広島県のパート・アルバイト(短時間労働者)の平均時給は1,333円です(令和7年6月・企業規模10人以上・産業計・男女計)。全国の1,518円より185円低く、47都道府県で28番目でした。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査を、2026年10月26日に原本のExcelで確かめた数字です。
ただし、働く人の3割が集まる卸売業・小売業の平均は1,212円、宿泊業・飲食サービス業は1,171円です。スーパーや飲食店の求人を見ている人にとっては、1,333円よりこちらのほうが近い数字です。時給は同じでも、残業や有給休暇の取りやすさは会社ごとに違います。広島県の会社のそうした数字は、広島県の会社を採用の数字で比べるページにまとめています。
広島県の平均時給1,333円は、所定内給与を時間で割った値
使う資料は、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査のうち、短時間労働者の都道府県別第1表です。e-Statで公開されている鳥取〜福岡のExcelのシート「広島」に、広島県の値があります。
数えているのは、令和7年6月に支払われた所定内給与を、所定内の労働時間で割った1時間当たりの額です。残業代や通勤手当、賞与は入っていません。対象は常用労働者10人以上の企業で働く短時間労働者で、求人に書かれた募集時給ではなく、実際に働いている人の平均です。
| 区分 |
平均時給 |
47都道府県での順位 |
| 男女計 |
1,333円 |
28番目 |
| 男 |
1,378円 |
33番目 |
| 女 |
1,317円 |
21番目 |
| 全国(男女計) |
1,518円 |
― |
短時間労働者は、同じ事業所の一般の労働者より1日の所定労働時間が短い人か、1日の時間は同じでも週の所定労働日数が少ない人です。呼び名がパートかアルバイトかでは分けていません。全国の数字の見方はパート・アルバイトの平均時給で詳しく書いています。
産業別の平均時給:教育・学習支援業が2,013円で最も高い
令和7年6月の広島県、企業規模計10人以上の男女計を高い順に並べました。労働者数は調査からの推計で、単位は十人です(8,349なら約8万3,490人)。
| 順位 |
産業 |
男女計 |
男 |
女 |
労働者数(十人) |
| 1 |
教育・学習支援業 |
2,013円 |
2,542円 |
1,783円 |
1,183 |
| 2 |
金融業・保険業 |
1,715円 |
1,897円 |
1,706円 |
193 |
| 3 |
情報通信業 |
1,570円 |
1,884円 |
1,505円 |
135 |
| 4 |
医療・福祉 |
1,513円 |
1,543円 |
1,508円 |
5,535 |
| 5 |
建設業 |
1,502円 |
1,994円 |
1,242円 |
114 |
| 6 |
学術研究・専門・技術サービス業 |
1,476円 |
1,762円 |
1,352円 |
233 |
| 7 |
サービス業(他に分類されないもの) |
1,335円 |
1,375円 |
1,324円 |
2,404 |
| 8 |
生活関連サービス業・娯楽業 |
1,308円 |
1,291円 |
1,316円 |
1,532 |
| 9 |
製造業 |
1,273円 |
1,447円 |
1,221円 |
2,093 |
| 10 |
不動産業・物品賃貸業 |
1,236円 |
1,218円 |
1,247円 |
337 |
| 11 |
運輸業・郵便業 |
1,221円 |
1,276円 |
1,167円 |
768 |
| 12 |
卸売業・小売業 |
1,212円 |
1,255円 |
1,196円 |
8,349 |
| 13 |
宿泊業・飲食サービス業 |
1,171円 |
1,177円 |
1,169円 |
4,367 |
表から外したのは、電気・ガス・熱供給・水道業の2,506円(労働者数2)と、複合サービス事業の1,971円(33)です。どちらも数十人から数百人の推計で、数人の時給で平均が大きく動きます。鉱業・採石業・砂利採取業は該当者がいません。表の上位にある金融業・保険業や情報通信業も、働く人は千数百人規模です。
教育・学習支援業は塾や学校の講師を含むため、男の平均が2,542円まで上がります。人数が2番目に多い医療・福祉は、男1,543円・女1,508円で、男女の差が35円しかありません。
企業規模別:中くらいの会社の時給が最も高い
規模は会社全体の常用労働者の人数です。店舗や営業所の人数ではありません。
| 企業規模 |
男女計 |
男 |
女 |
1日の時間 |
6月の日数 |
労働者数(十人) |
| 1,000人以上 |
1,287円 |
1,283円 |
1,289円 |
5.4時間 |
15.2日 |
8,790 |
| 100〜999人 |
1,419円 |
1,505円 |
1,390円 |
5.3時間 |
14.7日 |
7,745 |
| 10〜99人 |
1,308円 |
1,360円 |
1,287円 |
5.0時間 |
14.2日 |
10,745 |
1,000人以上の会社の平均は1,287円で、3つの規模の中で最も低くなりました。1,000人以上の8,790(十人)のうち4,243(十人)は卸売業・小売業で、その平均は1,205円です。人数の半分近くを占める店の仕事の時給が、規模全体の平均を下げています。代わりに1日5.4時間・15.2日と、働く時間は3つの中で最も長くなっています。月の収入は、時給と勤務時間の両方で決まります。
10〜99人の会社は、働く人が10,745(十人)と最も多い規模です。平均は1,308円で県全体とほぼ同じですが、1日5.0時間・14.2日と勤務時間は3つの中で最も短くなっています。小さな会社では、短い時間で入る人が多いことが数字から読み取れます。時給だけを比べると、100〜999人の会社の1,419円が目に入りますが、そこで働く人の1日の時間は5.3時間です。
男女別:女のほうが勤続が長く、働く日数も多い
| 項目 |
男 |
女 |
| 平均時給 |
1,378円 |
1,317円 |
| 平均年齢 |
44.2歳 |
47.9歳 |
| 平均勤続年数 |
6.1年 |
7.2年 |
| 1日の所定内実労働時間 |
5.1時間 |
5.2時間 |
| 6月の実労働日数 |
13.2日 |
15.2日 |
| 年間賞与その他特別給与 |
4万6,500円 |
5万7,900円 |
| 労働者数(十人) |
7,068 |
20,212 |
広島県で短時間労働者として働く人の約74%が女です(労働者数から計算)。男女の時給の差は61円で、全国の男1,769円・女1,418円の差351円と比べるとかなり小さくなっています。女の順位は47都道府県で21番目と、男の33番目より上にあります。
平均1,333円より、店や飲食の時給を見たほうが近い
平均は、時給の高い少数の人に引っ張られます。広島県なら、教育・学習支援業の2,013円が代表です。講師のように1回の授業で高い時給がつく仕事が、平均を押し上げます。
広島県の短時間労働者のうち、卸売業・小売業が30.6%、医療・福祉が20.3%、宿泊業・飲食サービス業が16.0%を占めます(労働者数から計算)。3つで全体の3分の2です。このうち店と飲食の2つは1,212円と1,171円で、どちらも県の平均1,333円を100円以上下回ります。
レジや品出し、ホールやキッチンの求人を見ているなら、比べる相手は1,333円ではなく1,171〜1,212円です。介護や医療の補助なら1,513円、事務や清掃などが多いサービス業(他に分類されないもの)なら1,335円が近い値です。なお、この表にあるのは平均だけで、真ん中の人の額は載っていません。
最低賃金との差:今の下限とは192円
この調査の時給は令和7年6月の額です。そのとき広島県で効いていたのは、令和6年10月1日からの令和6年度の最低賃金1,020円でした。その後、令和7年11月1日に1,085円、令和8年10月11日に1,141円へ上がっています。
| 最低賃金 |
時間額 |
平均1,333円との差 |
| 令和6年度(調査時点に有効) |
1,020円 |
313円 |
| 令和7年度(令和7年11月1日から) |
1,085円 |
248円 |
| 令和8年度(令和8年10月11日から) |
1,141円 |
192円 |
令和7年6月の宿泊業・飲食サービス業1,171円は、今の最低賃金1,141円より30円高いだけです。令和8年10月11日からは、広島県で1,141円未満の時給で雇うことはできません。当時の飲食の平均と今の下限は、30円しか離れていません。最低賃金の発効日や特定最低賃金は広島県の最低賃金にまとめています。
時給を年収に直すときは、時給 × 1日の時間 × 月の日数 × 12 + 年間賞与で計算します。広島県の平均で計算すると次のとおりです。
1,333円 × 5.2時間 × 14.7日 = 10万1,895円(月)
10万1,895円 × 12 + 5万5,000円 = 年間127万7,740円
平均どうしを掛けた計算なので、実際にこの額をもらっている人の平均ではありません。6月の勤務が毎月続くとした場合の額です。自分の時給を月給や年収に直す方法や、月給制から時給を出す方法は時給の計算で説明しています。
平均どおりに働くと、扶養の壁のすぐ手前
平均どおりに働くと、年127万7,740円の計算になりました。130万円の壁まで、残りは2万2,260円です。時給が10円上がるだけで、同じ勤務なら年に9,173円増える計算なので、昇給のたびに年の見込みを出し直します。
扶養の範囲で働きたい人は、時給が上がったときに勤務時間を減らすのか、壁を越えて社会保険に入るのかを先に決めておくと、シフトを相談しやすくなります。税金の壁は103万円の壁で、健康保険の扶養は130万円の壁と扶養の範囲で、勤務先の社会保険は106万円の壁で確かめます。
正社員を含めた広島県の給与水準は、広島県の平均年収で年齢別・業種別に並べています。パートから正社員を目指すなら、求人の多さを広島県の有効求人倍率で見ておくと、どの職業で人が足りていないかがわかります。
求人票では、時給と一緒に勤務時間と昇給の条件を見る
同じ1,333円でも、1日4時間・週3日なら月の収入は大きく減ります。求人票の「1日4時間〜」「週2日〜」は、最低限の条件なのか、実際のシフトの中心なのかを面接で聞きます。広島県の1,000人以上の会社のように、時給が低めでも勤務時間が長い職場もあります。
時給の内訳も分けて読みます。基本の時給、土日や早朝の加算、資格の手当、研修中の時給は、それぞれ別の額です。最低賃金と比べられるのは、基本の時給と毎月決まって払われる手当で、通勤手当や残業代は入りません。
昇給があるかどうかも、広島県の平均時給からはわかりません。「昇給あり」と書いてあっても、いつ、何を基準に、いくら上がるかは会社ごとに違います。勤続年数で上がるのか、仕事の範囲が広がったときに上がるのかを聞いておきます。
その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめる
県の平均時給でわかるのは、広島県の短時間労働者全体の位置だけです。パートでも、有給休暇の取りやすさや残業の多さは会社ごとに違います。会社の数字は、ランキングで並べて比べます。
広島県の会社のランキングから、残業時間が少ない順や有給休暇の取得率が高い順の表を開けます。市ごとの比較なら、広島市・福山市・呉市のページもあります。
ランキングの数字は、会社が厚生労働省のしょくばらぼなどで公表したものです。正社員だけの数字か、パートも含む数字かは会社によって違うので、面接で自分の働き方に当てはまるかを確かめます。時給と勤務時間は、採用のときに受け取る労働条件の書面で最後に照らし合わせます。