山口県の1か月の総実労働時間は136時間、うち残業にあたる所定外労働時間は8.9時間です(2025年平均・事業所規模5人以上・パートを含む)。全国は135.1時間・9.8時間で、山口県は47都道府県で長いほうから31番目でした。厚生労働省の毎月勤労統計調査地方調査の2025年平均を、2026年10月26日に原本のExcelで確かめた数字です。全国の値は全国調査の結果で、47都道府県の地方調査を平均した値ではありません。
県全体では、残業は全国より0.9時間短くなっています。ところが製造業に絞ると、労働時間は全国で7番目、残業は8番目の長さです。県の平均と、自分が行く産業の数字はかなり違います。最後は会社ごとの数字で決めます。山口県の会社の数字は残業時間のランキングと山口県の会社のランキングで比べられます。
毎月勤労統計調査で数えているもの
使う資料は、厚生労働省の毎月勤労統計調査地方調査 2025年平均分結果概要です。都道府県ごとの2025年1月〜12月の平均が、表1〜表4にまとまっています。
数字は、常用労働者1人あたりの1か月の平均です。正社員などの一般労働者とパートタイム労働者を合わせています。
| 言葉 |
中身 |
| 総実労働時間 |
実際に働いた時間の合計 |
| 所定内労働時間 |
就業規則で決めた始業から終業までの間に働いた時間 |
| 所定外労働時間 |
早出・残業・休日出勤などで働いた時間 |
| 出勤日数 |
1か月に1時間でも働いた日の数 |
この記事では所定外労働時間を残業と書きます。会社が事業所として報告した、実際に働いた時間です。
県内の産業別の数字は、山口県の統計分析課がまとめた令和7年の年報で確かめました。年報には、産業ごとの年間の労働時間の表があります。
規模別:どちらの規模も真ん中より下
| 項目 |
5人以上 |
順位 |
30人以上 |
順位 |
| 総実労働時間 |
136時間 |
31番目 |
140.4時間 |
32番目 |
| 所定内労働時間 |
127.1時間 |
30番目 |
129.5時間 |
32番目 |
| 所定外労働時間 |
8.9時間 |
27番目 |
10.9時間 |
22番目 |
| 出勤日数 |
17.8日 |
25番目 |
17.8日 |
34番目 |
| 全国の総実労働時間 |
135.1時間 |
― |
141.1時間 |
― |
| 全国の所定外労働時間 |
9.8時間 |
― |
11.5時間 |
― |
5人以上の総実労働時間136時間は、全国より0.9時間長い数字です。それでも31番目なのは、全国の値が全国調査の結果で、多くの県が全国より長く出ているためです。県どうしで比べるなら、順位を見るほうが位置をつかみやすくなります。
30人以上の事業所では、総実労働時間が140.4時間で全国の141.1時間より短くなります。残業10.9時間も全国の11.5時間を下回ります。県全体では、規模の大きい事業所でも長時間に偏ってはいません。
製造業:全国で7番目に長い
山口県の5人以上の製造業で働く人は9万2,000人で、県の常用労働者48万2,900人の2割近くです。
| 項目 |
5人以上 |
順位 |
30人以上 |
順位 |
| 総実労働時間 |
158.4時間 |
7番目 |
159.4時間 |
14番目 |
| 所定内労働時間 |
143.7時間 |
22番目 |
143.4時間 |
27番目 |
| 所定外労働時間 |
14.7時間 |
8番目 |
16時間 |
10番目 |
| 出勤日数 |
19日 |
14番目 |
18.9日 |
19番目 |
| 全国の総実労働時間 |
155.5時間 |
― |
157.5時間 |
― |
| 全国の所定外労働時間 |
13.4時間 |
― |
14.8時間 |
― |
製造業の所定内労働時間は22番目で、決まった時間は全国並みです。総実労働時間を7番目まで押し上げているのは、8番目の残業14.7時間です。30人以上でも残業は16時間で、全国の14.8時間より1.2時間長くなっています。
同じ表3で、山口県の製造業の現金給与総額は月44万6,856円で、47都道府県で8番目でした。県全体の給与は24番目なので、製造業は給与も時間も県の中で上に出ています。残業代が給与を押し上げている面もあるので、求人を比べるときは基本給と残業代を分けて見ます。
産業別の年間労働時間:運輸業が2,098時間
山口県の年報の表4は、産業ごとの年間の労働時間を、年平均の月の時間を12倍して出したものです。5人以上の令和7年の値を、年間総実労働時間の長い順に並べました。
| 順位 |
産業 |
年間総実労働時間 |
年間所定内労働時間 |
全国の年間総実労働時間 |
| 1 |
運輸業・郵便業 |
2,098時間 |
1,822時間 |
1,932時間 |
| 2 |
建設業 |
1,949時間 |
1,849時間 |
1,918時間 |
| 3 |
製造業 |
1,901時間 |
1,724時間 |
1,866時間 |
| 4 |
情報通信業 |
1,818時間 |
1,702時間 |
1,883時間 |
| 5 |
不動産業・物品賃貸業 |
1,750時間 |
1,644時間 |
1,776時間 |
| 6 |
学術研究・専門・技術サービス業 |
1,746時間 |
1,634時間 |
1,807時間 |
| 7 |
電気・ガス・熱供給・水道業 |
1,740時間 |
1,584時間 |
1,859時間 |
| 8 |
金融業・保険業 |
1,728時間 |
1,625時間 |
1,745時間 |
| 9 |
サービス業(他に分類されないもの) |
1,718時間 |
1,625時間 |
1,637時間 |
| 10 |
医療・福祉 |
1,580時間 |
1,523時間 |
1,541時間 |
| 11 |
卸売業・小売業 |
1,486時間 |
1,420時間 |
1,522時間 |
| 12 |
教育・学習支援業 |
1,376時間 |
1,267時間 |
1,468時間 |
| 13 |
生活関連サービス業・娯楽業 |
1,301時間 |
1,219時間 |
1,458時間 |
| 14 |
宿泊業・飲食サービス業 |
1,052時間 |
1,010時間 |
1,056時間 |
運輸業・郵便業の2,098時間は、全国の1,932時間より166時間長く、県内で最も長い産業です。年報の本文によると、月の総実労働時間は174.8時間で、前年より6.5%増えました。前年より増えた産業はほかに情報通信業の8.5%増などがあり、生活関連サービス業・娯楽業は9.4%減っています。所定内の1,822時間との差が276時間あり、残業と休日出勤の多さがわかります。
全国より長いのは、運輸業・郵便業のほか、建設業・製造業・サービス業(他に分類されないもの)・医療・福祉です。逆に、電気・ガス・熱供給・水道業は全国より119時間、生活関連サービス業・娯楽業は157時間短くなっています。県全体の1,632時間は全国の1,621時間とほぼ同じですが、産業ごとに見ると長短がはっきり分かれます。
宿泊業・飲食サービス業は1,052時間で最も短い産業です。年報では、この産業のパートタイム労働者の比率は81.2%で、県内の産業の中で最も高くなっています。働く人の多くが短い時間で入るため、平均が下がっています。
規模の大きい事業所の産業別:運輸業が最も長い
年報の表8には、30人以上の事業所に絞った産業別の年間労働時間もあります。主な産業を抜き出しました。
| 産業 |
年間総実労働時間 |
年間所定内労働時間 |
全国の年間総実労働時間 |
| 運輸業・郵便業 |
2,160時間 |
1,850時間 |
1,909時間 |
| 建設業 |
1,970時間 |
1,836時間 |
1,930時間 |
| 製造業 |
1,913時間 |
1,721時間 |
1,890時間 |
| 医療・福祉 |
1,660時間 |
1,584時間 |
1,634時間 |
| 卸売業・小売業 |
1,466時間 |
1,396時間 |
1,579時間 |
| 調査産業計 |
1,685時間 |
1,554時間 |
1,693時間 |
30人以上の調査産業計は1,685時間で、全国の1,693時間より8時間短くなっています。それでも運輸業・郵便業は2,160時間で、全国より251時間長い数字です。年報の本文では、30人以上の運輸業・郵便業の月の総実労働時間は180時間でした。
卸売業・小売業は1,466時間で、全国より113時間短くなっています。30人以上に絞っても、卸売業・小売業の時間は全国より短く出ています。30人以上の男女別の月の時間は、男が154.6時間・残業15.6時間、女が123.5時間・残業5.4時間です(年報の本文)。
パートの比率は33.7%
山口県の年報によると、5人以上の常用労働者に占めるパートタイム労働者の比率は33.7%です。男は18.4%、女は50.6%でした。3人に1人がパートなので、フルタイムで働く人の時間はこの記事の平均より長くなります。
山口県の年報の本文と表には、一般労働者だけの労働時間は載っていません。正社員として働く人の時間を知りたいときは、県の平均ではなく、応募先の会社の数字で確かめます。
男女別では、5人以上の調査産業計で男が月152.1時間・残業12.9時間、女が118.4時間・残業4.5時間です(年報の本文)。女の時間が短いのは、パートで働く人の割合が高いことが大きく影響しています。
年間に直すと1,632時間
年報の年間総実労働時間1,632時間は、136時間 × 12 = 1,632時間の計算です。前年より6時間短くなりました。残業を同じように12倍すると次のとおりです。
8.9時間 × 12 = 106.8時間
製造業なら、月14.7時間の残業で14.7時間 × 12 = 176.4時間です。どれも月平均を12倍した値で、1人ひとりの1年間の残業を数えたものではありません。
年間の休日から働く日数を出す方法は年間労働日数の平均に書いています。全国の時間の見方は平均勤務時間で、業界別の全国の残業は残業が少ない業界ランキングで並べています。
給与は全国24番目、詳しくは平均年収の記事で
同じ調査の5人以上の山口県の現金給与総額は月31万9,347円で、47都道府県で24番目でした。年齢別・業種別の年収は山口県の平均年収にまとめています。
時給で働く人は山口県の最低賃金とパートの平均時給を、仕事の探しやすさは山口県の有効求人倍率を見ておくと、時間と収入の見通しが立ちます。
工場や物流の求人で、時間を確かめるところ
山口県は、製造業と運輸業の時間が全国より長い県です。この2つの産業の求人では、勤務の形が時間を大きく左右します。
| 勤務の形 |
求人票と面接で確かめること |
| 交替勤務 |
1回の勤務の時間、夜勤の回数、交替の周期 |
| 残業あり |
配属先の月平均と、忙しい月の時間 |
| 休日出勤あり |
回数の目安と、代休や振替休日の取り方 |
| 運転の仕事 |
1日の拘束時間、休息の時間、休日の数 |
求人票の「残業月平均」が会社全体の数字だと、工場や営業所ごとの差が見えません。配属予定の職場の数字を聞くと、入社後の働き方に近い値がわかります。固定残業代がある求人なら、何時間分か、超えた分が払われるかも確かめます。
その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめる
県の平均でわかるのは、山口県全体と産業の位置だけです。同じ製造業でも、残業の多い会社と少ない会社があります。会社の数字は、ランキングで並べて比べます。
山口県の残業時間のランキングでは、会社が公表した残業の数字を並べています。県全体の比較は山口県の会社のランキングから開けます。市ごとに見るなら、下関市・周南市・宇部市のページもあります。
ランキングの数字は、会社が厚生労働省のしょくばらぼなどで公表したものです。正社員だけの数字か、全員の数字かは会社によって違います。気になる会社があれば、面接で配属先の残業を聞き、内定時の労働条件の書面で最後に照らし合わせます。