会社に質問する無料・名前は会社に伝わりません

ホワイト企業の見分け方7選:ランキングより確かな、求人票と公的データでの確かめ方

・ナギサコーポレーション(運営)

この記事の答え

  • ホワイト企業ランキングの多くは「新卒の3年後定着率」⁠な⁠ど一部の数字で並べたもの。順位より、その会社の数字を自分で見る
  • 見る場所は、国の認定(ユースエール・くるみん・えるぼし・健康経営優良法人⁠)⁠、しょくばらぼ、若者雇用促進法で会社が出す離職者数・残業・有給の数字
  • 求人票は固定残業代の3点(基本給の額・時間数と金額・超えた分の支払い⁠)⁠を見る。わからないことは会社に聞く

口コミや求人票ではわからないことは、会社に直接聞けます。まだ載っていない会社にも質問をリクエストできます。名前は会社に伝わりません。

気になる会社に質問をリクエストする

ホワイト企業かどうかは、ランキングの順位ではなく、その会社が出している数字で確かめます。見る場所は、国の認定(ユースエール・くるみん・えるぼし⁠)⁠、厚生労働省のしょくばらぼ、若者雇用促進法で会社が出す離職者数・残業時間・有給の取得日数、そして求人票の固定残業代の書き方です。

この記事では、会社の順位は作りません。世の中のホワイト企業ランキングが何を数えているかを先に説明し、そのあと自分で確かめる方法を7つ並べます。

ホワイト企業ランキングは、何を数えているのか

「ホワイト企業ランキング」として知られるものの多くは、1つ⁠か2つ⁠の数字で会社を並べています。

よく引かれるものに、新卒で入った人が3年後に何割残っているかで並べた、東洋経済の定着率のランキングがあります。2025年6月30日の記事新卒の「3年後定着率」⁠が高い中堅企業ランキングは、東洋経済の『CSR企業総覧』2025年版にある雇用・人材活用のデータを使い、2021年4月⁠に新卒で入った人のうち、2024年4月1日⁠に在籍していた人の割合で並べています。対象は、3年平均の売上高が1,000億円未満で、新卒入社が3人以上⁠の526社です。

国の制度にも、順位ではないものの「優良」⁠と認めるしくみがあります。経済産業省の健康経営優良法人認定制度では、2026年3月9日⁠に大規模法人部門で3,765法人⁠、中小規模法人部門で23,085法人⁠が認定されました。大規模法人部門の上位には「ホワイト500」⁠の冠が付きます。

どれも意味のある数字です。ただ、定着率のランキングには残業や有給の数字は入っていませんし、健康経営の認定は従業員の健康づくりの取り組みを見るものです。自分が気にしていること(残業、休み、辞める人の多さ)⁠は⁠、次の7つ⁠の方法で、その会社の数字を直接見ます。

ホワイト企業の見分け方7選

1. ユースエール認定を受けているか

厚生労働省のユースエール認定制度は、若者の採用・育成に積極的で、雇用管理の状況が優良な中小企業(常時雇用する労働者300人以下⁠)⁠を厚生労働大臣が認定する制度です。認定の条件には、そのままホワイト企業の目安になる数字が並んでいます。

  • 離職:直近3事業年度に新卒などで正社員になった人の離職率が20%以下
  • 残業:前事業年度、正社員の月平均の所定外労働時間が20時間以下⁠。法定時間外労働が月平均60時間以上⁠の正社員がいない
  • 有給:前事業年度の正社員の取得率が平均70%以上⁠、または年間の取得日数が平均10日以上
  • 育休:直近3事業年度に男性の育休等の取得者が1人以上⁠、または女性の取得率が75%以上
  • 違反:重大な労働関係法令違反をしていない。過去1年⁠に会社都合の解雇や退職勧奨をしていない

認定を受けた会社は、毎年基準に合っているかの確認を受けます。若者雇用促進総合サイト⁠で認定企業を探せて、2026年10月13日⁠に見たときの掲載はユースエール認定企業2,171社でした。300人⁠を超える会社は対象外なので、大企業に認定がないのは当たり前です。

2. くるみん・えるぼしの認定を受けているか

くるみんは、次世代育成支援対策推進法にもとづき、行動計画の目標を達成し、一定の基準を満たした会社を「子育てサポート企業」として厚生労働大臣が認定するものです。より高い水準の「プラチナくるみん」⁠もあります。2025年4月1日から認定基準が改正されているので、認定の年も見ます。

えるぼしは、女性活躍推進法にもとづき、女性の活躍に関する取り組みが優良な会社を認定するものです。厚生労働省は、会社が公表する数字(男女の賃金の差異など)⁠を「女性の活躍推進企業データベース⁠」⁠に載せるのが最も適切だとしているので、応募先が載せているか探してみます。

どちらも規模や業種を問わず申請できます。子育てや、女性が長く働けるかを気にするなら、まずここを見ます。

3. しょくばらぼで職場情報を見る

厚生労働省のしょくばらぼ(職場情報総合サイト)⁠は⁠、勤務実態などの働き方や採用状況に関する会社の職場情報を、検索・比較できるサイトです。えるぼし・くるみんなどの認定の有無もまとめて見られ、複数の会社を一覧にして比べられます。

載っているのは、会社が自分で出した情報です。載っていない項目があっても、それだけで悪い会社とは言えません。気になる項目が空いていたら、それを会社に聞く質問にします。

4. 若者雇用促進法で会社が出す数字を見る

新卒を募集する会社には、若者雇用促進法で職場情報を出すしくみがあります。幅広く出すことが努力義務で、応募者などから求められたら、次の3つ⁠の類型それぞれについて1つ以上を出す義務があります。出典は厚生労働省の若者雇用促進法等に関する参考資料です。

類型 出す情報
募集・採用 過去3年間の新卒採用者数・離職者数、男女別の採用者数、平均勤続年数
職業能力の開発 研修の有無と内容、自己啓発支援、メンター制度、キャリアコンサルティング制度、社内検定など
雇用管理 前年度の月平均の所定外労働時間、有給休暇の平均取得日数、育休の対象者数・取得者数(男女別)⁠、役員・管理職に占める女性の割合

ホワイトかどうかを見るなら、まず「3年間の新卒採用者数と離職者数」⁠で⁠す⁠。比べる物差しとして、厚生労働省の新規学卒者の離職状況では、2022年3月⁠に卒業して就職した人の3年以内⁠の離職率は、大卒で33.8%⁠、高卒で37.9%でした。

残業は月平均の所定外労働時間を、業界の平均と比べます。業界ごとの平均は残業が少ない業界ランキング⁠にまとめました。有給は平均取得日数を見て、取得率の平均や業界別の数字は有給取得率の平均と業界別ランキング⁠で確かめられます。

5. 求人票の固定残業代の書き方を見る

固定残業代(みなし残業代)⁠がある求人では、厚生労働省が次の3つ⁠をすべて書くよう求めています⁠。若者雇用促進法にもとづく指針で決められていることです。

  1. 固定残業代を除いた基本給の額
  2. 固定残業代に関する労働時間数と金額などの計算方法
  3. 固定残業時間を超える時間外労働、休日労働、深夜労働に対して、割増賃金を追加で払うこと

「月給25万円(固定残業代含む)」だけで、時間数も金額も書いていない求人は、この3つ⁠がそろっていません。基本給がいくらで、何時間分の残業代が含まれていて、超えたらどうなるのかを、面接の前に確かめます。

6. 求人票の残業・休日・試用期間を見る

会社が人を募集するときは、業務内容、契約期間、試用期間、就業場所、就業時間、休憩、休日、時間外労働、賃金、加入保険などを明示する必要があります(厚生労働省労働者を募集する企業の皆様へ⁠)⁠。時間外労働の記入例は、「あり」⁠に月平均20時間⁠と時間を添える書き方です。

見るのは次の点です。

  • 時間外労働が「あり」⁠だ⁠け⁠で⁠、月平均の時間がない
  • 休日が「シフト制」⁠だ⁠け⁠で⁠、年間休日の日数がない
  • 試用期間中の給与や条件が、本採用後と違うのに書いていない

年間休日の平均や業界の差は、年間休日の記事⁠で説明しています。

7. 国が公表している違反事案に名前がないか見る

ここからはブラック企業の見分け方です。厚生労働省は長時間労働削減に向けた取組⁠のページで、「労働基準関係法令違反に係る公表事案⁠」⁠を公表しています。応募先の名前がないか確かめられます。

また、ハローワークは一定の労働関係法令違反があった事業所の新卒求人を、一定の期間受け付けません(若者雇用促進法の求人不受理)⁠。

公表事案に名前がなくても、問題がないという証明にはなりません。見つかったら、いつ、何の違反だったか、そのあと何を直したかを会社に聞きます。

隠れホワイト企業は、中小企業の数字で探す

知名度が低くても、数字の良い会社はあります。いわゆる隠れホワイト企業です。ただ、よく知られたランキングには入りにくい会社でもあります。たとえば上で紹介した定着率のランキングは、『CSR企業総覧』⁠に回答した会社のデータで作られていて、回答していない会社は最初から順位に出てきません。

中小企業を探すなら、300人以下⁠の会社が対象のユースエール認定がいちばんの手がかりです。認定企業のほかに、職場情報を出している一般企業も若者雇用促進総合サイト⁠で検索でき、採用・定着の状況や残業時間、有給の取得状況を見られます。取引先が会社や工場で、一般の人が名前を知らない会社(BtoBの会社)⁠も⁠、ここなら数字で比べられます。

口コミ・OB訪問・面接は、数字の答え合わせに使う

口コミサイトやOB・OG訪問、面接で聞く話は、会社が出す数字では見えないこと(部署ごとの忙しさ、上司との関係、繁忙期の実際⁠)⁠を知るのに役立ちます。

使うときは、次の点に気をつけます。

  • 口コミは、書かれた時期と部署を見る。数年前の話や、1つ⁠の部署の話のことがあります
  • 会社が出している数字(残業の月平均、有給の取得日数)⁠と比べて、大きく違うところを聞く質問にする
  • OB・OG訪問では「繁忙期の残業は月何時間くらいか」「有給は何日くらい取っているか」のように、その人の数字を聞く

口コミと会社の数字が食い違うときは、どちらが正しいかを決めつけず、その点を会社に聞きます。

ブラック企業かもしれない、と思ったときに見る点

ここまでの7つを、避けたい側から並べ直すと次のようになります。1つ当てはまるだけで決めつけず、会社に聞いて答えを確かめます。

見る点 気をつけたい書き方・答え方
固定残業代 基本給と固定残業代の内訳、時間数、超えた分の支払いが書いていない
残業 「あり」⁠だ⁠け⁠で月平均がない。聞いても数字が出てこない
離職 3年間の新卒採用者数・離職者数を聞いても答えない
休日 年間休日の日数がない。「休みは取りやすい」だけで数字がない
違反 厚生労働省の公表事案に名前がある

若者雇用促進法では、情報を求めたことを理由に不利益な扱いをしないよう、会社に求めています。離職者数や残業時間を聞くことは、失礼なことではありません。

わからないことは、会社に聞く

ランキングにもしょくばらぼにも載っていない会社はたくさんあります。中小企業ほど数字を出していないことが多く、出していないからブラックとは限りません。

そのときは、気になることを質問の形にして会社に聞くのがいちばん早い方法です。「直近3年⁠の新卒の採用者数と離職者数は」「正社員の月平均の残業時間は」「有給の平均取得日数は」のように、数字で答えられる聞き方にすると、答えも比べやすくなります。面接で聞きにくいことは、このサイトの会社に質問するから、名前を出さずに送れます。

よくある質問

ホワイト企業ランキングは信用できますか?

ランキングごとに、何の数字で並べたかが違います。たとえば東洋経済の「3年後定着率」ランキングは、2021年4月⁠の新卒入社者のうち2024年4月1日⁠に在籍していた割合で並べたものです。定着率は大事な数字ですが、残業や有給、給与は入っていません。順位を見るより、気になる会社の数字を自分で確かめるほうが確かです。

ホワイト企業かどうかを、求人票のどこで見分けますか?

固定残業代の書き方、時間外労働の月平均、年間休日、試用期間の条件を見ます。固定残業代がある場合、基本給の額、固定残業代の時間数と金額、それを超えた分を追加で払うこと、の3つ⁠を書くよう厚生労働省が求めています。3つ⁠がそろっていない求人は、面接の前に確かめます。

ユースエール認定企業とは何ですか?

若者の採用・育成に積極的で、雇用管理の状況が優良な中小企業(常時雇用する労働者300人以下)を、厚生労働大臣が認定する制度です。新卒者などの直近3事業年度の離職率20%以下⁠、正社員の月平均の所定外労働時間20時間以下⁠、有給の取得率平均70%以上または年10日以上などが条件です。

ホワイト企業かどうか調べる方法は?

国の認定(ユースエール・くるみん・えるぼし・健康経営優良法人⁠)⁠を受けているか、厚生労働省の「しょくばらぼ」⁠と「若者雇用促進総合サイト」⁠に出している職場情報(離職者数・残業・有給)⁠を見ます。新卒を募集する会社は、応募者から求められたら、採用・定着の状況、研修などの状況、残業や有給などの状況を、それぞれ1つ以上出す義務があります(若者雇用促進法)⁠。

隠れホワイト企業の特徴は?

知名度は低くても、離職者数・残業時間・有給の取得日数といった数字が良い会社です。有名なランキングは大企業の回答データで作られていることが多く、中小企業は入りにくくなります。中小企業なら、300人以下⁠の会社が対象のユースエール認定と、若者雇用促進総合サイトでの検索が手がかりになります。

まともな会社とそうでない会社はどう見分けますか?

求人票に固定残業代の内訳(基本給の額・時間数と金額・超えた分の支払い)や残業の月平均が書いてあるか、離職者数や残業時間を聞いたときに数字で答えるかを見ます。厚生労働省は、労働基準関係法令に違反して送検された事案を公表しているので、応募先の名前がないかも確かめられます。

気になる会社の「ホント」⁠を⁠、会社に聞いてみませんか。

残業、休み、評価のしかた、職場の雰囲気。求人票に書いていないことを質問すると、会社に回答をお願いして、届いた答えをこのサイトに載せます。まだ載っていない会社にもリクエストできます。無料で、名前やメールアドレスは会社に伝わりません。

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