女性管理職の割合は、課長相当職以上で13.8%、係長相当職以上で16.2%、役員で21.0%です。厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」の企業規模10人以上の数字で、課長相当職以上・係長相当職以上には役員を含みます。最新の資料を2026年10月22日に確認しました。会社を選ぶときは、割合と一緒に、どの役職を数えた数字かを確認します。
女性管理職の割合だけでは、応募する職種で昇進できるか、育児や介護と両立できるかまではわかりません。公開数字で会社の状況をつかみ、面接では評価、昇進、仕事の任せ方を具体的に聞きます。
役職別の女性割合:課長13.2%、部長9.2%
令和7年度雇用均等基本調査の企業調査は、常用労働者10人以上の民営企業を対象としています。以下は、各役職の人数に占める女性の割合です。企業数の割合でも、女性社員のうち昇進した人の割合でもありません。性別不詳を除いた割合です。単位はどれも%です。
| 役職の区分 |
女性の割合 |
| 課長相当職以上(役員含む) |
13.8% |
| 係長相当職以上(役員含む) |
16.2% |
| 役員 |
21.0% |
| 部長相当職 |
9.2% |
| 課長相当職 |
13.2% |
| 係長相当職 |
20.9% |
出典:厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」企業調査・付属統計表第9表「役職別女性管理職等割合」、総数10人以上。
「課長相当職以上13.8%」と「課長相当職13.2%」は、どちらも正しい公表値です。前者には部長相当職や役員が入り、後者は課長相当職だけを見ています。どちらを女性管理職比率と呼んでいるのかを、見出しの数字だけで判断しないことです。
役員21.0%が部長相当職9.2%より高くても、部長から役員へ女性が多く昇進したという意味ではありません。役職ごとの在籍人数を集計した表であり、昇進の経路を追った結果ではないからです。
会社が使う役職名も、そのまま統計の区分と一致するとは限りません。マネジャー、リーダーなどの名称が出てきたら、どの範囲を管理職として数えているかを読みます。役職名の印象より、担当する責任と社内の等級を確認します。
企業規模別:10〜29人22.2%、5,000人以上9.3%
同じ令和7年度調査を、企業全体の常用労働者数で分けた表です。各列は、その役職区分に占める女性の人数の割合です。事業所や店舗の人数による区分ではありません。
| 企業規模 |
課長相当職以上 |
係長相当職以上 |
役員 |
| 5,000人以上 |
9.3% |
11.5% |
6.6% |
| 1,000〜4,999人 |
10.4% |
15.2% |
6.8% |
| 300〜999人 |
9.8% |
14.6% |
5.7% |
| 100〜299人 |
10.5% |
14.1% |
11.2% |
| 30〜99人 |
15.1% |
17.5% |
19.2% |
| 10〜29人 |
22.2% |
22.9% |
26.9% |
出典:厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」企業調査、第9表「企業規模」。課長相当職以上・係長相当職以上は役員を含む。
規模の小さい区分で割合が高く出ています。ただし、管理職の人数や階層、社員の構成は規模ごとに違います。小さい会社なら必ず昇進しやすい、大企業なら女性が昇進できないという結論にはなりません。
小さい会社では、役職に就くまでの経路が制度として文書化されているかを確認します。大きい会社では、会社全体の比率に加え、自分の職種や採用コースからどの役職へ進めるかを聞きます。どちらも、割合の大小を自分の可能性にそのまま置き換えないことです。
支店や店舗で働く予定なら、その現場の役職構成も別に聞きます。本社を含む全体の数字が高くても、配属先で女性が担当する仕事や役割が偏っているかどうかは、全体比率だけではわかりません。
産業別ランキング:課長相当職以上は医療・福祉53.6%が最高
令和7年度、企業規模10人以上の「課長相当職以上(役員含む)」を高い順に並べました。管理職等の人数に占める女性の割合であり、女性社員の採用割合ではありません。係長相当職以上と混ぜず、同じ区分で比較しています。
| 順位 |
産業 |
女性の割合 |
| 1 |
医療・福祉 |
53.6% |
| 2 |
教育・学習支援業 |
21.3% |
| 3 |
生活関連サービス業・娯楽業 |
20.1% |
| 4 |
サービス業(他に分類されないもの) |
19.5% |
| 5 |
宿泊業・飲食サービス業 |
19.1% |
| 6 |
不動産業・物品賃貸業 |
17.5% |
| 7 |
金融業・保険業 |
15.0% |
| 8 |
情報通信業 |
14.7% |
| 9 |
卸売業・小売業 |
14.0% |
| 10 |
学術研究・専門・技術サービス業 |
13.4% |
| 11 |
複合サービス事業 |
10.0% |
| 12 |
製造業 |
9.7% |
| 13 |
運輸業・郵便業 |
9.4% |
| 14 |
建設業 |
9.1% |
| 15 |
鉱業・採石業・砂利採取業 |
8.7% |
| 16 |
電気・ガス・熱供給・水道業 |
5.6% |
出典:厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」企業調査、第9表「産業」。課長相当職以上の列を降順に並べ替え。
女性の割合が高い産業に入れば、誰でも希望する役職に就けるわけではありません。職種、資格、勤続年数、採用区分が違います。医療・福祉の平均を、その産業の事務や営業の昇進状況としてそのまま使うことはできません。
低い産業に興味がある人は、その中で応募先がどうなっているかを調べます。産業平均が低いことだけを理由に、個別企業の制度や実績まで判断しないことです。採用時に説明されるキャリアと、実際の配置・昇進の例がつながっているかを見ます。
管理職の割合が高くても、給与や残業、休暇などが希望どおりとは限りません。役職の有無と働きやすさは別の問いです。どの条件を確かめたいかを分けると、数字への期待を広げすぎずに済みます。
女性管理職がいる企業の割合と、女性管理職の割合は別
同調査では、課長相当職以上の女性管理職を有する企業割合が54.1%、係長相当職以上では61.7%と公表されています。これは、対象企業のうち女性管理職がいる企業がどれだけあるかを数えた数字です。
| 指標 |
令和7年度の値 |
何を分母にするか |
| 課長相当職以上の女性を有する企業割合 |
54.1% |
対象企業の数 |
| 課長相当職以上に占める女性の割合 |
13.8% |
対象となる管理職等の人数 |
出典:厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」企業調査結果概要「4 管理職等について」、付属統計表第8表・第9表。
女性管理職が在籍する会社が多くても、その会社の管理職に女性が多いとは限りません。「女性管理職がいる」という回答と、「管理職全体の女性比率」という回答は、別々に確認する必要があります。
求人広告に「女性リーダーが活躍」と書かれていたら、その表現を全国の比率と直接比較せず、どの役職を指し、どの部署で働いているかを聞きます。特定の人の経歴を聞くより、集計された役職別の人数と、昇進に必要な経験を聞くほうが実態をつかめます。
前年度比では課長相当職以上13.1%から13.8%へ上昇
企業規模10人以上という同じ範囲で比較すると、課長相当職以上は上昇しています。係長相当職以上も上昇しました。割合の変化を見るときは、同じ役職と対象範囲をそろえます。
| 役職区分 |
令和6年度 |
令和7年度 |
| 課長相当職以上(役員含む) |
13.1% |
13.8% |
| 係長相当職以上(役員含む) |
15.8% |
16.2% |
出典:厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」企業調査結果概要「管理職等に占める女性の割合」。企業規模10人以上。
資料には30人以上の再掲値もあります。令和7年度の課長相当職以上は、30人以上では11.5%です。10人以上の13.8%と混ぜると、同じ年なのに異なる数字が出たように見えます。引用された値の対象規模を確認します。
会社ごとの数字でも、対象範囲が変わると前年との比較が難しくなります。合併や組織変更、集計する役職の変更などが説明されていたら、その前後を単純な改善・悪化に置き換えないことです。増減の理由は、会社の説明を確かめます。
昇進者の女性割合は、現在の管理職割合とは別に見る
現在の構成を見る表と、一定期間に昇進した人を見る表は役割が違います。令和7年度調査では、令和6年10月1日から令和7年9月30日までの昇進者についても集計しています。
| 昇進先の役職 |
昇進者に占める女性の割合 |
| 課長相当職以上(役員含む) |
16.4% |
| 係長相当職以上(役員含む) |
20.6% |
| 部長相当職 |
11.5% |
| 課長相当職 |
17.7% |
| 係長相当職 |
27.4% |
出典:同調査、企業調査付属統計表第11表「役職別女性昇進者割合」、総数10人以上。同一労働者が期間内に複数回昇進した場合は、それぞれの役職区分で計上。
課長相当職への17.7%は、女性社員の17.7%が昇進したという意味ではありません。男女を含む課長相当職への昇進者のうち、女性がどれだけいたかという割合です。昇進の対象となる社員数を分母にした数字ではありません。
会社に質問するなら、在籍する管理職の女性比率に加え、最近の昇進者の構成や、昇進を判断する基準を聞きます。比率が低い会社でも改善に向けた動きがあるか、高い会社でも自分の職種に昇進の経路があるかを確認できます。
女性の活躍推進企業データベースで応募先の数字を探す
厚生労働省の女性の活躍推進企業データベースには、企業が公表する女性の活躍に関する情報や行動計画が掲載されています。使える項目は厚生労働省の求職者向け案内資料でも確認できます。
検索では、求人票で雇用主を確認してから、その法人の情報を探します。グループ名や店舗の名前だけで見つけたページが、実際に契約する会社と同じかを確認します。親会社の数字を、採用する子会社の実績として読まないことです。
管理職に占める女性の割合があれば、対象年度と更新日、管理職の定義を読みます。あわせて採用、継続就業、働く時間などの公開項目を確認します。空欄をゼロと読んだり、掲載されていないことだけで制度がないと決めたりはしません。
行動計画では、目標の数字と現在の実績を分けます。目標を設定したこと自体と、その値を達成したことは別です。計画期間、取り組む内容、実績の公表時期を見て、面接で聞くことを残します。
同じ比率でも、比較するために残す項目がある
会社ごとにメモするのは、数字、対象年度、役職の範囲、対象法人です。部署限定か会社全体か、出向者をどう扱うかといった注記があれば一緒に残します。数字だけを抜き出すと、後で条件の違いを確かめられなくなります。
全国値13.8%との比較ができるか迷ったら、定義をそろえられるかを先に確認します。全国調査は役員を含んでいます。個別企業の公表値が役員を除く管理職だけなら、そのまま上下を判定する表にはしません。
面接では、割合より先に昇進の条件を具体的に聞く
「女性も活躍できますか」という質問だけでは、制度があるという答えで終わりやすくなります。応募する仕事からどの役割へ進めるか、判断の基準が何かを聞きます。
| 確かめたいこと |
面接での質問 |
| 応募職種からの経路 |
この職種から管理職へ進むときに必要な経験や等級を教えてください |
| 評価の方法 |
昇進はどの実績と能力で判断し、誰が評価しますか |
| 仕事を任される機会 |
管理職に必要な経験を積むための配置や研修はどう決まりますか |
| 両立中の働き方 |
育児や介護で勤務時間が変わるとき、担当業務と評価はどう扱いますか |
| 公開値の範囲 |
公開されている比率の対象年度と、管理職の範囲を教えてください |
答えは、制度名だけでなく運用まで聞きます。研修があっても、参加できる職種や推薦の条件が限られているかもしれません。応募時に聞いていた経路と、採用区分が合っているかを見ます。
働き方に関する質問は、将来の個人的な予定を細かく開示しなくてもできます。勤務時間が変わる社員の配置、評価、昇進を会社としてどう扱うかを聞けば、制度と運用を確認できます。
管理職比率だけで、男女の待遇差や働きやすさを決めない
管理職比率は、役職の構成を見る数字です。給与の差を直接測った指標ではありません。給与の構成や働く時間まで確認したいときは、男女の賃金格差の数字と読み方と分けて読みます。
育児との両立についても、管理職比率から育休の取得状況はわかりません。男性の育休取得率で示す取得率の対象と、応募先が公表する休業・復帰の情報を確かめます。制度があることと、実際に使われていることを分けます。
高い比率を理由に、仕事内容や労働時間の確認を省かないことです。自分が続けたい働き方と、希望する責任の範囲を決め、給与、評価、休暇を別々に確認します。キャリアを積めるかどうかは、その条件の組み合わせで見ます。
管理職になるまでに任される仕事を、応募職種で確認する
管理職の女性割合が公表されていても、応募する職種からどのように役職へ進むかは別に聞きます。必要な経験、担当するプロジェクト、部下を持つ前の役割など、社内の経路が説明できるかを確認します。会社全体の比率を読むだけでは、その経路は見えません。
採用時に複数のコースがあるなら、担当業務、転勤、評価、昇進先の違いを聞きます。コースの変更が可能と説明されたら、申請できる条件と判断の手順を確認します。名前が似ているコースでも、同じ役職まで進めるとは限らないためです。
昇進の希望を伝える場も確認します。定期面談で希望を聞くのか、自分から申請する仕組みなのかがわかれば、入社後の動きを具体的に考えられます。推薦だけに頼るのか、必要な能力を文書で確認できるかも質問できます。
仕事と家庭の両立については、短時間勤務の有無だけでなく、担当業務と評価がどう変わるかを聞きます。勤務時間が短くなるときに、仕事量を誰が調整するのか、責任の範囲をどう決めるのかまで確認すると、制度名だけではわからない運用が見えます。
公表目標を読むときは、実績と取り組みを同じ年度で追う
会社が女性管理職の増加を目標にしているなら、何を変えて達成しようとしているかを読みます。研修だけなのか、配置や評価の運用も見直すのかで、取り組みの内容は違います。数値目標があることだけを、昇進機会がすでに増えた証拠にはしません。
実績が前年より上がったときも、昇進、採用、退職など、どんな動きがあったかを会社の説明で確かめます。分母の管理職人数が変われば、女性人数が同じでも比率は変わります。人数の情報がなければ、比率の変化の理由を推測しないことです。
応募時点で使える情報が古ければ、更新予定や直近の状況を面接で聞きます。新しい実績がまだ出ていないときは、計画だけで判断せず、実施済みの取り組みを確認します。確認できた実績と、これからの予定を別の欄に置いて比較します。
その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめる
しょくばらぼでは、女性の活躍や働き方について公開された企業情報も確認できます。女性の活躍推進企業データベースとあわせて、求人票の雇用主、対象年度、掲載項目をそろえます。調べる順番は企業研究のやり方で整理できます。
求人票では採用区分と仕事内容を読み、面接では昇進の条件と配属後の仕事の任せ方を聞きます。公開値に説明が足りなければ、その点を質問します。全国平均との距離だけで、会社の説明を聞く前に結論を出さないことです。
確認したいのは、数字の見栄えより、自分の仕事から先の役割につながる仕組みです。女性管理職の割合、評価基準、実際の勤務条件を同じ会社の情報でそろえ、働き続ける姿を具体的に考えます。