労働組合の組織率は16.0%、労働組合員数は992万7千人です。厚生労働省「令和7年労働組合基礎調査」の令和7年6月30日現在の数字です。パートタイム労働者の推定組織率は8.8%でした。最新公表資料を2026年10月22日に確認しました。応募先では、組合の有無だけでなく、自分が加入対象か、労働条件について誰に相談できるかを確かめます。
組織率は、組合がある会社の割合ではありません。雇われて働く人のうち、組合員がどれだけいるかという割合です。「日本の会社の16.0%に組合がある」と読み替えると、分母が変わってしまいます。
組織率16.0%の分母は雇用者6,205万人
調査で数えた労働組合員数を、総務省統計局「労働力調査」の雇用者数で割ったものが推定組織率です。全体の数字には、民間だけでなく公務の職員団体なども含まれます。
| 指標 |
令和7年の値 |
| 労働組合員数(単一労働組合) |
992万7千人 |
| 雇用者数 |
6,205万人 |
| 推定組織率 |
16.0% |
| 女性の労働組合員数 |
354万5千人 |
| 女性の推定組織率 |
12.3% |
出典:厚生労働省「令和7年労働組合基礎調査の概況」第1表「労働組合数、労働組合員数及び推定組織率の推移」。雇用者数は労働力調査の令和7年6月分原数値。
女性の12.3%は、女性雇用者に占める女性組合員の割合です。組合員全体に占める女性の割合ではありません。男女の比率を比べるときにも、何を分母にしているかをそろえます。
推定組織率は、調査で得た組合員数と、別の統計である労働力調査の雇用者数を組み合わせています。掲載された人数には端数処理があります。表に出た丸め済み人数から計算し直した値で、公表率を置き換えないことです。
平均や中央値という指標でもありません。組合員の人数が雇用者の人数に対してどれだけいるかを示す比率です。組織率が高い集団でも、すべての人が組合員というわけではなく、実際の加入対象は個別に確認します。
組合員は増えたのに、なぜ組織率は下がったのか
令和7年の組合員は、前年より1万5千人増えています。しかし、雇用者数も増えたため、雇用者全体に占める組合員の割合は下がりました。人数の増減と比率の増減は、同じ方向になるとは限りません。
| 指標 |
令和6年 |
令和7年 |
| 労働組合員数 |
991万2千人 |
992万7千人 |
| 雇用者数 |
6,139万人 |
6,205万人 |
| 推定組織率 |
16.1% |
16.0% |
出典:同調査第1表。組合員は単一労働組合、雇用者は各年6月の原数値。
「組織率が低下したので、組合員も減った」と説明するのは誤りです。人数そのものを知りたいときと、雇用者全体への広がりを知りたいときで、使う列を分けます。
この数字だけから、組合への関心が薄れた理由や、労働条件が悪化した理由を決めることもできません。産業や企業規模などの分布を示す調査であって、加入しなかった人の気持ちを尋ねた結果ではないためです。
企業規模別ランキング:大きい企業ほど組織率が高い
次は民営企業だけの集計です。規模は、働く店舗や営業所の人数ではなく企業全体の規模です。令和7年6月30日現在の単位労働組合による推定組織率を、高い順に並べました。
| 順位 |
企業規模 |
推定組織率 |
| 1 |
1,000人以上 |
38.7% |
| 2 |
100〜999人 |
9.9% |
| 3 |
99人以下 |
0.7% |
出典:同調査第4表「企業規模別(民営企業)労働組合員数及び推定組織率」。原表の推定組織率は100〜999人、99人以下のまとまりで示されているため、その区分で掲載。
原表では組合員数がさらに細かく分かれていますが、推定組織率の分母は同じ細かさではありません。組合員数が載っているからといって、各行に独自の組織率を作ってはいません。
小さい企業に勤める人は、会社内に組合があるかだけでなく、会社外の労働相談先も確認します。大企業へ応募する人も、グループのどこに組合があるか、自分の雇用主や雇用形態が加入対象かを聞きます。
同じ企業であっても、正社員と有期雇用、職種、役職などで加入の扱いが違うことがあります。採用ページに組合の記載があるだけで、自分も同じ仕組みを利用できると決めないことです。
規模別の組合員数は、企業規模不明などを含む
令和7年の民営企業の単位労働組合員数は、合計874万2千人です。うち1,000人以上は596万7千人、300〜999人は106万8千人、100〜299人は52万6千人、30〜99人は15万8千人、29人以下は2万人です。
このほかに「その他」が100万2千人あります。資料では、複数企業の労働者で組織される単位労働組合や、企業規模不明の単位労働組合の組合員を含むと説明しています。会社の人数区分だけを足して、すべての組合員を振り分けたと扱うことはできません。
出典:同調査第4表。人数は千人単位の公表値を、値を変えずに万人・千人の表記にしています。
産業別ランキング:複合サービス52.5%、電気・ガス等49.0%
令和7年6月30日現在、単位労働組合による産業別の推定組織率です。分類不能の産業には推定組織率が示されていないため、順位に含めていません。公務を含む公表産業の数字を、高い順に並べました。
| 順位 |
産業 |
推定組織率 |
| 1 |
複合サービス事業 |
52.5% |
| 2 |
電気・ガス・熱供給・水道業 |
49.0% |
| 3 |
金融業・保険業 |
46.4% |
| 4 |
公務(他に分類されるものを除く) |
28.1% |
| 5 |
鉱業・採石業・砂利採取業 |
27.0% |
| 6 |
製造業 |
26.4% |
| 7 |
運輸業・郵便業 |
24.0% |
| 8 |
建設業 |
20.2% |
| 9 |
卸売業・小売業 |
16.4% |
| 10 |
教育・学習支援業 |
12.0% |
| 11 |
情報通信業 |
11.5% |
| 12 |
宿泊業・飲食サービス業 |
11.0% |
| 13 |
生活関連サービス業・娯楽業 |
6.9% |
| 14 |
学術研究・専門・技術サービス業 |
6.6% |
| 15 |
不動産業・物品賃貸業 |
5.7% |
| 16 |
医療・福祉 |
5.3% |
| 17 |
サービス業(他に分類されないもの) |
4.9% |
| 18 |
農業・林業・漁業 |
1.5% |
出典:同調査の第3表、産業別労働組合員数及び推定組織率。各産業の雇用者数を分母とする推定率。組合員の産業分類と労働力調査の産業分類には改定時点の違いがあることが原表に注記されています。
組織率が高い産業と、組合員数が多い産業は一致しません。人数では製造業261万4千人が最多で、卸売業・小売業157万4千人が続きます。率の表を、人数の多い順として説明しないようにします。
産業別の割合が高くても、応募先に必ず組合があるわけではありません。反対に、平均が低い産業でも、組合のある会社はあります。自分が働く会社にどんな仕組みがあるかは、求人票や会社の公開情報で確認します。
この表は、労使交渉の結果や、休暇の取りやすさを点数にしたものでもありません。加入者が多いことと、自分が望む労働条件が実現していることは別です。待遇は、給与、残業、休日を個別の数字で確かめます。
パートの組織率8.8%、組合員は149万4千人
パートタイム労働者についても、人数と組織率が公表されています。令和7年6月30日現在、単位労働組合の集計です。
| 指標 |
令和7年の値 |
| パートタイム労働者の組合員数 |
149万4千人 |
| 推定組織率 |
8.8% |
| 全労働組合員数に占める割合 |
15.1% |
| 前年のパート組合員数 |
146万3千人 |
出典:同調査第2表「パートタイム労働者の労働組合員数及び推定組織率の推移」。
8.8%はパートタイム労働者の雇用者に対する組合員の割合、15.1%は全労働組合員数に対するパート組合員の割合です。分母が違うので、二つを同じ指標として比較することはできません。
この調査のパートタイム労働者には、短時間・少日数で働く正社員以外の人に加え、事業所でパートなどと呼ばれる人も含みます。分母には、労働力調査の就業時間と雇用形態による区分を使っています。短時間労働者の賃金統計と、対象が完全に同じだと決めつけないことです。
パートや有期雇用で応募するなら、正社員向けの説明だけで終わらせず、自分の加入対象と相談方法を聞きます。雇用形態の違いを先に整理したいときは、非正規雇用の割合と区分を確認できます。
過去の推移:令和3年16.9%から令和7年16.0%へ
全体の推定組織率と組合員数は、単一労働組合でそろえます。年末や年間平均の数字ではなく、各年6月30日現在の組合員数です。
| 年 |
労働組合員数 |
推定組織率 |
| 令和3年 |
1,007万8千人 |
16.9% |
| 令和4年 |
999万2千人 |
16.5% |
| 令和5年 |
993万8千人 |
16.3% |
| 令和6年 |
991万2千人 |
16.1% |
| 令和7年 |
992万7千人 |
16.0% |
出典:同調査第1表。推定組織率の計算には、各年の労働力調査6月分原数値を使用。
組織率はこの期間で下がっていますが、直近の組合員数は増えています。会社選びに使うときは、全国の動きだけでなく、自分が応募する産業・規模と会社の状況を順に確認します。
長い推移を読む際には、雇用者数の推計方法や人口基準の切り替えにも注意します。調査の利用上の注意には、組織率の計算に使う雇用者数について、遡及値や補間補正値を用いていないことが示されています。統計上の条件を無視して、年ごとの差の理由を断定しないことです。
全体は単一労働組合、産業・規模別は単位労働組合
全体の992万7千人と、産業別表の合計は一致しません。別の年の数字を混ぜたためではなく、労働組合の数え方が違うためです。
単一労働組合は、個人が加入する単位組織組合と、支部などを持つ単一組織組合を集計します。単位労働組合は、単位組織組合と、支部・分会などの最下部の組織である単位扱組合を集計します。
資料では、単一労働組合には独自の活動組織を持たない非独立組合員も含まれるため、単位労働組合より組合員数が多くなると説明しています。産業や規模ごとに見る表では単位労働組合が使われています。
このため、産業別表の総計の推定組織率は15.9%です。全体の16.0%とどちらかを誤りとするのではなく、集計の種類を確認します。企業規模別はさらに民営企業だけで、同じ範囲の数字ではありません。
出典:同調査「用語の定義」「統計表の種類」、第1表・第3表・第4表。比較するときは、単一か単位かと、官公を含むかをそろえます。
組合がある会社では、自分の加入対象と活動内容を聞く
求人票や採用ページに「労働組合あり」と書かれていても、それだけでは相談の窓口や活動の範囲はわかりません。自分の雇用形態・職種が加入対象か、加入の手続き、組合費の扱いを聞きます。
労働条件について話し合う仕組みを見るなら、どんなテーマを扱っているか、社員が意見を伝える方法は何かを確認します。給与、勤務時間、休暇など、会社と組合で確認した内容が社員にどう共有されるかも聞けます。
採用担当者が詳しく答えられないときは、確認できる資料や窓口を案内してもらいます。個人の加入状況や、特定の社員の相談内容を尋ねる必要はありません。制度として利用できる経路がわかれば、応募時の確認は進みます。
組合の有無と同時に、実際の残業時間の数字や有給休暇の取得状況を確認します。組合があることを理由に、求人票の条件を読まなくてよいわけではありません。
組合と会社の説明を比べるときは、合意した条件の適用範囲も確認します。会社全体に適用されるルールなのか、特定の勤務区分だけなのかで、自分との関係が変わります。給与の見直しが説明されたなら、対象となる雇用形態と実施時期を聞きます。
組合があるという事実から、今後の昇給額や休暇の取りやすさを推測しないことです。交渉や意見交換の仕組みがあることと、今の労働条件が希望に合うことは、別々に確かめます。資料の読み方がわからないときも、確認できる担当窓口があるかを聞いておきます。
組合がない会社では、就業規則・36協定・相談先を確認する
労働条件を確かめる道具は、組合の有無にかかわらず使います。就業規則の内容、時間外・休日労働に関する36協定の周知方法、相談窓口を聞きます。制度の説明と、配属先の実際の運用を分けます。
厚生労働省の就業規則の手続きの案内では、就業規則を労働者に周知する方法を説明しています。入社前なら勤務条件の説明を受け、入社後に規則をどこで読めるかも確認します。
36協定は、法定の時間外・休日労働についての労使協定です。厚生労働省の労働時間・休日の案内では、過半数労働組合または過半数代表者との協定を説明しています。組合がないことと、労使の確認手続きが不要であることは別です。
相談先は、直属の上司以外に話せる窓口があるか、連絡方法は何かを聞きます。社内で話しづらい問題の相談先として、厚生労働省の総合労働相談コーナーも確認できます。
労使の話し合いが、社員へどう伝わるかを確かめる
組合について質問するときは、存在だけでなく、社員が情報を受け取る流れを聞きます。労働条件に関する説明を、どの資料で、どの時期に確認できるかがわかれば、入社後に自分の条件を読み直しやすくなります。
意見を集める方法も確認します。職場の担当者に伝えるのか、アンケートや面談で伝えるのか、組合の窓口へ直接相談できるのかで、使い方が違います。自分が働く勤務地に窓口がないなら、連絡の方法を聞きます。
労働条件が変わるときに、説明を受ける仕組みがあるかも確認できます。会社の通知だけで終わるのか、疑問を伝える機会があるのかを聞きます。個別の変更が適切かどうかは具体的な内容によるため、全国の組織率から判断はしません。
組合への加入と、個別の悩みの相談も分けて聞きます。労働条件の相談をどの範囲で扱うか、回答までにどんな流れがあるかを確認します。相談の中身や個人が特定される事例まで求めず、制度としての経路を把握します。
社員の声を聞く仕組みと、実際の働き方を別々に比べる
社員の意見を聞く仕組みがあっても、会社ごとの残業や休日の実績まで同じにはなりません。制度の有無は制度の欄に、実績の数字は実績の欄に書きます。組合があるから残業が少ない、ないから休めない、といった決め方を避けます。
採用時の説明に「社員の声を大切にしている」とあれば、最近どのような運用を見直したかを聞きます。会社が答えられる範囲で、課題、変更した点、変更後の確認方法を尋ねます。抽象的な方針より、自分が働くときの仕組みがわかる説明を集めます。
会社ごとの比較では、雇用形態と配属先もそろえます。会社全体の制度が説明されても、現場で使う窓口や勤務条件が同じかは確認が必要です。正社員向けの資料だけを渡されたなら、今回の雇用区分に適用される説明を求めます。
その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめる
求人票で労働組合の記載、賃金、勤務時間、休日を読みます。面接では、自分が加入対象かと、配属先の労働条件を聞きます。組合がない会社では、就業規則を読める場所と、労働条件の意見や相談を伝える経路を確認します。
しょくばらぼでは、掲載企業の残業や休暇、採用などの公開情報を調べます。数字の対象年度と雇用形態が、自分の応募条件に合うかを見ます。公開情報と面接の説明を合わせる手順は企業研究のやり方で確認できます。
全国の組織率16.0%は、働く人全体の状況です。自分の会社選びでは、組合という仕組みがあるかに加え、働く条件が書面でわかり、意見を伝えられ、困ったときに相談できるかまで確かめます。