介護休暇は、対象家族が1人なら年5日、2人以上なら年10日で、1日または時間単位で取得できます。介護休業は、対象家族1人につき通算93日、3回まで分割できる制度です。厚生労働省の案内では、介護休業給付金は一定の条件を満たす人に原則67%の給付率で支給されます。介護休暇の給与と介護休業給付金は別です。
公式の制度説明は2026年10月23日に確認しました。短い付き添いで休みたいのか、介護サービスの手配などでまとまった休みが必要なのかを、会社の窓口へ伝えます。すぐに退職日を決める前に、使える休暇、休業、働く時間の調整を確認します。
短い用事は介護休暇、まとまった準備は介護休業で相談する
厚生労働省の介護休暇の案内では、通院の付き添い、介護サービスの手続き代行、ケアマネジャーとの短時間の打ち合わせなどへの利用を挙げています。家で直接介助する日だけの制度ではありません。
厚生労働省の介護休業の案内は、休業中を仕事と介護を両立できる体制を整える準備期間と捉えるよう説明しています。休業が終わった後も続けられる介護の分担やサービスを考える時間に使います。
| 比べる点 |
介護休暇 |
介護休業 |
| 法定の日数 |
対象家族1人で年5日、2人以上で年10日 |
対象家族1人につき通算93日 |
| 取得の単位 |
1日または時間単位 |
まとまった期間、3回まで分割 |
| 申し出 |
口頭でも可能 |
原則、開始予定日の2週間前までに書面等 |
| 休んだ間のお金 |
有給・無給は会社規定 |
雇用保険の給付要件を別途確認 |
出典:厚生労働省、介護休業制度特設サイトの介護休暇・介護休業。制度上の日数であり、取得日数の平均ではありません。
休暇と休業を同じ申請書の名前で呼ぶ会社もあるため、窓口では使いたい制度を明示します。「介護で休みます」だけでは、年次有給休暇として処理するのか、法定の介護休暇なのかが曖昧になります。勤務表への登録方法まで聞きます。
対象家族と要介護状態を確認する
対象家族は、配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母です。配偶者には事実婚を含みます。親と同居していないという理由だけで、対象外と決めないことです。
要介護状態は、負傷、疾病、身体上または精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態をいいます。高齢の家族だけの制度ではなく、条件に該当する障害児・者や医療的ケア児・者も含まれます。乳幼児の通常の成育過程で必要な世話は、この説明とは分けられています。
介護保険の認定や年齢の印象だけで、自分は使えないと判断しないことです。会社には続柄と必要な介護の内容を伝え、確認に使う資料を聞きます。状態の判断や証明で迷う点は、会社の窓口や労働局雇用環境・均等部(室)に相談します。
対象となる労働者も制度ごとに違う
介護休暇と介護休業は、日々雇用される人を除く労働者が対象です。パートや有期契約の人でも、雇用形態の名前だけで対象外とはなりません。介護休業の有期契約では、休業開始予定日から93日を経過する日からさらに6か月を経過する日までに、契約が満了し更新されないことが明らかでない、といった要件があります。
労使協定による除外も別に確認します。介護休業では継続雇用1年未満、申し出から93日以内に雇用終了が明らか、週の所定労働日数が2日以下などを除外する協定があります。介護休暇の改正を読んで、介護休業の除外もすべてなくなったと読み替えないようにします。
会社に「パートだから無理」と言われたなら、どの制度のどの要件なのかを確認します。自分の契約期間、更新の見込み、週の所定労働日数を示して聞くと、雇用形態だけの説明から具体的な確認へ進めます。
介護休暇は時間単位で使えるが中抜けの運用を聞く
介護休暇は法定の年次有給休暇とは別に取得する制度です。給料を支払うかどうかは会社の規定で決まります。年次有給休暇の残日数が少ない人も、介護休暇の残りと給与の扱いを別々に確認します。休暇の違いは慶弔休暇と特別休暇とも比較できます。
時間単位で使えることと、勤務の途中で抜けて戻る運用が同じとは限りません。始業から休むのか、終業までの時間を休むのか、中抜けも認めるのかを聞きます。申請する開始時刻と終了時刻を示すと確認できます。
時間単位の取得が困難な業務については、その単位での取得を除外する労使協定があると、1日単位のみになることがあります。職場で口頭の慣行があるだけか、どの協定に基づく扱いかも確かめます。
1年間の区切りは、会社が特に定めていなければ4月から翌年3月です。自分の会社が別の年度を定めているなら、その期間の取得済み日数や時間を確認します。家族が複数いるときは、家族ごとに年10日ずつ使える、と数えないようにします。
介護休業は残りの日数と回数を管理する
介護休業の通算93日は対象家族ごとです。年度が変わるたびに新しく付与される年休のような制度ではありません。すでに取った期間があるなら、開始日、終了日、何回目だったかを会社と照合します。
休業を取る目的は、本人がすべての介護を引き受けることだけではありません。家族との分担、市区町村や地域包括支援センターへの相談、サービスの手配、住まいと仕事の調整などを進めます。休業が終わる日までに、平日の昼間と夜間を誰が担うかを整理します。
分割して使うなら、今必要な準備と、今後見直しが必要になったときの対応を分けて考えます。ただし、残しておけば将来の状況に必ず合うとも言えません。体制を整えるため今どの作業が必要かを、支援先と会社に相談します。
休業の予定変更も、自分で日程を書き換えるだけでは済みません。公式案内には終了予定日を繰り下げる手続きなどがあります。家族の状態が変わったら、変更したい日と理由を会社へ連絡し、正式な手続きを確認します。
介護休業給付金は雇用保険の条件を別に審査する
根拠は厚生労働省、介護休業給付の内容及び支給申請手続についてです。会社が休業を認めたことだけで、給付の支給も決まるわけではありません。雇用保険の加入や対象となる休業などをハローワークで確認します。
原則として休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が12か月以上必要です。その月数が足りないときには、賃金の支払基礎となる時間数が80時間以上の月を算定する扱いがあります。病気などで賃金が出ない期間があった人には対象期間の特例もあるため、加入歴を示して確認します。
給付額は原則として、休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%です。賃金日額は原則、休業開始前6か月の賃金を180で割って算定します。賞与などの扱い、賃金日額の上限、休業中の賃金や就業日数による調整があるため、直前の手取りの67%と計算しないことです。
調整がないと仮定した計算例
| 仮定する条件 |
設定 |
| 受給資格と休業の条件 |
すべて満たす |
| 算定に使う休業前の賃金合計 |
6か月で180万円 |
| 支給日数 |
30日 |
| 休業中の賃金・就業 |
なし |
| 上限等による調整 |
なし |
この仮定では180万円÷180=10,000円が賃金日額です。10,000円 × 30日 × 67%=201,000円になります。公的資料の平均支給額ではなく、資料の式に仮定を入れた結果です。本人がこの額を受け取れるという説明ではありません。
支給日数は対象期間によって扱いが違い、すべての月で暦の日数をそのまま掛けるわけではありません。休業終了日の属する期間などは、公式資料の支給日数の説明で確認します。給料が一部出る人も、給付との合計額を自己判断で固定せず、給与の証明をそろえます。
育児の給付と名称が似ていても、給付率や申請の扱いを同じと決めないようにします。制度を取り違えないために育児休業給付金と分けて確認します。
申し出は会社の休業手続きと給付申請に分ける
介護休業を希望どおりの日から始めるには、原則として開始予定日の2週間前までに書面等で申し出ます。社内様式があれば使い、なければ必要事項を窓口へ確認します。急に介護が必要になったときは、予定が固まるまで黙って待たず、今必要な短期の休みも含めて連絡します。
介護休暇は書面に限定されず、口頭での申し出も可能です。急な通院などは、休む時間と用件を早く伝え、事後に必要となる記録や申請を確認します。介護休業の事前期限を、短い介護休暇にもそのまま当てはめないようにします。
| 連絡・申請 |
確認すること |
| 介護に直面した連絡 |
相談窓口、制度の説明を受ける方法 |
| 介護休暇の申し出 |
日時、取得単位、残日数、給与 |
| 介護休業の申し出 |
対象家族、期間、過去の取得、必要資料 |
| 給付申請 |
会社の担当者、提出書類、提出期限 |
| 復帰の調整 |
勤務予定、残業や時間帯の調整、引き継ぎ |
給付の申請は、原則として1回の介護休業が終わった後に事業主が手続きします。公式資料では、終了日の翌日から2か月を経過する日の属する月の末日までが提出期限です。会社に必要な資料を渡す社内期限は、それより早くなることがあります。
会社に書類を渡した日と、ハローワークに提出された日は別です。担当者、提出の見込み、追加資料が必要になったときの連絡先を確かめます。会社が対応できないなどの事情があれば、申請を諦めずハローワークに相談します。
休業前の給与支払日と給付の入金時期も別です。給付申請が休業後になることを踏まえ、休業中の支出を先に整理します。入金日が未確定なのに、翌月の固定費をすべて給付で払う予定にしないことです。
改正後は会社からの個別周知と意向確認も受ける
厚生労働省の法改正のポイントでは、2025年4月から介護離職防止のための雇用環境整備、個別周知・意向確認などを義務化したと説明しています。
会社は、研修、相談体制の整備、利用事例の収集・提供、利用促進方針の周知などから措置を行います。介護に直面した旨を申し出た労働者には、制度、申出先、介護休業給付金などの周知と利用意向の確認が必要です。取得を控えさせるような説明は認められません。
介護に直面する前の早い段階として、40歳に達する年度などに情報提供する仕組みもあります。制度の資料がどこにあるかをあらかじめ知っておけば、急なときの連絡先を探す手間が減ります。
介護休暇では、継続雇用6か月未満を労使協定で除外する仕組みが廃止されました。古い社内資料を見て入社直後は使えないと思ったら、改正後の規則を確認します。週の所定労働日数が2日以下の人に関する協定とは別の変更です。
介護のためのテレワーク等の導入は努力義務です。すべての仕事で在宅勤務を必ず利用できる、と説明してはいません。自分の業務で使えるか、使えないなら勤務時間の調整があるかを会社へ聞きます。
規模別ランキング:介護休暇の規定がある事業所の割合
介護休暇の規定状況は、令和6年度雇用均等基本調査の事業所調査で公表されています。令和7年度調査の公表後も、ここで使う介護休暇の規定状況は令和6年度の項目です。年の新しい別の項目の数字に置き換えず、この項目の直近公表値を使います。
対象は常用労働者5人以上の民営事業所で、令和6年10月1日現在の規定の有無です。単位は%、事業所の割合で、取得率や平均取得日数ではありません。規定がある割合の高い順に並べました。
| 順位 |
事業所規模 |
介護休暇の規定あり |
| 1 |
500人以上 |
98.3% |
| 2 |
100〜499人 |
95.7% |
| 3 |
30〜99人 |
82.6% |
| 4 |
5〜29人 |
64.4% |
| — |
5人以上計 |
68.1% |
出典:厚生労働省、令和6年度雇用均等基本調査の事業所調査結果概要6(1)、図10、付属統計表第29表に対応する規模別の記載。
これは規定の整備状況です。規定がない事業所では法定の権利もない、という意味ではありません。規則に載っていないときも、対象条件を会社へ示して手続きを聞きます。規模別の順位だけで、介護をしながら働けるかは決まりません。
調査は2025年4月の改正より前の状況です。改正後の整備率だと読まないようにします。現在の窓口と規則が整っているかは、勤務先に直接確認します。
面談前に必要な休みと続けたい働き方を分けて書く
会社に最初から完成した介護計画を出す必要はありません。確定している通院日、今決まっているサービス、本人が対応する用事、まだわからない予定を分けます。家族の状態が変わる前提で、次にいつ勤務予定を見直すかも話します。
例文は「家族の介護が必要になりました。【日時】の介護休暇と、今後の介護休業について相談したいです。利用できる制度、申し出先、給与と給付申請の扱いを説明してください」です。詳細な病歴を職場全体に共有せず、必要な情報を正式な窓口へ伝えます。
引き継ぎでは、業務の締切、保存場所、承認が止まりそうな点を残します。休業中に本人へ連絡すれば済むという運用にせず、誰が判断するかを上司と決めます。休業後に同じ働き方へすぐ戻れるかも含め、短時間勤務などを相談します。
休業後の勤務は介護の予定と職場の予定を並べて調整する
復帰日だけを決めても、通院やサービスの予定が勤務と重なることがあります。今後も自分が付き添う用事、他の家族が担当する用事、外部のサービスに任せる用事を分けます。会社には家族の事情をすべて説明するのではなく、勤務の調整が必要な日時を示します。
引き継ぎ先から仕事を戻すときも、休業前の業務を全部同時に戻せるかを相談します。決まっていない予定は未定と伝え、変更がわかったときの連絡方法を決めます。「何かあれば休みます」だけでは、本人も職場も予定を組めません。
| 復帰前に整理するもの |
会社へ確認すること |
| 定期的な通院や打ち合わせ |
必要な介護休暇と時間の扱い |
| 予定の変更が起きる用事 |
急な連絡先と代わりの担当 |
| 続ける介護の分担 |
勤務時間や働く場所の調整 |
| 残っている手続き |
休業の記録と給付申請の進み方 |
介護の状況が変わると、最初に使った制度だけでは足りなくなることもあります。介護休暇の残日数、介護休業の残り、会社独自の制度をその都度確認します。法定の制度と会社の上乗せを分けて記録しておけば、どこまで利用したかを整理できます。
相談先も会社だけに絞らず、地域包括支援センターやケアマネジャーなどと体制を見直します。会社に説明する勤務の希望と、介護サービス側で相談する内容を分けると、誰に何を頼むかが明確になります。本人だけで空いた時間をすべて埋めようとせず、仕事を続けるための分担を相談します。
求人票と面接では制度と利用実績を分けて聞く
応募先では、介護休暇の有給・無給、時間単位の運用、介護休業の申出先、復帰後の時間調整を聞きます。法定の制度があることと、担当者が迷わず手続きを案内できることは別です。調べる順番は企業研究のやり方で整理できます。
取得実績を聞くなら、集計期間と対象となる社員の範囲を確認します。他の社員の介護事情や病名を求める必要はありません。利用者が少ないという数字だけで使えない職場と決めず、必要になったときの手順まで確かめます。
休暇・休業の権利は会社と労働局、介護休業給付金はハローワークで確認します。その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめます。