国家公務員のボーナスは、2026年夏が約738,500円です。直近の冬の公表資料では、2025年12月の支給時点が約702,200円、給与法改正が成立・施行された場合の算出額が約746,100円でした。内閣人事局が示す、一般職国家公務員のうち管理職を除く行政職職員・成績標準者の平均支給額です。
公務員の賞与を調べるときは、年間の月数、夏・冬それぞれの月数、実際の平均支給額を分けます。民間から転職を考える人は、月数だけを比べず、給与の何を基礎に計算するか、初年度にどの期間が算定対象になるかまで確認します。
最新の夏は約738,500円、冬は支給時と給与改正時を分ける
夏は内閣人事局「令和8年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」、冬は「令和7年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」の本文を確認しました。夏と冬で公表年が違うため、同じ年の年間支給実績として合算しません。
| 支給期・資料上の区分 |
平均支給額 |
算出に使う支給月数 |
| 2026年(令和8年)6月期 |
約738,500円 |
2.285月 |
| 2025年(令和7年)12月期・支給時点 |
約702,200円 |
2.260月 |
| 同12月期・給与法改正が成立・施行された場合 |
約746,100円 |
2.31月 |
出典:内閣人事局「令和8年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」1ページ、「令和7年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」1ページ・注②。表番号なし。単位は円・月、資料の概数表記を維持。確認日:2026年10月22日。
対象は一般職国家公務員のうち管理職を除く行政職職員で、勤勉手当の成績は標準を前提としています。平均支給額は「支給月数×平均給与額」として示された算出額です。全公務員の支給総額を人数で割った値でも、中央値でもありません。
夏の資料では、平均年齢が32.9歳です。平均給与額は、約323,200円です。冬の支給時点の資料では、平均給与額が約310,700円、平均年齢32.9歳です。平均給与額の範囲は俸給、扶養手当、地域手当等。いずれも、令和7年の国家公務員給与等実態調査などに基づく額です。
冬の約702,200円は、資料公表時に給与法改正法案が成立していなかった時点の額です。資料の注記では、法案が成立・施行された場合、俸給の増額と月数の引上げを反映し約746,100円となり、今回との差額を後日支給すると説明しています。この注記の算出額を、12月10日にすでに支払われた額とは書きません。
2026年冬は、この記事の確認日時点ではまだ支給期を迎えていません。勧告の月数は公表されていても、平均支給額を独自に予想して最新実績へ加えることはしません。2025年冬も、支給時点の公表額と、資料が示す改正時の扱いをセットで読みます。
平均支給額の算出用の月数と、制度の標準月数は違う
夏の平均支給額の資料にある2.285月を、そのまま職員一人ひとりの期末手当と勤勉手当を足した月数だと読まないことです。次の人事院勧告の表は、制度の期末・勤勉手当の配分を示しています。対象と用途が違う月数を同じ欄で上書きすると、支給額を見誤ります。
報道資料の平均給与額も概数です。表示されている値を掛け直して端数が合わなくても、その計算値を資料の平均支給額に置き換えません。金額、月数、平均給与額はそれぞれ公表値のまま読みます。
最新の人事院勧告は4.65月から4.70月へ
人事院の「本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み」は、2026年(令和8年)の勧告について、民間の特別給の年間支給割合が4.72月、公務の現行の平均支給月数が4.65月としています。これを踏まえた勧告が4.70月です。
| 項目 |
公表されている月数 |
| 民間の特別給の年間支給割合 |
4.72月 |
| 国家公務員の現行の平均支給月数 |
4.65月 |
| 国家公務員の勧告後の年間支給月数 |
4.70月 |
| 年間支給月数の引上げ幅 |
0.05月 |
出典:人事院「本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み」(令和8年)、資料内1ページ「本年の給与勧告のポイント」。単位は月。金額の平均や中央値ではありません。確認日:2026年10月22日。
ここでいう民間の4.72月は、人事院が官民の支給水準を比べるための調査の値です。一般的なニュースに出る「民間の平均ボーナス」とは、数字の作り方が違います。人事院の調査と、厚生労働省の賞与の平均、国税庁の年間賞与を混ぜないようにします。
勧告は、支給済みの給与明細そのものではありません。勧告後の手続きや給与法の改正を経て給与へ反映されます。資料を読むときは、勧告内容、現行制度、すでに支給された実績を別に扱います。支給前の冬の額を、平均給与から独自に予想することはしません。
期末手当と勤勉手当を合わせたものが、いわゆるボーナス
国家公務員の期末・勤勉手当は、別々の手当を合わせた呼び方です。人事院の説明資料も、年間の合計と、それぞれの支給期の配分を分けています。給与に関する資料を読むときは、片方だけの月数をボーナス全体だと思わないことです。
勤勉手当は勤務成績による違いがあるため、標準の成績を前提とした月数や支給額と、すべての職員の実績は同じではありません。管理職かどうか、適用される給与制度が何かによっても、比較する資料を選ぶ必要があります。
「公務員」という言葉には幅があります。国家公務員か地方公務員か、一般職か特別職か、常勤か非常勤かを区別します。採用情報が対象とする職員の種類を確かめず、一般行政の数字を全職種へ広げて使うことはできません。
支給月数のランキング:2016〜2026年で高い順
人事院説明資料の「給与勧告の実施状況(行政職俸給表(一))」にある年間支給月数を、高い順に並べました。比較範囲は2016年から2026年までです。過去の実施状況と、2026年の今回勧告分を区別して読みます。
| 順位 |
年 |
年間支給月数 |
| 1 |
2026年(令和8年・勧告) |
4.70月 |
| 2 |
2025年(令和7年) |
4.65月 |
| 3 |
2024年(令和6年) |
4.60月 |
| 4 |
2019年(令和元年) |
4.50月 |
| 4 |
2023年(令和5年) |
4.50月 |
| 6 |
2018年(平成30年) |
4.45月 |
| 6 |
2020年(令和2年) |
4.45月 |
| 8 |
2017年(平成29年) |
4.40月 |
| 8 |
2022年(令和4年) |
4.40月 |
| 10 |
2016年(平成28年) |
4.30月 |
| 10 |
2021年(令和3年) |
4.30月 |
出典:人事院「本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み」(令和8年)、資料内11ページの給与勧告の実施状況(行政職俸給表(一))。表番号なし。単位は月。2026年は勧告内容で、支給済みの年間実績ではありません。同値は同順位。
年を順に追うと、ずっと増え続けてきたわけではありません。2020年は4.45月、2021年は4.30月でした。その後は2022年4.40月、2023年4.50月、2024年4.60月、2025年4.65月となっています。
この表は将来も同じペースで増えるという予測には使えません。勧告はその時点の民間の支給状況などを踏まえます。採用時に見た月数だけを、その後のすべての年に固定して家計へ入れることは避けます。
過去の金額と月数を一緒に見るときは、月数以外に俸給や手当の改定も確認します。月数が増えた割合と、支給額が増えた割合は同じとは限りません。年齢や職員構成が変われば、平均支給額も変わり得ます。
夏と冬の配分:2026年度は支給済みと勧告分を区別
2026年度(令和8年度)の配分は、次の内容です。6月期は支給済み、12月期は令和8年の勧告で示された配分です。期末手当と勤勉手当をそれぞれ確認します。
| 支給期 |
期末手当 |
勤勉手当 |
資料での扱い |
| 令和8年度6月期 |
1.2625月 |
1.0625月 |
支給済み |
| 令和8年度12月期 |
1.2875月 |
1.0875月 |
勧告内容 |
| 令和9年度以降6月期 |
1.275月 |
1.075月 |
勧告内容 |
| 令和9年度以降12月期 |
1.275月 |
1.075月 |
勧告内容 |
出典:人事院「本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み」(令和8年)、資料内1ページ。単位は月。役職や成績、在職期間など個別の算定を反映した受取額の表ではありません。
令和8年度の引上げは12月期へ配分する内容です。令和9年度以降は夏と冬に均等配分する内容になっています。年間の月数が示されているからといって、それを単純に折半して、その年の夏と冬の支給条件と扱わないようにします。
翌年度以降の配分も、その後の制度改定が起きないことを保証するものではありません。入庁の時点では、その年度の募集案内、給与制度、適用日を確認します。前年の支給実績の表を、新年度の確定した条件だと読まないことです。
「何か月分」の基礎は、毎月の振込額とは違う
賞与の月数は、算定の基礎となる給与に対する月数です。毎月の振込額をそのまま掛けるための倍率ではありません。俸給、対象となる手当、職務段階による加算など、どこまで基礎へ入るかを給与資料で確認します。
残業が多い月の給与総額を使って計算すると、基礎とは違う額になってしまいます。反対に、基本となる俸給だけで計算しても、制度による加算を落とすことがあります。本人の条件を確認せず、一般的な月給から支給額を作ることはできません。
手取りも個別です。控除前の支給額と銀行へ振り込まれる額は異なります。公表された平均支給額を見たとしても、そこから一律の率を引いて「平均手取り」を作らず、実際に適用される控除を確認します。
夏・冬の平均支給額を読むときに、対象職員をそろえる
国家公務員の支給期ごとの平均支給額を確認する資料は、内閣官房内閣人事局の報道資料です。夏と冬は別々に公表されます。読み始めるときは金額だけでなく、資料の表題、支給期、対象職員、平均年齢、算定に使った給与データを確認します。
「管理職を除く行政職職員」など対象を絞った数値は、教員、警察、医療などあらゆる公務の職員をまとめた平均ではありません。適用される俸給表や職務が違えば、比較の前提も変わります。対象に書かれていない職員まで含むと説明してはいけません。
平均という言葉にも注意が要ります。全受給者の支給総額を人数で割った実績なのか、平均給与を基にした算出額なのかは、資料の説明に従って読みます。算定の前提が違う値を、同じ名前の「平均」でひとまとめにしません。
| 支給額の資料で読む箇所 |
確認する中身 |
| 表題と日付 |
夏・冬のどちらで、どの年の支給か |
| 対象職員 |
行政職か、管理職を含むか、常勤か |
| 算定の前提 |
平均給与からの計算か、支給実績の集計か |
| 平均年齢 |
比較相手と年齢構成が大きく違わないか |
| 注記 |
給与改定前後、追加支給の扱い |
| 単位 |
円、千円、万円のどれか |
平均給与に基づく算出額なら、個々の職員が受け取った額の分布まではわかりません。中央値も、年齢別の典型的な額も、平均だけからは出せません。新卒で入る人や中途入庁する人は、自分の等級・号俸と算定期間で確認します。
夏と冬を足すときも注意が必要です。同じ暦年でそろっているか、同じ対象職員か、改定前後のどちらの値かを確認します。直近の冬と直近の夏を足しただけでは、別の暦年の数字が混ざることがあります。それを特定の年の年間実績と呼ぶことはできません。
入庁初年度は、満額の月数と自分の算定期間を分ける
採用案内に年間支給月数が書かれていても、入庁直後の自分がそのまま受け取れるとは限りません。支給基準日と在職期間、算定の対象になる期間を確認します。年度の途中で採用されるときは、とくに最初の支給期の取り扱いを聞きます。
聞き方は「最初のボーナスはいくらですか」だけより、「今回の採用日だと、最初の期末・勤勉手当の算定対象期間はどうなりますか」が具体的です。自分の採用条件に関係する制度の説明を求めれば、一般職員の平均と取り違えずに済みます。
中途採用では、経験年数がどのように初任給へ反映されるかも別に確認します。前職の給与がそのまま引き継がれると決めず、採用時に提示される給与条件を読みます。賞与だけを見ても、月例給を含む年間の収入はつかめません。
職位や年齢が違う職員の平均を、自分の初年度の収入として置かないことです。生活費を考えるときは、内定時に確認できた月例給と、支給条件の説明を分けて書き出します。不明な部分を、平均の数字で埋めないようにします。
地方公務員の条件は、自治体ごとの資料で確認する
地方公務員の期末・勤勉手当は自治体ごとの制度・改定を確認する必要があり、総務省の「地方公務員の給与改定等に関する取扱いについて」(令和7年11月11日)も、人事委員会の勧告・報告や地域の民間給与等を踏まえた対応を求めています。
国家公務員の勧告の数字が出たことだけで、応募先の自治体の支給条件も同じになったとは判断しません。確認するのは、その自治体の採用案内、給与の公表資料、給与条例などの対象職員と適用年度です。
自治体が公表する平均支給額も、職員の範囲を読みます。行政職だけか、教員や警察官も含むのか、再任用などの職員を含むのかで、数字の意味が変わります。対象の異なる自治体同士の平均をそのまま順位にしても、自分が受ける待遇の比較にはなりません。
民間の平均賞与と比べる前に、期間と平均の取り方を確認
民間の平均賞与を確認する資料には、厚生労働省の毎月勤労統計調査と、国税庁の民間給与実態統計調査があります。夏季・年末の支給を調べるものと、年間の給与・賞与を調べるものは別です。具体的な数値と対象はボーナス平均の業種別・規模別データで確認できます。
国家公務員の行政職の平均を、短時間労働者を含む民間の平均とそのまま比べて、誰でも公務のほうが有利だと結論づけることはできません。職員の範囲、年齢構成、職種、期間、支給のない事業所や人をどう扱うかが違うためです。
人事院が行う官民比較も、こうした一般向けの平均支給額の見出し同士を引き算したものではありません。説明資料では、民間の特別給を前年8月から当年7月まで調査し、年間支給割合を求め、公務の年間支給月数と比較する仕組みを示しています。
同じ月数でも、賞与の基礎になる給与が違えば支給額は違います。民間の求人票にある「基本給の何か月分」と、公務の算定基礎に対する月数を、同じ額の倍率とは扱いません。額を比べるなら、月例給と賞与それぞれの内訳を確認します。
賞与が多い仕事と、生活に合う仕事は別に確認する
賞与は年間収入の一部です。月例給、勤務時間、転勤、休暇、仕事の範囲を合わせて比較します。賞与の月数だけを満たしていても、希望する場所や時間で働けるかがわからなければ、判断に必要な情報は足りません。
高い年収の背景に残業代があるのか、職務や役職の違いがあるのかも読み分けます。業界の年間給与と月給の違いは平均年収の業界別ランキングで整理しています。賞与だけの順位から、働く条件全体の順位は作れません。
支給実績と採用条件を、同じ欄へ書き込まない
比較のメモは、採用時に適用される給与条件と、前年度に支給された実績を分けて作ります。実績の欄には年度、対象者、算定基礎を一緒に書き、条件の欄には今回の採用区分に適用される説明を残します。金額が同じでも、意味が同じとは限りません。
賞与の平均を家計へ置き換えるときほど、この区別が必要です。全職員の平均がわかっても、入庁初年度の自分の支給条件がわかるわけではありません。経験者採用でも、一般的な職員像ではなく、採用機関から示された自分の条件を確認します。
民間側も、モデル年収に賞与が含まれているか、実績値か想定値かを読みます。公務と民間の比較で片方だけ賞与込みの年収、もう片方だけ月給を使うと、条件を見誤ります。表へ並べる単位を先にそろえ、未確認の値は空欄にして質問を残します。
応募先の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめる
民間企業へ応募するなら、求人票の賞与欄から、前年度実績の対象者と算定基礎を確認します。「賞与あり」だけなら、どの雇用区分が対象か、初年度はどう計算するかを面接で聞きます。前年度の実績が、その後も同じ額を保証する条件かどうかも分けます。
厚生労働省のしょくばらぼでは、企業の採用や働き方の情報を確認できます。給与や賞与の条件は求人票と面接で確認し、残業や休暇、定着の実績は掲載されている職場情報と照合します。載っていない数字を全国平均で補いません。
公務へ応募するなら、採用機関の募集要項と給与資料で自分に適用される条件を確認します。一般職員の平均ではなく、採用区分、給与の決まり方、初年度の算定期間を聞く順番です。民間と比較するときも、両方で確認できた条件を並べます。
資料と質問の整理は企業研究のやり方でまとめています。公務の月数を民間企業へ当てはめず、その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめます。