鳥取県の最低賃金は、令和8年(2026年)10月3日から時間額1,090円です。前年の1,030円から60円、率で5.8%の引上げです。47都道府県の改定額を高い順に並べると39番目で、青森・岩手・秋田・鹿児島と同じ額です。10月2日までに働いた分は、改定前の1,030円で比べます。
数字は、厚生労働省の令和8年度の地域別最低賃金の全国一覧と、鳥取労働局の最低賃金のページで2026年10月25日に確かめました。全国加重平均の1,177円より87円低く、中国地方5県では最も低い額です。
最低賃金は、どの会社も守らなければならない時給の下限です。ある会社の時給が下限に近いかどうかは求人票で分かりますが、残業や休みの取りやすさは別に見ます。鳥取県の会社を採用の数字で比べるページでは、県内の会社の残業・有給の数字を並べています。鳥取市・米子市・倉吉市の表もあります。
鳥取県の最低賃金は10月3日から改定
鳥取県の改定は10月3日に発効しました。2026年10月29日の時点では、県内のすべての職場で1,090円が下限です。
| 項目 |
鳥取県の値 |
| 改定後の時間額 |
1,090円 |
| 改定前(令和7年度) |
1,030円 |
| 引上げ額 |
60円 |
| 引上げ率 |
5.8% |
| 発効日 |
令和8年10月3日 |
| 47都道府県の順位 |
39番目(5県同額) |
出典:厚生労働省、令和8年度地域別最低賃金全国一覧(表番号なし)。順位は47都道府県の改定額を高い順に並べて数えたもの。
1,090円より高い県は38あります。同じ1,090円が5県あるので、まとめて39番目と数えます。1,090円より低いのは、長崎の1,087円、高知と沖縄の1,086円、宮崎の1,085円の4県だけです。
引上げ額の60円は、宮城・山形・愛媛と並んで47都道府県で11番目に大きい額です。改定前の1,030円は47都道府県で41番目でしたが、今回の改定で順位が2つ上がりました。
改定日の10月3日をまたぐ月は、2日までと3日以降で比べる額が変わります。月末締めの会社なら、10月1日・2日の勤務は1,030円、3日以降は1,090円が下限です。
鳥取県の最低賃金の推移:この10年の改定額と引上げ額
厚生労働省が公開している平成14年度からの改定状況の表から、鳥取県の平成28年度以降を抜き出しました。引上げ額は前の年度との差を計算したものです。
| 年度 |
発効日 |
時間額 |
引上げ額 |
| 平成28年度 |
2016年10月12日 |
715円 |
22円 |
| 平成29年度 |
2017年10月6日 |
738円 |
23円 |
| 平成30年度 |
2018年10月5日 |
762円 |
24円 |
| 令和元年度 |
2019年10月5日 |
790円 |
28円 |
| 令和2年度 |
2020年10月2日 |
792円 |
2円 |
| 令和3年度 |
2021年10月6日 |
821円 |
29円 |
| 令和4年度 |
2022年10月6日 |
854円 |
33円 |
| 令和5年度 |
2023年10月5日 |
900円 |
46円 |
| 令和6年度 |
2024年10月5日 |
957円 |
57円 |
| 令和7年度 |
2025年10月4日 |
1,030円 |
73円 |
| 令和8年度 |
2026年10月3日 |
1,090円 |
60円 |
出典:厚生労働省、平成14年度から令和8年度までの地域別最低賃金改定状況(Excel、表番号なし)。平成27年度は693円。
10年で375円上がりました。令和5年度に初めて900円に届き、令和7年度に1,000円を超えています。鳥取県は毎年10月上旬に発効していて、令和8年度は10月3日でした。
平成28年度の715円で1日8時間・月20日働いたときの月の額は114,400円でした。令和8年度の1,090円では174,400円で、同じ働き方で月60,000円の差があります。
中国地方の5県と比べた鳥取県の最低賃金
中国地方の5県を、全国一覧の値で並べました。
| 県 |
改定後 |
改定前 |
引上げ額 |
発効日 |
全国の順位 |
| 広島 |
1,141円 |
1,085円 |
56円 |
2026年10月11日 |
11番目 |
| 岡山 |
1,104円 |
1,047円 |
57円 |
2026年10月2日 |
26番目 |
| 山口 |
1,101円 |
1,043円 |
58円 |
2026年10月8日 |
28番目(2県同額) |
| 島根 |
1,092円 |
1,033円 |
59円 |
2026年10月10日 |
35番目(4県同額) |
| 鳥取 |
1,090円 |
1,030円 |
60円 |
2026年10月3日 |
39番目(5県同額) |
出典:厚生労働省、令和8年度地域別最低賃金全国一覧(表番号なし)。全国の順位は改定額で数えたもの。
鳥取県は5県で最も低い額ですが、引上げ額の60円は5県で最も大きく、隣の島根県との差は前年の3円から2円に縮みました。岡山県とは14円、広島県とは51円の差があります。1日8時間・月20日で計算すると、広島県との差は月8,160円です。
県境の近くで働く人は、住んでいる県ではなく働く場所で考えます。働く場所が県外なら、比べるのはその事業所がある県の最低賃金です。全国の表は最低賃金ランキング2026年度にまとめています。
鳥取県の特定最低賃金:2業種とも地域別が適用
鳥取県には、2つの業種で特定最低賃金(産業別の最低賃金)が決められています。ただ、どちらも地域別の1,090円より低いため、10月3日からはこの2業種で働く人にも1,090円が適用されます。
| 業種 |
特定最低賃金の時間額 |
発効日 |
10月3日以降に適用される額 |
| 電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具、情報通信機械器具製造業 |
963円 |
2024年12月19日 |
1,090円(地域別) |
| 各種商品小売業 |
902円 |
2023年12月15日 |
1,090円(地域別) |
出典:特定最低賃金の額と発効日は厚生労働省、令和7年度 特定最低賃金の審議・決定状況(令和8年1月15日時点)。適用される額は鳥取労働局、鳥取県の最低賃金のリーフレット。
鳥取労働局のリーフレットでは、この2業種について「最低賃金法第6条第1項により、鳥取県最低賃金が適用されています」と書いています。第6条第1項は、2つ以上の最低賃金がかかる人には最も高い額を使うという決まりです。電子部品などの製造業の963円は地域別より127円、各種商品小売業の902円は188円低くなっています。
ほかの県では、地域別より高い特定最低賃金が残っている業種もあります。たとえば隣の島根県では、鉄鋼や機械の製造業で1,100円を超える額が決まっています。鳥取県の2業種は、特定最低賃金が改正されて1,090円を上回らない限り、地域別と同じ下限です。しくみは特定最低賃金とはにまとめています。
1,090円を月給・年収に直した額
時給に働く時間を掛けて、月の額に直しました。税金や社会保険料を引く前の額で、残業代や手当、賞与は入れていません。
| 働き方の前提 |
1か月の時間 |
月の額(1,090円) |
月の額(改定前1,030円) |
| 1日8時間・月20日 |
160時間 |
174,400円 |
164,800円 |
| 1日7.5時間・月21日 |
157.5時間 |
171,675円 |
162,225円 |
| 1日5時間・月12日 |
60時間 |
65,400円 |
61,800円 |
計算:時給×1か月の時間。例は1,090円 × 160時間 = 174,400円。
1日8時間・月20日なら、改定前より月9,600円増えます。この前提で12か月働くと、1,090円 × 160時間 × 12か月 = 2,092,800円です。
月給制の人は、鳥取労働局のリーフレットにある式で比べます。月給 ÷ 1年間における1か月平均所定労働時間が1,090円以上かを見ます。日給制なら日給 ÷ 1日の平均所定労働時間、出来高払いなら期間の総額 ÷ その期間の総労働時間です。手順は時給の計算と最低賃金との比べ方で例を使って説明しています。
鳥取県で働く人の給与の水準は、鳥取県の平均年収で年齢別・業種別に見られます。下限の174,400円と平均を並べると、提示された給与の位置が分かります。
最低賃金と比べない賃金:通勤手当・家族手当・残業代など
鳥取労働局のリーフレットでは、最低賃金と比べる賃金は通常の労働時間・労働日に対応する所定内賃金に限るとしています。次の賃金は比べる額に入れません。
- 時間外・休日・深夜などの割増賃金
- 賞与などの臨時の賃金
- 精皆勤手当
- 通勤手当
- 家族手当
時給1,050円に通勤手当を足して1,090円を超えていても、比べる時給は1,050円です。10月3日以降の勤務なら40円足りません。逆に、毎月決まって払われる職務手当や資格手当は比べる額に入ります。
派遣で働く人は、派遣先の事業所に適用される最低賃金で比べると、同じリーフレットに書かれています。パートや学生アルバイトも、鳥取県内の事業所で働くなら1,090円が下限です。
高校生・学生のアルバイトにも1,090円が適用される
鳥取県最低賃金は、年齢や雇い方に関係なく、県内の事業所で働くすべての人に適用されます。厚生労働省の最低賃金特設サイトの適用される対象者の説明でも、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託など呼び方に関係なく適用されるとしています。高校生や大学生のアルバイトも、10月3日以降の勤務なら1,090円が下限です。
特定最低賃金では、18歳未満の人は適用から外れます。ただ、鳥取県の2業種はもともと地域別のほうが高いので、高校生でも大人でも下限は同じ1,090円です。
最低賃金より低い時給で雇えるのは、試用期間中の人や軽易な業務をする人などについて、会社が都道府県労働局長の許可を受けた場合だけです。許可は人ごとに受けるもので、「研修中だから」「学生だから」と会社が自分で決めて下げることはできません。研修期間の時給が別に書かれた求人では、その額が1,090円以上かを確かめます。
時給が1,090円を下回っていたときの相談先
給与が足りないかもしれないときは、求人票か労働条件通知書、給与明細、勤務記録、働いた事業所の住所をそろえます。会社の給与担当者に、10月3日以降の勤務がいくらの時給で計算されたかを聞きます。
説明が合わないときは、鳥取労働局の労働基準部賃金室か、最寄りの労働基準監督署に相談できます。鳥取県の監督署は鳥取・米子・倉吉の3か所で、所在地は鳥取労働局の労働基準監督署のページにあります。
最低賃金法4条では、最低賃金を下回る賃金の契約は、その部分が無効になり、最低賃金と同じ額を定めたものとみなされます。地域別最低賃金を下回る賃金を払った会社には、同じ法律の40条で50万円以下の罰金が定められています。
求人票・面接・しょくばらぼで、その会社の数字を確かめる
時給が1,090円以上かどうかは、自分で計算できます。けれど、同じ時給でも、残業代がきちんと出るか、有給を取れるかで、1年の働き方は変わります。
鳥取県の会社は、鳥取県の会社の比較ページで、残業時間が少ない順や有給休暇の取得率が高い順に並べて見られます。求人票の時給が最低賃金に近い会社ほど、残業代の計算や休みの数字を合わせて見て、月の収入と休みの両方で比べます。
面接では「10月3日以降の時給はいくらですか」「月給のうち固定残業代を除いた額はいくらですか」と聞きます。会社ごとの残業・有給の実際の数字は、厚生労働省のしょくばらぼでも確かめられます。載っていない項目は、会社に聞く項目として残します。
出典