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勤務間インターバル制度とは:導入している会社の割合と休息時間

・ナギサコーポレーション(運営)

この記事の答え

  • 勤務間インターバル制度は、終業から次の始業までに一定の休息時間を確保する仕組み。労働時間等設定改善法2条で、事業主の努力義務になっている
  • 令和7年就労条件総合調査では、導入している企業は6.9%(令和6年5.7%)⁠。業種別では運輸業・郵便業が15.9%⁠で最も高く、規模別では1,000人以上⁠が20.1%
  • 導入企業で休息時間を11時間ちょうどとしているのは35.8%⁠、11時間⁠を超えるのは24.6%⁠。導入予定も検討もない企業の57.3%は、超過勤務の機会が少なく必要性を感じないと答えた

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勤務間インターバル制度は、1日⁠の勤務が終わってから次の勤務が始まるまでに、一定時間以上の休息時間を空ける仕組みです。たとえば休息時間を11時間⁠と決めた会社で、23時まで残業した人は、翌日の始業が10時以降になります。

労働時間等設定改善法2条は、この終業から始業までの時間の設定を、事業主の努力義務としています。厚生労働省の令和7年就労条件総合調査では、導入している企業は6.9%でした。令和6年⁠の5.7%からは増えましたが、9割以上⁠の企業にはまだ制度がありません。

この記事では、業種別と規模別の導入割合、休息時間の長さ、導入しない理由を、同じ調査の原表と結果の概要で並べます。数字は2026年10月26日⁠に確認しました。最後に、会社の取組を知る手がかりとして、令和8年度の助成金の要件も載せます。

制度の根拠:労働時間等設定改善法2条⁠の努力義務

労働時間等の設定の改善に関する特別措置法2条1項は、事業主に、労働時間等の設定の改善のため、業務の繁閑に応じた始業・終業時刻の設定や、「健康及び福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定」⁠な⁠ど⁠の措置を講ずるよう努めることを求めています。

努力義務なので、導入していなくても罰則はありません。休息時間の長さも法律で決まっておらず、何時間にするかは会社が決めます。厚生労働省の働き方改革推進支援助成金の案内は、制度の目的を、働く人の生活時間や睡眠時間を確保し、健康保持や過重労働の防止を図るものと説明し、平成31年4月から努力義務化されたとしています。

項目 内容
根拠 労働時間等設定改善法2条1項(事業主の努力義務)
始まり 平成31年4月から努力義務
休息時間の長さ 法律の定めはない。会社が就業規則などで決める
休息時間を確保する方法の例 ある時刻以降の残業を禁止し、次の始業時刻より前の勤務を認めない、など。決め方は会社による

36協定の特別条項とのつながり

支給要領は、36協定の指針(平成30年厚生労働省告示第323号⁠)⁠の第8条第3号⁠も紹介しています。限度時間を超えて残業させる労働者の健康と福祉を守るため、会社が講じることが望ましい措置の一つとして、「終業から始業までに一定時間以上の継続した休息時間を確保すること⁠」⁠が挙げられています。

ただし支給要領は、この措置は限度時間を超えて働く人だけを対象にしたものなので、それだけでは勤務間インターバルを導入したことにはならないとしています。特別条項のある会社で、健康確保の措置に休息時間の確保を選んでいるかどうかは、協定の内容で確かめます。36協定のしくみは36協定とはにまとめています。

就業規則に書かれる4つの項目

制度があるかどうかは、就業規則で確かめます。厚生労働省の助成金の支給要領は、助成の成果目標として勤務間インターバルを就業規則に定めるとき、次の4つ⁠を定めるよう求めています。

就業規則に定める事項 読むときに見る点
対象となる労働者の範囲 自分の職種や雇用形態が入っているか
勤務間インターバルの時間数 何時間か。部署で違う場合は最も短いもの
休息時間を確保すると翌日の始業時刻を超えてしまう場合の取扱い 始業を後ろにずらすのか、その時間の賃金はどうなるか
勤務間インターバルを確保できない場合 災害や緊急対応など、例外になる場面の範囲

同じ支給要領は、終業時刻より後の残業だけを禁止する、始業時刻より前の残業だけを禁止する、といった決まりは勤務間インターバルの導入にあたらないとしています。両方を禁止して、休息時間が実際に確保されている必要があります。また、自動車運転者の改善基準告示にもとづく休息期間のように、法令などで義務づけられた同等の措置も勤務間インターバルに含めています。

休憩時間の決まり(労働基準法34条)⁠は1日⁠の勤務の途中に取る時間で、勤務間インターバルは勤務と勤務の間の時間です。休憩の長さは休憩時間の決まり⁠で説明しています。

導入している企業は6.9%

厚生労働省の令和7年就労条件総合調査 結果の概況(労働時間制度)⁠によると、勤務間インターバル制度の導入状況は次のとおりです。

  • 導入している:6.9%(令和6年調査5.7%)
  • 導入を予定又は検討している:13.8%(同15.6%)
  • 導入予定はなく、検討もしていない:78.7%(同78.5%)

調査の対象は、常用労働者30人以上⁠を雇用する民営企業(医療法人、社会福祉法人なども含む)⁠で⁠す⁠。数字は企業の割合で、働く人の割合ではありません。令和7年1月1日現在の状況を聞いています。

業種別の導入割合ランキング

同じ調査の原表22-1から、産業別の導入割合を高い順に並べました。

順位 産業 導入している 導入企業の平均間隔
1 運輸業,郵便業 15.9% 10時間52分
2 電気・ガス・熱供給・水道業 12.1% 10時間26分
3 金融業,保険業 10.4% 10時間24分
4 情報通信業 7.8% 9時間21分
5 教育,学習支援業 7.7% 11時間08分
6 製造業 7.1% 10時間16分
7 建設業 6.9% 10時間27分
8 医療,福祉 6.6% 12時間05分
9 学術研究,専門・技術サービス業 6.2% 10時間35分
9 宿泊業,飲食サービス業 6.2% 11時間55分
11 不動産業,物品賃貸業 5.9% 10時間41分
12 生活関連サービス業,娯楽業 5.3% 10時間47分
13 卸売業,小売業 5.0% 10時間34分
14 サービス業(他に分類されないもの) 4.0% 10時間53分
15 複合サービス事業 1.4% 公表なし(X)

運輸業・郵便業が15.9%⁠で最も高く、2位⁠の電気・ガス・熱供給・水道業とは3.8ポイント離れています。サービス業(他に分類されないもの)⁠と卸売業・小売業は5%前後です。業種による差の理由は、この調査からはわかりません。

医療・福祉は導入割合が6.6%ですが、導入企業の平均間隔は12時間05分で、表の中で最も長くなっています。導入割合と休息時間の長さは、別々に見る必要があります。

規模別:大きな会社ほど導入割合が高い

企業規模 導入している 平均間隔 予定・検討している 予定も検討もない
1,000人以上 20.1% 10時間04分 24.8% 55.0%
300〜999人 9.6% 10時間00分 17.3% 72.0%
100〜299人 7.5% 11時間00分 15.3% 76.9%
30〜99人 6.1% 11時間00分 12.5% 80.8%
計 6.9% 10時間51分 13.8% 78.7%

大きな会社ほど導入割合は高く、1,000人以上⁠は20.1%です。一方、導入企業の平均間隔は30〜299人⁠の企業のほうが長く、11時間ちょうどでした。会社の規模が小さくても、決めている休息時間が短いとは限りません。

休息時間は何時間? 11時間ちょうどが最多

導入している企業を100として、休息時間の長さを分けたのが原表22-2です。各社で複数の間隔がある場合は、最も短い間隔で数えています。

休息時間 企業割合(導入企業 = 100)
9時間未満 7.2%
9時間以上11時間未満 30.8%
11時間 35.8%
11時間⁠を超える 24.6%
不明 1.6%

11時間以上(11時間ちょうどと11時間超)⁠を合わせると6割⁠を超えます。同じ表で、11時間⁠を超える割合は医療・福祉で62.6%⁠、宿泊業・飲食サービス業で43.6%⁠と高くなっています。

制度がなくても、11時間空いている人は多い

制度の有無とは別に、実際に終業から始業まで11時間以上空いている労働者がどのくらいいるかを、企業に聞いたのが原表21です。

11時間以上空いている労働者 企業割合
全員 37.6%
ほとんど全員 37.2%
全体の4分⁠の3程度 7.1%
全体の半数程度 3.2%
全体の4分⁠の1程度 2.0%
ほとんどいない 2.6%
全くいない 9.7%
不明 0.7%

「全員」⁠と「ほとんど全員」⁠が7割台です。制度がない会社でも、ふだんの勤務で休息時間が取れている職場は多いことになります。応募先では、制度があるかと、繁忙期にも休息時間が取れているかを分けて聞きます。逆に「全くいない」⁠と答えた企業も9.7%あり、交代勤務や長時間の残業が続く職場では、制度で休息時間を守る意味が大きくなります。

導入しない理由:「必要性を感じない」⁠が57.3%

導入予定がなく検討もしていない企業に理由を聞いたのが、結果の概況の第13表です(複数回答)⁠。

順位 理由 予定も検討もない企業 = 100
1 超過勤務の機会が少なく、当該制度を導入する必要性を感じないため 57.3%
2 当該制度を知らなかったため 19.9%
3 人員不足や仕事量が多いことから、当該制度を導入すると業務に支障が生じるため 9.4%
4 当該制度を導入すると労働時間管理が煩雑になるため 8.7%
5 夜間も含め、常時顧客や取引相手の対応が必要なため 8.5%
6 当該制度は知っている中でのその他の理由 5.6%

「知らなかった」⁠は⁠、全企業を100とすると15.7%です。30〜99人⁠の企業では、予定も検討もない企業の23.9%⁠が制度を知らなかったと答えています。

会社が導入するときの助成金:令和8年⁠度

厚生労働省の働き方改革推進支援助成金には、勤務間インターバル導入コースがあります。令和8年度のご案内⁠の主な要件は次のとおりです。

項目 内容
対象 労災保険の適用を受ける中小企業事業主。36協定を結んでいて、原則として過去2年間に月45時間⁠を超える時間外労働の実態があることなど
交付申請の期限 令和8年11月30日(予算の都合で早く締め切る場合がある)
成果目標の例 新たに所属労働者の4分⁠の1を超える人を対象に、9時間以上⁠の勤務間インターバルを導入する
補助率 4分⁠の3(条件を満たす30人以下⁠の事業主は5分の4)
新規導入の対象 休息時間 1企業あたりの上限額
労働者の2分の1超 9時間以上11時間未満 100万円
労働者の2分の1超 11時間以上 150万円
労働者の4分⁠の1超2分⁠の1以下 9時間以上11時間未満 50万円
労働者の4分⁠の1超2分⁠の1以下 11時間以上 75万円

助成金を使った会社があっても、その情報が求人票に出るとは限りません。求職者が使える手がかりは、就業規則の該当条文、勤務表、面接での説明です。

応募先で確かめること

勤務間インターバルは、遅番の翌日に早番が入るシフト、夜遅くまでの会議、深夜の呼び出しなどがある職場ほど意味を持ちます。面接や内定後の面談では、次のように聞きます。

  • 勤務間インターバル制度はありますか。ある場合、休息時間は何時間ですか
  • 休息時間が足りない日は、翌日の始業を繰り下げますか。その時間の賃金はどう扱いますか
  • 遅番の翌日に早番が入ることはありますか
  • 制度がない場合、終業から翌日の始業まで、実際には何時間くらい空いていますか。繁忙期はどうですか

1日⁠の働く時間の平均は平均勤務時間で、1年⁠に何日働くかは年間労働日数の平均⁠で確かめられます。会社ごとの残業時間や有給休暇の取得日数は、厚生労働省のしょくばらぼに載っている場合があります。制度があるかだけでなく、残業の少なさと合わせて、休める職場かを比べます。

よくある質問

勤務間インターバル制度とは何ですか?

勤務の終了後、次の勤務までに一定時間以上の休息時間を設ける仕組みです。労働時間等設定改善法2条は、健康と福祉の確保に必要な終業から始業までの時間の設定を、事業主の努力義務としています。厚生労働省の助成金の案内では、平成31年4月から努力義務化されています。

導入している会社はどのくらいありますか?

厚生労働省の令和7年就労条件総合調査では、導入している企業は6.9%⁠、導入を予定または検討している企業は13.8%⁠、導入予定も検討もない企業は78.7%です。令和6年調査の導入割合は5.7%でした。

休息時間は何時間が多いですか?

同じ調査の原表22-2で、導入している企業を100とすると、11時間⁠が35.8%⁠、9時間以上11時間未満が30.8%⁠、11時間⁠を超えるのが24.6%⁠、9時間未満が7.2%です。導入企業の平均の間隔は10時間51分です。

業種によって導入割合は違いますか?

原表22-1では、運輸業・郵便業が15.9%⁠、電気・ガス・熱供給・水道業が12.1%⁠、金融業・保険業が10.4%⁠と高く、サービス業(他に分類されないもの)⁠は4.0%⁠、卸売業・小売業は5.0%です。

制度がなくても休息時間は取れていますか?

原表21では、終業から始業まで11時間以上空いている労働者が「全員」⁠の企業が37.6%⁠、「ほとんど全員」⁠が37.2%で、「全くいない」⁠は9.7%です。制度の有無と実際の休息時間は分けて確かめます。

会社が導入するときの助成金はありますか?

厚生労働省の働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)⁠があります。令和8年度は中小企業事業主が対象で、交付申請の期限は令和8年11月30日です。新たに労働者の半数を超える人に11時間以上⁠の休息時間を導入する場合、上限は150万円です。

気になる会社の「ホント」⁠を⁠、会社に聞いてみませんか。

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