日本の平均勤務時間は月135.1時間、一般労働者に限ると月160.5時間です。厚生労働省の毎月勤労統計調査・令和7年分結果確報による、事業所規模5人以上の常用労働者の総実労働時間です。公表月平均を12倍した年間換算は、それぞれ1,621.2時間と1,926.0時間。1日分を調べるときは、月の時間を出勤日数と組み合わせて読みます。
求人票の勤務時間を比べるなら、パートを含む全体の平均だけで判断しないことです。フルタイムの仕事では一般労働者の欄を読み、所定内と所定外を分けます。全国平均より短いかだけでなく、配属先の出勤日数、残業、休憩、勤務時間帯を確認します。
最新年の月間労働時間は就業形態別に読む
厚生労働省の令和7年分結果確報・第2表で確認しました。令和7年、つまり2025年の年平均の月間値です。2026年2月25日公表の資料を2026年10月22日に確認しています。
対象は調査産業の事業所規模5人以上で働く常用労働者です。次の値は労働者1人平均で、中央値ではありません。自営業者やすべての小規模事業所まで含む、国内の就業者全員の平均ではありません。
| 区分 |
総実労働 |
所定内 |
所定外 |
| 就業形態計 |
135.1時間 |
125.3時間 |
9.8時間 |
| 一般労働者 |
160.5時間 |
147.3時間 |
13.2時間 |
| パートタイム労働者 |
79.1時間 |
76.8時間 |
2.3時間 |
出典:厚生労働省、毎月勤労統計調査・2025年分結果確報、第2表。事業所規模5人以上、調査産業計の月間実労働時間。
就業形態計は、一般労働者とパートタイム労働者を合わせた値です。短い時間で働く人も入るため、一般労働者だけの平均より短くなります。全体の135.1時間を、正社員の標準的な月間勤務時間と呼び換えるとずれます。
一般労働者は、調査上のパートタイム労働者以外の常用労働者です。正社員という雇用形態だけで区切った表ではありません。契約社員なども働く日数や時間によって含まれるため、正社員だけの値として断定しないことです。
パートタイム労働者も、勤務先がパートと呼ぶ人だけを機械的に集めているわけではありません。厚生労働省の用語の解説に沿って、通常の労働者より所定労働時間や所定労働日数が短いかで区分を読みます。
1日分は月の時間を出勤日数で割って計算する
同じ第2表の月間出勤日数は、就業形態計17.4日、一般労働者19.2日、パートタイム労働者13.5日です。1日にどのくらい働くかをつかむには、時間と出勤日数を同じ区分で組み合わせます。
| 区分 |
月の出勤日数 |
1日分を見る計算式 |
| 就業形態計 |
17.4日 |
135.1時間÷17.4日 |
| 一般労働者 |
19.2日 |
160.5時間÷19.2日 |
| パートタイム労働者 |
13.5日 |
79.1時間÷13.5日 |
出典:厚生労働省、毎月勤労統計調査・2025年分結果確報、第2表。計算式は公表された月平均同士の比率で、別に公表された日平均値ではない。
一般労働者の式を計算すると8.359375時間です。ただし、この小数の細かさまで実態が測定されているという意味ではありません。小数第1位まで公表された月平均同士を割った計算結果を、丸めずに示したものです。
人ごとの1日の時間を平均した値と、集団の月平均の比率は同じとは限りません。休憩を含む在社時間でもありません。この計算結果と求人票の始業・終業時刻の差を直接比べないことです。
求人票で始業から終業までの時間が示されていたら、途中の休憩を分けます。実労働時間が短くても、長い中抜けや分割した勤務があれば拘束される時間は長くなります。生活への影響は、働く時間の合計だけでなく、いつ自由に動けるかでも変わります。
年間換算は公表月平均を12倍する
月の公表値を12倍した計算です。年間の数値を別の資料から持ち込んだものではありません。小数第1位までの公表月平均から計算しているため、元の未丸め値による年間集計と一致しないことがあります。
| 区分 |
総実労働の年間換算 |
所定内の年間換算 |
所定外の年間換算 |
| 就業形態計 |
1,621.2時間 |
1,503.6時間 |
117.6時間 |
| 一般労働者 |
1,926.0時間 |
1,767.6時間 |
158.4時間 |
| パートタイム労働者 |
949.2時間 |
921.6時間 |
27.6時間 |
出典:厚生労働省、毎月勤労統計調査・2025年分結果確報、第2表の月間値をそれぞれ12倍した計算値。対象と就業形態は月間表と同じ。
この年間換算を、入社した人に保証される年間勤務時間として使うことはできません。入退社、休業、繁忙期、勤務日数の違いがあるためです。求人票の年間休日から勤務日を計算した値とも、数え方が違います。
勤務日数と時間を分けて調べると、長く働く理由を確認しやすくなります。出勤日が多いのか、1日の実働が長いのか、残業が偏っているのかで、面接で聞くことは変わります。年間労働日数の考え方とあわせて整理できます。
年の平均だけでは、特定の季節の負担は見えません。平均が短くても、一部の月に勤務が集中する仕事はあります。応募先では月平均とあわせて繁忙期の勤務予定を聞きます。
一般労働者の産業別ランキング:運輸業・郵便業が最長
令和7年の月間総実労働時間を長い順に並べました。事業所規模5人以上、一般労働者の平均で、所定外も含みます。第2表の16産業大分類を比較した順位です。
| 順位 |
産業 |
月間総実労働時間 |
| 1 |
運輸業・郵便業 |
175.3時間 |
| 2 |
宿泊業・飲食サービス業 |
172.6時間 |
| 3 |
鉱業・採石業・砂利採取業 |
166.8時間 |
| 4 |
建設業 |
164.3時間 |
| 5 |
生活関連サービス業・娯楽業 |
163.3時間 |
| 6 |
不動産業・物品賃貸業 |
162.9時間 |
| 7 |
製造業 |
162.3時間 |
| 8 |
卸売業・小売業 |
161.3時間 |
| 9 |
情報通信業 |
160.5時間 |
| 10 |
学術研究・専門・技術サービス業 |
158.5時間 |
| 11 |
教育・学習支援業 |
157.2時間 |
| 12 |
その他のサービス業 |
157.1時間 |
| 13 |
電気・ガス・熱供給・水道業 |
156.9時間 |
| 14 |
複合サービス事業 |
154.3時間 |
| 15 |
医療・福祉 |
153.6時間 |
| 16 |
金融業・保険業 |
151.0時間 |
出典:厚生労働省、毎月勤労統計調査・2025年分結果確報、第2表の一般労働者。原表の産業の略称は正式名称に展開。その他のサービス業は他に分類されないサービス業。
運輸業・郵便業は、一般労働者の月間所定外労働時間も24.1時間です。総実労働時間が長い理由を読むときは、所定内と所定外に戻ります。総時間だけで残業時間を推測しないことです。
宿泊業・飲食サービス業は、一般労働者では172.6時間ですが、パートを含む就業形態計では88.0時間です。同じ産業で大きく違うのは、同じ集団を比較していないからです。フルタイムの求人に応募するのに全体の欄だけを見ると、実態を短く見積もりやすくなります。
業界平均には職種や部署の違いも含まれます。運輸業の事務職と運転の仕事、医療・福祉の夜勤がある仕事と日勤の仕事では、同じ産業でも予定の組み方が違います。応募する職種の実績を別に確認します。
パートを含む全体の順位も分けて確認する
同じ令和7年の第2表を、就業形態計の月間総実労働時間で並べた上位の表です。こちらも事業所規模5人以上ですが、一般労働者だけの表とは分母が違います。
| 順位 |
産業 |
月間総実労働時間 |
| 1 |
運輸業・郵便業 |
161.0時間 |
| 2 |
鉱業・採石業・砂利採取業 |
160.4時間 |
| 3 |
建設業 |
159.8時間 |
| 4 |
情報通信業 |
156.9時間 |
| 5 |
製造業 |
155.5時間 |
| 6 |
電気・ガス・熱供給・水道業 |
154.9時間 |
出典:厚生労働省、毎月勤労統計調査・2025年分結果確報、第2表の就業形態計。16産業大分類の上位6産業。
全体の平均が短い産業で、フルタイムの人も同じだけ短く働くとは限りません。パートで働く人が多いかどうかによって、全体の平均は変わります。業界比較では、調査年、事業所規模、就業形態をそろえます。
自分が短時間勤務で応募するなら、全体よりもパートタイム労働者の欄を使います。それでも平均の日数や時間が契約条件になるわけではありません。週の勤務日と時間帯、シフト変更の手順を求人票で確認します。
所定外労働時間と固定残業時間は同じではない
毎月勤労統計の所定外労働時間は、所定の勤務時間を超えて実際に働いた時間です。法律上の時間外労働の範囲や、会社が固定残業代の計算に使う時間数と、必ずしも一致しません。
固定残業代が給与に含まれる求人では、記載された時間は賃金の計算条件です。毎月必ずその時間だけ働くという予測でも、超過分を払わなくてよい上限でもありません。実際の残業の平均、繁忙期、超過分の支払いを別々に聞きます。
同じ会社が公表する数字でも、全社員の平均と配属先の平均で違いが出ます。管理職を含めるか、短時間勤務者を含めるかによっても変わるため、資料の対象者を確かめます。残業時間の業界別比較を読むときも同じです。
残業が少ないだけで、希望する働き方に合うとは限りません。早朝や深夜、休日のシフトがある仕事なら、必要な時間帯に休めるかを確認します。月の総時間が同じでも、生活への影響は違います。
OECDの年間実労働時間で日本と主要国を見る
OECDのAverage annual hours actually worked per workerを、公式統計の2025年のデータで確認しました。令和7年に当たる2025年の就業者計です。2026年10月22日に取得したOBS_VALUEを、整数に丸めずに載せています。
OECDの定義は、年間の実際に働いた総時間を、年平均の就業者数で割ったものです。フルタイムだけの平均ではなく、パートや年の一部だけ働いた人も含みます。国際機関の一次統計を使う項目として、国内統計とは分けています。
| 国 |
年間平均実労働時間 |
| 日本 |
1,597.507時間 |
| 米国 |
1,800.232時間 |
| カナダ |
1,687時間 |
| 英国 |
1,532.915時間 |
| フランス |
1,498.293時間 |
| ドイツ |
1,332.2時間 |
| イタリア |
1,715.7時間 |
| 韓国 |
1,833時間 |
出典:OECD、Average annual hours actually worked per worker、データフローDSD_HW@DF_AVG_ANN_HRS_WKD。2025年、MEASUREはHW、UNIT_MEASUREはH_Y_PS、LABOUR_FORCE_STATUSはEMP、WORKER_STATUSは就業者計。APIの観測値。
この表は数値を確かめるために並べたもので、国民の勤勉さや労働環境の良さを順位付けするものではありません。小数点以下まで載っていても、各国の集計方法が完全に一致していることを意味しません。
国内の毎月勤労統計から換算した1,621.2時間と、OECDの1,597.507時間が違うのも、対象や作り方が同じではないためです。片方を誤りとしたり、差をそのまま未払いの残業時間と呼んだりすることはできません。
OECD自身が国ごとの水準の単純比較に注意を促している
OECDのHours workedの定義は、データは時間の経過による変化の比較を意図しており、資料や計算方法の違いから、特定年の国ごとの平均年間労働時間の水準比較には適さないと説明しています。
この注意を外して、日本が何位だから長時間労働は解決した、と結論付けるのは無理があります。平均には働く日数や短時間勤務の人の割合も反映されます。フルタイムの人の負担がどう変わったかは、別の条件をそろえた資料で確認する必要があります。
実労働時間には通常の労働時間や有給・無給の残業などが含まれ、休暇や休日などの働かなかった時間は含まれません。会社にいる時間や、契約上の所定時間をそのまま各国の数字と比較しないことです。
国内の産業別表は自分に近い働き方を探すために使い、国際統計は国ごとの長期的な変化を読むために使います。表が扱う対象をそろえられないときは、無理にひとつの順位にまとめず、どこが違うかを残します。
平均時間を会社選びに使うときの確認項目
月平均だけを質問すると、繁忙期や配属先の話が抜けることがあります。自分の職種で働く日を想像し、勤務日数、実働、時間帯、残業、休憩を分けて聞きます。
| 求人票で見るところ |
面接で確かめること |
| 始業・終業と休憩 |
実際の出退勤、休憩の取り方 |
| 月の残業時間 |
対象部署と集計年度、繁忙期 |
| 年間休日 |
休日出勤と代休の運用 |
| シフト勤務 |
決定時期と変更の手順 |
| 固定残業代 |
時間数、金額、超過分の支払い |
業務の前後に必要な準備や片付けがあるなら、その時間をどう記録しているかも聞きます。勤怠の記録方法が曖昧なままでは、月平均の数字を比較しても実際の働く時間をつかめません。
在宅勤務では、仕事を終える時刻だけでなく、連絡への対応を求められる時間帯を確認します。出社日と在宅日で勤務時間や精算の方法が違うなら、それぞれの扱いを聞きます。求人票の制度名より、日々の運用まで具体的に確認します。
会社が公表する月平均の対象を確認する
採用ページの残業時間が短く見えても、どの人を集計しているかがわからなければ、自分の部署に当てはめられません。全従業員か、正社員か、管理職を除く人かを聞きます。集計対象が違う会社同士の数字を、小さい順に並べて判断しないことです。
対象期間も残します。年度平均と、採用ページを更新した月だけの数字では意味が違います。忙しくない月の実績を通年の平均として読まないよう、何月から何月までの勤怠を使ったのかを確認します。更新日が新しくても、掲載されている実績の年度は以前のことがあります。
平均の裏側のばらつきは、数字がなければ勝手に推測しません。代わりに、繁忙期の勤務の組み方、担当者が欠けた日の応援、締切前の業務の分担を聞きます。忙しい時期が決まっている仕事なら、休暇申請がその時期にどう扱われるかも具体的に確認できます。
同じ部署の中でも職種や役割が違えば残業は変わります。配属先がまだ決まっていない採用では、どこへ配属される可能性があるかを先に聞きます。会社全体の平均を見て入社し、実際の配属先の時間帯が合わないという食い違いを減らせます。
自分の勤務時間と比べるときは勤怠記録をそろえる
転職を考えている人は、現在の勤務時間も求人と同じ単位にそろえます。毎日の印象だけではなく、勤怠の記録と給与明細から、所定内、所定外、出勤日数を分けます。休みの多い月だけ、忙しい月だけを選んで全国平均との差を作らないことです。
在社時間には休憩が含まれるため、出社から退社までを全部実労働時間として足す計算は避けます。ただし、休憩中にも対応を求められて自由に使えないなら、名称だけで休憩と決めつけず、実際に何をしているかを記録して確認します。
今の職場で困ることが退勤時刻の不規則さなら、月の合計を減らすだけでは解決しないかもしれません。次の会社では予定が決まる時期や突発対応の頻度を聞きます。勤務時間の統計は、困りごとを具体的な質問に直すためにも使えます。
勤務日数を減らしたいのか、日々の残業を減らしたいのか、休日の連絡を減らしたいのかを言葉にしておきます。全国平均の値そのものを転職の目標にせず、自分が続けられる勤務予定に必要な条件を確認します。
その会社の数字を求人票・面接・しょくばらぼで確かめる
応募先では、求人票の所定労働時間と休憩を読み、面接で配属予定部署の残業実績と繁忙期を聞きます。会社全体の平均だけが示されたときは、今回の職種に近い数字があるかを確認します。時間数に加えて、その数字の対象年度と対象者も残します。
年間休日の平均は勤務日を考える資料ですが、有給の取得やシフトの配置まで同じとは限りません。しょくばらぼに掲載されている残業や有給の数字も照合し、公開されていない項目は面接で聞きます。
全国平均や国際比較は、質問を具体的にするために使います。最後は、その会社で自分が働く日数、実働時間、残業、休憩の実際の数字を求人票・面接・しょくばらぼで確かめます。