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源泉徴収票の見方:年収・所得・控除・税額を計算の順に読む

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この記事の答え

  • 支払金額は給与・賞与などの額面に当たる欄。給与所得控除後の金額や手取りとは違う
  • 所得控除の額の合計額には社会保険料控除や基礎控除などが入り、その後に税額を計算する
  • 給与所得控除の最低保障額は令和7年分65万円⁠、令和8・9年分74万円⁠。令和8年12月施行の改正と月々の天引きを分ける

口コミや求人票ではわからないことは、会社に直接聞けます。まだ載っていない会社にも質問をリクエストできます。名前は会社に伝わりません。

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源泉徴収票は、支払金額、給与所得控除後の金額、所得控除の額の合計額、源泉徴収税額の順に読むと、年収から税額までつながります。最新の国税庁資料では、給与所得控除の最低保障額は令和7年分65万円⁠、令和8・9年分74万円です。どの年の源泉徴収票を読むかで、使う控除額が変わります。

年収を確かめるなら支払金額を見ます。所得や税額の欄を、手取り年収として使わないことです。源泉徴収票と給与明細を並べるときは、年の合計と月々の支払い、所得税と住民税を分けて確認します。

国税庁の手引きとタックスアンサーの確認日は2026年10月22日です。令和8年12月1日施行の改正については、施行前の月々の給与計算と、施行後の年末調整を分けて説明します。

支払金額は年収を見る欄で手取りではない

国税庁の令和8年⁠分法定調書の作成と提出の手引・第2章⁠の掲載ページ5に、主な欄の記載内容があります。支払金額は、その年中に支払いの確定した給与等の総額です。

給与だけでなく賞与なども含みます。税金や社会保険料が引かれた後の振込額を足したものではありません。給与明細で比べるなら、差引支給額より前にある課税対象の給与を見ます。

ただし、給与明細の総支給額をそのまま合計すれば必ず一致するとも限りません。非課税の通勤手当など、源泉徴収票の課税対象給与に入らないものが総支給額に含まれていることがあります。明細の欄の定義を会社に確認します。

未払いの給与等があると、支払金額に内書きが付くこともあります。「まだ口座に入っていないから、その年の票には入らない」⁠と⁠は決められません。手引きは支払いが確定した給与等を記載する扱いを示しています。

転職した年は前職分の通算を確認する

年の途中で入社し、前の勤務先の給与を通算して年末調整したなら、支払金額にはその前職分が含まれます。今の会社で働いた期間の給与だけとは限りません。

前職の源泉徴収票と、通算済みの今の会社の源泉徴収票を単純に足すと、前職分を二重に数えるおそれがあります。摘要欄などで前職分の記載を見て、何が合算されているかを確認します。

反対に、年末調整で通算していない給与があれば、今の会社の票だけでその年の全収入を表しているとはいえません。給与を受け取った勤務先を並べ、票がそろっているかを確かめます。

給与所得控除後の金額は所得税計算の途中の額

給与所得は、給与収入から給与所得控除を差し引いて求めます。給与所得控除は、給与を受け取る人の所得計算上の控除です。会社が給与から現金を預かった額ではありません。

源泉徴収票の欄名には、調整控除後と書かれていることもあります。所得金額調整控除の適用があるときは、その控除も反映した額です。欄の途中で計算が終わったと思わず、次の所得控除へ進みます。

国税庁の給与所得控除の説明では、給与等の収入金額ごとに控除額が変わります。年収に同じ率を掛けて、誰でも手取りを出せる計算ではありません。

給与収入が660万円未満なら、原則としてその年の給与所得控除後の給与等の金額の表を使います。速算式で大まかに出した額と、正式な表で求めた額を混ぜないようにします。源泉徴収票の記載を確かめたいときは、対象年の表で照合します。

空欄はゼロと同じ意味ではない

中途退職などで年末調整をしていない票は、給与所得控除後の金額や所得控除の額の合計額が空欄になっていることがあります。それを給与所得ゼロ、所得控除ゼロと読み替えてはいけません。

自分が年末調整の対象になったか、前職分を提出したか、年末調整に必要な申告書を出したかを会社に聞きます。手続きが済んでいない部分は、必要に応じて確定申告の確認につなげます。

所得控除の合計には社会保険料や基礎控除が入る

所得控除の額の合計額は、給与所得控除をもう一度書いた欄ではありません。給与所得控除後の給与等から差し引いた、社会保険料控除、生命保険料控除、扶養控除、基礎控除などの合計です。

同じ年収でも、扶養の状況や本人が支払った保険料などで合計が変わります。隣の人の税額と違うことだけで、会社の計算が誤りだとは判断できません。自分が申告した内容と照合します。

社会保険料等の金額や生命保険料の控除額などは、票の下の欄にも記載されます。合計欄が合わないと感じたら、内訳と提出した申告書を順に見ます。証明書を提出し忘れていないかも確認します。

給与明細の控除合計には、住民税や会社独自の控除などが入ることがあります。その合計を所得控除の額の合計額に転記する計算ではありません。「給与から引かれたもの」⁠と「所得税計算で差し引くもの」⁠は⁠、欄の目的が違います。

基礎控除額ランキングは合計所得の区分で読む

次は令和8・9年分の居住者について、基礎控除額の大きい順に並べた表です。対象は納税者本人の合計所得金額で、給与の支払金額ではありません。単位は万円。平均でも中央値でもなく、制度で決まった控除額です。

順位 合計所得金額 基礎控除額
1 489万円以下 104万円
2 489万円超655万円以下 67万円
3 655万円超2,350万円以下 62万円
4 2,350万円超2,400万円以下 48万円
5 2,400万円超2,450万円以下 32万円
6 2,450万円超2,500万円以下 16万円
7 2,500万円超 0円

出典:国税庁、令和8年分年末調整のしかた⁠の掲載ページ56、令和8年分の基礎控除額の表。表番号なし。令和8年12月1日施行の制度を反映しています。令和9年分との対応は国税庁タックスアンサーNo.1199で確認しました。

この順位は所得の高さや会社の待遇を評価するものではありません。合計所得がどの区分に入ると控除額がいくらになるかを読む表です。給与以外の所得がある人は、給与所得だけで区分を決めません。

国税庁の基礎控除の説明では、年分ごとの表が並んでいます。令和7年分の源泉徴収票に、上の令和8・9年分の104万円⁠をそのまま使うことはできません。

控除改正は対象年と施行日を分ける

令和7年分から給与所得控除の最低保障額は65万円⁠になり、基礎控除にも所得別の見直しが入りました。令和8年分については、その後の令和8年度税制改正も確認する必要があります。

国税庁の令和8年度税制改正Q&A⁠のQ1-1では、基礎控除の引上げなどは令和8年12月1日施行で、令和8年分以後の所得税に適用すると説明しています。令和8年11月までの給与の源泉徴収事務に変更はありません。

12月⁠に行う年末調整では改正後の控除等で年間の税額を計算し、それまでの源泉徴収額と精算します。令和9年1月以後に支払う給与では改正後の源泉徴収税額表を使います。年末調整で使う控除と、毎月使う税額表は、変更時期が同じではありません。

比較する年分 給与所得控除の最低保障額
令和7年⁠分 65万円
令和8・9年⁠分 74万円

出典:国税庁、給与所得控除の令和7年分の表、令和8・9年分の表。令和8・9年分は令和8年12月1日施行の規定です。個人の税額を示す表ではありません。

最低保障額だけで、自分に税金がかかるかは決まりません。基礎控除や他の所得、扶養などを合わせて判断します。いわゆる壁の金額は103万円⁠の壁と所得税の改正でも対象年を確認します。

仮の計算例で年収から税額までつなげる

次は書類の読み方を確かめるための計算例です。令和8年12月⁠の年末調整で改正後の控除を適用する居住者を想定します。給与収入は300万円だけ、社会保険料控除は45万円⁠と仮定し、扶養や生命保険料など他の所得控除、所得金額調整控除、住宅ローン控除などの税額控除はない設定です。

300万円⁠と45万円⁠は説明用に置いた仮の数字です。平均年収、平均保険料、実在する人の受給・納税額ではありません。

給与収入300万円について、国税庁の令和8年分の給与所得控除後の金額の表⁠を使うと、給与所得控除後の金額は202万円です。この設定では給与所得以外の所得がないため、合計所得金額も202万円⁠になります。

基礎控除は104万円⁠。仮定した社会保険料控除45万円⁠と合わせて、所得控除の額の合計額は149万円です。給与所得202万円から149万円⁠を引くと、課税給与所得金額は53万円⁠になります。

計算の段階 この例の額
支払金額 3,000,000円
給与所得控除後の金額 2,020,000円
所得控除の額の合計額 1,490,000円
課税給与所得金額 530,000円
算出所得税額 26,500円
復興特別所得税を含む年調年税額 27,000円

出典:国税庁、令和8年分年末調整のしかたの給与所得控除後の金額の表、掲載ページ55・56の速算表・基礎控除額の表、掲載ページ35〜39の年税額の計算。表の金額は、仮の条件に公式の計算方法を当てはめた結果です。

53万円⁠に5%⁠を掛けて所得税は26,500円です。税額控除がない設定なので、この額に102.1%⁠を掛けて27,056.5円とし、年末調整の所定の端数処理で100円未満を切り捨て、年調年税額は27,000円⁠になります。

年末調整後の源泉徴収税額には、この設定なら27,000円⁠が入ります。26,500円⁠は復興特別所得税を加える前の途中の数字です。国税庁の年税額の計算で、税率を掛けた後の手順まで確認します。

この27,000円⁠を年収300万円から引くだけでは、手取りは出ません。住民税、社会保険料などの実際の控除が別にあります。源泉徴収票にある欄だけで、給与の銀行振込額を逆算しないことです。

源泉徴収税額は還付額ではない

年末調整をした給与では、源泉徴収税額は年末調整後の所得税と復興特別所得税の合計です。年末の給与で返ってきた金額や、追加で徴収された金額だけを示す欄ではありません。

毎月の給与と賞与で天引きしてきた税額を集計し、年末に計算した税額と比べます。払い過ぎなら還付、不足なら追加徴収となります。還付があったから年間の税額がゼロになった、という読み方はできません。

源泉徴収税額がゼロでも、支払金額がゼロとは限りません。所得控除や税額控除などの結果で税額が変わるためです。年収を聞かれたときは、税額欄を使わず支払金額を確認します。

年末調整をしていない票は、その年に源泉徴収すべき所得税と復興特別所得税の合計を記載する扱いです。そこにある数字が、確定申告を含めた本人の最終税額だとは決めつけません。

給与明細は支給・控除・差引支給額に分ける

給与明細は、その月の給与などの支払いを確かめる書類です。源泉徴収票は年間の給与と所得税の情報をまとめた書類です。両方に税金や保険料の数字があっても、集計する期間と意味が違います。

支給欄では基本給、残業代、手当を確認します。固定残業代があるなら、その金額と対象時間、超えた分の支払いを労働条件と照合します。総額が合っていても、必要な残業代が払われているかは別に確認します。

控除欄では健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税、住民税などを見ます。税と社会保険をまとめて「税金」⁠と呼ぶと、どの窓口に何を聞くかがわからなくなります。

差引支給額は、支給額から控除額を引いた後の金額です。実際の振込額と照合します。通勤手当や立替経費の精算などが別の扱いになっているときは、明細の注記も読みます。

住民税は源泉徴収票の源泉徴収税額に含まれません。新社会人や転職した年の天引き時期は住民税がいつから引かれるかで、前年の所得との関係を確認します。

違って見える数字は年分と内訳から確かめる

源泉徴収票が届いたら、年分、支払金額、年末調整の有無、摘要欄の前職分を確認します。手元の給与明細や賞与明細と比べるときは、同じ年の対象分をそろえます。

金額が合わないときは、税額の再計算から始めず、非課税の手当、前職の給与、未払い分、年末調整の精算がどこに入ったかを会社に聞きます。原因がわかってから、必要なら訂正や申告の手続きを確認します。

控除の記載に疑問があるときは、提出した申告書と証明書を見直します。本人が申告した内容が変わったのか、会社に届いていないのか、書類の記載が違うのかを切り分けます。個人の税額をネットの一律の手取り率だけで判断しません。

控除と税額控除を同じ引き算にしない

源泉徴収票を読んでいると、所得控除と税額控除の両方に控除という言葉が出てきます。所得控除は税率を掛ける前の所得から引くものです。税額控除は計算された税額から引くものです。引く場所が違うので、同じ金額でも税額への影響は同じではありません。

住宅ローン控除などがある人は、給与所得や所得控除の計算だけで源泉徴収税額を説明しきれないことがあります。票の関連欄と、年末調整に出した申告書を見ます。記事の仮の例は税額控除がない設定なので、そのまま自分の票に当てはめません。

所得控除の額の合計額に、税額控除まで足してしまうと計算の順番が崩れます。給与所得から所得控除を引き、税率で所得税を計算し、該当する税額控除を反映するという流れを、国税庁の年税額の計算図で確認します。

書類を使う目的に合わせて欄を選ぶ

年収の証明を求められたときは、提出先が何年分の、どの書類を求めているかを確認します。源泉徴収票の支払金額を読むことと、これから先の見込年収を説明することは別です。入社して間もない人の前年分の票には、今の会社の通常の年間給与が載っていないことがあります。

確定申告などに使うときは、同じ年の票をそろえ、前職分を通算した票かを確認します。数字が多い票だけを使う、税額が少ない票を選ぶといった処理はできません。摘要欄に前職の給与が含まれているなら、二重計上しないように確認します。

電子で受け取った票も、年分と訂正の有無を管理します。会社から訂正分が交付されたら、古い数字をそのまま申告や提出に使わないようにします。すでに提出しているなら、提出先へ差替えや訂正の方法を聞きます。

自分の書類を誰かに相談する場合は、必要な欄がわかる範囲で扱い、公開の場にそのまま載せないことです。給与の計算を確認するために、勤務先や家族に関する情報まで広く共有する必要はありません。

次の会社の給与は内訳と働く時間を確認する

源泉徴収票で今の年収がわかっても、それを次の求人の月給とそのまま比べることはできません。賞与を含む年間額と、毎月必ず支払われる額を分けます。年の途中で入社した年なら、働いた期間も確認します。

求人票では基本給、固定残業代、手当、賞与の支給条件を読みます。面接でモデル年収を聞いたら、その年収に含む賞与と残業時間、対象の職種を確かめます。会社の調べ方は企業研究のやり方⁠に沿って整理できます。

その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめます。残業の実績や休暇の取得状況も合わせて見ると、年収の数字だけではわからない働き方が見えてきます。税額の欄と給与条件の比較を混ぜず、額面の中身から確認します。

よくある質問

源泉徴収票の年収はどこですか?

国税庁の令和8年⁠分法定調書の作成と提出の手引の第2章では、支払金額はその年中に支払いの確定した給与等の総額です。1月から12月⁠の給与・賞与などの課税対象の額で、銀行に入った手取り額とは違います。

給与所得控除後の金額は手取りですか?

違います。国税庁の給与所得控除の説明では、給与収入から給与所得控除を引いて給与所得を求めます。令和8・9年分の給与所得控除の最低保障額は74万円ですが、社会保険料や住民税を引いた振込額を示す欄ではありません。

基礎控除は全員同じですか?

国税庁の令和8年分の基礎控除額の表では合計所得金額で変わります。居住者の合計所得金額489万円以下⁠の区分は104万円で、所得が高い区分では額が変わります。令和8年12月1日施行の規定です。

源泉徴収税額には住民税も入りますか?

入りません。国税庁の令和8年⁠分法定調書の手引では、年末調整済みなら所得税と復興特別所得税の合計額です。住民税は給与の特別徴収では通常6月から翌年5月⁠に納める別の税です。

転職すると源泉徴収票は必要ですか?

国税庁の令和8年分年末調整のしかたでは、年の途中で再就職した人の前職給与などを源泉徴収票で確認すると説明しています。同じ年の1月から12月⁠のどの給与を含むかと、摘要欄の前職分を確認します。

令和7年分の控除額をそのまま使えますか?

使い回しません。国税庁の令和8年度税制改正Q&Aでは、令和8年12月⁠の年末調整から改正を反映します。給与所得控除の最低保障額は令和7年分65万円から令和8・9年分74万円⁠に変わります。

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