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介護職の平均年収:経験年数別・施設別の給与と処遇改善の加算

・ナギサコーポレーション(運営)

この記事の答え

  • 令和7年賃金構造基本統計調査で、介護職員(医療・福祉施設等)⁠の月給は27万7,700円⁠、年間賞与は54万7,800円⁠。12か月分に賞与を足すと388万200円
  • 経験年数で見ると、所定内給与額は経験0年⁠の21万8,900円から15年以上⁠の28万6,800円まで上がる。賞与の差はもっと大きい
  • 処遇改善の加算を取る事業所の介護職員の平均給与額は、令和6年9月⁠に338,200円⁠。加算は令和8年6月から拡充されている

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介護職員の平均年収に当たる額は、388万200円です。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査で、介護職員(医療・福祉施設等)⁠のきまって支給する現金給与額は月27万7,700円⁠、年間賞与は54万7,800円でした。月給の12か月分に年間賞与を足して計算しています。短時間労働者を除く一般労働者で、企業規模10人以上⁠、男女計の値です。

もう一つの調査では、処遇改善の加算を取っている事業所の介護職員(月給・常勤)⁠の平均給与額が、令和6年9月⁠に338,200円でした。前年同月より13,960円⁠、4.3%増えています。二つの数字は、対象の人と給与の数え方が違います。この記事では両方の表を並べ、経験年数、施設の種類、資格でどれだけ変わるかを見ます。数字は2026年10月25日に、厚生労働省の公表資料で確かめました。

看護師や保育士など、ほかの職種と並べた平均年収は職種別の平均年収⁠にまとめています。ここでは介護の仕事の中の差に絞ります。

介護職の給与を出している2つの調査

一つ目は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査です。毎年6月分の給与と、前の年1年間の賞与を職種ごとに集計しています。令和7年⁠の職種別の表は、e-Statの職種第1表と職種第10表で開けます。

この調査の「きまって支給する現金給与額」⁠に⁠は残業代が入ります。「所定内給与額」⁠は残業代などを除いた額です。職種第10表⁠は経験年数別の表で、所定内給与額だけが載っています。表によって使っている額が違うので、同じ欄どうしで比べます。

二つ目は、厚生労働省の介護従事者処遇状況等調査です。最新は令和6年度で、令和6年10月⁠に調べた結果です。介護老人福祉施設や訪問介護事業所など、13,801⁠の施設・事業所に送り、8,180から有効回答がありました。資料は調査結果の概要と、統計表の入った結果の本体です。

処遇状況等調査の「平均給与額」⁠の⁠中⁠身

平均給与額は、基本給(月額)⁠に手当を足し、さらに一時金を足した額です。一時金は、4〜9月⁠に出た賞与などの6分⁠の1です。手当には夜勤などの時間外の手当も入ります。年収を12で割った額ではありません。

集計の対象は、処遇改善の加算を取っている施設・事業所で、月給で常勤の人です。令和5年9月⁠と令和6年9月⁠の両方に在籍していた人どうしで比べています。パートで働く人や、加算を取っていない事業所の人は入っていません。

経験年数別:介護職員の月給は経験の長さで上がる

賃金構造基本統計調査の職種第10表から、介護職員(医療・福祉施設等)⁠の経験年数別の値を並べました。経験年数は、その仕事についてからの年数です。今の会社の勤続年数とは別に数えています。

経験年数 所定内給与額(月) 年間賞与その他特別給与額
0年 218.9千円 55.4千円
1〜4年 239.6千円 417.5千円
5〜9年 254.8千円 524.6千円
10〜14年 268.3千円 600.0千円
15年以上 286.8千円 700.9千円
経験年数計 262.9千円 547.8千円

出典:厚生労働省、令和7年賃金構造基本統計調査、職種第10表⁠。産業計、男女計、企業規模計(10人以上)⁠。所定内給与額は令和7年6月分、年間賞与は令和6年1年間の額。

月の所定内給与額は、経験0年⁠と15年以上⁠で6万7,900円⁠の差があります。年間賞与の差はもっと大きく、経験0年⁠は5万5,400円です。年間賞与は前の年1年間の額なので、経験0年の人⁠はその期間にまだ働いていなかった人を多く含みます。経験0年⁠の賞与の低さを、その職場の賞与の水準と読まないようにします。

同じ表では、年齢でも分けて見られます。介護職員の所定内給与額は、20〜24歳⁠が22万6,900円⁠、35〜39歳⁠が27万6,800円⁠、50〜54歳⁠が27万5,400円です。40代以降は、経験の長い人と、ほかの仕事から移ってきた経験の短い人が混ざっています。年齢だけで、自分がもらえる額を当てはめることはできません。

男女で分けると

職種第1表では、男性の介護職員のきまって支給する現金給与額は月29万7,600円⁠、年間賞与は61万2,400円です。女性はそれぞれ26万6,700円⁠、51万2,400円でした。平均年齢と勤続年数の違いも入った差です。夜勤の回数や役職の有無までは、この表からはわかりません。

企業規模別:大きい会社ほど月給は高く、賞与は中規模が最多

職種第10表は、企業規模ごとのシートにも分かれています。介護職員(医療・福祉施設等)⁠の経験年数計の値です。

順位 企業規模 所定内給与額(月) 年間賞与その他特別給与額
1 1,000人以上 273.9千円 498.8千円
2 100〜999人 265.2千円 600.1千円
3 10〜99人 254.5千円 484.1千円

出典:厚生労働省、令和7年賃金構造基本統計調査、職種第10表⁠の企業規模別シート。男女計、経験年数計。順位は所定内給与額の高い順。

月の所定内給与額は1,000人以上⁠が最も高く、年間賞与は100〜999人⁠が最も多くなっています。規模の大きい法人ほど何でも高いとは言えません。ここでの規模は法人全体の人数です。施設1か所の定員や職員数ではありません。

介護の仕事の種類で比べる:ケアマネージャーが最も高い

同じ職種第10表⁠にある、介護に関わる職種を並べました。

順位 職種 所定内給与額(月) 年間賞与その他特別給与額
1 介護支援専門員(ケアマネージャー) 298.8千円 704.2千円
2 訪問介護従事者 267.3千円 439.7千円
3 介護職員(医療・福祉施設等) 262.9千円 547.8千円
4 看護助手 224.2千円 481.2千円

出典:厚生労働省、令和7年賃金構造基本統計調査、職種第10表⁠。産業計、男女計、企業規模計(10人以上)⁠、経験年数計。順位は所定内給与額の高い順。

訪問介護従事者は月の所定内給与額が施設の介護職員より高い一方、年間賞与は少なくなっています。賞与を足すと順番が入れ替わります。月給の高さだけで比べず、賞与の実績も聞いておきます。

ケアマネージャーは経験15年以上の人⁠が多い職種です。表の労働者数では、経験15年以上⁠が9,415十人のうち5,140十人を占めます。資格を取った直後から、平均の額で働けるとは限りません。

処遇状況等調査で見る介護職員の月の給与:338,200円の内訳

ここからは、処遇状況等調査の数字です。加算を取っている事業所の、月給・常勤の介護職員の平均給与額は、令和6年9月⁠に338,200円でした。前年同月の324,240円から13,960円増えています。

項目 令和5年9月 令和6年9月 差
平均給与額 324,240円 338,200円 13,960円
うち基本給 188,420円 192,660円 4,240円
うち手当 89,650円 97,980円 8,330円
うち一時金(賞与等) 46,170円 47,560円 1,390円

出典:厚生労働省、令和6年度の介護従事者処遇状況等調査、結果の概要の14ページ(統計表第70表)⁠。処遇改善の加算Ⅰ〜Ⅴを取っている施設・事業所の介護職員、月給・常勤の者。10円未満を四捨五入しているため、内訳の合計が合わないことがあります。

増えた額の半分以上は手当です。基本給は4,240円⁠の増加でした。手当には処遇改善の手当のほか、通勤手当や時間外の手当も入っています。求人票で「月給30万円以上」⁠とあっても、基本給と手当の割合は事業所ごとに違います。

基本給に毎月決まって出る手当を足した「基本給等」⁠は⁠、253,810円でした。前年より11,130円⁠、4.6%⁠の増加です。この額には通勤手当、扶養手当、残業代は入っていません。

サービスの種類別:1位⁠は介護老人福祉施設

同じ調査の、サービスの種類別の平均給与額です。

順位 サービスの種類 令和6年9月 前年同月との差
1 介護老人福祉施設 361,860円 14,890円
2 特定施設入居者生活介護 361,000円 15,300円
3 介護老人保健施設 352,900円 14,390円
4 訪問介護 349,740円 16,930円
5 介護医療院 330,030円 15,710円
6 通所リハビリテーション 319,310円 11,480円
7 小規模多機能型居宅介護 305,220円 10,470円
8 認知症対応型共同生活介護 302,010円 11,820円
9 通所介護 294,440円 10,870円

出典:厚生労働省、令和6年度の介護従事者処遇状況等調査、結果の概要の15ページ(統計表第73表)⁠。月給・常勤の介護職員。通所介護には地域密着型通所介護を含む。

上位は、夜勤のある入所の施設と、特定施設です。特定施設は、介護付きの有料老人ホームなどを指します。通所介護は日中の仕事が中心で、夜勤の手当がつきにくい働き方です。平均給与額には時間外の手当が入っているため、夜勤の回数の違いがそのまま差に出ます。

訪問介護は4位で、前年からの増え方は16,930円⁠と最も大きくなっています。訪問介護の事業所は、加算の取得率も96.3%⁠と高い区分です(統計表第29表)⁠。

勤続年数別:勤続10年以上の人⁠が最も高い

処遇状況等調査の、勤続年数別の平均給与額です。勤続年数は、同じ法人の施設・事業所での年数を通算しています。

勤続年数 平均年齢 令和6年9月 前年同月
1年 40.4歳 298,760円 265,970円
2年 40.5歳 309,630円 296,920円
3年 42.2歳 316,080円 297,880円
4年 42.7歳 322,370円 308,120円
5〜9年 45.3歳 335,640円 322,240円
10年以上 48.9歳 359,040円 347,640円
全体 45.7歳 338,200円 324,240円

出典:厚生労働省、令和6年度の介護従事者処遇状況等調査、結果の概要の16ページ(統計表第86表)⁠。月給・常勤の介護職員。全体の平均勤続年数は9.5年⁠。

勤続1年⁠と10年以上⁠の差は、60,280円です。勤続1年の人⁠の前年同月の額が低いのは、前の年の6月⁠の賞与の計算で、働いた月数が短かったことが理由の一つと資料に書かれています。

この差は、同じ人が勤め続けたときの伸びを追った数字ではありません。勤続年数が違う人の平均どうしを比べています。昇給の仕組みは事業所ごとに違うので、昇給の平均と合わせて、応募先の昇給の実績を聞きます。

保有資格別:介護福祉士は350,050円

保有資格 平均勤続年数 令和6年9月
社会福祉士 9.3年 397,620円
介護支援専門員 14.0年 388,080円
介護福祉士 10.4年 350,050円
実務者研修 6.9年 327,260円
介護職員初任者研修 8.8年 324,830円
資格なし 5.8年 290,620円

出典:厚生労働省、令和6年度の介護従事者処遇状況等調査、結果の概要の17ページ(統計表第89表)⁠。月給・常勤の介護職員。資格は複数回答。実務者研修には介護職員基礎研修とヘルパー1級、初任者研修にはヘルパー2級を含む。

資格がある人ほど高い順に並びます。ただ、平均勤続年数も違います。介護福祉士の10.4年⁠と資格なしの5.8年では、勤めている長さも給与に効いています。資格の差だけを取り出した表ではありません。

資格手当があるか、いくらかは、事業所の賃金規程で決まります。求人票に「資格手当あり」⁠とあれば、介護福祉士と実務者研修でそれぞれいくらかを聞きます。

処遇改善の加算とは:令和8年6月から拡充

処遇改善の加算は、介護の事業所が受け取る介護報酬に上乗せされるお金です。事業所は、その分を職員の賃金の改善に使うことになっています。職員一人ひとりに国から直接払われるお金ではありません。

令和6年9月30日時点で、加算を取っている事業所は95.5%でした。最も上の区分の加算Ⅰは45.7%です(処遇状況等調査、統計表第29表⁠)⁠。どの区分を取っているかで、事業所に入る額が変わります。

厚生労働省の処遇改善の案内では、令和8年6月から加算が拡充されたと案内しています。資料の拡充の内容に書かれている主な点は次のとおりです。

  • 加算の対象を、介護職員から介護従事者に広げる
  • 介護従事者に、月1.0万円(3.3%)⁠の賃上げを実現する措置
  • 生産性の向上や協働化に取り組む事業者の介護職員に、月0.7万円(2.4%)⁠を上乗せ
  • 介護職員は、定期昇給0.2万円⁠を含めて最大月1.9万円(6.3%)⁠の賃上げとする
  • 訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援などにも加算を新しく設ける

「最大月1.9万円」⁠は⁠、すべての介護職員の給与がこの額だけ上がるという意味ではありません。事業所がどの区分の加算を取り、どう配るかで変わります。

加算の配り方は事業所が決める

令和6年度の調査では、給与などを上げた対象を「施設・事業所の職員全員」⁠とした事業所が58.2%でした(統計表第16表)⁠。賃金の上げ方は、ベースアップなどが59.8%⁠、定期昇給が43.6%⁠、賞与などの引き上げ・新設が33.1%です(統計表第36表、複数回答)⁠。

賞与で配る事業所では、月給は変わらずに一時金が増えます。基本給に入れる事業所では、月給が上がり、その後の昇給や賞与の計算にも影響します。どちらの配り方かで、毎月の手取りの動きが違います。

介護の求人を見るときに確かめること

平均と比べる前に、求人票の額が何を含んでいるかをそろえます。

求人票の書き方 確かめること
月給【金額】⁠円⁠〜 基本給と手当の内訳、処遇改善の手当を含むか
夜勤手当あり 1回⁠の額と、月に何回の夜勤を想定した月給か
処遇改善加算取得 取っている区分と、手当・賞与のどちらで配るか
賞与 年2回 前年度の実績の額か月数、入って1年目の扱い
資格手当あり 介護福祉士・実務者研修それぞれの額

夜勤の回数で月給が大きく変わる職場では、夜勤なしで働いたときの額も聞いておきます。家庭の事情で夜勤を減らしたいときに、どこまで下がるかがわかります。

賞与の平均の見方はボーナスの平均でも説明しています。介護の事業所は法人の規模が小さいところも多く、賞与の決め方が年ごとに変わることもあります。前年の実績と、決め方の規程の両方を見ます。

その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめる

介護職の平均は、応募先の給与が高いか低いかを見る物差しです。その事業所で自分がいくらもらえるかは、求人票の内訳、面接での質問、内定時の労働条件通知書で確かめます。夜勤の回数、資格手当、処遇改善の配り方の3つは、聞かないとわからないことが多い項目です。

厚生労働省のしょくばらぼでは、掲載している法人の残業時間、有給休暇の取得、平均勤続年数を見られます。給与の額だけでなく、勤め続けている人が多いかどうかも同じ表に書き出して比べます。

よくある質問

介護職の平均年収はいくらですか?

厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査(職種第1表)⁠で⁠は⁠、介護職員(医療・福祉施設等)⁠のきまって支給する現金給与額が月27万7,700円⁠、年間賞与が54万7,800円です。月給の12か月分に賞与を足すと388万200円です。短時間労働者を除く一般労働者、企業規模10人以上⁠の男女計の値です。

介護職は経験年数で給料がどれくらい変わりますか?

同じ調査の職種第10表では、介護職員の所定内給与額は経験0年21万8,900円⁠、1〜4年23万9,600円⁠、5〜9年25万4,800円⁠、10〜14年26万8,300円⁠、15年以上28万6,800円です。年間賞与は経験0年⁠の5万5,400円から15年以上⁠の70万900円まで開きます。

介護職員の平均給与額338,200円⁠は何の数字ですか?

厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査で、処遇改善の加算を取っている施設・事業所の、月給・常勤の介護職員の令和6年9月⁠の平均です。基本給と手当に、4〜9月⁠に出た賞与など一時金の6分⁠の1を足しています。前年同月より13,960円増えました。

介護福祉士の資格があると給料は上がりますか?

同じ処遇状況等調査では、介護福祉士を持つ介護職員の平均給与額は350,050円⁠、資格を持たない人は290,620円です。ただし平均勤続年数も10.4年⁠と5.8年⁠で違うため、資格だけの差とは読めません。資格手当の有無と額は、応募先の賃金規程で確かめます。

処遇改善加算は令和8年度にどう変わりましたか?

厚生労働省の資料では、令和8年6月から加算が拡充され、対象が介護職員から介護従事者に広がりました。介護従事者に月1.0万円(3.3%)⁠の賃上げ、生産性向上などに取り組む事業者の介護職員に月0.7万円(2.4%)⁠の上乗せで、介護職員は定期昇給を含め最大月1.9万円(6.3%)⁠の賃上げとされています。

施設と訪問では、どちらが給料が高いですか?

処遇状況等調査の令和6年9月では、介護老人福祉施設361,860円⁠、特定施設入居者生活介護361,000円⁠、訪問介護349,740円⁠、通所介護294,440円でした。施設か訪問かより、サービスの種類と夜勤の有無で差が出ます。応募先の夜勤手当と回数を確かめます。

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