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有給休暇の繰り越し:2年⁠の時効と、使う順番

・ナギサコーポレーション(運営)

この記事の答え

  • 有給休暇の権利は付与日から2年⁠が原則。会社の年度が変わるだけで残りが消えるわけではない
  • 繰越分と新規付与分のどちらから使うかは法律に定めがなく、就業規則などを確認する
  • 令和7年就労条件総合調査で計画的付与制度がある企業は40.8%⁠。規模別で最も高いのは30〜99人⁠の42.1%

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有給休暇は、付与日から2年⁠の時効が原則です。使わなかった分は翌年度に繰り越せますが、古い分から使うか、新しい分から使うかは労働基準法に定めがありません。就業規則などのルールを確認します。厚生労働省の令和7年就労条件総合調査では、有給の計画的付与制度がある企業は40.8%でした。

制度の確認日は2026年10月23日です。残りの日数だけを見ると、まもなく期限を迎える分が埋もれます。付与日、残日数、失効日、使う順番を分けて確認すると、申請する時期を決めやすくなります。

有給の時効は年度末ではなく付与日から数える

厚生労働省の年次有給休暇の時効に関するQ&Aは、労働基準法115条⁠に基づく年休権の消滅時効は2年⁠のままと説明しています。賃金請求権の時効が改正されても、休む権利が同じ期間に延びたわけではありません。

会社の会計年度や人事評価の年度が終わることと、有給の権利が消えることは別です。「年度が変わったから残りは全部なくなる⁠」⁠と説明されたら、いつ付与された分なのかを確認します。勤怠画面の年度切り替えで表示が変わっただけの可能性もあります。

会社が従業員の付与日を統一したり、法定より早く付与したりしていることもあります。その場合も、入社日だけから期限を決めず、会社が実際に付与した日を確かめます。前倒し付与や分割付与があると、単純な年度単位の管理では読み違えます。

休む権利と年休取得日の賃金を区別する

同じ厚生労働省のQ&Aは、年休を取得した日の賃金請求権について、当分の間の消滅時効が3年⁠と説明しています。休む権利そのものの2年とは別です。「賃金は3年だから、有給も3年残る」⁠と⁠い⁠う読み方はできません。

有給の残日数の問題なのか、休んだ日の賃金が払われていない問題なのかを分けて相談します。勤怠の有給扱いと給与明細の控除欄が食い違うときは、対象日を示して担当者に確認します。

法定より長く残せる独自の制度がある会社なら、その規程を読みます。時効を迎えた分を別の休暇として積み立てる制度も、法律上の年次有給休暇と同じ用途や期限とは限りません。病気など特定の目的に限られるかも確認します。

古い分から使うかは就業規則を確認する

厚生労働省の仙台ELCCの繰り越し解説は、繰越分と新規付与分のどちらから使うかについて、労働基準法に決まりはないと説明しています。新規付与分から消化する旨を就業規則に定めることも、直ちに違法となるわけではありません。

古い分から使うと思っていたのに新しい分が減っていると、期限を迎える古い残りが減らないことがあります。申請画面の合計が合っているだけでは確認できません。どの付与分に充当されたかを見ます。

確認する欄 見る内容
就業規則 繰越分と新規付与分の消化順
勤怠画面 付与年別の残り、申請後に減った区分
年休の管理情報 基準日、取得日、失効する日
担当者への確認 規程が見当たらないときの扱いと根拠

規程が見つからないときは、自分の希望だけで画面の残りを書き換えるのではなく、人事や労務担当者に確認します。定めがないときの扱いに疑問が残るなら、実際の規程と取得履歴を用意して労働局などへ相談します。

消化順の差は期限が来たときに表れる

次の例は仮定です。前年分10日⁠と新規分20日⁠があり、前年分の期限までに5日⁠を取得するとします。新規分はその時点で期限を迎えないものとします。

仮定する処理 取得後の前年分 取得後の新規分 直後に前年分の期限が来たら
前年分から5日使う 5日 20日 5日が失効
新規分から5日使う 10日 15日 10日が失効

出典:仮定の計算例。2年⁠の時効は厚生労働省の年休Q&A、消化順に法律の定めがない点は仙台ELCCの解説による。

同じ5日⁠を休んでも、期限を迎える分の残りが違います。古い分から使えるかは会社のルール次第ですが、期限の把握はどちらの会社でも必要です。失効の直前に初めて気づくより、付与された時点で予定を考えます。

最大の日数は新規付与と前年の残りで決まる

「有給は最大40日」⁠と聞くことがあります。これは、厚生労働省の年次有給休暇の基礎知識⁠にある法定の年間付与日数が20日⁠となる人について、新規20日⁠と前年の未使用20日⁠が重なった状態を表す計算です。入社した人すべてに40日付与する意味ではありません。

一般の労働者の法定付与日数は、継続勤務期間や出勤率などの条件で決まります。所定労働日数が少ない人には比例付与の扱いがあります。自分の新規付与分は有給休暇の付与日数⁠で確認し、会社の実際の付与履歴と照合します。

仮定する状態 前年からの残り 新規付与 合計
前年分を使っていない 20日 20日 40日
前年分を一部使った 12日 20日 32日
前年分を使い切った 0日 20日 20日

出典:仮定の計算例。前年分がまだ有効で、新規付与が20日である人を想定。法定の付与と2年⁠の時効の扱いは厚生労働省の年休の説明による。

前年より古い分を、期限が来ても毎年そのまま足し続ける計算にはしません。会社独自の上乗せや有効期間の延長がなければ、法定の枠だけで残りが際限なく増えるわけではありません。

反対に、法定を上回る付与や別の積立休暇があれば、画面上の休暇合計が40日⁠を超えることもあります。合計の大きさだけで誤りとは判断せず、法定の年休と独自の休暇を分けます。使える理由や申請方法も同じとは限りません。

付与日ごとのメモで失効を見落とさない

残日数を管理するメモは、年度ごとの合計だけでなく、付与のまとまりごとに作ります。【付与日】【付与日数】【使った日数】【残日数】【失効日】⁠の欄を設け、会社の情報に合わせて記入します。自分の推測した期限と会社の表示が違うなら、その場で確認します。

申請しただけの日と、実際に取得した日も分けます。予定の変更や申請の取り消しがあれば、画面の残りに反映されるまで時間がかかることがあります。申請中、承認済み、取得済みのどれを表示しているかを確認します。

時間単位や半日単位の取得がある人は、日単位の残りとどのように合算しているかも聞きます。日数の小数表示だけを見て独自に時間へ換算すると、所定労働時間などの条件が合わないことがあります。

退職や異動の前には、担当者に最新の残りと期限を確認します。自分のメモは確認を早くするためのもので、会社の管理情報と違ったときにそのまま確定値として押し通すものではありません。いつの時点の情報かを揃えて話します。

繰越分の取得も年5日義務の集計に入る

年5日⁠の取得義務と、年休の2年⁠の時効は別です。年10日以上⁠の年休が付与される対象者について、会社は基準日から1年以内⁠に5日⁠を取得させる必要があります。残りが2年⁠間有効でも、取得義務の確認を2年まとめて行う制度ではありません。

厚生労働省の改正労働基準法の解釈通達は、実際に取得した年休が前年の繰越分か、当年度に付与された分かを問わないとしています。繰越分を使った日も、対象期間内の取得として確認します。

確認する問題 数えるもの
2年の時効 どの日に付与された権利が残っているか
年5日⁠の取得義務 基準日から1年以内⁠に何日取得したか
使う順番 取得した日をどの付与分から減らすか

出典:厚生労働省、年休の時効Q&A、改正労働基準法の解釈通達の第3、仙台ELCCの繰り越し解説。

たとえば対象期間に繰越分から5日取得していれば、その5日⁠は義務の集計に入ります。ただし、新規付与が10日未満で、繰越分と足して初めて10日以上⁠になる人は、合計だけを理由に年5日義務の対象にはなりません。

時間単位年休は年5日⁠の集計に算入できないなど、取得の単位にも違いがあります。半日や前倒し付与の扱いを含め、詳しくは有給の年5日義務⁠で確認できます。合計残日数だけで会社の取得義務の達成を判断しないことです。

計画的付与制度がある企業の規模別ランキング

有給をいつ使えるかには、繰り越しだけでなく計画的付与の仕組みも関係します。厚生労働省の令和7年就労条件総合調査・労働時間制度第6表で、計画的付与制度がある企業の割合を高い順に並べました。

対象は調査対象産業に属する常用労働者30人以上⁠の民営企業です。令和7年調査の企業割合で、単位は%。取得日数の平均や中央値、繰り越した人の割合ではありません。

順位 企業規模 計画的付与制度がある
1 30〜99人 42.1%
2 1,000人以上 40.5%
3 300〜999人 38.2%
4 100〜299人 37.8%

出典:厚生労働省、令和7年就労条件総合調査、労働時間制度9ページ・第6表⁠の制度がある企業欄。企業規模別の割合。

全体で制度がある企業は40.8%⁠、ない企業は58.9%です。有無が不明の企業も含むため、この2区分だけの合計は100%⁠になりません。制度のある企業を100とすると、計画的付与日数が5〜6日⁠の企業は71.6%でした。

計画的付与がある会社ほど休みやすい、ない会社ほど休みにくいと、この表だけで順位をつけることはできません。制度の有無と、自分の希望日に申請できるかは別です。応募先には、どの日が計画の対象で、残りをどう申請するかを聞きます。

計画年休と会社の休日を取り違えない

計画的付与は、労使協定で年休のうち一定の部分の取得時季を定める仕組みです。会社の所定休日が増えることと同じではありません。会社が休業する日に年休を使う運用なら、残日数にも関係します。

計画的付与の対象にできるのは、年休のうち5日⁠を超える部分です。前年から繰り越した分も対象になり得ます。本人が自由に取得できる分と、協定で時季を決める分を分けて確認します。年5日⁠の義務と同じ数字でも、同じ制度ではありません。

年休の残りが少ない人や、まだ付与を受けていない人について、会社が一斉に休む日をどう扱うかも確認します。単に「有給奨励日」⁠と呼んでいるだけなのか、労使協定による計画的付与なのかで意味が違います。

応募先の年間休日の表示に、有給の計画日が混ざっていないかも読みます。自分の年休を使う日を会社の休日と同じものとして足すと、入社後の残りを見誤ります。年休の平均や業種ごとの状況は有給休暇の平均取得日数⁠と合わせて確認できます。

期限前の申請と仕事の引き継ぎを分けて進める

有給を使う予定を決めるときは、失効日から逆算して早めに申請します。申請の期限や手順は就業規則で確認します。繁忙期が近いときは、休む日に必要な引き継ぎや連絡の方法を、申請と一緒に整理します。

会社には、事業の正常な運営を妨げる場合の時季変更の仕組みがあります。ただし「忙しいから今後ずっと使えない」という説明で済むものではありません。変更の話があれば、理由と取得できる別の日を具体的に確認します。

申請した年休が取れず、その間に期限を迎えそうなら、申請日、希望日、会社の回答を残します。年休が使えるか、会社の対応が適切かは、個々の事情を含めて相談する必要があります。自分だけで失効を当然のこととして処理しないようにします。

退職を予定している人は、残りを確認してから最終出勤日や引き継ぎの予定を話し合います。退職後に年休を使うことはできません。退職日を過ぎても残りが自動で新しい会社へ移るわけではないため、現在の雇用関係の中で確認します。

残日数の表示が急に減ったときの確認手順

勤怠画面の残りが変わったときは、直前の取得、申請中の予定、年度の切り替え、期限を迎えた分を分けて見ます。合計だけを見て「会社が削った」⁠と決めず、どの処理で変わったかを確認します。変更前の表示があれば、いつの画面かも合わせて伝えます。

会社への質問は「【確認日】⁠時⁠点⁠の残りについて、【付与日】⁠の分が何日残り、いつ失効するかを教えてください⁠」⁠とします。消化順を知りたいときは、最近取得した日がどの付与分から減ったかを聞きます。具体的な日を示すと、一般論だけの回答になりにくくなります。

半休や時間休の端数があるなら、画面上の表示単位を確認します。日数で表示する欄と時間で表示する欄を、自分でそのまま足さないことです。会社の計算でどのように残りを管理しているかがわかってから、記録を揃えます。

休暇の名称が似ていても別の残りとして管理する

夏季休暇や慶弔休暇、会社独自の病気休暇が、有給の休暇として設けられることがあります。賃金が払われる休暇であっても、すべてが労働基準法上の年次有給休暇ではありません。繰り越せるか、年5日⁠の集計に入るかは、年休と同じ扱いだと決めないようにします。

勤怠画面に休暇の合計が表示される会社なら、年休だけの残りを別に確かめます。積立休暇に移った分を通常の年休と同じように申請できるかも確認します。名称ではなく、使える目的、期限、申請方法がわかると予定を組めます。

転職先に持ち越せない残りと、入社後に新しく付与される休暇も分けます。現在の会社を辞める前に残りを確認し、新しい会社には初回の付与時期を聞きます。両方を同じ残日数として家計や通院などの予定に使わないことです。

残りがあることと、希望日が申請済みであることも別です。期限までに使いたい日が決まったら、会社の手順に沿って申請し、受付の状況を確認します。口頭で相談しただけなら、正式な手続きが必要かを聞きます。予定の変更があれば、取り消した申請と新しい申請が残日数に正しく反映されたかを確かめます。

長期の休業から戻るときも付与履歴を確認する

育休などから復帰した人は、休業前に残っていた分と、休業中や復帰後に付与された分を分けて確認します。画面に入れなかった期間があっても、自分の記憶だけで残日数や期限を作らないようにします。会社の管理情報に沿って、付与された日と消化の履歴を確認します。

休業中の期間を出勤率の計算でどう扱うかも、単に出勤していないという理由だけでは決まりません。自分の休業の種類を担当者へ伝え、付与の根拠を確認します。休業した人の年休が一律になくなるという説明ではなく、どの付与分に何が起きたかを聞きます。

復帰直後に通院や家庭の予定があるなら、年休の残りと、別に使える休暇制度を合わせて確認します。それぞれの期限と申請方法を分けておけば、同じ日に重ねて申請したり、使える制度を見落としたりすることを防げます。

その会社の付与日と取得実績を確認する

応募先には、有給の初回付与日、付与日を統一するか、繰越分の消化順、計画的付与の有無を聞きます。「休みは取りやすいですか」だけでなく、「【配属予定部署】⁠で年休を申請するときの手順と、取得実績を教えてください⁠」⁠と聞くと、運用まで確かめられます。

求人票の休暇制度と、面接の説明を並べます。入社してすぐ使えるか、法定どおりの時期からか、会社独自の休暇があるかで、働き始めの予定は変わります。法定の制度を知ったうえで、自分に適用される条件を確認します。

厚生労働省のしょくばらぼに有給の取得情報があれば、その対象期間や対象者も読みます。全国の計画的付与の割合から、応募先の繰越日数はわかりません。その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめます。

よくある質問

有給休暇は何年繰り越せますか?

厚生労働省の年休の時効Q&Aでは、年次有給休暇の権利の消滅時効は2年⁠のままです。前年度の残りを翌年度に使えますが、付与日からの期限を確認します。会社が法定以上に有効期間を設けることもあります。

有給休暇は最大40日ですか?

法定の年20日付与に前年の未使用20日⁠が重なると、計算上40日です。厚生労働省の年休の時効Q&Aの2年という扱いに沿った例で、誰もが40日付与されるわけではありません。会社独自の上乗せは別に確認します。

繰越分と新しい有給はどちらから使いますか?

厚生労働省の仙台ELCCの解説では、労働基準法に順番の定めはありません。就業規則などの定めを確認します。2年⁠の期限が来る残りについて、勤怠画面の消化順も担当者に確認します。

繰り越した有給も年5日⁠の取得に数えますか?

数えます。厚生労働省の改正労働基準法の解釈通達は、実際に取得した年休が繰越分か新規付与分かを問わないとしています。年10日以上付与される対象者について、基準日から1年以内⁠の5日⁠を確認します。

計画的付与制度のある企業は何%ですか?

厚生労働省の令和7年就労条件総合調査第6表では40.8%です。企業規模別では30〜99人42.1%⁠、1,000人以上40.5%⁠、300〜999人38.2%⁠、100〜299人37.8%でした。

年度末に残った有給は自動で消えますか?

年度末という理由だけでは消えません。厚生労働省の年休の時効Q&Aで年休権の消滅時効は2年です。付与日と失効日を区別し、会社の年度と一致しているかを管理簿や担当者の説明で確認します。

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