京都府の最低賃金は、令和8年(2026年)11月16日から時間額1,180円になります。前年度の1,122円から58円上がり、引上げ率は5.2%です。47都道府県の改定額を高い順に並べると7番目で、近畿では大阪府に次ぐ額です。ただし、2026年10月29日の時点ではまだ発効前で、11月15日までは改定前の1,122円が適用されます。
10月や11月前半の給与を確かめるなら1,122円、11月16日以降の勤務なら1,180円が基準です。時給が下限を超えているかに加えて、残業や休みの取りやすさも働きやすさを左右します。京都府の会社の残業時間や有給休暇の数字は、京都府の会社を採用の数字で比べるページで並べています。
京都府の最低賃金は1,180円:発効までは改定前の額
使う資料は、厚生労働省の令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧と、京都労働局の京都府最低賃金のページです。2026年10月25日に開いて確認しました。
| 項目 |
京都府の値 |
| 令和8年度の時間額 |
1,180円 |
| 改定前(令和7年度) |
1,122円 |
| 引上げ額 |
58円 |
| 引上げ率 |
5.2% |
| 発効日 |
令和8年11月16日 |
| 47都道府県での順位 |
7番目 |
出典:厚生労働省、令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧。順位は47都道府県の改定額を高い順に並べて数えました。京都府と同じ額の県はありません。
京都労働局は、令和8年9月18日に改正を官報で公示したと発表しています。全国一覧の発効日を並べると、京都府の11月16日は47都道府県のうち4番目に遅い日付です。京都府より遅いのは、岩手、熊本、沖縄の3県だけです。
発効日の前に働いた分まで1,180円になるわけではありません。京都労働局も「発効当日の賃金から」1,180円以上を払う必要があると書いています。11月の給与は、11月15日までの勤務と16日以降の勤務で基準額が変わる点に気をつけます。
全国加重平均は1,177円です。京都府の1,180円はこれを3円上回ります。改定前の額でも、京都府は全国で7番目でした。
近畿の府県と比べると大阪に次ぐ2番目
近畿の2府4県だけを全国一覧から取り出し、改定額の高い順に並べました。
| 府県 |
令和8年度 |
改定前 |
引上げ額 |
発効日 |
| 大阪 |
1,231円 |
1,177円 |
54円 |
10月1日 |
| 京都 |
1,180円 |
1,122円 |
58円 |
11月16日 |
| 兵庫 |
1,172円 |
1,116円 |
56円 |
10月1日 |
| 滋賀 |
1,136円 |
1,080円 |
56円 |
10月3日 |
| 奈良 |
1,107円 |
1,051円 |
56円 |
10月4日 |
| 和歌山 |
1,101円 |
1,045円 |
56円 |
10月3日 |
出典:厚生労働省、令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧。発効日はすべて令和8年です。
京都府の引上げ額58円は、近畿の中で最も大きい額です。大阪府との差は改定前の55円から51円へ縮まり、兵庫県との差は6円から8円へ広がりました。
一方で、近畿で11月以降に発効するのは京都府だけです。2026年10月29日の時点で、京都府の適用額1,122円は、すでに改定後の額になっている兵庫県1,172円や滋賀県1,136円より低い状態です。府県境をまたいで通勤する人は、働く事業場がある府県の額を見ます。
京都府の最低賃金の推移:発効日が11月にずれた
京都労働局の推移表から、平成29年度以降の10年分を抜き出しました。
| 年度 |
時間額 |
引上げ額 |
発効日 |
| 平成29年度 |
856円 |
25円 |
平成29年10月1日 |
| 平成30年度 |
882円 |
26円 |
平成30年10月1日 |
| 令和元年度 |
909円 |
27円 |
令和元年10月1日 |
| 令和2年度 |
909円 |
0円 |
改定なし |
| 令和3年度 |
937円 |
28円 |
令和3年10月1日 |
| 令和4年度 |
968円 |
31円 |
令和4年10月9日 |
| 令和5年度 |
1,008円 |
40円 |
令和5年10月6日 |
| 令和6年度 |
1,058円 |
50円 |
令和6年10月1日 |
| 令和7年度 |
1,122円 |
64円 |
令和7年11月21日 |
| 令和8年度 |
1,180円 |
58円 |
令和8年11月16日 |
出典:京都労働局、京都府最低賃金の推移(平成15年度から令和8年度)。令和2年度は額が据え置かれ、令和元年10月1日の909円が続きました。
平成29年度の856円から令和8年度の1,180円まで、324円上がりました。令和5年度に初めて1,000円を超えました。令和2年度の据え置きのあと、引上げ額は28円、31円、40円、50円、64円と大きくなり、令和8年度は58円です。
発効日は、令和6年度までは10月でしたが、令和7年度は11月21日、令和8年度は11月16日と、2年続けて11月です。「10月から上がる」と思い込んで10月分の給与を1,180円で計算すると、会社と話が合わなくなります。
京都府の特定最低賃金:府の額より高いのは電気機械器具だけ
京都府には、地域別最低賃金とは別に、6つの産業に特定最低賃金があります。特定最低賃金は、その産業の事業場で働く基幹的労働者に適用されます。厚生労働省の最低賃金の種類の説明では、地域別と特定の両方がかかる人には、高いほうの額以上を払う必要があります。
| 業種 |
特定最低賃金 |
11月15日まで |
11月16日から |
| 電気機械器具製造業 |
1,136円(令和8年1月24日発効) |
1,136円 |
府の1,180円(改正審議の予定) |
| 輸送用機械器具製造業 |
府の額を上回らない |
府の1,122円 |
府の1,180円 |
| 自動車(新車)小売業 |
府の額を上回らない |
府の1,122円 |
府の1,180円 |
| 金属製品製造業 |
府の額を上回らない |
府の1,122円 |
府の1,180円 |
| 各種商品小売業 |
府の額を上回らない |
府の1,122円 |
府の1,180円 |
| はん用・生産用・業務用機械器具製造業 |
府の額を上回らない |
府の1,122円 |
府の1,180円 |
出典:京都労働局、京都府最低賃金のページ(令和8年9月18日の記載)と、地域別最低賃金、特定(産業別)最低賃金の推移(令和7年12月25日作成)。
京都労働局によると、令和8年度は電気機械器具製造業の特定最低賃金だけが、今後改正審議の予定です。輸送用機械器具製造業と自動車(新車)小売業は改正の申出があったものの改正決定に至らず、残る3業種は申出がありませんでした。この5業種には、引き続き京都府最低賃金が適用されます。
電気機械器具製造業の1,136円は、11月15日までは府の1,122円より14円高い額です。11月16日からは府の1,180円のほうが高くなるので、改正が決まるまでは1,180円が下限です。改正が決まれば、その額と発効日を京都労働局のページで確かめます。
月給と年収に直した計算:時給×時間数で出す
1,180円で働いたときの額面を、働く時間の前提を決めて計算します。税金と社会保険料を引く前の金額で、手取りではありません。
| 働き方の前提 |
1か月の時間 |
1,180円での額 |
1,122円での額 |
| 1日8時間・月21日 |
168時間 |
198,240円 |
― |
| 1日8時間・月20日 |
160時間 |
188,800円 |
179,520円 |
| 1日4時間・月20日 |
80時間 |
94,400円 |
― |
計算:1,180円 × 168時間 = 198,240円、1,180円 × 160時間 = 188,800円、1,122円 × 160時間 = 179,520円。残業代、賞与、手当は入れていません。
160時間で比べると、改定前との差は1か月9,280円です。168時間のまま12か月働くと、198,240円 × 12 = 2,378,880円になります。
京都府で働く人全体の年収とどのくらい違うかは、京都府の平均年収で年齢別・業種別に見られます。最低賃金ちょうどの時給で働く人と平均の差は、年齢や業種で大きく変わります。
月給制の人は京都労働局の例で確かめる
月給制の人は、月給を1か月平均所定労働時間で割って時間額にします。京都労働局が令和8年9月18日の発表資料に載せた例は次のとおりです。
| 項目 |
例の値 |
| 年間所定労働日数 |
252日 |
| 1日の所定労働時間 |
8時間 |
| 1か月平均所定労働時間 |
8時間 × 252日 ÷ 12 = 168時間 |
| 月給 |
195,000円 |
| 時間額 |
195,000円 ÷ 168時間 = 1,160.71円 |
出典:京都労働局、令和8年9月18日発表資料の裏面、最低賃金との比較方法。
この例では、11月16日からの1,180円を下回るため、最低賃金法違反になると京都労働局は説明しています。11月15日までの1,122円なら上回っていた月給でも、発効日から足りなくなることがあります。
京都労働局は、事業主向けのセルフチェックシートも出しています。働く側も、基本給と毎月の手当を書き込み、同じ式で計算できます。年間休日から労働日数を出す方法は、時給の計算と最低賃金との比べ方にまとめています。
最低賃金との比較から外す手当
京都労働局のページは、支払った賃金を最低賃金と比べるときに、精皆勤手当、通勤手当、家族手当、時間外・休日・深夜手当、賞与などを除くと書いています。厚生労働省の対象となる賃金の説明と同じ範囲です。
| 除く賃金 |
例 |
| 臨時に支払われる賃金 |
結婚手当など |
| 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金 |
賞与など |
| 時間外・休日・深夜の割増賃金 |
残業手当など |
| 精皆勤手当、通勤手当、家族手当 |
― |
出典:京都労働局、京都府最低賃金のページ、厚生労働省、最低賃金特設サイト。
逆に、毎月決まって払われる役付手当、住宅手当、交替手当は、京都労働局のセルフチェックシートで月給に足して計算する欄があります。総支給額が多く見えても、残業代を外すと1,180円に届かない月給もあるので、明細を項目ごとに分けて見ます。
京都府の最低賃金を下回っていたときの相談先
最低賃金より低い額で働く約束をしていても、その部分は無効になり、最低賃金と同じ約束をしたものとみなされます。会社は差額を払わなければなりません(厚生労働省の最低賃金とはの説明)。
京都労働局の資料では、最低賃金に関する労働相談は、事業場を管轄する労働基準監督署が窓口です。京都府内の監督署は次の7つです。
| 労働基準監督署 |
| 京都上労働基準監督署 |
| 京都下労働基準監督署 |
| 京都南労働基準監督署 |
| 福知山労働基準監督署 |
| 舞鶴労働基準監督署 |
| 丹後労働基準監督署 |
| 園部労働基準監督署 |
出典:京都労働局、令和8年度 京都府の最低賃金一覧表。
制度の問い合わせは、京都労働局の労働基準部賃金室でも受けています。相談に行く前に、給与明細、労働条件通知書、勤務した日と時間の記録をそろえます。11月をまたぐ給与なら、11月15日までと16日以降で時間を分けて書いておくと、どちらの額で計算すべきかがすぐ分かります。
その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめる
最低賃金は法律の下限で、時給が最低賃金ぎりぎりかどうかは会社の公開データからは分かりません。求人票の時給と、会社が公開している残業時間や有給休暇の数字を合わせて見て、働いたときの姿を考えます。
京都府の会社の数字は、京都府のランキングにまとめています。残業時間が少ない順と有給休暇の取得率が高い順の表から、会社のページへ進めます。市ごとなら、京都市・宇治市・長岡京市・福知山市のページもあります。
求人票では、時給が11月16日以降も1,180円以上になっているか、所定労働時間、固定残業代の有無を見ます。面接では、繁忙期の残業や有給休暇の取り方を聞けます。厚生労働省のしょくばらぼでも、会社が公表した残業や有給の数字を確かめられます。47都道府県の額と発効日をまとめて見たいときは、最低賃金ランキング2026をどうぞ。