山口県のパート・アルバイト(短時間労働者)の平均時給は1,273円です(令和7年6月・企業規模10人以上・産業計・男女計)。全国の1,518円より245円低く、47都道府県で37番目でした。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査の値を、2026年10月26日に原本のExcelで確かめています。
山口県では、店の仕事と飲食の仕事だけで短時間労働者の半分を超えます。その2つの平均は1,188円と1,136円です。時給の差が小さい県なので、職場を選ぶときは、時給よりも有給休暇や残業の数字で差がつきます。山口県の会社のそうした数字は、山口県の会社を採用の数字で比べるページで並べています。
1,273円は、所定内給与から出した時給の平均
使うのは、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査の短時間労働者・都道府県別第1表です。e-Statで公開されている鳥取〜福岡のExcelのうち、シート「山口」を読みました。
時給は、令和7年6月の所定内給与額を、所定内の実労働時間数で割った1時間当たりの額です。残業代や深夜の割増、通勤手当、賞与は入りません。対象は常用労働者10人以上の企業で働く短時間労働者で、求人広告の時給ではありません。
| 区分 |
平均時給 |
47都道府県での順位 |
| 男女計 |
1,273円 |
37番目 |
| 男 |
1,349円 |
39番目 |
| 女 |
1,243円 |
36番目 |
| 全国(男女計) |
1,518円 |
― |
中国地方5県の中では、山口県の1,273円が最も低い額です。広島県の1,333円とは60円、鳥取県の1,486円とは213円離れています。全国の平均時給の内訳はパート・アルバイトの平均時給で見られます。
産業別の平均時給:学術研究・専門・技術サービス業が1,892円
山口県の企業規模計10人以上、男女計の時給を高い順に並べました。労働者数は推計で、単位は十人です(3,406なら約3万4,060人)。
| 順位 |
産業 |
男女計 |
男 |
女 |
労働者数(十人) |
| 1 |
学術研究・専門・技術サービス業 |
1,892円 |
2,380円 |
1,480円 |
146 |
| 2 |
教育・学習支援業 |
1,861円 |
2,037円 |
1,735円 |
672 |
| 3 |
医療・福祉 |
1,364円 |
1,320円 |
1,373円 |
2,372 |
| 4 |
運輸業・郵便業 |
1,337円 |
1,405円 |
1,192円 |
111 |
| 5 |
サービス業(他に分類されないもの) |
1,315円 |
1,446円 |
1,198円 |
727 |
| 6 |
生活関連サービス業・娯楽業 |
1,193円 |
1,220円 |
1,176円 |
556 |
| 7 |
製造業 |
1,191円 |
1,289円 |
1,169円 |
773 |
| 8 |
卸売業・小売業 |
1,188円 |
1,246円 |
1,168円 |
3,406 |
| 9 |
宿泊業・飲食サービス業 |
1,136円 |
1,151円 |
1,129円 |
2,597 |
表から外したのは6産業です。金融業・保険業1,585円(労働者数69)、情報通信業1,298円(21)、建設業1,230円(90)、複合サービス事業1,204円(23)、鉱業・採石業・砂利採取業1,202円(1・女だけ)、不動産業・物品賃貸業1,178円(95)で、電気・ガス・熱供給・水道業は該当者がいません。推計が数百人規模の産業は、少数の時給で平均が上下します。
上位2つは、男の時給が2,000円を超えています。学術研究・専門・技術サービス業の男2,380円、教育・学習支援業の男2,037円です。教育には塾や学校の講師が入り、学術研究・専門・技術サービス業には設計や測量、士業の事務所などが入ります。専門の資格や経験がある人の時給です。
平均1,273円より、店と飲食の時給が身近な数字
山口県の短時間労働者のうち、卸売業・小売業が29.2%、宿泊業・飲食サービス業が22.3%、医療・福祉が20.3%です(労働者数から計算)。3つで71.8%になり、とくに店と飲食の2つだけで半分を超えます。
この2つの時給は1,188円と1,136円で、県の平均を85円から137円下回ります。平均は、教育や学術研究のように時給の高い少数の人に引き上げられた値です。レジ、品出し、ホール、調理補助の求人を見ているなら、1,273円ではなく1,136〜1,188円と比べたほうが実際に近くなります。この表にあるのは平均だけで、真ん中の人の額は出ていません。
医療・福祉の1,364円は、女1,373円が男1,320円を上回ります。この産業で働く2,372(十人)のうち1,982(十人)が女で、男女の時給は53円しか違いません。ほかの県のように、男の高い時給で医療・福祉の平均が跳ね上がる形にはなっていません。
企業規模別:大きな会社でも小さな会社でも差は60円
| 企業規模 |
男女計 |
男 |
女 |
1日の時間 |
6月の日数 |
労働者数(十人) |
| 1,000人以上 |
1,289円 |
1,362円 |
1,256円 |
5.0時間 |
13.7日 |
4,375 |
| 100〜999人 |
1,301円 |
1,330円 |
1,289円 |
5.7時間 |
14.3日 |
2,702 |
| 10〜99人 |
1,241円 |
1,346円 |
1,206円 |
5.0時間 |
15.7日 |
4,581 |
3つの規模の時給は1,241円から1,301円に収まり、差は60円です。会社が大きいほど時給が高い、という並びにはなっていません。違いが出ているのは勤務時間のほうで、1,000人以上は1日5.0時間・13.7日、100〜999人は5.7時間・14.3日、10〜99人は5.0時間・15.7日でした。
6月の時給 × 時間 × 日数で比べると、1,000人以上は8万8,297円、100〜999人は10万6,045円、10〜99人は9万7,419円です(1円未満は四捨五入)。時給の差は60円でも、勤務時間が違うと月の給与は1万7,000円以上開きます。
男女別:女は平均年齢が高く、勤続も長い
| 項目 |
男 |
女 |
| 平均時給 |
1,349円 |
1,243円 |
| 平均年齢 |
45.8歳 |
49.4歳 |
| 平均勤続年数 |
5.5年 |
7.4年 |
| 1日の所定内実労働時間 |
5.1時間 |
5.2時間 |
| 6月の実労働日数 |
13.6日 |
15.0日 |
| 年間賞与その他特別給与 |
3万8,400円 |
5万200円 |
| 労働者数(十人) |
3,268 |
8,391 |
山口県の短時間労働者の約72%が女で、平均年齢は49.4歳です(割合は労働者数から計算)。男女の時給の差は106円で、全国の差351円の3分の1以下です。男の時給は47都道府県で39番目と、女の36番目より低い位置にあります。
最低賃金との差:今の下限とは172円
調査時点の令和7年6月に山口県で効いていたのは、令和6年10月1日発効の979円です。令和7年10月16日に1,043円、令和8年10月8日に1,101円へ上がりました。
| 最低賃金 |
時間額 |
平均1,273円との差 |
| 令和6年度(調査時点に有効) |
979円 |
294円 |
| 令和7年度(令和7年10月16日から) |
1,043円 |
230円 |
| 令和8年度(令和8年10月8日から) |
1,101円 |
172円 |
令和7年6月の宿泊業・飲食サービス業1,136円は、今の最低賃金より35円高いだけです。女に限れば1,129円で、差は28円になります。令和8年10月8日からは、山口県で1,101円を下回る時給は払えません。産業ごとの特定最低賃金や発効日は山口県の最低賃金にまとめています。
時給から年収を出すときは、時給 × 1日の時間 × 月の日数 × 12 + 年間賞与で計算します。山口県の平均では次のとおりです。
1,273円 × 5.2時間 × 14.6日 = 9万6,646円(月)
9万6,646円 × 12 + 4万6,900円 = 年間120万6,652円
平均どうしを掛けた計算なので、山口県のパートの年収の平均ではありません。6月と同じ働き方を1年続けたときの額です。月給制の人が時給を出すときや、最低賃金と比べるときの手順は時給の計算で説明しています。
年120万円台は、扶養の壁を意識して時間を決める層
平均で計算した年120万6,652円は、130万円の壁より9万3,348円低い額です。山口県の平均どおりに働く人は、扶養の範囲に収まる計算になります。逆に、時給が上がったときや勤務日を増やしたときは、どこで壁に届くかを先に計算しておきます。
壁は1つではありません。所得税は103万円の壁で、家族の健康保険の扶養は130万円の壁と扶養の範囲で、勤務先で社会保険に入るかどうかは106万円の壁で、それぞれ条件が違います。
正社員を含めた山口県の給与水準は山口県の平均年収で、年齢別・業種別に並べています。パートから正社員への転職を考えるなら、職業ごとの人手の足りなさを山口県の有効求人倍率で確かめておきます。
時給の差が小さい県では、勤務時間と休みで比べる
山口県のように規模別の時給が60円の幅に収まる県では、時給だけで応募先を決めると差が見えません。1日何時間入れるのか、月に何日働けるのかで、月の給与は大きく変わります。
求人票では、所定の勤務時間とシフトの決め方を読みます。「1日4時間〜」と書いてあっても、職場が実際に必要としているのが夕方の時間帯だけなら、昼に入りたい人の希望は通りにくくなります。面接では、自分が入りたい曜日と時間帯を具体的に伝えて、入れる日数を聞きます。
有給休暇は、パートでも勤務日数に応じて付きます。何日付くか、取るときの手続きはどうなっているかも、時給と同じように確かめておきます。
その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめる
山口県の平均時給は、県全体の短時間労働者の位置を示す数字です。パートでも、有給休暇の取りやすさや残業の多さは会社ごとに違います。会社どうしは、ランキングで数字を並べて比べます。
山口県の会社のランキングから、残業時間が少ない順と有給休暇の取得率が高い順の表を開けます。市で探すなら、下関市・山口市・周南市のページもあります。
ランキングの数字は、会社が厚生労働省のしょくばらぼなどで公表したものです。パートも含む数字かどうかは会社で違うので、面接で自分の働き方に当てはまるかを聞きます。最後に、時給と勤務時間を労働条件の書面で照らし合わせます。