ年度かも見ます。値がない欄を、男女差がないという意味に読まないことです。

公的サイトの会社別情報でも、各社が公表した数字の対象範囲には注意が要ります。グループ共通の採用ページを見ていても、雇用契約を結ぶ法人の値とは限りません。自社サイトとデータベースで違う数字があれば、更新時点と対象範囲を確認します。

その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめる

求人票では、応募職種の基本給、手当、賞与、等級、勤務時間を確認します。男女の平均に差があるかと、自分に提示される条件がどう決まるかは別の質問です。「経験や役割をどのように等級へ反映しますか⁠」⁠と聞くと、賃金の決まり方を具体化できます。

面接では、公表値を示して「この差の背景にある職種や役職の構成を教えてください」「今回の職種の昇格条件と、育成の機会を教えてください⁠」⁠と聞きます。個人の給与や家庭事情を聞かず、組織として説明できる制度と実績を確認します。

厚生労働省のしょくばらぼでも、企業が掲載する女性の活躍や雇用管理の情報を確認できます。調べた値と疑問をまとめる手順は、企業研究のやり方⁠で整理しています。全国の76.6⁠で会社の良し悪しを決めず、その会社の実際の数字を求人票・面接・しょくばらぼで確かめ、説明と自分の働く条件がつながっているかを見ます。

よくある質問

男女の賃金格差はどのくらいですか?

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」概況第1表では、一般労働者の男性を100とした女性の水準は76.6です。所定内給与は男性373.4千円⁠、女性285.9千円です。

男女の賃金格差は縮まっていますか?

令和7年賃金構造基本統計調査の概況第1表では、2024年⁠の75.8から2025年⁠は76.6⁠へ0.8ポイント上昇しました。男性100に対する女性の水準であり、女性の給与が0.8%増えたという意味ではありません。

年齢による男女差はありますか?

令和7年賃金構造基本統計調査の概況第2表では、20〜24歳⁠は男性245.7千円・女性239.6千円⁠、55〜59歳⁠は男性445.6千円・女性305.7千円です。同じ人を追跡した数字ではありません。

大企業の男女の給与はいくらですか?

令和7年賃金構造基本統計調査の概況第4表では、常用労働者1,000人以上⁠の大企業は男性428.0千円⁠、女性310.8千円です。2025年6月分の所定内給与の平均で、賞与は入りません。

男女の賃金差異の公表義務は何人以上ですか?

厚生労働省「男女の賃金の額の差異の算出及び公表の方法について」⁠で⁠は⁠、2026年4月から常時雇用する労働者101人以上⁠が対象です。301人以上⁠は2022年7月から義務化されており、今回101〜300人⁠に拡大されました。

賃金の男女差は勤続年数だけで説明できますか?

できません。令和7年賃金構造基本統計調査の概況第2表で平均勤続年数は男性14.2年⁠、女性10.4年ですが、この差から賃金格差の寄与率は出せません。第8表では同じ役職区分でも平均給与に違いがあります。

気になる会社の「ホント」⁠を⁠、会社に聞いてみませんか。

残業、休み、評価のしかた、職場の雰囲気。求人票に書いていないことを質問すると、会社に回答をお願いして、届いた答えをこのサイトに載せます。まだ載っていない会社にもリクエストできます。無料で、名前やメールアドレスは会社に伝わりません。

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