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年収の中央値はいくら?世帯所得451万円⁠と年齢別の月給を公的統計で読む

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この記事の答え

  • 令和7年国民生活基礎調査の世帯所得の中央値は451万円⁠。平均575万2千円⁠は個人の平均年収ではない
  • 所得階級では200〜300万円未満の世帯が13.5%⁠で最多。平均所得以下の世帯は61.5%
  • 令和7年賃金構造基本統計調査の所定内給与額の中位数は月296.6千円⁠。賞与や残業代を足した年収の中央値には直せない

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日本の所得の中央値として公表されている最新の数字は、1世帯当たり451万円です。厚生労働省「令和7年国民生活基礎調査」⁠で⁠、平均所得は575万2千円でした。ただし、451万円⁠は個人の給与年収の中央値ではありません。家族の所得を合わせた世帯の数字です。「自分の年収が日本の真ん中より上か」⁠を⁠、この額だけで判断することはできません。

月給を比べたいなら、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」⁠の所定内給与額の中位数を使います。男女計・学歴計・企業規模10人以上では月296.6千円です。世帯所得、個人の年間給与、月給を分けてから、自分に近い対象を選びます。

世帯所得の中央値451万円⁠と平均575万2千円の違い

厚生労働省「令和7年国民生活基礎調査の概況」Ⅱ各種世帯の所得等の状況⁠の図9に、中央値と平均が載っています。2026年10月22日⁠に確認しました。令和7年⁠の調査が聞いている所得は、令和6年1月から12月までの所得です。調査した年と、お金を得た年は違います。

指標 公表値 何を表すか
1世帯当たり所得の中央値 451万円 所得順に世帯を並べた中央の境界
1世帯当たり平均所得金額 575万2千円 世帯所得の平均
平均所得金額以下の世帯の割合 61.5% 平均以下に位置する世帯数の割合

出典:厚生労働省「令和7年国民生活基礎調査の概況」図9。所得は令和6年分、金額は年間の世帯所得。個人の給与や手取りの統計ではありません。

平均は所得の大きな世帯の金額にも動かされます。中央値は、所得を低い順に並べたときの位置で決まります。上の表で平均のほうが高いのは、高い所得の世帯が分布の上側に続いているためです。平均所得以下の世帯が61.5%ある点からも、「平均なら真ん中」⁠とは読めません。

平均が役に立たないわけではありません。全体の所得水準の動きを追うなら平均を使えます。所得順で中央がどこかを知りたいなら中央値です。知りたいことが違うので、片方を正解、もう片方を間違いとして扱う必要はありません。

世帯所得の階級別ランキング:200〜300万円未満が13.5%

同じ図9の世帯数の相対度数を、多い順に並べました。対象は全世帯で、単位は世帯数の割合です。各世帯の所得金額の平均や、給与所得者の人数の割合ではありません。

順位 年間の世帯所得の階級 世帯数の割合
1 200〜300万円未満 13.5%
2 300〜400万円未満 13.0%
3 100〜200万円未満 12.2%
4 400〜500万円未満 9.6%
5 500〜600万円未満 9.1%
6 600〜700万円未満 7.5%
7 700〜800万円未満 6.2%
8 100万円未満 5.8%
9 800〜900万円未満 4.9%
10 900〜1,000万円未満 4.3%
11 1,000〜1,100万円未満 3.1%
12 1,100〜1,200万円未満 2.3%
13 1,200〜1,300万円未満 1.9%
14 2,000万円以上 1.6%
15 1,300〜1,400万円未満 1.4%
16 1,400〜1,500万円未満 1.0%
17 1,500〜1,600万円未満 0.7%
17 1,600〜1,700万円未満 0.7%
19 1,800〜1,900万円未満 0.5%
20 1,700〜1,800万円未満 0.3%
20 1,900〜2,000万円未満 0.3%

出典:厚生労働省「令和7年国民生活基礎調査の概況」図9。令和6年所得。公表割合をそのまま掲載し、同じ値は同順位。2,000万円以上だけは上限のない区分です。

最多の階級は200〜300万円未満ですが、中央値は451万円です。「人数が最も多い階級」⁠と「中央の境界」⁠は別です。最多の階級を見つけても、そこが全体の半数を分ける場所になるとは限りません。

平均575万2千円は、500〜600万円未満の階級に入ります。その階級が最多という意味ではありません。分布には所得の低い世帯から2,000万円以上⁠の世帯まで含まれます。平均だけを抜き出すと、こうした広がりが見えなくなります。

この表の2,000万円以上⁠の区分から、その中の世帯の所得額はわかりません。階級の中央の額を仮に置いて、全世帯の中央値や平均を計算し直すこともしません。この記事の451万円は、資料が中央値として公表した値です。

個人の年収と世帯所得を並べる前に、財布の単位をそろえる

世帯所得は、その世帯に属する人の所得を合わせたものです。働く人が複数いる世帯もあれば、年金を受け取る人だけの世帯もあります。単身世帯と家族で暮らす世帯を同じ表に入れているため、世帯所得が同じでも生活の条件は違います。

同じ資料の表8では、全世帯の所得の構成割合は稼働所得74.1%⁠、公的年金・恩給19.4%です。給与だけを数えた表ではないことが、この内訳からもわかります。高齢者世帯に限ると、公的年金・恩給61.3%⁠、稼働所得25.9%です。

世帯の種類 稼働所得の構成割合 公的年金・恩給の構成割合
全世帯 74.1% 19.4%
高齢者世帯 25.9% 61.3%

出典:厚生労働省「令和7年国民生活基礎調査の概況」表8。令和6年⁠の所得金額の構成割合。世帯数の割合ではなく、ほかの所得種類もあるため、この2項目だけでは合計になりません。

「年収が中央値より低い」⁠と感じたら、比較した数字が世帯所得ではないかを確かめます。自分の給与だけと家族全体の所得を比べれば、対象がそろいません。比較する前の確認で、不要な焦りを減らせます。

個人の平均給与を年齢別・男女別に見るときは、日本の平均年収を年齢別・男女別に読む⁠へ進んでください。平均と中央値を同じ記事の別名として扱わず、こちらでは中央の位置と分布に絞っています。

年齢別の中位数は、年収ではなく月給の数字

年齢に近い集団の真ん中を知りたいときは、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・産業大分類第3表(産業計)⁠を見ます。所定内給与額の中位数、第1・十分位数、第9・十分位数が公表されています。

次の表は民営事業所、企業規模計10人以上⁠、一般労働者、男女計、学歴計です。令和7年6月分の所定内給与額で、単位は千円/月です。中位数は中央値と同じく、分布の中央を示す値です。残業代や賞与を含む個人年収の中央値としては使いません。

年齢階級 第1・十分位数 中位数 第9・十分位数
年齢計 199.9 296.6 527.3
19歳以下 174.8 205.6 247.9
20〜24歳 188.1 238.4 299.6
25〜29歳 202.6 267.9 361.8
30〜34歳 207.2 291.4 427.0
35〜39歳 211.2 310.1 488.2
40〜44歳 213.0 325.5 546.9
45〜49歳 212.0 334.8 582.7
50〜54歳 209.3 345.9 615.9
55〜59歳 203.9 346.5 637.3
60〜64歳 189.3 278.2 519.6
65〜69歳 174.6 239.5 431.0
70歳以上 161.9 218.5 372.9

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・産業大分類第3表、産業計の男女計・学歴計。Excelの「第1・十分位数」「中位数」「第9・十分位数」⁠の行。すべて月額、千円単位です。

第1・十分位数は下側の10%⁠を区切る値、第9・十分位数は下側の90%⁠を区切る値です。最低額と最高額ではありません。中位数だけでなく両側を見ると、同じ年齢階級にも給与の幅があるとわかります。

たとえば25〜29歳⁠の中位数は267.9千円ですが、第1・十分位数202.6千円⁠、第9・十分位数361.8千円です。同じ年齢なら全員が中央付近にいるわけではありません。職種、勤続年数、勤務先などが違う人をまとめた分布です。

55〜59歳⁠の中位数346.5千円⁠と60〜64歳⁠の278.2千円⁠を見ても、今働いている人の給料が将来この順に変化するとは断定できません。同じ人を追跡した表ではなく、調査時点の各年齢階級を比べた表だからです。

月給の中央値に平均賞与を足しても、年収の中央値にはならない

月給の中位数に月数を掛け、別の表の平均賞与を足すと、それらしい年収の数字は作れます。ただ、その結果を「年収の中央値」⁠と呼ぶことはできません。月給が中央の人と、賞与が平均の人は同じとは限らないためです。

年収の中央値には、各人について年間の給与をそろえ、その年間給与の分布の中央を見る必要があります。所定内給与額の分布だけでは、残業代や賞与が各人にどう配られたかがわかりません。公表された中位数の単位を変えることと、別の収入の中位数を作ることは違います。

同じ理由で、世帯所得451万円⁠を世帯人数で割って「個人の年収の中央値」⁠にすることもできません。世帯内で誰がどれだけ所得を得ているかは、その割り算では出ません。家族の所得の合計を、給与所得者だけの分布へ置き換える計算にはなりません。

給与階級ごとの人数を見たいなら、年収1,000万円超などの割合と給与分布⁠を使います。どの階級に人が多いかは読めても、その階級の中で所得がどう分かれるかまで仮定して中央値を埋めることはしません。

求人票の月給と比べるときは、固定残業代を分ける

年齢別の中位数を求人票と比べるなら、月給の内訳を先に見ます。表は所定内給与額です。求人票の月給に固定残業代が入っていれば、総額同士を並べても同じ中身にはなりません。

基本給、毎月支払われる手当、固定残業代を分けて書き出します。住宅手当や資格手当は、その求人の応募者全員に支払われるのか、自分が条件を満たすのかを確認します。条件つきの手当を含む上限額だけで比べると、入社後の額とずれます。

面接では「この月給のうち固定残業代を除いた額と、自分に支給される手当の内訳を教えてください⁠」⁠と聞きます。給与欄が幅で示されているなら、自分の経験ではどの位置から始まるかも確かめます。職歴が長いだけで上限額になるとは限りません。

月給が中位数より高くても、休日や勤務時間が希望と合うかは別です。交替勤務や休日出勤を含む働き方なら、手当の額と勤務予定を一緒に見ます。収入の高さを知るための表と、働き続けられるかを決める確認を混同しないようにします。

中央値より低いと感じたら、比べる条件を絞る

全体の中位数より低くても、入社直後で経験が浅い人と、長く勤めた人を同列には比べられません。年齢が近くても仕事内容が違えば、採用時に求められる資格や責任も変わります。中央との差だけで、今の待遇の良し悪しを決めないことです。

自分の給与を見直すなら、同じ職種、勤務地、勤務時間、経験を求める求人を並べます。給与欄だけでなく、何を任される額なのかを読みます。担当範囲が広がる求人なら、その責任を引き受けるつもりがあるかまで考えます。

現職との比較では、今すでに支給されている賞与や手当を落とさないようにします。転職先の月給が高くても、賞与が不明なら年間の差は確定しません。わからない部分を期待した額で埋めず、書面で確認できた条件を別に残します。

比較表に書くのは「統計の中央」「今の自分」「応募先の提示」⁠の別々の欄です。統計は立ち位置を考える材料、応募先の提示は入社後の契約条件です。この欄を分けると、平均や中央値の説明に納得しても、応募先について未確認の点は残っているとわかります。

給与の比較メモには、金額と一緒に対象と期間を書く

収入の数字を保存するときは、額だけを切り取らず、「誰の」「いつの」「何を含む」⁠を横に書きます。今回なら、世帯所得の中央値は令和6年⁠の年間所得、年齢別の賃金の中位数は令和7年6月⁠の所定内給与額です。年が違うだけでなく、財布の単位も期間も違います。

比べたいこと 使う数字 一緒に残す条件
世帯全体の所得の位置 世帯所得の中央値と分布 世帯の種類、所得の対象年
自分の月給の位置 年齢別の所定内給与額の中位数 職種、手当、固定残業代の有無
転職後の年間の受取条件 応募先の給与提示 賞与の条件、変動する手当
生活を続けられるか 自分の支出と勤務条件 住居、通勤、勤務時間帯

このメモでは、確認できない額を空欄にして構いません。求人票に賞与の回数だけ載っているなら、年間の額は未確認です。「業界の平均くらい出るはず」⁠と埋めると、資料と会社の条件が混ざります。

世帯所得を生活費の計画に使うときも、同じ所得なら同じ暮らしができるとは限りません。扶養する家族、住居費、働く人の人数が違うからです。中央値を生活の合格点にせず、自分が必要とする条件を言葉にしてから求人を読みます。

会社が中央値を公開していても、自分の採用条件とは分ける

会社独自の中央値を見つけたときは、対象となった社員の範囲を読みます。正社員だけか、役職者を含むか、国内の社員だけかで、中央に位置する額は変わります。世帯所得の中央値より対象が近くても、自分と同じ職種の数字とは限りません。

平均と中央値を両方公開しているなら、同じ年度、同じ社員の範囲かを確認します。対象が違う値の差を見ても、高額給与の人が平均をどれだけ動かしているかは説明できません。掲載場所が同じでも、注記まで読んでそろえます。

自分の希望額を伝える場では、「全国の中央値より低いから」だけで話を終えないことです。担当してきた仕事と、応募先で任される仕事の範囲を具体的に話します。求人票のどの要件を満たしているかが伝われば、会社側も給与帯のどこに当てはまるかを説明しやすくなります。

現職で給与の見直しを相談するなら、過去の評価、増えた担当業務、資格や役割の変更を整理します。統計の中央額をそのまま要求額にするのではなく、会社の給与制度で何が評価されるかを確認します。説明を受けたあとも納得できなければ、同じ仕事の求人と条件を並べ直します。

中央値は、収入の話を始める入口にはなります。ただ、中央より上なら十分、下なら不足という境界ではありません。家賃や通勤、家族の事情で必要な収入は違います。給与と働き方のどこを変えたいかを先に決めると、数字を見ても判断がぶれにくくなります。

手元の比較メモは、全国の統計と会社の公表値、個別の給与提示を別々に保管します。どの額を見て納得したのかが残れば、選考の途中で条件が変わったときも違いを追えます。

その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめる

会社が平均給与を公開しているなら、対象が会社単体か、どの雇用形態を含むか、平均年齢や勤続年数が併記されているかを見ます。平均しか公表されていなければ、中央値は不明のままです。平均を一定割合だけ引いて中央値とする読み方はしません。

求人票では自分に適用される給与の下限、基本給と手当、賞与の条件を確かめます。面接では配属予定の職種での給与例と、その例に残業代や役職手当が入るかを聞きます。今の条件との違いがわからなければ、項目ごとに質問を分けます。

厚生労働省のしょくばらぼでは、掲載されている職場情報から残業や休暇、採用後の定着も確認します。会社ごとに掲載項目は違い、年収の中央値が必ず載っているわけではありません。調べる手順は企業研究のやり方⁠で整理しています。統計で中央の位置をつかんだあとは、その会社の実際の数字を求人票・面接・しょくばらぼで確かめます。

よくある質問

日本の年収の中央値はいくらですか?

令和7年国民生活基礎調査が公表した1世帯当たり所得の中央値は451万円です。対象は令和6年⁠の世帯所得で、個人の給与年収の中央値ではありません。

平均と中央値はどのくらい違いますか?

令和7年国民生活基礎調査の図9では中央値451万円⁠、平均575万2千円です。平均所得以下の世帯は61.5%で、平均を境に半数ずつには分かれていません。

所得が最も多く集まる階級はどこですか?

令和7年国民生活基礎調査の図9では200〜300万円未満が13.5%⁠、300〜400万円未満が13.0%⁠、100〜200万円未満が12.2%です。世帯数の割合です。

20代⁠の年収の中央値はわかりますか?

ここで確認した令和7年賃金構造基本統計調査の第3表は月給の分布です。20〜24歳⁠の所定内給与額の中位数は238.4千円⁠、25〜29歳⁠は267.9千円で、年収の中央値ではありません。

月給の中位数を12倍すれば年収の中央値になりますか?

なりません。令和7年賃金構造基本統計調査の月296.6千円⁠は所定内給与額の中位数です。賞与と残業代が入らず、各人の年間給与を並べた数字ではありません。

世帯所得451万円⁠と自分の給与を比較できますか?

そのまま比較できません。令和7年国民生活基礎調査の表8では、全世帯の所得に占める稼働所得は74.1%⁠、公的年金・恩給は19.4%です。世帯員の給与以外も含みます。

気になる会社の「ホント」⁠を⁠、会社に聞いてみませんか。

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