会社に質問する無料・名前は会社に伝わりません

残業代の計算方法:月給の時間単価・割増率と固定残業代の確認

・ナギサコーポレーション(運営)

この記事の答え

  • 月給制の基本は算定対象の月給÷月平均所定労働時間×割増後の倍率×対象時間。法定内残業と法定時間外を分ける
  • 時間外は25%以上⁠、月60時間⁠を超える時間外は50%以上⁠、法定休日は35%以上⁠、深夜は25%以上の割増
  • 固定残業代があっても超過分の精算は必要。36協定の原則上限は月45時間・年360時間で、賃金の計算とは別に確認する

口コミや求人票ではわからないことは、会社に直接聞けます。まだ載っていない会社にも質問をリクエストできます。名前は会社に伝わりません。

気になる会社に質問をリクエストする

残業代は、月給制なら算定対象の月給を1か月平均所定労働時間で割って時間単価を出し、その単価に割増後の倍率と対象時間数を掛けます。2026年10月22日確認の厚生労働省の案内では、法定時間外は25%以上⁠、月60時間⁠を超える時間外は50%以上⁠、法定休日は35%以上⁠、深夜は25%以上⁠の割増です。

月給の総額にそのまま1.25⁠を掛けたり、残業の実績時間を分母に入れたりする計算ではありません。給与明細、会社の勤務カレンダー、勤怠記録をそろえ、時間単価、時間の区分、割増率の順に確かめます。固定残業代がある人も同じです。

月給制の計算式:分母は月平均所定労働時間

厚生労働省の「時間外・休日労働と割増賃金」⁠の例3は、月給額を1年間の1か月平均所定労働時間数で割って、1時間当たりの賃金額を出すとしています。月給額には算定対象の各種手当を含めます。

所定労働時間は、会社が通常の勤務として定めた時間です。残業した時間まで足して分母を大きくすると、時間単価を小さく見積もってしまいます。年間の所定労働時間が決まっているなら、年の合計を12で割った月平均を確認します。

実際の出勤日が多かった月だけを使う計算でもありません。月ごとに所定時間が異なるときは、年間の月平均を使います。年間休日と労働日の関係は年間労働日数の計算⁠で確認できますが、会社の時間単価を出すときはその会社のカレンダーが必要です。

公式例:仮に月給255,000円⁠、年間所定2,040時間なら

厚生労働省北海道労働局「割増賃金の計算方法の実務」⁠の2ページ目は、基本給240,000円⁠、技能手当15,000円⁠、合計255,000円⁠、年間所定労働時間2,040時間⁠の仮定例を示しています。

月平均所定労働時間は2,040時間÷12か月=170時間⁠。時間単価は255,000円÷170時間=1,500円です。基本給だけで割らず、技能手当も含めた月給を使っています。これらは説明用の仮定で、給与の全国平均ではありません。

この公式例の単価に、同資料の法定時間外の倍率1.25⁠を掛けると、1時間分は1,875円です。法定休日の倍率1.35なら2,025円です。いずれも円未満は生じません。実際の残業代は、該当する時間数や会社が定める法定以上の割増率を確認して計算します。

割増率ランキング:深夜・時間外・法定休日を分ける

次は、厚生労働省の案内にある法定の最低割増率を、重なりを含めて高い順に並べた表です。給与額や業界の平均の順位ではありません。2026年10月22日時点の一般的な制度の比較で、同率は同順位としました。

順位 労働の区分 割増率 通常の時間単価に掛ける倍率
1 月60時間超⁠の法定時間外+深夜 75%以上 1.75以上
2 法定休日+深夜 60%以上 1.60以上
3 月60時間超⁠の法定時間外 50%以上 1.50以上
3 月60時間以内⁠の法定時間外+深夜 50%以上 1.50以上
5 法定休日 35%以上 1.35以上
6 月60時間以内⁠の法定時間外 25%以上 1.25以上
6 深夜のみ 25%以上 深夜分として0.25以上を加算

出典:厚生労働省「時間外・休日労働と割増賃金」割増賃金のきまり・例1〜3、北海道労働局「割増賃金の計算方法の実務」2ページ(表番号なし)⁠。深夜の時間帯は午後10時〜午前5時。法定以上の率を定める会社はその率を確認します。

深夜だけの行を「基本給とは別に1.25倍⁠を丸ごと足す⁠」⁠と読まないでください。所定内の夜勤で通常賃金が月給に含まれているなら、深夜の割増部分を別途確認します。時間外の1.25には通常賃金の1.00部分も含みます。割増部分と、その時間に対する賃金全体を混ぜると二重計算になります。

厚生労働省「月60時間⁠を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます」⁠の2ページ目にも、深夜との合計75%と、法定休日労働の区分が示されています。月60時間⁠の判定では、法定休日労働は時間外労働とは区分して扱います。休日に働いた時間をすべて時間外へ足す計算ではありません。法定休日以外の所定休日に働いた時間が法定時間外になるときの扱いも含め、会社の集計欄を確認してください。

終業後の仕事がすべて25%増しとは限らない

会社の所定労働時間と、法律の法定労働時間は違います。原則の法定労働時間は1日8時間⁠、週40時間です。所定の終業を過ぎていても、まだ法定の枠内なら「法定内残業」⁠と⁠し⁠て区別します。会社の規程で割増を定めているかも確認します。

厚生労働省の公式例1は、所定が9時〜17時、休憩1時間で、翌日5時まで働く設定です。17時〜18時は法定内で1.00⁠、18時〜22時は法定時間外で1.25⁠、22時〜翌5時は法定時間外と深夜が重なり1.50という区分になっています。通常の法定時間外の率を使う説明例です。

「残業」⁠とひとまとめにした時間の中に、違う倍率の時間が入っています。勤怠記録には出退勤だけでなく休憩も必要です。就業規則や賃金規程に法律より高い率があれば、その条件も照合してください。

変形労働時間制やフレックスタイム制では、時間外になる時間の判定方法が変わります。今回の通常の働き方の公式例を、勤務制度を確かめずに当てはめないことです。会社に制度名と清算や集計の期間を聞き、その制度の説明で確認します。

法定休日35%と、会社の休みの日を区別する

会社が休みと決めた日が、すべて法律上の法定休日とは限りません。週の休みが複数あれば、法定休日とそれ以外の所定休日に分かれます。「土曜日だから必ず35%」「日曜日ならどの会社でも法定休日⁠」⁠とは決められません。

厚生労働省の公式例2では、法定休日に9時〜24時、休憩1時間⁠で働いた設定です。9時〜22時の労働12時間⁠は時間単価×1.35⁠、22時〜24時の2時間⁠は法定休日と深夜で時間単価×1.60です。法定休日の労働に、通常の時間外の25%⁠を重ねている例ではありません。

休日出勤の記録では、どの日が法定休日か、あらかじめ休日を振り替えたのか、働いた後に代休を取ったのかも確かめます。後で別の日に休んだことだけで、元の法定休日労働の割増がなくなるとは扱えません。

休日出勤手当という名前でまとめて支払われていても、計算の基礎は分解できます。時間単価、法定休日の時間、深夜の時間、会社の割増率がわかる資料を受け取り、勤怠記録と対応させます。

算定基礎から除外する手当は7種類。名前だけでは除けない

厚生労働省は、割増賃金の算定基礎から除外できる賃金を限定しています。給与明細に「手当」⁠と書かれているから、すべて外してよいわけではありません。

除外できる賃金の種類 確認する内容
家族手当 家族の人数や扶養の状況に応じる支給か
通勤手当 通勤距離や実費などに応じる支給か
別居手当 別居の事情に対応する支給か
子女教育手当 子どもの教育に対応する支給か
住宅手当 住宅費用などに応じる支給か
臨時に支払われた賃金 一時的な支給か
1か月⁠を超える期間ごとに支払われる賃金 賞与などの支給か

出典:厚生労働省「時間外・休日労働と割増賃金」算定するに当たって除外される手当(表番号なし)⁠。名称ではなく実質で判断します。

たとえば住宅手当という名称でも、全員へ一律支給する部分は算定基礎に含めます。基本給と技能手当が月給として支払われる公式例でも、技能手当を外していません。役職や職務に関する手当があるなら、その支給内容も確認します。

最低賃金との比較で外す手当と、残業代の算定基礎から外す賃金は同じ一覧ではありません。2026年度の最低賃金⁠を調べた後に残業代を計算するときも、対象賃金を同じに決めつけず、それぞれの公式案内に戻ります。

固定残業代は、基本給・対象時間・超過分の3点を確認

固定残業代がある求人は、月給の見た目だけでは比べられません。厚生労働省の「固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします」⁠は⁠、固定残業代を除く基本給、対象時間と金額などの計算方法、超える労働に追加で割増賃金を支払う旨を明示するよう求めています。

面接では、固定残業代の対象が時間外だけか、休日・深夜も含むかを聞きます。対象時間の表示があっても、実際にそれだけ働く約束と理解するものではありません。実際の残業時間、超過した月の精算、勤怠を記録する方法は別に確認します。

厚生労働省の固定残業代に関するQ&Aは、通常賃金の部分と割増賃金の部分を判別できること、固定額が法定の計算額を下回るときは差額の支払が必要なことを説明しています。「固定だから何時間働いても増えない」⁠と⁠い⁠う説明で終わらせないでください。

求人を比較するときは、固定残業代を除いた賃金と、同じ時間働いたときの条件を並べます。固定残業代の表示額を基本給に混ぜると、賞与や昇給を基本給で計算する職場でも比較を誤ります。実際の計算条件は各社の賃金規程で確かめます。

端数処理:毎日15分⁠を切り捨てる計算ではない

厚生労働省「時間外・休日労働と割増賃金」⁠の端数処理の説明では、1日⁠の労働時間は1分単位で計算し、切り捨てはできません。毎日の残業時間を区切って短くする運用と、月の合計の端数処理を混ぜないことです。

認められる処理として、1か月間の時間外等の合計に1時間未満の端数があれば、30分未満を切り捨て、30分以上⁠を1時間へ切り上げる扱いがあります。日ごとの端数をすべて落としてよいという説明ではありません。

金額では、1時間当たりの賃金額や割増賃金額の1円未満について、50銭未満を切り捨て、それ以上を1円⁠に切り上げる処理などが示されています。月の手当合計の端数にも同様の扱いがあります。今回の月給255,000円⁠の仮定例は整数になるため、途中で独自の丸めを加えていません。

給与明細に時間が小数で載るときは、その表示が実時間をどう換算したものかも聞きます。画面上の表示桁と、実際の給与計算に使った桁数が同じとは限りません。元の勤怠の分数と計算結果を照合します。

明細の残業代が合わないときは、時間・単価・率の順に照合する

受取額が自分の計算と違うときは、どこで差が出たかを分けます。対象時間が違うなら勤怠記録、単価が違うなら算定対象の月給と所定時間、率が違うなら時間外・休日・深夜の区分に戻ります。全部をまとめて「残業代が少ない」⁠と伝えるより、確認する資料が決まります。

会社の勤怠システムでは、出勤から退勤までの時間と、給与計算に使う労働時間が別に表示されることがあります。休憩や勤務制度、時間の修正が反映された結果かを見ます。自分の記録と違う修正があるなら、いつ、どの理由で修正したかを確認します。表示上の数字だけを丸めて計算を合わせないでください。

月の合計には、通常の時間外と深夜、法定休日が重なって載ることもあります。深夜の欄の時間を通常の時間外へ重ねて足すと、同じ労働時間を二重に数えるおそれがあります。給与明細がそれぞれ通常賃金込みの額なのか、割増部分だけを分けているのかを担当者に説明してもらいます。

固定残業代が支払われる職場なら、実労働による法定の計算額と固定額をどう比較したかも聞きます。固定の対象外の休日・深夜がないか、基本給の変更に伴って単価が変わっていないかも確認します。固定額が載っているだけで、時間の記録が不要になるわけではありません。

残業を頼まれた仕事と、実際に働いた記録を残す

残業代の確認には、仕事の時間を説明できる記録が必要です。勤怠記録に加え、会社から業務を指示された時間や、申請した残業の内容を整理します。資料を集めるときは、自分の労働時間の確認に必要なものに絞り、取引先や他の社員の個人情報を持ち出す必要はありません。

厚生労働省「時間外・休日労働と割増賃金」⁠は⁠、労働時間を適正に把握することと、賃金不払残業の問題も説明しています。勤怠の打刻をした後にも仕事が続くなど、記録と実態が違うなら、その時間の扱いを会社に聞きます。賃金明細だけでは、記録されていない時間まで確かめられません。

会社に問い合わせたら、回答した単価、時間数、率、修正の有無を残します。すぐに説明が出ないときは、どの資料を確認していつ回答するかを聞きます。解決しない場合は、資料の末尾に案内される労働基準監督署などの相談窓口を使えます。

金額の計算と合わせて、今後の業務量の調整も別に相談します。未払い分が直っても、毎月同じ長時間労働が続くなら働く時間の問題は残ります。どの業務が増えているか、締切や担当を変えられるかを、勤務記録と一緒に話します。

36協定の上限:原則月45時間・年360時間

残業代を払えば、時間外労働をいくらでも命じられるわけではありません。法定時間外や法定休日に働かせるには、原則として36協定の締結・届出が必要です。賃金の支払と労働時間の上限は別々に守るルールです。

厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」では、原則の上限を月45時間・年360時間としています。対象となる1年単位の変形労働時間制では月42時間・年320時間です。

臨時的な特別の事情があり、特別条項を設けても上限は残ります。時間外労働は年720時間以内⁠。時間外と休日労働の合計は月100時間未満で、2・3・4・5・6か月⁠の各平均がすべて月80時間以内です。月45時間⁠を超えられるのは年6か月までです。

確認する上限 対象となる時間
原則月45時間・年360時間 法定時間外労働
特別条項でも年720時間以内 法定時間外労働
月100時間未満 法定時間外と法定休日労働の合計
2〜6か月平均80時間以内 法定時間外と法定休日労働の合計
月45時間超⁠は年6か月以内 限度時間を超える月数

出典:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」上限規制の説明図(表番号なし)⁠。一般の労働者の原則で、事業・業務の特例は別途確認します。

年720時間⁠に収まっていても、月の上限や複数月平均に触れることはあります。会社の「年間では問題ない」という説明だけでは確認が足りません。自分の勤怠を月別に並べ、休日労働を含める条件も分けます。

医師、自動車運転業務、建設事業の一部などには、上限規制の特例があります。一般の表をそのまま当てはめず、厚生労働省の該当する事業・業務の案内で確認します。特例があっても、時間外労働のすべてが自由になるわけではありません。

給与明細を確認する日は、勤怠の申請内容も見返します。修正した時間が次の給与へ反映されるなら、その対象期間と精算額を記録し、後の明細で照合してください。

求人票・面接・しょくばらぼで、支払と実際の時間を確かめる

求人票では基本給と固定残業代、所定時間、休日を読みます。面接では配属先の月平均だけでなく、繁忙月の残業、休日出勤、超過分の精算方法を聞きます。平均だけだと、特定の月へ仕事が集中する状況はわかりません。

業界ごとの実績を比べるときは残業時間の平均と業界別の数字⁠へ進み、応募先はしょくばらぼと会社の回答で確認します。統計の平均と自分の部署の労働時間は別です。求人票、面接、実際の勤怠と給与の数字がつながるかを確かめてください。

よくある質問

月給から残業代を計算する式は?

厚生労働省「時間外・休日労働と割増賃金」例3では、月給額÷1年間における1か月平均所定労働時間数で時間単価を求めます。通常の法定時間外は単価×1.25以上×時間数で計算します。

月60時間⁠を超えると何%ですか?

厚生労働省北海道労働局「割増賃金の計算方法の実務」⁠で⁠は月60時間⁠を超える時間外労働は50%以上です。令和5年4月1日から中小企業にも適用されています。

休日に働くと必ず35%増しですか?

厚生労働省「時間外・休日労働と割増賃金」⁠で⁠は法定休日労働は35%以上です。会社の所定休日と法定休日は別で、所定休日の労働がすべて1.35倍⁠になるわけではありません。

深夜の残業は何倍ですか?

厚生労働省「時間外・休日労働と割増賃金」⁠で⁠は午後10時〜午前5時の深夜割増は25%以上です。通常の法定時間外と重なると1.50倍以上⁠、法定休日と重なると1.60倍以上です。月60時間⁠を超える時間外との重なりも別に確認します。

通勤手当や住宅手当は計算に含めますか?

厚生労働省「時間外・休日労働と割増賃金」⁠で⁠は除外できる賃金を7種類に限定し、名称ではなく内容で判断します。住宅手当などを全員に一律支給する部分は算定基礎に含めます。基本給だけに1.25⁠を掛ければよいとは限りません。

36協定があれば残業は何時間でも可能ですか?

厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」⁠で⁠は原則月45時間・年360時間です。特別条項でも年720時間以内⁠、休日労働込みで月100時間未満、2〜6か月平均80時間以内⁠、月45時間超⁠は年6か月以内です。

気になる会社の「ホント」⁠を⁠、会社に聞いてみませんか。

残業、休み、評価のしかた、職場の雰囲気。求人票に書いていないことを質問すると、会社に回答をお願いして、届いた答えをこのサイトに載せます。まだ載っていない会社にもリクエストできます。無料で、名前やメールアドレスは会社に伝わりません。

気になる会社に質問をリクエストする

あわせて読む