子の看護等休暇は、小学校3年生修了までの子が1人なら年5日、2人以上なら年10日です。2025年4月1日から、感染症に伴う学級閉鎖等での世話と、入園式・卒園式・入学式への参加も取れる理由に加わりました。勤続6か月未満の人を労使協定で除外する仕組みも廃止されています。
急な発熱や学級閉鎖の連絡が来たら、会社に休む日と必要な時間、子の看護等休暇を使いたいことを伝えます。有給か無給か、年度内の残日数、時間単位の申請方法は就業規則で確認します。制度の説明は2026年10月23日に厚生労働省の公式資料で確認しました。
旧名称の看護休暇から、対象と理由が広がった
厚生労働省の改正育児・介護休業法のポイントに、2025年4月の変更が載っています。従来の子の看護休暇から、子の看護等休暇へ名称も変わりました。「等」は、病気やけがの看護以外にも対象が広がったことに関わります。
| 確認する項目 |
改正前 |
2025年4月以降 |
| 対象の子 |
小学校就学前まで |
小学校3年生修了まで |
| 病気・けがの看護 |
対象 |
対象 |
| 予防接種・健康診断 |
対象 |
対象 |
| 感染症による学級閉鎖等 |
法定の理由に含まれない |
対象に追加 |
| 入園式・卒園式・入学式 |
法定の理由に含まれない |
対象に追加 |
| 勤続6か月未満の除外 |
労使協定で可能 |
この除外は廃止 |
出典:厚生労働省、改正育児・介護休業法のポイント、1ページ目の子の看護等休暇の見直し。会社が法律を上回る制度を設けているときは、その内容も確認します。
社内の申請画面が旧名称のままでも、名前だけで対象外だと判断しないことです。規程や運用が改正に対応しているかを人事に聞きます。古い手引きに勤続期間の条件が残っているなら、いつ更新した資料かも確認します。
法律の対象が変わったことと、すべての学校行事で休めることは別です。使いたい用事を会社に説明し、法定の理由に当たるのか、会社独自の休暇を使うのかを分けて確認します。
病気だけでなく、予防接種や入学式にも使える
厚生労働省の子の看護等休暇の案内は、病気・けがの看護、予防接種・健康診断、感染症に伴う学級閉鎖等での世話、入園式・卒園式・入学式への参列を取得理由として挙げています。
病気になった後の対応だけを考えていると、予防接種や健康診断で使えることを見落とします。予定がわかっている用事は、必要な時間がわかった段階で会社に申請方法を確認します。通院や行事の日時を、勤務のどこにかかるかという形で整理すると伝わります。
感染症に伴う学級閉鎖等では、子本人が感染していなくても、世話のために取得できます。「本人が元気だから使えない」と決めず、学校等からの連絡内容を確認します。感染症以外の事情による休校まで一律に含まれるとは限らないため、閉鎖の理由も分けます。
入園式、卒園式、入学式が加わっても、授業参観や運動会が自動的に法定の対象になるわけではありません。厚生労働省の改正法の解説資料は、これらの行事は法定の取得事由に当たらず、会社が独自に対象を広げることは差し支えないと説明しています。
申請するために、実際と違う理由を書く必要はありません。法定の理由に入らない用事なら、会社独自の特別休暇や年次有給休暇の使い方を確認します。理由を変えて申請すると、残日数も会社の実績も正しく管理できません。
日数は子の人数で決まり、年度と残日数を確認する
対象の子が1人なら年5日、2人以上なら年10日です。対象になる子の人数を確認して枠を決めます。対象年齢を超えた子を含めて数えるのではなく、法定の対象と会社独自の上乗せを分けます。
子ごとに5日ずつ割り当てて固定する制度ではありません。対象の子が複数いるとき、どの子のために取得したかと、本人の残日数を整理します。家庭全体で共有する休暇なのかと迷ったら、各労働者が会社に申し出る制度として確認します。
厚生労働省の特設サイトは、事業主が特に定めなければ、年度は4月1日から翌年3月31日までと案内しています。会社に別の定めがあるかを確認し、暦年や年次有給休暇の付与日と混ぜないようにします。
対象の子が年度の途中で増えたときは、申出時点の人数に応じた枠と、それまでに使った分を人事に確認します。新しい年度が始まったのか、同じ年度の上限が変わるのかを区別して記録します。自己流で残日数を足すのではなく、会社の台帳にも同じ内容が反映されているかを見ます。
年度の途中で残日数を確認するときは、前に休んだ日が何の制度で処理されたかも見ます。有給休暇として申請した日を、後から自動的に子の看護等休暇へ振り替えたと考えないことです。変更が必要なら、勤怠担当に手続きを聞きます。
| 会社に確かめること |
手元に残す内容 |
| 年度の区切り |
起点の日と終了日 |
| 対象の子の登録 |
社内で必要な届け出 |
| すでに使った分 |
取得日と時間、制度名 |
| 残りの枠 |
日数と時間の両方 |
| 法律を上回る制度 |
対象年齢、日数、取得理由の追加 |
連絡をした時点で残日数がわからなければ、そのことも人事に伝えます。休む必要の連絡と残高確認を同時に進め、残日数がないときに使える別の制度も聞きます。給付金の有無や給与の支払いを、休暇の枠だけから判断しないようにします。
時間単位で取れるが、中抜けの運用は別に聞く
子の看護等休暇は、1労働日単位に加えて1時間単位で取れます。病院の予定が勤務の一部にかかるときや、朝の対応で出勤が遅れるときは、必要な時間を伝えます。半日を使うしかないと決めず、時間単位の申請方法を確認します。
ただし、勤務の途中でいったん外出し、その後また戻る中抜けを、法律上すべての会社が同じように認める仕組みではありません。厚生労働省の改正法の解説資料は、中抜けなども認める柔軟な利用への配慮を示しています。法定の時間単位取得と、社内で可能な運用を分けて聞きます。
始業から連続して休むのか、終業まで連続して休むのか、いったん戻る必要があるのかを整理すると、申請する時間が明確になります。移動時間などの扱いに迷ったら、理由と必要な時間帯を人事に説明します。
時間単位での取得が困難と認められる一定の業務については、労使協定によって時間単位の対象から除外する仕組みがあります。改正法の解説資料は、この場合でも1日単位の取得は拒めないと説明しています。時間単位が使えないという説明を、そのまま休暇全体が使えないという意味にしないことです。
「忙しい部署だから」とだけ言われたら、労使協定の対象業務と自分の業務がどう対応しているのかを確認します。会社独自に半日や中抜けを認めているなら、その申請方法も聞きます。残時間の換算方法は、勤務時間と社内の管理方法に沿って確かめます。
入社直後やパートでも、雇用形態だけで対象外にはならない
勤続6か月未満の労働者を労使協定によって除外する仕組みは、2025年4月に廃止されました。入社したばかりという理由だけで、昔の除外規定をそのまま当てはめることはできません。
対象になるのは、対象年齢の子を養育する労働者です。正社員だけの制度ではありません。ただし、日々雇用される労働者は除かれます。週の所定労働日数が2日以下の労働者は、労使協定によって対象外になることがあります。
契約書と就業規則を見て、自分の働き方にどの条項が適用されるかを確認します。「パートだからない」という返事なら、雇用形態だけでなく、所定労働日数や労使協定など、何を根拠にしているのかを聞きます。
派遣で働く人は、派遣元に休暇の手続き窓口を確認し、現場への欠勤連絡との順序を決めておきます。勤務先に伝えたことと、雇用元で休暇処理が完了したことを同じにしないようにします。
転職で職場が変わるときも、前の会社と同じ申請画面や年度とは限りません。入社時に対象となる制度、残日数の確認方法、急な連絡の方法を聞いておけば、必要になった朝に手続きの窓口を探さずに済みます。
有給か無給かは、休暇の権利と分けて読む
子の看護等休暇を取れることと、その間の給与が支払われることは別です。法律上、有給にすることが一律に義務付けられているわけではありません。賃金の扱いは会社の就業規則や賃金規程を確認します。
厚生労働省の育児・介護休業等に関する規則の規定例・令和8年3月版で、子の看護等休暇の条項と賃金の取扱いの定め方を確認できます。会社の規定が有給なら、どの給与項目がどう扱われるかも給与担当に聞きます。
無給なら、取得した日や時間の控除が給与明細でどう表示されるかを確認します。月給の総額だけから個人の控除額を決めず、計算に使う賃金と時間を担当者に説明してもらいます。賞与や手当の扱いも、休暇名だけではわかりません。
同じ子の看護でも、本人が年次有給休暇を使うこととは別です。年休の残日数、子の看護等休暇の残日数、有給・無給の条件を並べて考えます。どちらを使うかを曖昧にせず、申請時に制度名を伝えます。
年休の基本は有給休暇の平均と取り方で確認できます。年休の理由は原則自由ですが、子の看護等休暇には法律で定めた取得理由があります。同じ「休む」でも、必要な確認を混ぜないことです。
有給取得率の業種別ランキングは、別の休暇の実績として見る
子の看護等休暇を使う前に年休をどれだけ残せるかが気になる人もいます。次は厚生労働省の令和7年就労条件総合調査から、年次有給休暇の取得率が高い上位5業種を並べたものです。子の看護等休暇の取得率でも、有給化率でもありません。
調査対象は常用労働者30人以上の民営法人です。取得状況は令和6年の1年間、または令和5会計年度の実績。取得率は取得日数計を付与日数計で割った割合で、繰越日数を付与日数に含みません。
| 順位 |
業種 |
年休取得率 |
| 1 |
電気・ガス・熱供給・水道業 |
75.2% |
| 2 |
鉱業・採石業・砂利採取業 |
74.3% |
| 3 |
製造業 |
72.8% |
| 3 |
金融業・保険業 |
72.8% |
| 5 |
サービス業(他に分類されないもの) |
69.7% |
| ― |
調査計 |
66.9% |
出典:厚生労働省、令和7年就労条件総合調査・労働時間制度第5表、冊子8ページ。同じ公表値は同順位。割合の比較で、休暇日数の平均や中央値ではありません。
この数字から、子の看護等休暇が取りやすい業界の順位は作れません。制度の対象者も取得理由も違うためです。年休の実績は休み方を聞く材料に使い、子の看護等休暇の賃金や時間単位の運用は会社に別に確認します。
会社全体の年休取得率が高くても、配属予定の部署で急な休みにどう対応するかは残ります。担当業務を引き継ぐ相手や、当日の欠勤連絡を受ける窓口まで聞くと、統計で見えない運用を確認できます。
急な欠席では、先に連絡して書面の出し方を確かめる
厚生労働省の特設サイトは、緊急を要する場合は口頭で申し出て、書面を後から提出する方法も可能と案内しています。診断書などの書類を手元にそろえることと、その日の欠勤連絡を同じタイミングにできるとは限りません。
朝に急な事情が生じたら、子の看護等休暇を使うこと、休む日または時間、該当する理由を伝えます。子の病状を細かく職場全体に知らせる必要があるのか迷ったら、人事に提出先と必要事項を確認します。医療上の判断を上司に求める話とは分けます。
【取得日】は【看護・予防接種・感染症による学級閉鎖等の理由】のため、子の看護等休暇を【日数・時間帯】で申請します。社内様式と、必要な確認書類の提出方法を教えてください。
予定を変更するときは、その後の扱いも窓口に確認します。休暇を使う予定だった時間と、実際に勤務した時間が違えば、勤怠の記録を合わせます。申請が届いているか、年休や通常の欠勤と取り違えられていないかも確認します。
取得を理由に不利益な扱いを受けた、制度の説明が進まないというときは、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談します。改正法の資料も、不利益取扱いの禁止を案内しています。申請日、会社の回答、適用された規定を整理して伝えます。
忙しいことと対象外であることは、同じ説明ではない
厚生労働省の令和8年3月版の規定例では、子の看護等休暇は業務の繁忙等を理由に拒めないと説明しています。年次有給休暇の時季変更と混同せず、会社が何を根拠に取得できないと説明しているかを確認します。
対象となる子、取得理由、残日数、労使協定による除外の有無を順に確かめます。要件を満たす申出なのに担当者が制度を知らないというときは、人事に規程の確認を求めます。現場での引き継ぎ相談と、法定の休暇を取れるかという判断を分けます。
同じ規定例は、配偶者が働いていないことや、有期雇用であること、夫婦が同じ会社に勤めていることだけでは対象外にできないと説明しています。家族内での役割の印象と、法律の対象者の条件を混ぜないことです。
欠勤連絡に対して年休を使うよう案内されたら、子の看護等休暇を申し出ていることと、給与の扱いを確認したいことを伝えます。年休が残っていることだけで、別の休暇の申出がなかったことにはなりません。どの制度で処理したかを勤怠の記録でも確かめます。
無給の控除と、不利益な扱いを分けて確認する
令和8年3月版の規定例は、勤務しなかった時間の賃金を支払わない扱いと、その時間を超えて減額する扱いを分けています。無給で休むことを認める規定があっても、取得したことへの制裁のような扱いがすべて認められるわけではありません。
給与明細に予想と違う控除があったら、対象となった日と時間、計算に使った規定を給与担当に聞きます。取得後に不利益な配置や評価を示されたときは、その説明も記録します。自分だけで違法かどうかを決めず、資料を持って労働局へ相談します。
介護休暇との違いは、誰のために何をする休暇か
子の看護等休暇は、対象年齢の子の看護などのために取る休暇です。介護休暇は、要介護状態にある対象家族の介護や世話のための別制度です。名前が似ていても、対象となる人と取得事由が違います。
年次有給休暇、子の看護等休暇、介護休暇の残日数は分けて管理します。介護休暇と、まとまった期間の介護休業も同じではありません。制度名を取り違えると、会社に確認する条件や申請する書類が変わります。
介護に関する日数や手続きは介護休暇と介護休業の違いで整理しています。家族の事情で休むときは、用事の内容を確認して該当する制度を選び、どの給付を受けられるかは別に窓口へ確認します。
入社前は日数だけでなく、当日の連絡と賃金を聞く
求人票に子育て支援制度と書かれていたら、子の看護等休暇の対象年齢、年度、時間単位の取得、有給・無給を確認します。法定どおりの制度か、会社独自に対象や理由を広げているかも分けます。
面接では、「急な学級閉鎖の連絡があった日は、どこへ連絡しますか」「時間単位の取得と中抜けはどう運用していますか」と聞けます。法律上の日数だけでなく、引き継ぎや欠勤連絡が日常の業務でどう扱われているかまで確かめます。
会社の情報を読む順番は企業研究のやり方にまとめています。その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめます。年休の取得実績を読み、子の看護等休暇で公開されていない条件は、会社の規程と担当者の説明で補います。