大阪府の最低賃金は、令和8年(2026年)10月1日から時間額1,231円です。前年度の1,177円から54円上がりました。引上げ率は4.6%です。47都道府県の改定額では、東京の1,280円、神奈川の1,279円に次ぐ3番目で、近畿2府4県では最も高い額です。
10月1日より後に大阪府内の事業場で働いた時間は、1,231円以上で支払われていなければなりません。
ただし、求人の時給が1,231円を少し上回っているだけでは、その会社が働きやすいかどうかは分かりません。大阪府の会社の残業時間や有給休暇の取得率は、大阪府の会社を採用の数字で比べるで並べて見られます。大阪市・堺市・東大阪市など市ごとの比較表もあります。求人票の時給と、比較表の数字を合わせて判断します。
大阪府の最低賃金は時間額1,231円
厚生労働省の令和8年度の地域別最低賃金の全国一覧と、大阪労働局の大阪府の最低賃金のお知らせで、2026年10月25日に数字を確かめました。
| 項目 |
大阪府 |
| 時間額(令和8年度) |
1,231円 |
| 令和7年度の時間額 |
1,177円 |
| 引上げ額 |
54円 |
| 引上げ率 |
4.6% |
| 発効日 |
2026年10月1日 |
| 全国の順位 |
3番目 |
出典:厚生労働省、令和8年度の地域別最低賃金の全国一覧(表番号なし)。順位は47都道府県の改定額を高い順に数えたもので、同額は同順位として扱います。
前年度の大阪は1,177円で、これは令和8年度の全国加重平均1,177円と同じ額です。今年度の大阪は全国加重平均を54円上回っています。
引上げ額の54円は、東京・神奈川と並んで全国で最も小さい額です。引上げ率の4.6%も、全国加重平均の5.0%を下回りました。
今年度の額が決まるまでの流れも、大阪労働局の報道発表で追えます。令和8年8月5日に54円引き上げて時間額1,231円とする答申を発表し、8月21日には、異議の申出について答申どおり決定することが適当とする答申を発表しました。そのうえで10月1日に発効しています。
前年度の発効日は10月16日でした。今年度は10月1日なので、9月の終わりと10月の初めで適用額が変わります。給与の締め日が月の途中の会社では、9月30日までに働いた分は1,177円、10月1日以降の分は1,231円と分けて確かめます。
大阪府の最低賃金の推移と毎年の上げ幅
大阪労働局は大阪府最低賃金額の推移を昭和54年度から公表しています。平成28年度以降を抜き出し、前年度との差を引上げ額として足しました。
| 年度 |
時間額 |
前年度との差 |
発効日 |
| 平成28年度 |
883円 |
25円 |
2016-10-01 |
| 平成29年度 |
909円 |
26円 |
2017-09-30 |
| 平成30年度 |
936円 |
27円 |
2018-10-01 |
| 令和元年度 |
964円 |
28円 |
2019-10-01 |
| 令和2年度 |
964円 |
0円 |
据え置き |
| 令和3年度 |
992円 |
28円 |
2021-10-01 |
| 令和4年度 |
1,023円 |
31円 |
2022-10-01 |
| 令和5年度 |
1,064円 |
41円 |
2023-10-01 |
| 令和6年度 |
1,114円 |
50円 |
2024-10-01 |
| 令和7年度 |
1,177円 |
63円 |
2025-10-16 |
| 令和8年度 |
1,231円 |
54円 |
2026-10-01 |
出典:大阪労働局、大阪府最低賃金額の推移(表番号なし)。前年度との差は、表の時間額から計算しました。令和2年度は改定されず、令和元年10月1日発効の964円が続きました。
令和4年度に初めて1,000円を超え、令和7年度は63円と、この10年で最も大きく上がっています。平成28年度から令和8年度の10年間の上げ幅は348円です。
推移の表は、平成14年度に日額が廃止されたことも記しています。それより前は日額と時間額の両方が決められていました。
近畿2府4県と比べる
近畿の6府県を、令和8年度の全国一覧から並べました。
| 府県 |
改定後 |
改定前 |
引上げ額 |
発効日 |
| 大阪 |
1,231円 |
1,177円 |
54円 |
2026-10-01 |
| 京都 |
1,180円 |
1,122円 |
58円 |
2026-11-16 |
| 兵庫 |
1,172円 |
1,116円 |
56円 |
2026-10-01 |
| 滋賀 |
1,136円 |
1,080円 |
56円 |
2026-10-03 |
| 奈良 |
1,107円 |
1,051円 |
56円 |
2026-10-04 |
| 和歌山 |
1,101円 |
1,045円 |
56円 |
2026-10-03 |
出典:厚生労働省、令和8年度の地域別最低賃金の全国一覧(表番号なし)。
京都は11月16日の発効です。2026年10月29日の時点で京都府内の事業場に適用されるのは、改定前の1,122円です。大阪と京都の差は、改定後で比べると51円、10月29日時点の適用額で比べると109円になります。
奈良や兵庫から大阪へ通う人は、大阪の1,231円が適用されます。住所ではなく、働く事業場の所在地で決まります。派遣の場合は派遣先の事業場がある府県の額です。
47都道府県の一覧は最低賃金ランキング2026年度で見られます。
大阪府の特定最低賃金:7件の時間額
特定最低賃金は、関係する労使が府の最低賃金より高い水準が必要と認めた産業に設けられます。大阪労働局のページに載っている7件は次のとおりです。
| 特定最低賃金の件名 |
時間額 |
効力発生日 |
| はん用機械器具、生産用機械器具、業務用機械器具製造業ほか(船舶製造・修理業などを含む) |
1,197円 |
2025-12-01 |
| 電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具、情報通信機械器具製造業 |
1,197円 |
2025-12-04 |
| 自動車・同附属品製造業 |
1,194円 |
2025-12-01 |
| 塗料製造業 |
1,191円 |
2025-12-04 |
| 鉄鋼業 |
1,185円 |
2025-12-01 |
| 非鉄金属・同合金圧延業、電線・ケーブル製造業 |
1,180円 |
2025-12-01 |
| 自動車小売業 |
令和7年度の改正なし |
府の最低賃金を適用 |
出典:大阪労働局、大阪府の最低賃金のお知らせの最低賃金一覧(表番号なし)。
7件とも1,231円を下回っています。府の最低賃金と特定最低賃金の両方がかかるときは高いほうを払うので、10月1日からはどの業種でも1,231円が下限です。最も高い1,197円の業種でも34円の差があります。
自動車小売業は1,232円の意見
大阪地方最低賃金審議会は令和8年10月16日、大阪府自動車小売業最低賃金を1時間1,232円とする意見を出しました。大阪労働局の公示では、効力発生の日を法定どおりとしていて、令和8年12月17日です。異議の申出の期限は11月2日で、公示の時点では決定前です。
決まれば、自動車小売業(二輪自動車小売業を除く)で働く人の下限は、府の最低賃金より1円高い1,232円になります。18歳未満または65歳以上の人、雇入れ後3か月未満で技能を習得中の人、清掃や片付けを主にする人は対象外で、1,231円が適用されます。
時給1,231円で働くと、月いくらになるか
フルタイムとパートの二つの働き方で計算しました。手取りではなく、税金や社会保険料を引く前の額です。
| 働き方の前提 |
計算 |
1か月 |
| 1日8時間・月21日(168時間) |
1,231円 × 168時間 |
206,808円 |
| 同じ時間で改定前の額 |
1,177円 × 168時間 |
197,736円 |
| 1日5時間・月16日(80時間) |
1,231円 × 80時間 |
98,480円 |
月168時間なら、改定前より9,072円増えます。残業代、深夜手当、通勤手当はこの額に入っていません。
月給制で働く人は、会社の1か月平均所定労働時間で月給を割ります。所定労働時間が168時間の会社なら、最低賃金の対象となる月給が206,808円より少ないと下回っています。月給・日給からの直し方は時給の計算と最低賃金との比べ方にあります。
大阪府で働く人の平均的な給与は、大阪府の平均年収で年齢別・業種別に確かめられます。
計算から外す手当:精皆勤手当や通勤手当
厚生労働省の最低賃金特設サイトの対象となる賃金によると、最低賃金と比べる賃金から次のものを除きます。
- 結婚手当など、臨時に支払われる賃金
- 賞与など、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
- 時間外割増賃金など、所定労働時間を超える労働の賃金
- 休日割増賃金など、所定労働日以外の労働の賃金
- 深夜割増賃金など、午後10時から午前5時の労働の賃金のうち通常の賃金を超える部分
- 精皆勤手当、通勤手当、家族手当
大阪労働局のページも同じ4つの区分で、最低賃金に含まない賃金を示しています。たとえば時給1,200円に皆勤手当を足して1,231円を超えても、最低賃金は満たしていません。
大阪府で最低賃金を下回っていたら
最初に、自分で計算をやり直します。働いた日が10月1日以降か、除く手当を外したか、所定労働時間は労働条件通知書のとおりか、の3点です。
それでも1,231円に届かないときは、会社の担当者に計算の根拠を聞きます。解決しなければ、大阪労働局の労働基準部賃金課か、勤務先を受け持つ労働基準監督署に相談できます。監督署の一覧と管轄は、大阪労働局の労働基準監督署からのお知らせから確かめられます。相談に持って行くものは労働基準監督署に相談するにはで整理しています。
大阪労働局は、最低賃金より低い賃金を労使で決めても法律により無効となり、最低賃金と同額を定めたものとみなされると説明しています。
求人票の時給と、会社ごとの残業・有給を並べて見る
最低賃金は「これより下は払えない」という線です。同じ1,250円の求人でも、毎月の残業が多い会社と、有給休暇をほぼ取れる会社では、働き方が大きく違います。
求人票では時給と所定労働時間、手当の内訳を確かめます。残業や有給休暇の数字は、大阪府の会社が厚生労働省のしょくばらぼに出しているものを、カイシャのホントで会社ごとに並べています。
大阪府の比較表に名前がない会社は数字を公表していないので、面接で残業と有給休暇の実績を聞いておきます。
出典