島根県の最低賃金は、令和8年(2026年)10月10日から時間額1,092円です。前年の1,033円から59円、率で5.7%の引上げです。47都道府県の改定額を高い順に並べると35番目で、山形・香川・熊本と同じ額です。10月9日までに働いた分は、改定前の1,033円で比べます。
数字は、厚生労働省の令和8年度の地域別最低賃金の全国一覧と、島根労働局の最低賃金のページで2026年10月25日に確かめました。全国加重平均は1,177円で、島根県はこれより85円低い額です。
最低賃金は時給の下限で、会社ごとの給与の高さを表す数字ではありません。その会社の時給が1,092円ぎりぎりかどうかは、求人票で確かめます。働きやすさは別の数字で、島根県の会社を採用の数字で比べるページに残業や有給の数字を並べています。松江市なら松江市の比較表で、出雲市なら出雲市の比較表から見られます。
島根県の最低賃金は10月10日から改定
島根県の改定は10月10日に発効しました。2026年10月29日の時点では、すでに1,092円が適用されています。
| 項目 |
島根県の値 |
| 改定後の時間額 |
1,092円 |
| 改定前(令和7年度) |
1,033円 |
| 引上げ額 |
59円 |
| 引上げ率 |
5.7% |
| 発効日 |
令和8年10月10日 |
| 47都道府県の順位 |
35番目(4県同額) |
出典:厚生労働省、令和8年度地域別最低賃金全国一覧(表番号なし)。順位は47都道府県の改定額を高い順に並べて数えたもの。
1,092円より高い県は34あります。同額の4県(山形・島根・香川・熊本)をまとめて35番目とし、次の1,090円の県は39番目と数えます。引上げ額の59円は、岩手・秋田・石川・福井と並んで15番目です。
前の年度は、改定前の1,033円が令和7年11月17日に発効していました。今回は10月10日なので、去年より1か月ほど早く新しい額に切り替わっています。10月の給与計算では、9日までの勤務と10日以降の勤務で比べる額が変わります。時給制の人は、10月分の明細で何日の勤務から新しい時給になったかを見ます。
島根県の最低賃金の推移:この10年の改定額と引上げ額
島根労働局が公開している推移の表から、平成28年度以降を並べました。引上げ額は前の年度との差を計算したものです。
| 年度 |
発効日 |
時間額 |
引上げ額 |
| 平成28年度 |
2016年10月1日 |
718円 |
22円 |
| 平成29年度 |
2017年10月1日 |
740円 |
22円 |
| 平成30年度 |
2018年10月1日 |
764円 |
24円 |
| 令和元年度 |
2019年10月1日 |
790円 |
26円 |
| 令和2年度 |
2020年10月1日 |
792円 |
2円 |
| 令和3年度 |
2021年10月2日 |
824円 |
32円 |
| 令和4年度 |
2022年10月5日 |
857円 |
33円 |
| 令和5年度 |
2023年10月6日 |
904円 |
47円 |
| 令和6年度 |
2024年10月12日 |
962円 |
58円 |
| 令和7年度 |
2025年11月17日 |
1,033円 |
71円 |
| 令和8年度 |
2026年10月10日 |
1,092円 |
59円 |
出典:島根労働局、島根県最低賃金・特定最低賃金(産業別)の年次別推移(平成27年の696円から令和7年まで)、令和8年度は厚生労働省、令和8年度地域別最低賃金全国一覧。
10年で374円上がりました。令和2年度は2円しか上がっていませんが、令和5年度以降は47円、58円、71円、59円と大きく上がっています。平成28年度に1日8時間・月20日働いたときの月の額は114,880円でしたが、令和8年度の額では174,720円です。
同じ会社で長く働いている人ほど、入社時の時給のまま改定を迎えていないかを確かめます。最低賃金の改定は、会社が全員の時給を上げる決まりではありません。1,092円を下回る人の時給を1,092円以上にする決まりです。
中国地方の5県と比べた島根県の最低賃金
中国地方の5県を、全国一覧の値で並べました。県境の近くで働く人や、ほかの県での転職を考える人の比べる材料になります。
| 県 |
改定後 |
改定前 |
引上げ額 |
発効日 |
全国の順位 |
| 広島 |
1,141円 |
1,085円 |
56円 |
2026年10月11日 |
11番目 |
| 岡山 |
1,104円 |
1,047円 |
57円 |
2026年10月2日 |
26番目 |
| 山口 |
1,101円 |
1,043円 |
58円 |
2026年10月8日 |
28番目(2県同額) |
| 島根 |
1,092円 |
1,033円 |
59円 |
2026年10月10日 |
35番目(4県同額) |
| 鳥取 |
1,090円 |
1,030円 |
60円 |
2026年10月3日 |
39番目(5県同額) |
出典:厚生労働省、令和8年度地域別最低賃金全国一覧(表番号なし)。全国の順位は改定額で数えたもの。
島根県は鳥取県より2円高く、山口県より9円、広島県より49円低い額です。1日8時間・月20日で計算すると、広島県との差は月7,840円になります。
ただし、最低賃金の差がそのまま給与の差になるわけではありません。実際の時給は会社ごとに決まり、多くの会社は最低賃金より高い時給で募集しています。県をまたいで仕事を比べるときは、最低賃金よりも、求人票の時給と通勤費、勤務時間を並べます。全国の表は最低賃金ランキング2026年度にあります。
島根県の特定最低賃金:半分の業種は地域別が適用
島根県には、6つの業種で特定最低賃金(産業別の最低賃金)があります。その業種の事業所で働く人は、特定最低賃金と島根県最低賃金を比べて、高いほうが適用されます。
| 業種 |
時間額 |
発効日 |
10月10日以降に適用される額 |
| 製鋼・製鋼圧延業、鉄素形材製造業 |
1,163円 |
2025年12月13日 |
1,163円 |
| はん用機械器具、生産用機械器具、業務用機械器具製造業 |
1,134円 |
2025年12月19日 |
1,134円 |
| 自動車・同附属品製造業 |
1,094円 |
2025年12月28日 |
1,094円 |
| 自動車(新車)小売業 |
1,069円 |
2025年11月26日 |
1,092円(地域別) |
| 電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具、情報通信機械器具製造業 |
1,058円 |
2025年12月14日 |
1,092円(地域別) |
| 百貨店、総合スーパー |
905円 |
2023年12月28日 |
1,092円(地域別) |
出典:島根労働局、最低賃金についての特定最低賃金の表、百貨店・総合スーパーの額は同局の年次別推移の表。2026年10月25日確認。
鉄鋼、機械の2業種は地域別より高い額が残っています。自動車・同附属品製造業は1,094円で、地域別との差は2円です。自動車(新車)小売業と電子部品などの製造業は、特定最低賃金のほうが低くなったため、10月10日からは地域別の1,092円が下限です。百貨店・総合スーパーについては、島根労働局のページが10月10日から島根県最低賃金1,092円が適用されると書いています。
次の改定に向けた動きもあります。島根労働局のページでは、製鋼・製鋼圧延業、鉄素形材製造業について令和8年10月6日に、自動車(新車)小売業について10月1日に、最低賃金審議会から改正の答申があったと案内しています。答申文の写しでは、それぞれ1時間1,230円、1,105円です。効力発生日は「法定どおり」とされ、10月25日時点ではまだ発効していません。発効後の額は、島根労働局のページで確かめます。
特定最低賃金は、18歳未満または65歳以上の人、雇入れ後6か月未満で技能を習っている途中の人、清掃や片付けなどの業務を主にする人には適用されません。この人たちの下限は地域別の1,092円です。特定と地域別の関係は特定最低賃金とはでまとめています。
1,092円を月給・年収に直した額
時給に働く時間を掛けて、月の額に直しました。税金や社会保険料を引く前の額で、残業代や手当、賞与は入れていません。
| 働き方の前提 |
1か月の時間 |
月の額(1,092円) |
月の額(改定前1,033円) |
| 1日8時間・月20日 |
160時間 |
174,720円 |
165,280円 |
| 1日7時間・月21日 |
147時間 |
160,524円 |
151,851円 |
| 1日4時間・月16日 |
64時間 |
69,888円 |
66,112円 |
計算:時給×1か月の時間。例は1,092円 × 160時間 = 174,720円。
1日8時間・月20日なら、改定前より月9,440円増えます。この前提で12か月働くと、1,092円 × 160時間 × 12か月 = 2,096,640円です。
月給制の人は、月給を時給に直して比べます。対象になる月給を1か月平均所定労働時間で割り、1,092円以上かを見ます。島根労働局は、月給の人向けに宮崎労働局の最低賃金チェックツールを案内しています。出てくる額はおおよその値なので、くわしい計算は時給の計算と最低賃金との比べ方で確かめます。
島根県で働く人の給与の水準は、島根県の平均年収に年齢別・業種別でまとめています。最低賃金の174,720円と、同じ年代や業種の平均を並べると、提示された給与の位置が見えます。
最低賃金と比べない賃金:皆勤手当・通勤手当・残業代など
最低賃金と比べるのは、毎月決まって払われる基本的な賃金です。厚生労働省の対象となる賃金の説明では、次の賃金を除きます。
- 結婚手当など、臨時に払われる賃金
- 賞与など、1か月を超える期間ごとに払われる賃金
- 時間外・休日労働の割増賃金
- 深夜の割増のうち、通常の賃金を超える部分
- 精皆勤手当、通勤手当、家族手当
時給1,060円に皆勤手当が1時間あたり40円分ついていても、比べる時給は1,060円です。この場合、10月10日以降の勤務では32円足りません。
パートや学生アルバイトにも、同じ1,092円が適用されます。派遣で働く人は、派遣先の事業所がある都道府県の最低賃金で比べます。会社が最低賃金より低い額で雇えるのは、障害や試用期間などで都道府県労働局長の許可を受けた場合だけです。
時給が1,092円を下回っていたときの相談先
給与が足りないかもしれないときは、求人票か労働条件通知書、給与明細、勤務記録、働いた事業所の住所をそろえます。まず会社の給与担当者に、10月10日以降の勤務の時給がいくらで計算されているかを聞きます。
説明が合わないときは、島根労働局の労働基準部賃金室か、最寄りの労働基準監督署に相談できます。島根県の監督署は松江・出雲・浜田・益田の4か所で、松江署には隠岐の島の駐在事務所があります。
最低賃金法4条では、最低賃金を下回る賃金の契約は、その部分が無効になり、最低賃金と同じ額を定めたものとみなされます。地域別最低賃金を下回る賃金を払った会社には、同じ法律の40条で50万円以下の罰金が定められています。
求人票・面接・しょくばらぼで、その会社の数字を確かめる
時給が1,092円以上かどうかは、時給と働いた日が分かれば判断できます。けれど、時給が同じでも、残業の多さや休みの取りやすさで働きやすさは大きく変わります。
島根県の会社は、島根県の会社の比較ページで、残業時間が少ない順や有給休暇の取得率が高い順に並べて見られます。市ごとには浜田市・益田市・安来市などの表もあります。求人票の時給が最低賃金に近いなら、残業や有給の数字と合わせて見て、月の収入と休みの両方で比べます。
面接では「10月10日以降の時給はいくらですか」「固定残業代を除いた月給はいくらですか」と聞きます。会社ごとの残業・有給の実際の数字は、厚生労働省のしょくばらぼでも確かめられます。載っていない項目は、会社に聞く項目として残します。
出典