内定辞退のメールは、誰からの連絡か、内定へのお礼、辞退する意思、お詫び、署名を順に書きます。入社しないと決めたら早く伝えます。2026年10月22日に確認した公的案内でも、電話やメールでの連絡は認められています。承諾後の辞退では、期間の定めのない雇用について民法627条1項が申入れから2週間での終了を定めていますが、すべての内定に同じ結論を当てはめず、契約内容を確認します。
電話が必須と決めつけず、案内と連絡状況を確認する
京都新卒応援ハローワークの案内は、辞退を決めたら早急に連絡するよう案内し、直接のほか電話やメールでも構わないと説明しています。「メールだけなら必ず失礼」「電話でなければ無効」とは書かれていません。
企業から辞退の窓口や連絡方法を指定されているなら、先にその案内を読みます。採用担当と電話でやり取りしてきた人や、入社日が迫っている人は、電話で伝えたうえでメールにも残すと、行き違いを確認できます。担当者につながらないときは、電話できるまで通知自体を止めず、メールで意思を伝えます。
メールでの連絡が案内されているなら、その宛先を使います。採用管理画面で手続きする案内がある場合は、その操作も確認します。大事なのは、決めた意思を早く、担当者が本人を識別できる形で伝え、必要な手続きの連絡を見落とさないことです。
連絡手段を選ぶ作業と、法律上の通知が到達したかの判断は同じではありません。契約上の期限が問題になるときは、メールの送信時刻だけで判断せず、契約書類とやり取りをそろえて相談します。
件名は、辞退の連絡と本人がわかる形にする
件名に「ご連絡」だけでは、内容がわかりません。「内定辞退のご連絡」に、本人を識別するための情報を添えます。応募者番号の指定があるならそれに従います。生年月日や住所まで件名へ入れる必要はありません。
本文の宛名は、案内で確認できる採用窓口にします。担当者名がわからなければ、採用ご担当者様と書けます。部署全体と担当者の敬称を重ねるなど、形式を飾りすぎる必要はありません。相手が読み、処理できる内容にします。
以下のメール、件名、電話、返信の例はすべて架空の例です。実在の会社、学校、人物の名称や連絡先は使っていません。角括弧の箇所は、実際に送るときに自分の情報へ置き換えます。応募先を識別できる情報は必要ですが、関係のない個人情報は追加しません。
新卒のメール例:選考へのお礼と辞退を簡潔に書く
新卒の架空例・件名:内定辞退のご連絡【応募者を識別する情報】
採用ご担当者様
お世話になっております。内定のご連絡をいただいた【本人を識別する情報】です。
このたびは内定のご連絡をいただき、ありがとうございました。検討の結果、内定を辞退いたします。
選考にお時間をいただいたにもかかわらず、このようなご連絡となり申し訳ございません。面接やご説明の機会をいただいたことに、感謝申し上げます。
辞退に伴う手続きや返却物がありましたら、ご案内いただけますと幸いです。
【署名】
新卒では、大学名などを企業から本人確認の情報として求められていれば、実際の連絡に記載します。この記事の例には学校名を置いていません。選考で使ってきたメールアドレスや応募者番号など、相手が確認できる情報をそろえます。
理由を詳しく書く前に、辞退の意思を明確にします。「辞退させていただければと考えております」だけだと、相談中なのか確定なのかが読み取りにくくなります。決まっているなら、辞退いたしますと書きます。検討中なら、辞退の通知ではなく回答期限の相談として連絡します。
感謝とお詫びを何度も繰り返すと、結論が埋もれます。選考の機会へのお礼と、辞退することへのお詫びを入れたら、必要な手続きへ進みます。架空の病気や家族の事情を理由に足さないことです。
転職のメール例:職種と応募経路を確認できる形にする
転職の架空例・件名:内定辞退のご連絡【応募職種・本人を識別する情報】
採用ご担当者様
お世話になっております。【応募職種】の選考で内定のご連絡をいただいた【本人を識別する情報】です。
内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。今後の働き方について検討した結果、内定を辞退いたします。
面接や条件のご説明にお時間をいただいたにもかかわらず、申し訳ございません。これまで丁寧にご対応いただき、ありがとうございました。
ご案内済みの入社手続きについて、辞退に伴う対応が必要でしたらお知らせください。
【署名】
転職では、同じ採用窓口で複数の職種を扱っていることがあります。応募職種や選考の連絡で使ってきた情報を添え、どの採用の連絡かがわかるようにします。理由に現在の勤務先や他の応募先の具体的な情報を持ち込む必要はありません。
紹介会社などを通じて応募したなら、連絡の窓口を確認します。企業へ直接送るか、紹介担当を通すかは、案内された経路に沿います。担当へ話しただけで企業にも伝わっているかが不明なら、誰がいつ連絡するかを確認します。
入社に向けた書類をすでに送っている場合は、辞退後に必要な返却や手続きの案内を受け取れるようにします。採用担当の返信を見ずに連絡を断つと、貸与物などの確認が止まります。応募先へ入社しないことと、必要な連絡へ応じることは分けます。
電話後のメール例:伝えた内容を記録に残す
電話後の架空例・件名:内定辞退のご連絡【本人を識別する情報】
採用ご担当者様
お世話になっております。先ほどお電話で内定辞退の旨をお伝えした【本人を識別する情報】です。
お電話でお伝えしたとおり、内定を辞退いたします。選考にお時間をいただいたにもかかわらず、申し訳ございません。
本日ご案内いただいた手続きについては、内容を確認のうえ対応いたします。これまでご対応いただき、ありがとうございました。
【署名】
電話の前は、相手が今話せるかを確認します。用件を先に告げ、本人確認の情報、お礼、辞退の意思を伝えます。短い言葉で準備しておくと、緊張して理由だけを長く話すことを防げます。
電話での架空例:内定のご連絡をいただいた者です。内定辞退の件でご連絡しました。今、お時間をいただいてもよろしいでしょうか。検討の結果、内定を辞退いたします。選考にお時間をいただき、ありがとうございました。
電話がつながらない場合のメールでは、「電話で伝えた」と事実に反する文を使いません。電話したものの不在だったためメールで連絡する、と状況を短く添えます。どの手段でも、実際のやり取りに合わせて文面を直します。
連絡は、回答期限を待たずに決めた時点で行う
回答期限が先でも、入社しない意思が確定したら連絡します。企業は入社の準備や他の応募者への対応を進めているためです。書き方の正解を探し続けて、伝えること自体を遅らせないようにします。
まだ条件を確かめている段階なら、確認事項と回答できる見通しを伝えます。期限の延長を希望するときは、延長できると決めつけず相談します。返事を保留したまま、相手からの連絡を無視する方法は避けます。
他の選考結果を待つか迷うときは、自分が何を比べたいのかを書き出します。仕事内容、勤務地、給与、働く時間のどこが未確認なのかを分けます。確認すれば判断できる問題と、すでに入社しないと決めている状態を混ぜないことです。
判断に必要な情報の整理は企業研究のやり方で確認できます。内定辞退の文面に、比較している会社への評価や、選考の詳しい経過まで書き込む必要はありません。連絡の目的は辞退の意思と必要な手続きを伝えることです。
承諾後のメール例:以前の返答と今回の意思を区別する
承諾後の架空例・件名:内定辞退のご連絡【本人を識別する情報】
採用ご担当者様
お世話になっております。内定を承諾した【本人を識別する情報】です。
承諾のご連絡後で恐縮ですが、検討の結果、内定を辞退いたします。入社に向けてご準備いただいているところ、このようなご連絡となり申し訳ございません。
辞退に伴う手続きと、返却が必要な書類や物品がありましたら、ご案内をお願いいたします。
選考からこれまでご対応いただいたことに、感謝申し上げます。
【署名】
承諾前の例文をそのまま送らず、すでに承諾した経緯がわかるようにします。入社日が迫っているなら、メールを送って終わりにせず、電話などでも届いたかを確認します。事実として連絡した日時と、相手からの返答を残します。
ただし、この例文は、あらゆる契約で同じ日に自由に終了できるという保証ではありません。承諾書や内定通知、労働条件の書面を読み、期間の定め、入社日、特別に合意した内容を確認します。不安があれば、送信を先延ばしにせず、早く連絡しながら相談先へ確認します。
民法で確認できるのは、契約の種類と通知の考え方
e-Govの民法で確認すると、627条1項は期間の定めのない雇用を扱い、解約の申入れの日から2週間を経過すると終了すると定めています。この記事では、条文を2026年10月22日に確認しました。入社前かどうかだけでなく、どのような契約が成立しているかを見ます。
期間の定めがある雇用については、628条が、やむを得ない事由があるときの解除と、その事由が一方の過失によって生じた場合の責任を扱います。無期契約の条文を、有期契約にもそのまま当てはめないことです。どの事情が該当するかは、短いメール例文だけでは判断できません。
97条1項は、意思表示は通知が相手方に到達した時から効力を生ずるとしています。メールの送信済み表示、不達通知、相手の返信は別々の情報です。読んだかどうかだけでなく、法的な到達がいつかは個別事情で確認する必要があります。
厚生労働省の内定・内々定についてのQ&Aも、内定の態様はさまざまで、契約が成立しているかなどによって扱いが変わると説明しています。承諾書を出したから絶対に辞退できない、出していないから契約は絶対にない、と形だけで断定しません。
損害賠償を求められても、その場で結論を出さない
内定辞退を理由に、必ず損害賠償が発生するとは言えません。厚生労働省の同Q&Aは、内定者側の辞退は基本的に問題ないとしつつ、信義則に反するような事情などへの注意を示しています。「絶対に責任はない」「要求されたら全額払う」のどちらにも飛びつかないことです。
請求や支払いの話が出たら、何の費用について、どの合意を根拠に、どのように計算した金額かを書面で確認します。その場の電話だけで支払いを約束せず、通知書、承諾書、やり取りをそろえて相談します。事情を確認する前に、相手の説明をそのまま認める必要はありません。
相談先は、新卒応援ハローワークや、厚生労働省が案内する総合労働相談コーナーなどがあります。契約の解釈や金銭請求の判断が必要なら、法律相談の利用も検討します。相談時には、何をいつ伝え、相手がどう返したかを整理します。
内定後に現職の退職も進めている人は、応募先への辞退と現職の退職手続きを混ぜないようにします。現職に出した意思表示を、応募先へ辞退を伝えたことで自動的に取り消せるわけではありません。現職の手続きは退職届の書き方と分けて確認します。
返信がないときは、届いたかと手続きを分けて確認する
返信がないまま入社の準備が進みそうなときは、宛先や不達通知を確認し、採用窓口へ連絡します。メールを読んだか、辞退に伴う手続きが残っているかを分けて聞きます。何度も別の窓口へ送る前に、指定された連絡先を確かめます。
相手から受領の返信が来たら、内容を読み、返却や書面の提出があれば対応します。自分が送ったメールと返信は、日付がわかる形で残します。特別な事情や金銭の話があるなら、短い了承の返信だけで合意内容を広げず、何を求められているかを確認してから返答します。
引き止めには、辞退か条件確認かを分けて答える
「理由を聞きたい」「条件を変えるので考え直してほしい」と言われたときは、自分の意思が確定しているかを確かめます。辞退が確定しているなら、お礼を添えて、意思は変わらないと短く返します。相手が納得するまで、他社の情報を開示する必要はありません。
引き止めへの架空の返信例:ご配慮いただき、ありがとうございます。検討したうえでの結論であり、辞退の意思は変わりません。お時間をいただいたにもかかわらず申し訳ございませんが、辞退に伴う手続きのご案内をお願いいたします。
条件の変更を受けて本当に検討したいなら、その条件を書面で確認し、いつ返答するかを相談します。すでに辞退した意思表示を撤回できるかは別の問題なので、自分だけで選考が継続していると判断しません。言われた条件が契約上どう扱われるかも確認します。
強い言葉で責められる、長時間の面談を求められるなどして困ったときは、やり取りを保存して相談します。説明を求められたことと、どの要求にも従う義務があることを混同しません。返却物などの実務上必要な連絡は、落ち着いて分けて対応します。
迷っているなら、入社前の説明と働き方を確認する
辞退をまだ決めていない人は、何がわかれば判断できるかを絞ります。厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査には、事業所が定着のために行う対策の集計があります。採用前の説明もその中に含まれています。
次のランキングは、満15〜34歳の若年正社員の定着対策を行っている事業所を対象に、実施している対策の上位を高い順に並べたものです。複数回答の事業所割合で、平均や中央値ではありません。内定辞退の理由や、辞退率を示す表ではありません。
| 順位 |
定着のための対策 |
事業所割合 |
| 1 |
職場での意思疎通の向上 |
59.7% |
| 2 |
採用前の詳細な説明・情報提供 |
58.4% |
| 3 |
本人の能力・適性にあった配置 |
55.6% |
| 4 |
労働時間の短縮・有給休暇の積極的な取得奨励 |
52.9% |
| 5 |
教育訓練の実施・援助 |
48.5% |
出典:厚生労働省、令和5年の若年者雇用実態調査の概況の表8、冊子10ページ。令和5年10月1日現在。2026年10月22日確認。
自分が気になることを、説明や制度の有無だけでなく、配属予定の仕事でどう運用されるかまで聞きます。研修があるなら内容と担当、休暇なら申請や引き継ぎ、残業なら部署と年度を確認します。この表の上位に取り組む会社なら辞退すべきでない、という判断には使いません。
送信前に文面を確認し、次の会社の実際の数字を調べる
送信前は、宛先、件名、本人を識別する情報、辞退の意思、署名を確認します。例文の置き換え欄が残っていないか、承諾後なのに承諾前の文章になっていないかも見ます。連絡後は、不達通知や返信、必要な手続きの案内を確認します。
次の応募では、内定まで不明な条件を残しすぎないよう、求人票と面接で確認します。職種、勤務地、給与の内訳、残業、休日など、自分が比較したい点を先に決めます。辞退した会社の欠点探しを続けるより、次に必要な確認へ進みます。
その会社の実際の数字は、求人票・面接・厚生労働省のしょくばらぼで確かめます。休暇や残業、採用と定着の実績は、対象年度と対象者を見ます。入社するかを決める前に、働き方の説明と数字がつながっているかを確認します。