日本の外国人労働者の数は2,571,037人、外国人を雇用する事業所は371,215所です。厚生労働省の外国人雇用状況の届出状況まとめによる令和7年10月末の数字で、いずれも届出が義務化された平成19年以降で最多でした。国籍別ではベトナム、産業別では製造業、都道府県別では東京が最も多くなっています。
職場を選ぶときに知りたいのは、全国の人数だけではありません。どんな仕事を任されるか、説明や研修を理解できるか、困ったときに誰へ相談するかです。人数の表で業界や地域の広がりをつかんだら、応募先の配属部署と雇用条件を調べます。
最新の届出で確認できる労働者数と事業所数
厚生労働省の令和7年10月末の届出状況表一覧を使います。2026年1月30日公表の資料を2026年10月22日に確認しました。以下は人数・事業所数という実数で、平均や中央値ではありません。
| 項目 |
令和7年10月末 |
前年からの増加 |
| 外国人労働者数 |
2,571,037人 |
268,450人 |
| 外国人雇用事業所数 |
371,215所 |
29,128所 |
| 労働者数の対前年増加率 |
11.7% |
― |
| 事業所数の対前年増加率 |
8.5% |
― |
出典:厚生労働省の外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)。別添3の参考-1と別添2のⅡの1。
同省の本文資料では、労働者数の増加率は前年の12.4%から下がり、事業所数の増加率は前年の7.3%から上がったと説明しています。人数が過去最多でも、増える速さまで過去最大という意味ではありません。
事業所数を会社数と呼び換えないことも大切です。ひとつの会社が複数の事業所を持つことがあります。全国の事業所数から「外国人を雇う会社が全国に何社ある」とは言えません。
国籍別ランキング:上位はベトナム、中国、フィリピン
国籍として個別に載る区分を人数の多い順に並べました。その他と、複数国をまとめたG7等の区分は順位から外しています。令和7年10月末の全国の届出に基づく人数です。
| 順位 |
国籍 |
労働者数 |
| 1 |
ベトナム |
605,906人 |
| 2 |
中国 |
431,949人 |
| 3 |
フィリピン |
260,869人 |
| 4 |
ネパール |
235,874人 |
| 5 |
インドネシア |
228,118人 |
| 6 |
ミャンマー |
163,311人 |
| 7 |
ブラジル |
134,645人 |
| 8 |
韓国 |
80,193人 |
| 9 |
スリランカ |
50,427人 |
| 10 |
タイ |
41,468人 |
出典:厚生労働省、外国人雇用状況の届出状況の表一覧(令和7年10月末時点)の別表1。中国には香港・マカオを含む。個別掲載の国籍の上位10区分。
ベトナムは外国人労働者全体の23.6%、中国は16.8%、フィリピンは10.1%です。これは各国から来た人が日本で働く確率ではなく、日本で届出のあった外国人労働者の構成比です。
同じ国籍でも、在留資格や仕事は違います。国籍別の人数を見て、特定の仕事に就いている、同じ日本語力を持つ、と推測することはできません。採用や配属を考える場面では、本人の経験と担当業務で確認します。
表には給与や勤続年数が載っていません。人数の多い国籍ほど採用されやすい、給与が高いと読み足すこともできません。職場の実態を知るには、人数とは別に、雇用形態や賃金の資料が必要です。
在留資格別ランキング:専門的・技術的分野が最多
在留資格の大きな区分で比較した表です。国籍の表とは同じ人を違う軸で数えています。国籍別の合計にこの表を足すものではありません。
| 順位 |
在留資格の区分 |
労働者数 |
| 1 |
専門的・技術的分野 |
865,588人 |
| 2 |
身分に基づく在留資格 |
645,590人 |
| 3 |
技能実習 |
499,394人 |
| 4 |
資格外活動 |
449,324人 |
| 5 |
特定活動 |
111,074人 |
| ― |
不明 |
67人 |
出典:厚生労働省、外国人雇用状況の届出状況の表一覧(令和7年10月末時点)の別表1の全国籍計。不明は順位対象外。
専門的・技術的分野は単一の在留資格名ではありません。技術・人文知識・国際業務、介護、特定技能などをまとめた区分です。技術・人文知識・国際業務は468,068人、特定技能は286,225人で、どちらも865,588人の内数です。
資格外活動のうち留学は352,791人です。449,324人に留学の人数をもう一度足すと二重に数えてしまいます。資料の「うち」という表示を残して読む必要があります。
身分に基づく在留資格には、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者が含まれます。外国人労働者をすべて技能実習生や留学生として扱うと、実際の内訳と大きくずれます。
本文資料は、在留資格が変わっても離職せず同じ事業主に雇用され続けると、外国人雇用状況届出の提出が義務付けられていない点にも触れています。在留資格別の届出数と、別の行政統計の在留者数を機械的に一致させないことです。
産業別ランキング:製造業の人数が最も多い
産業大分類を労働者数の多い順に並べた上位10産業です。令和7年10月末の人数で、企業や事業所の数の順位とは異なります。分類不能の産業は順位対象から外しています。
| 順位 |
産業 |
労働者数 |
| 1 |
製造業 |
635,075人 |
| 2 |
サービス業(他に分類されないもの) |
391,946人 |
| 3 |
卸売業・小売業 |
340,687人 |
| 4 |
宿泊業・飲食サービス業 |
319,999人 |
| 5 |
建設業 |
206,468人 |
| 6 |
医療・福祉 |
146,105人 |
| 7 |
情報通信業 |
97,924人 |
| 8 |
学術研究・専門・技術サービス業 |
90,703人 |
| 9 |
運輸業・郵便業 |
85,477人 |
| 10 |
教育・学習支援業 |
83,225人 |
出典:厚生労働省、外国人雇用状況の届出状況の表一覧(令和7年10月末時点)の別表4。産業は日本標準産業分類の令和5年7月改定に対応。
製造業は全体の24.7%を占めます。ただし、「製造業で働く人の24.7%が外国人」という意味ではありません。分母は外国人労働者全体です。産業全体での外国人の比率を求めるには、同じ範囲・時点の産業全体の労働者数が必要になります。
サービス業の他に分類されないものには、職業紹介・労働者派遣業なども含まれます。雇用する事業所の産業と、実際に作業する派遣先の産業を同一視しないことです。職場を調べるときは、雇用主と就業場所を分けて確認します。
医療・福祉の労働者数の対前年増加率は25.6%です。増加率が高いことと、人数が最多であることは別です。少ない人数から大きく増えた区分と、すでに人数の多い区分を混同しないようにします。
事業所数では卸売業・小売業が上位になる
同じ別表4を事業所数で読むと、産業の並びは変わります。労働者数と事業所数は、見たいものに応じて使い分けます。
| 順位 |
産業 |
外国人雇用事業所数 |
| 1 |
卸売業・小売業 |
70,358所 |
| 2 |
製造業 |
58,400所 |
| 3 |
宿泊業・飲食サービス業 |
53,855所 |
| 4 |
建設業 |
50,133所 |
| 5 |
サービス業(他に分類されないもの) |
28,549所 |
出典:厚生労働省、外国人雇用状況の届出状況の表一覧(令和7年10月末時点)の別表4。外国人を雇用する事業所数の上位5産業。
外国人が働く事業所が広く存在する産業と、ひとつの事業所に多くの労働者が集まる産業では、人数の見え方が違います。人数だけで「身近な職場にも多いはず」と考えるより、事業所数も見たほうが広がりをつかめます。
それでも全国の表から、応募先の部署の人数や受入れ経験まではわかりません。外国人社員がいるかだけでなく、今回の配属先での研修や相談の体制まで聞きます。社内の窓口があっても、現場で使われているかは別の確認です。
都道府県別ランキング:人数は東京、愛知、大阪の順
都道府県別の上位10を労働者数で並べています。令和7年10月末の全国の届出状況です。居住地別の外国人人口の表ではありません。
| 順位 |
都道府県 |
労働者数 |
| 1 |
東京 |
652,251人 |
| 2 |
愛知 |
249,076人 |
| 3 |
大阪 |
208,051人 |
| 4 |
神奈川 |
148,888人 |
| 5 |
埼玉 |
133,049人 |
| 6 |
千葉 |
105,829人 |
| 7 |
静岡 |
88,968人 |
| 8 |
福岡 |
85,385人 |
| 9 |
兵庫 |
77,016人 |
| 10 |
茨城 |
67,500人 |
出典:厚生労働省、外国人雇用状況の届出状況の表一覧(令和7年10月末時点)の別表2。
東京は外国人労働者全体の25.4%です。求人を探す範囲を考える材料にはなりますが、この数字だけで仕事の探しやすさを決めることはできません。募集職種、必要な経験、通勤できる範囲によって、実際に応募できる求人は変わります。
事業所数は東京87,512所、大阪31,715所、愛知28,976所の順です。労働者数で愛知が大阪より多くても、事業所数は大阪が上です。人数の順位をそのまま会社の数の順位として説明しないことです。
対前年の労働者数の増加率では和歌山19.2%、大阪19.1%、大分と沖縄が18.1%です。大都市の人数の多さと、各地域での増え方は別の話になります。転居を伴う就職なら、雇用の数字とあわせて住居や通勤の条件を調べます。
過去10年の推移:毎年の10月末をそろえて比べる
年の途中の累計や年間の採用者数ではなく、各年10月末に雇用されていた外国人労働者数です。同じ人が複数年続けて載るため、年別の人数を足して10年間の入国者数にすることはできません。
| 年 |
外国人労働者数 |
| 平成28年(2016年) |
1,083,769人 |
| 平成29年(2017年) |
1,278,670人 |
| 平成30年(2018年) |
1,460,463人 |
| 令和元年(2019年) |
1,658,804人 |
| 令和2年(2020年) |
1,724,328人 |
| 令和3年(2021年) |
1,727,221人 |
| 令和4年(2022年) |
1,822,725人 |
| 令和5年(2023年) |
2,048,675人 |
| 令和6年(2024年) |
2,302,587人 |
| 令和7年(2025年) |
2,571,037人 |
出典:厚生労働省、外国人雇用状況の届出状況の表一覧(令和7年10月末時点)と令和4年の表一覧の参考-1。平成28・29年は東京労働局の外国人労働者に関する資料5頁の全国の外国人労働者数の行。単位は人。
令和2年から令和3年にかけては人数の増え方が小さく、その後は増加幅が広がっています。毎年同じ速さで増えたわけではありません。直近の増加率を過去全体に当てはめて、将来の人数を作らないことです。
人数が増えた背景を、ひとつの理由だけにまとめるのも避けます。この表だけでは、景気、制度、入国や出国、資格変更などの影響をそれぞれ切り分けられません。増加の事実と、増加理由の分析は分けて読みます。
日本に住む外国人の数とは対象が違う
この集計は、事業主に雇用される外国人の届出を基にしています。特別永住者と、在留資格が外交・公用の人は対象外です。日本に住む外国人の全員を数える統計ではありません。
就職していない学生や家族、事業主自身なども含めた外国人全体の人数を知りたいなら、別の人口・在留統計が必要です。外国人労働者数だけを使って、日本にいる外国人の就業率や失業率を計算することはできません。
派遣・請負事業所に雇用される外国人労働者は430,342人で、全体の16.7%です。これは別表2の全国計に載る区分で、全員が同じ契約や働き方という意味ではありません。直接雇用、派遣、請負の違いは、応募先の求人票で確かめます。
職場の国際化を人数で説明するときも、外国人の多さから職場の良し悪しを決めないことです。国籍をまとめて能力や定着の差の理由にせず、任される業務、研修、評価の運用という仕事の条件に戻します。
一緒に働く環境は研修・指示・相談先で確かめる
同じ職場でも、部署によって研修や仕事の伝え方は違います。採用ページに多言語対応とあっても、入社時の説明だけなのか、日々の作業手順や安全教育まで含むのかを聞きます。
| 確かめたいこと |
面接での質問 |
| 入社時の研修 |
担当業務を覚えるまで、誰がどのように教えますか |
| 作業の指示 |
手順書と口頭の説明は、どの言語で行いますか |
| 安全の確認 |
理解できたかを現場でどう確認していますか |
| 相談先 |
直属の上司以外に相談できる窓口はありますか |
| 評価と配属 |
昇給や配置を決める基準を教えてください |
「外国人社員が活躍」という説明だけでは、配属後の支援の中身はわかりません。自分の職種での業務と、困ったときに使える仕組みを聞きます。研修担当者が不在の日に、誰が質問を受けるかまで聞くと日々の働き方が見えてきます。
定着を調べるなら、全社の人数より、採用した人がどのくらい残っているか、どの部署の数字かを確認します。平均勤続年数の読み方でも、年齢構成や採用時期によって数字が変わる点を整理しています。
給与や休日は、国籍別の人数表からはわかりません。同じ仕事でも雇用形態や担当範囲が違えば、条件の比べ方が変わります。業界別の平均年収を読むときも、自分が応募する雇用形態と月給の内訳に戻って比べます。
国籍別と在留資格別の表を重ねて読むときの注意
国籍の人数表と在留資格の人数表は、どちらかが別の人たちを数えているわけではありません。ひとりの労働者を、国籍の軸でも資格の軸でも集計しています。表を並べる目的は内訳を確認することで、両方の人数を合算して全体を増やすことではありません。
国籍ごとの在留資格の構成を詳しく知りたいときは、別表1の同じ行の内訳を見ます。全国籍計の構成比と、ある国籍の人の中での構成比では分母が違います。表の括弧や角括弧の説明を読み、どちらの割合を話しているかを明示します。
産業別も同じです。ある産業に外国人労働者が多いという事実から、その産業のすべての会社が同じ受入れ方をしているとは言えません。同じ産業の中でも直接雇用か、派遣元の事業所かによって、仕事を指示する相手や相談の順番は変わります。応募先では、契約を結ぶ相手と日常の指示を出す相手を確認します。
全国の数を説明するときに、生活上の印象と結び付けすぎないことも必要です。自宅の近所で外国語を聞く機会が増えたとしても、通勤してくる人、学生、家族などを区別できません。地域で見聞きした印象を、この届出統計で裏付けられた事実として追加しないことです。
求人の受入れ体制は制度名より使い方を聞く
外国人と一緒に働く職場を調べるときは、翻訳された資料の有無だけで終えません。仕事の変更があった日に手順書も更新されるか、説明が理解できないときに作業を止めて質問できるかなど、現場での使い方を聞きます。制度があっても、担当者が不在で使えなければ困りごとは残ります。
給与や休暇の説明も、日常の作業の説明とは別に確認します。入社時の契約内容を誰が説明し、変更があるときにどの書面で知らせるかを聞けば、後から認識が食い違う点を減らせます。本人が理解できる形で確認できるかを重視します。
相談窓口については、上司と直接話しにくいときの経路も聞きます。通訳が必要な相談、仕事の指示の相談、給与明細の相談では担当が違うことがあります。採用担当の説明が配属先でも共有されているかまで確認すると、入社後の動きを想像できます。
人数が多いことだけを職場の強みとして見るのではなく、経験の違う人が仕事を覚え、同じ基準で評価される仕組みがあるかを見ます。全国の統計に載らないこの部分は、求人票の説明と面接での回答を照らし合わせて確かめます。
その会社の実際の数字を求人票・面接・しょくばらぼで確かめる
全国の人数を調べた後は、求人票の雇用主、勤務地、担当業務、給与、契約期間を確認します。人数の多い産業だから安心、少ない地域だから支援がない、と決める必要はありません。制度の有無と、配属先で使われているかを分けて聞きます。
企業研究の進め方に沿って公開情報を読み、しょくばらぼでは採用・定着・働き方の掲載項目を確認します。載っていない情報は空欄のまま残し、面接で確認する質問にします。
全国のランキングが教えるのは、人がどこで働いているかです。自分が続けられる職場かを決めるには、その会社の採用人数、定着、研修、残業などの実際の数字を求人票・面接・しょくばらぼで確かめます。