会社に質問する無料・名前は会社に伝わりません

オファー面談とは:確認事項・条件交渉・労働条件の明示

・ナギサコーポレーション(運営)

この記事の答え

  • オファー面談は内定後に条件を確かめる場。法律の手続きではないが、会社は労働基準法15条⁠で労働条件を明示する義務があり、賃金や労働時間などは書面で示す
  • 令和7年転職者実態調査では、会社が転職者の賃金を決めるときに考えた要素は「これまでの経験・能力・知識」⁠が59.2%⁠で最多。最も重視した要素でも38.4%で1位
  • 転職後の満足度D.I.は賃金が22.2ポイントで、11項目⁠の中で最も低い。給与の内訳と決め方を面談で確かめておく

口コミや求人票ではわからないことは、会社に直接聞けます。まだ載っていない会社にも質問をリクエストできます。名前は会社に伝わりません。

気になる会社に質問をリクエストする

オファー面談は、内定のあとに会社が給与や仕事の条件を伝え、応募者が質問する場です。法律で決まった手続きではありません。ただ、会社は労働基準法15条⁠で労働条件を明示する義務があり、賃金や労働時間などは書面で示します。2024年4月からは、就業場所と業務の「変更の範囲」⁠も明示する事項に入りました。

厚生労働省の令和7年転職者実態調査では、会社が転職者の賃金を決めるときに考えた要素は「これまでの経験・能力・知識」⁠が59.2%⁠で最も多い結果でした。一方、転職した人の満足度は、賃金の項目が最も低くなっています。面談では、金額だけでなく、その額になった理由と内訳を聞いておきます。

法令と統計は、厚生労働省の公表資料と法令データで2026年10月25日⁠に確かめました。条件をどこまで変えられるかは会社ごとに違います。この記事は、面談で何を聞き、何を書面で確かめるかの整理です。

オファー面談とは:選考ではなく条件を確かめる場

オファー面談という言葉は、法律や公的な統計には出てきません。会社によって、条件面談、処遇面談などと呼び方が変わります。中身はおおむね同じで、内定を出した人に条件を説明し、疑問に答える場です。

選考の面接では、会社が応募者を見ます。オファー面談では、応募者が会社を見る番です。入社するかを決めるのに足りない情報があれば、ここで聞きます。

内定前の面談かどうかを先に確かめる

内定を出す前に「最終確認」⁠と⁠し⁠て面談を入れる会社もあります。その場合は選考の一部です。案内のメールで、内定がすでに出ているのか、面談のあとに出るのかを確かめます。

内定が出ているなら、内定通知書や採用条件の書面が届いているはずです。内定通知書と労働条件通知書を受け取ったら、何を見るかは内定通知書の見方⁠で説明しています。

オファー面談の前に準備すること

面談の前に、今の条件を手元で確かめておきます。比べる基準がないと、提示された額が高いのか低いのか判断できません。

準備するもの 確かめること
直近の給与明細 基本給、手当、残業代の内訳
前年の源泉徴収票 賞与を含む1年分の支払金額
就業規則・契約書 今の休日、勤務時間、退職の申出の期限
求人票と募集要項 応募時に示された給与の幅と条件
選考中のメモ 面接で聞いた配属や仕事の話

今の会社をいつ辞められるかは、就業規則の退職の項目で確かめます。入社日の相談をするときに、この日付が要ります。

「想定年収」⁠の中身を分ける

提示の書面に「想定年収」⁠と書かれていることがあります。月給の12か月分に、賞与や残業代の見込みを足して示すことがあります。その場合、約束された額とは限りません。

面談では、想定年収を「毎月必ず払われる額」「賞与の見込み」「残業代の見込み」⁠に分けて説明してもらいます。賞与は業績や評価で変わるか、残業代は何時間を前提にした額かを聞きます。今の給与と比べるときも、同じ分け方で並べます。

会社が明示しなければならない労働条件

労働基準法15条は、労働契約を結ぶときに、使用者が賃金、労働時間その他の労働条件を、明示しなければならないと定めています。細かい項目は、労働基準法施行規則5条⁠に並んでいます。

明示する項目 書面で示すもの
契約の期間 書面で示す
有期契約の更新の基準と上限 書面で示す
就業場所と業務、その変更の範囲 書面で示す
始業と終業の時刻、残業の有無、休憩・休日・休暇 書面で示す
賃金の決め方、計算と支払いの方法、締切と支払日 書面で示す
昇給 口頭でもよい
退職に関すること(解雇の事由を含む) 書面で示す
退職手当、賞与、休職など 定めがあれば明示する

出典:労働基準法施行規則5条⁠。e-Govの法令データで2026年10月25日⁠に確認。表は条文を短くまとめたものです。

書面で示す項目は、本人が希望すればファクシミリや電子メールなどでも受け取れます。面談で口頭の説明だけを受けて終わったら、書面かメールで同じ内容をもらえるよう頼みます。

同じ条には、明示した労働条件を、事実と違うものにしてはならないとも書かれています。また労働基準法15条2項は、明示された条件が事実と違う場合、労働者は即時に契約を解除できるとしています。

2024年4月からの明示ルール

厚生労働省の明示ルールの案内⁠とリーフレットでは、2024年4月から次の事項が加わったと説明しています。

対象 加わった明示事項
すべての労働契約 就業場所・業務の変更の範囲
有期契約の締結と更新 更新上限の有無と内容
無期転換の権利が生じる更新 無期転換を申し込めること
無期転換の権利が生じる更新 無期転換後の労働条件

出典:厚生労働省、2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました(リーフレット)⁠。2026年10月25日確認。

「変更の範囲」⁠は⁠、将来の配置転換などで変わりうる、就業場所と業務の範囲のことです。入社直後の勤務地だけでなく、将来どこまで動く可能性があるかが書かれます。転勤を避けたい人は、ここを必ず見ます。

有期契約のオファーなら更新の条件を聞く

契約社員など、期間の定めがある契約で採用されることもあります。その場合は、契約期間、更新するかどうかの基準、更新上限の有無を見ます。2024年4月からは、更新上限の有無と内容も書面で示す事項です。

同じ会社との有期契約が通算5年⁠を超えると、本人の申込みで、期間の定めのない契約に変わります。無期転換と呼ばれる仕組みです。転換の権利が生じる更新のときには、申込みができることと転換後の条件も明示されます。正社員への登用の制度があるなら、これまでの実績も聞いておきます。

会社は転職者の賃金をどう決めているか

厚生労働省の令和7年転職者実態調査は、常用労働者5人以上⁠の事業所と、そこで働く転職者を対象にした調査です。令和7年10月1日現在の状況を調べ、令和8年9月25日⁠に公表されました。

転職者がいる事業所に、転職者の賃金を決めるときに、考えた要素を聞いています(複数回答)⁠。多い順に並べました。

順位 賃金決定の際に考慮した要素 事業所の割合
1 これまでの経験・能力・知識 59.2%
2 年齢 35.3%
3 賃金の世間相場 34.2%
4 免許・資格 30.6%
5 前職の賃金 27.0%
6 その他 17.9%
7 学歴 12.0%

出典:厚生労働省、令和7年転職者実態調査の概況、表5。転職者がいる事業所を100とした割合(複数回答)⁠。

最も重視した要素を1つだけ選んだ図2では、経験・能力・知識が38.4%⁠で1位でした。次いで賃金の世間相場19.1%⁠、その他12.8%⁠、前職の賃金9.2%⁠、免許・資格8.1%⁠、年齢7.6%⁠、学歴1.2%です。

前職の賃金を考えた事業所は27.0%で、最も重視したのは9.2%です。前の会社の給与がそのまま基準になるとは限りません。交渉するなら、前職の額より、自分の経験が新しい仕事のどこで役立つかを、具体的に話すほうが、会社が見ている点と合います。

規模が大きいほど、考える要素が増える

同じ表5を事業所の規模別に見ると、経験・能力・知識を考えた割合は、規模が大きいほど高くなっています。

事業所規模 経験・能力・知識 前職の賃金 年齢 学歴
1,000人以上 85.2% 48.1% 54.0% 45.1%
300〜999人 76.9% 43.0% 52.3% 32.8%
100〜299人 70.7% 37.7% 48.0% 22.4%
30〜99人 63.3% 31.3% 37.9% 14.9%
5〜29人 56.6% 24.4% 33.1% 9.8%

出典:同調査、表5の事業所規模別の行。転職者がいる事業所を100とした割合(複数回答)⁠。

大きい事業所では、前職の賃金や年齢、学歴も考えに入れる割合が高くなります。考える要素が多いほど、提示額の理由も複数あるはずです。面談では「どの等級に当てはめたのか」「等級の幅の中でどこにいるのか」⁠を聞くと、交渉の余地が見えます。

小さい事業所は、賃金の世間相場を考えた割合が36.4%で、大きい事業所より高い値です。相場の数字を自分で調べて持っていくと、話がかみ合いやすくなります。職種と年齢が近い人の賃金を、公的な統計や求人票の給与の幅で調べておきます。同じ職種の求人を何件か並べると、提示額が相場のどのあたりかが分かります。

転職後の満足度:賃金が最も低い

同じ調査の個人調査では、転職した人に、今の勤め先の満足度を11の項目で聞いています。満足度D.I.は、「満足」⁠と「やや満足」⁠の割合から、「不満」⁠と「やや不満」⁠の割合を引いた値です。高い順に並べました。

順位 満足度の項目 満足度D.I.
1 通勤の便 58.0
2 仕事内容・職種 57.8
3 会社の規模・知名度 52.3
4 人間関係 48.7
5 安全や衛生等の職場環境 48.5
6 労働時間・休日・休暇 47.9
7 職業生活全体 44.0
8 福利厚生 38.1
9 会社の将来性 35.3
10 役職 32.6
11 賃金 22.2

出典:厚生労働省、令和7年転職者実態調査の概況、図4・表14。単位はポイント。転職者の回答です。

賃金に「満足」「やや満足」⁠と答えた人は49.8%でした。一方、「不満」「やや不満」⁠は27.6%で、ほかの項目より多くなっています。男性のD.I.は27.2ポイント⁠、女性は16.7ポイントです。

反対に、仕事内容・職種は満足が68.7%⁠、不満が10.9%で、57.8ポイントでした。職業生活全体のD.I.は44.0ポイントで、正社員は43.3ポイント⁠、正社員以外は50.5ポイントです。仕事の中身には満足していても、給与には納得しきれていない人がいる、という並びになっています。面談では、仕事内容の説明と同じくらいの時間を、給与の説明に使ってもらうよう頼んでかまいません。

この数字は、転職で給与が下がった人だけの回答ではありません。満足していない理由までは調査に書かれていません。それでも、入ってから給与に不満を持つ人が、一定数いることは読み取れます。面談で内訳と昇給の仕組みを確かめておくのは、そのためです。

オファー面談で聞いておくこと

面談の時間は限られます。聞くことを先に書き出し、答えをその場でメモします。

分類 聞くこと
給与 基本給、手当の内訳、固定残業代の有無と時間
賞与 支給月、算定の方法、前年度の実績
昇給 時期、評価の仕組み、等級の考え方
勤務地 入社時の場所、変更の範囲、転勤の頻度
業務 最初の担当、変更の範囲、配属先の人数
時間 始業・終業、残業の見込み、休日の決まり方
試用期間 期間の長さ、その間の条件の違い
入社日 開始の日、今の会社の退職日との調整

固定残業代があるときは、何時間分で、いくらか、超えた分はどう払うかを聞きます。仕組みは固定残業代の記事にあります。賞与は、前年度の実績と、契約で約束される条件を分けて聞きます。

配属先の様子は具体的に聞く

「どんな雰囲気ですか」⁠と聞いても、答えは広くなります。配属先の人数、上司が誰か、入社後に最初に任される仕事、相談相手を聞きます。可能なら、配属先の人と話す機会がないか頼みます。

働き方の数字は、会社の平均と配属先で違うことがあります。残業の時間や有給休暇の取得日数を聞くときは、「会社全体」⁠と「配属予定の部署」⁠を分けて聞きます。

条件交渉の進め方

交渉はしてかまいませんが、会社が応じる義務はありません。言い方と根拠で、通りやすさが変わります。

  1. 提示された条件を、書面で全部受け取る
  2. 今の給与の内訳を、明細で確かめておく
  3. 自分の経験が新しい仕事で役立つ点を整理する
  4. 希望の額と、譲れる下限を決めておく
  5. 金額が難しければ、入社日や手当、役割で調整できないか聞く
  6. 合意した内容を、書面で受け取り直す

希望の額を伝えるときは、【希望額】⁠の根拠として、担当する仕事と自分の経験を結びつけます。前職の給与だけを理由にすると、会社が見ている点からずれます。調査でも、前職の賃金を最も重視した事業所は9.2%でした。

他社の内定と比べて交渉する場合は、事実だけを伝えます。条件をふくらませて伝えると、後で食い違います。

承諾したあとで迷ったら

内定を承諾したあとでも、入社前なら辞退はできます。ただ、会社は入社の準備を進めています。辞退を決めたら、できるだけ早く電話で伝え、そのあとメールでも送ります。

迷いの多くは、面談で聞き残したことから生まれます。承諾の前に、気になっている点を全部聞いておくほうが、後で悩む時間を減らせます。

返事の期限を確かめる

面談のあと、内定を受けるかの返事を求められます。期限がいつかを確かめ、足りなければ延ばせないか相談します。迷っている点が何かを伝えると、追加の説明をもらえることもあります。

書面で確かめるときの見方

面談で聞いた内容と、届いた書面を並べて見ます。食い違いがあれば、入社を決める前に問い合わせます。

面談のメモ 書面で見る箇所
月給と手当の額 賃金の項目、内訳
固定残業代の時間 賃金の項目、注記
勤務地と転勤の話 就業場所、変更の範囲
担当業務 従事する業務、変更の範囲
残業の見込み 所定時間外労働の有無
試用期間の条件 契約の期間、試用期間の記載

入社してから、書面と実際の条件が違うと分かることもあります。労働基準法15条2項は、その場合に、労働者が即時に契約を解除できるとしています。就業のために住居を変えた人が、解除の日から14日以内⁠に帰郷するときは、会社が必要な旅費を負担すると3項⁠にあります。ただ、すぐに辞めるより先に、どこが違うのかを書面と給与明細で示して、会社に説明を求めるのが現実的です。

雇用契約書と労働条件通知書の違いや、もらえないときの頼み方は雇用契約書の記事で説明しています。

その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめる

面談での説明は、会社が伝えたい内容が中心になります。公開されている数字と合わせて読むと、聞くべき点が見えてきます。

厚生労働省のしょくばらぼでは、掲載企業の平均勤続年数、月平均の残業時間、有給休暇の取得日数などを見られます。求人票の条件と見比べ、違いがあれば面談で聞きます。面接で聞く質問の作り方は面接の逆質問で整理しています。

よくある質問

オファー面談とは何ですか?

内定や内定に近い段階で、会社が給与、仕事内容、勤務地などの条件を伝え、応募者が質問する場です。法律で決まった手続きではなく、名前も会社によって違います。選考の面接とは目的が違い、条件を確かめて入社するかを決めるために使います。

オファー面談で落ちることはありますか?

内定を出したあとの面談なら、選考の場ではありません。ただし、内定の前に行う会社もあるため、案内の段階で内定が出ているかを確かめます。内定が出たかどうかは、内定通知書などの書面で確認します。

オファー面談で年収の交渉はできますか?

交渉はできますが、会社が応じる義務はありません。厚生労働省の令和7年転職者実態調査では、会社が転職者の賃金を決めるときに考えた要素は経験・能力・知識が59.2%⁠で最も多く、前職の賃金は27.0%でした。経験と担当する仕事を結びつけて話します。

労働条件は口頭の説明だけでいいのですか?

労働基準法15条⁠と労働基準法施行規則5条で、契約期間、就業場所と業務、労働時間、賃金、退職に関することなどは書面で明示します。本人が希望すれば電子メールなどでも受け取れます。面談の説明と書面が一致しているかを見ます。

2024年4月から何が変わりましたか?

厚生労働省のリーフレットによると、すべての労働契約の締結時と有期契約の更新時に、就業場所と業務の、変更の範囲を明示することになりました。有期契約では、更新上限の有無と内容も明示します。

転職した人は賃金に満足していますか?

令和7年転職者実態調査の満足度D.I.(満足の割合から不満の割合を引いた値)⁠は⁠、賃金が22.2ポイント⁠で11項目⁠の中で最も低い値です。仕事内容・職種は57.8ポイント⁠、通勤の便は58.0ポイントでした。

気になる会社の「ホント」⁠を⁠、会社に聞いてみませんか。

残業、休み、評価のしかた、職場の雰囲気。求人票に書いていないことを質問すると、会社に回答をお願いして、届いた答えをこのサイトに載せます。まだ載っていない会社にもリクエストできます。無料で、名前やメールアドレスは会社に伝わりません。

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