有給休暇の付与日数は、通常の労働者なら勤続6か月で10日、6年6か月以上で20日です。最初の付与には、雇入れから6か月の継続勤務と、全労働日の8割以上の出勤が必要です。パート・アルバイトも対象ですが、所定労働時間と所定労働日数によって、通常の表か比例付与の表かが変わります。
厚生労働省の公式資料を2026年10月22日に確認しました。自分の日数を調べるときは、入社日、週の所定労働時間、週または年間の所定労働日数、対象期間の出勤率をそろえます。給与明細などに残日数がある人も、新たに付いた日数と前年からの繰越しを分けて見ます。
通常の労働者の付与日数を勤続年数で調べる
厚生労働省の年次有給休暇リーフレットに、通常の労働者と比例付与対象者の表があります。次は通常の付与日数です。初回以降も、対象となる期間の出勤率が8割以上であることを確認します。
| 継続勤務年数 |
新たに付与される日数 |
| 6か月 |
10日 |
| 1年6か月 |
11日 |
| 2年6か月 |
12日 |
| 3年6か月 |
14日 |
| 4年6か月 |
16日 |
| 5年6か月 |
18日 |
| 6年6か月以上 |
20日 |
出典:厚生労働省、リーフレットシリーズ労基法39条の1、年次有給休暇の付与日数、通常の労働者の表。法律上の付与日数で、調査の平均や中央値ではありません。繰越日数は含みません。
表は、在籍期間の途中で毎月少しずつ増える日数ではありません。その勤務年数に達したときに、新たに付与される法定日数です。会社が法定より早く付与したり、多く付与したりする制度を設けていることもあるため、実際の付与日は会社の規定と合わせて確認します。
6年6か月以上の20日は、その年に新たに付く日数の法定上の上限です。繰越分を含む保有日数が必ず20日まで、という意味ではありません。反対に、過去の有給をすでに使っていれば、残日数が表の数字より少なくても、そのことだけで不足とは判断できません。
入社後の付与を会社全体で同じ日にそろえる運用もあります。「毎年同じ月に付く」と聞いたら、初回はいつ付くか、入社日によってどう扱うかを聞きます。法定の付与時期より後へずらしてよい制度ではないため、就業規則の説明と自分の入社日を照らします。
パートでも通常の表を使うことがある
パート、アルバイト、契約社員という呼び名だけでは、比例付与になるかは決まりません。厚生労働省の労働条件・職場環境に関するルールでは、週所定労働日数と週所定労働時間で扱いを説明しています。
週の所定労働日数が5日以上なら、通常の付与日数を使います。週4日以下でも、週の所定労働時間が30時間以上なら通常の表です。比例付与は、週所定労働時間が30時間未満で、週の所定労働日数が4日以下などの人に使います。
| 契約上の働き方 |
確認する表 |
| 週所定労働日数が5日以上 |
通常の付与日数 |
| 週所定労働時間が30時間以上 |
通常の付与日数 |
| 週30時間未満かつ週4日以下 |
比例付与の日数 |
| 週以外の期間で日数を定める |
年間所定労働日数等で区分を確認 |
出典:厚生労働省、労働条件・職場環境に関するルールの年次有給休暇、同省の年次有給休暇リーフレット1ページ。制度の区分を整理しました。
週の日数だけを見て表を選ばないことです。短い時間でも勤務日が多い人と、勤務日は少ないが週の時間が長い人では、通常の表に該当することがあります。雇用契約書や労働条件通知書で、日数と時間の両方を見ます。
学生のアルバイトも、労働者として要件を満たせば有給休暇の対象です。社会保険で学生を原則対象外とする短時間労働者の条件を、有給休暇に持ち込んではいけません。保険に入っているかどうかで有給の有無を決める制度ではありません。
比例付与は勤務日数の区分から選ぶ
比例付与の対象者は、先に所定労働日数の区分を確認します。週以外の期間によって日数が定められている場合は、年間所定労働日数の区分を使います。年間の実際の出勤日数を、契約上の所定労働日数の代わりにそのまま入れないことです。
| 週所定労働日数 |
年間所定労働日数 |
| 4日 |
169〜216日 |
| 3日 |
121〜168日 |
| 2日 |
73〜120日 |
| 1日 |
48〜72日 |
出典:厚生労働省、年次有給休暇リーフレット1ページの比例付与の表。年間日数欄は、週以外の期間で労働日数を定めるときの区分です。いずれも週所定労働時間30時間未満が前提です。
次の表は、この区分別に新たに付与される日数を載せています。各セルの単位は日です。出勤率の要件を満たす場合の法定日数であり、過去から繰り越した残日数ではありません。
初回から中ほどの勤続年数まで
| 継続勤務年数 |
週4日 |
週3日 |
週2日 |
週1日 |
| 6か月 |
7日 |
5日 |
3日 |
1日 |
| 1年6か月 |
8日 |
6日 |
4日 |
2日 |
| 2年6か月 |
9日 |
6日 |
4日 |
2日 |
| 3年6か月 |
10日 |
8日 |
5日 |
2日 |
出典:厚生労働省、年次有給休暇リーフレット1ページの比例付与の表、継続勤務0.5年から3.5年の列。読みやすいように縦横を入れ替えて掲載しました。
長く勤めた人の付与日数
| 継続勤務年数 |
週4日 |
週3日 |
週2日 |
週1日 |
| 4年6か月 |
12日 |
9日 |
6日 |
3日 |
| 5年6か月 |
13日 |
10日 |
6日 |
3日 |
| 6年6か月以上 |
15日 |
11日 |
7日 |
3日 |
出典:厚生労働省、年次有給休暇リーフレット1ページの比例付与の表、継続勤務4.5年以上の列。週の日数欄は直前の区分表に対応します。
比例付与でも、毎年必ず同じ日数ずつ増えるわけではありません。週3日の区分では1年6か月と2年6か月がともに6日、週2日の区分では4年6か月と5年6か月がともに6日です。通常の表の増え方を、そのまま比例付与へ当てはめないようにします。
勤務日数が変わった人は、付与時点の所定労働日数と、それまでの継続勤務年数を勤務先へ確認します。パートから通常の勤務へ変わったからといって、同じ事業所での在籍期間を当然に数え直すものではありません。契約変更前後の書面をそろえて説明を求めます。
出勤率は所定休日を除いて確認する
8割以上の出勤という条件は、暦の日数の8割を職場にいたか、という意味ではありません。所定休日を除いた全労働日と、出勤したものとして扱う日を確認します。シフトのない日を、欠勤と同じ扱いにしないことです。
厚生労働省の年次有給休暇の基礎知識では、継続勤務や出勤率の計算を説明しています。業務上のけがや病気の療養による休業、法律上の産前産後休業、育児休業、介護休業などは、出勤したものとみなす扱いです。有給休暇を取得した期間も出勤として扱います。
| 日の種類 |
出勤率の計算での主な扱い |
| 契約上の所定休日 |
全労働日に含めない |
| 年次有給休暇を取った日 |
出勤したものとして扱う |
| 業務上のけが・病気の療養による休業 |
出勤したものとみなす |
| 法律上の産前産後休業 |
出勤したものとみなす |
| 法律上の育児・介護休業 |
出勤したものとみなす |
| 会社都合の休業 |
原則として全労働日から除く |
出典:厚生労働省、年次有給休暇の基礎知識の年休権の発生要件と付与日数、同省リーフレット1ページの出勤率算定に当たっての留意点。個々の休業の扱いは勤務先へ確認します。
私傷病で休んだ日と、業務上のけがによる休業日を同じにしないことです。給与明細に欠勤や休業という表示があっても、表示名だけでは法的な扱いがわからないことがあります。対象となる期間、全労働日の日数、出勤扱いにした日を会社へ聞きます。
有給を使ったために翌年の出勤率が下がる、という計算にも注意します。出勤率の説明に疑問があれば、結論だけではなく計算の内訳を確認します。自分の記録では、シフト表、勤怠記録、有給申請の控えを対応させておくと、食い違う日を特定できます。
契約更新や雇用形態の変更は継続勤務を確認する
継続勤務は、単に同じ肩書で働いていた期間ではありません。厚生労働省のリーフレットでは、事業場での在籍期間を意味し、勤務の実態に即して実質的に判断するとしています。定年後に嘱託社員として再雇用する例でも、継続勤務として扱う必要があります。
有期契約の更新があった人や、雇用形態が変わった人は、契約書が新しくなったという理由だけで勤続を区切らず、会社がどの日から数えているかを聞きます。勤続の起算日が違えば、同じ週の日数でも表の行が変わります。
働く場所や雇う会社が変わったときは、個別の関係を確認します。見た目が同じ職場だから必ず同じ扱いになる、とも、契約書が変わったからすべて最初から、とも決めつけません。旧契約と新契約のつながりを、担当者に説明してもらいます。
休職や長期の病欠があった期間も、在籍していれば継続勤務期間に通算されます。ただし、継続勤務の期間に入ることと、出勤率の計算で出勤したものとして扱うことは別です。在籍期間と出勤率を分けて聞くと、何が不足しているのかを確認できます。
付与日数の平均ランキングは法定日数と分けて読む
会社を比べるときには、法定の付与表に加えて、実際に付与されている日数も出てきます。厚生労働省の令和7年就労条件総合調査では、労働者1人平均の付与日数は18.1日でした。次は掲載16産業のうち、多い上位を並べたランキングです。
対象企業は常用労働者30人以上の民営企業です。集計する労働者は、期間を定めず雇われる人からパートタイム労働者を除きます。パートの実績平均ではありません。年休の状況は令和6年、または令和5会計年度の年間値です。繰越分を除く労働者1人平均付与日数で、中央値でも、入社直後の人だけの付与日数でもありません。単位は日です。
| 順位 |
産業 |
平均付与日数 |
| 1 |
複合サービス事業 |
19.7日 |
| 2 |
金融業・保険業 |
19.6日 |
| 3 |
電気・ガス・熱供給・水道業 |
19.5日 |
| 4 |
情報通信業 |
18.9日 |
| 5 |
製造業 |
18.8日 |
出典:厚生労働省、令和7年の就労条件総合調査の概況の8ページにある第5表の労働者1人平均年次有給休暇の取得状況。平均付与日数を降順に並べた上位5産業です。
勤続年数の長い人が多い職場では、法定の付与日数も多くなります。平均が高いことを、会社独自に初年度から多く付ける制度がある証拠にはできません。応募先では初回の付与日と日数を直接聞きます。
同じ表の全体の平均取得日数は12.1日です。付与された日数と実際に取った日数は別の数字であり、付与日数の多さだけで休みやすさは決まりません。取得率や産業別の読み方は有給休暇の平均取得日数と取得率で確認できます。
時効は付与された日から数える
法定の年次有給休暇は、発生した日から2年間で時効により消滅します。厚生労働省のリーフレット2ページと年休権の時効に関するQ&Aで確認できます。一般の賃金請求権の時効の説明と混ぜないことです。
残日数だけでは、いつまで使えるかがわかりません。勤務先に、前年からの繰越分、今年の新規付与分、それぞれの有効期限を聞きます。勤怠システムが合計だけを表示しているなら、内訳を別に確認します。
繰越分と新規付与分のどちらから使うかも、就業規則などの扱いを確かめます。合計の日数が十分に見えても、古い分の期限が近いことがあります。休暇の予定を立てるときは、新たに付く日と失効する日を一緒に見ます。
有給で休んだ日の賃金も就業規則で確認する
付与日数を確認したら、休暇日に支払われる賃金の決め方も見ます。厚生労働省の年次有給休暇リーフレット2ページのQ2では、平均賃金、所定労働時間を働いた場合の通常の賃金、健康保険の標準報酬月額を使う方法が説明されています。
どの方法を使うかは就業規則などに明確に定める必要があります。標準報酬月額を使う方法には労使協定が必要です。給与明細の振込額が出勤した月と違うことだけで、有給の賃金が支払われていないと断定せず、使っている方法と支給項目を確認します。
勤務日や時間が毎週同じではない人は、休暇を取る日に何時間働く契約だったかも確認します。時間外労働や手当の支給条件がある人は、有給取得日の賃金とそれ以外の支給額を分けて聞きます。この記事の付与日数の表から、個人の休暇日の金額を計算することはできません。
リーフレットは、有給を取ったことを理由とする不利益な取扱いにも注意を促しています。取得を抑えるような扱いがないかを、給与や評価の説明と合わせて確認します。制度を知らずに納得してしまわないよう、会社の規定と公的な説明を読み比べます。
説明が得られない、記録と異なる扱いが続くときは、申請や回答の記録を整理して、都道府県労働局や労働基準監督署などへ相談します。相談では職場への印象より、付与日、申請した日、実際の取扱い、会社からの説明を伝えると、確認する点がはっきりします。
時間単位年休は労使協定がある職場で使う
有給休暇は原則として日単位です。労使協定があれば、年5日分を上限として時間単位で使えます。細かい予定に合わせやすい制度ですが、すべての会社で自動的に利用できるわけではありません。
厚生労働省の時間単位年休Q&Aは、対象者の範囲、時間単位年休の日数、1日分の時間数、取得の単位などを協定で決めると説明しています。分単位など、時間未満の取得単位は認められません。
年5日分というのは、すでに持つ有給の一部を時間単位で使える範囲です。通常の付与日数に時間単位用の有給が追加される、という意味ではありません。半日単位の扱いも時間単位年休とは別に、会社の運用を聞きます。
時間単位で使った後の残りも、日と時間を分けて記録を確認します。勤怠システム上の表示が小数の日数であれば、何時間を1日分として表示しているかを聞きます。週の勤務時間を変更したときは、時間単位年休の換算や管理の扱いも確認します。
申請の画面に時間単位の選択肢があることと、自分が協定上の対象者であることは、同じ確認ではありません。対象範囲と手順を先に聞いてから、休む時間を申請します。
年5日の取得義務は付与日数の上限ではない
法定の年次有給休暇が年10日以上付与される労働者には、会社が年5日を確実に取得させる義務があります。パートでも比例付与の日数がこの条件に達すれば対象です。雇用形態だけで対象を外すものではありません。
5日取れば残りを使えない、という制度でもありません。付与される日数、本人が請求して使う日数、会社が取得を確保する義務を分けます。対象となる期間や時間単位年休の数え方は有給休暇の年5日義務で確認できます。
その会社の付与日と休む手順を確かめる
求人の「有給休暇あり」だけでは、初回付与日、日数、申請方法まではわかりません。面接では入社日と契約上の働き方を前提に、どの表で何日付くかを聞きます。採用時には労働条件通知書や就業規則の案内と照らします。
すでに働いている人は、付与日、新規日数、繰越分、取得済み日数、有効期限を確認します。日数が合わないときは、出勤率や継続勤務の起算日も合わせて聞きます。制度の説明と実際の記録を同じ期間で比べることです。
休めるかを調べるときは、配属先の引き継ぎや繁忙期の申請方法も確認します。年休は労働者が指定する時季に与えるのが原則で、事業の正常な運営を妨げるときの時季変更は例外です。単に忙しいからという説明だけで、取得する権利がなくなるわけではありません。
その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめます。平均取得日数を見たうえで、自分の入社日と契約日数での付与、申請方法、残日数の管理を勤務先へ確認します。