愛知県のパート・アルバイト(短時間労働者)の平均時給は1,452円です。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査で、令和7年6月分、企業規模10人以上、産業計、男女計の1時間当たり所定内給与額です。全国の1,518円より66円低く、47都道府県を高い順に並べると11番目でした。
男性は1,569円で21番目、女性は1,407円で8番目です。県全体の順位より、女性の順位のほうが高いのが愛知の特徴です。一方で、働く人の半分は卸売・小売と宿泊・飲食で、その平均は1,267円と1,218円です。求人でよく見る時給は、1,452円より下にあると考えて表を読みます。
時給の高い安いは、県の平均ではなく応募先の会社で決まります。残業時間や有給休暇の取りやすさも会社ごとに違います。会社の数字は愛知県の会社を採用の数字で比べるで並べて見られます。勤務地が決まっているなら、名古屋市や豊田市の比較表もあります。
数字は、e-Stat に載っている都道府県別の Excel を2026年10月26日に開いて確かめました。
愛知県のパート平均時給は全国より66円低い
使う表は、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査、短時間労働者の都道府県別第1表です。岐阜〜和歌山のExcelの「愛知」のシートに、愛知県の数字がまとまっています。
短時間労働者は、同じ事業所の一般の労働者より1日の所定労働時間が短い人か、1週の所定労働日数が少ない人です。会社でパート、アルバイトと呼ばれているかどうかでは分けていません。時給は所定内給与を所定内の実労働時間で割った値で、残業代と賞与は入りません。
| 区分 |
愛知県 |
全国 |
47都道府県での順位 |
| 男女計 |
1,452円 |
1,518円 |
11番目 |
| 男性 |
1,569円 |
1,769円 |
21番目 |
| 女性 |
1,407円 |
1,418円 |
8番目 |
女性の1,407円は全国の1,418円とほぼ同じ水準で、47都道府県の中では高いほうです。男性は全国より200円低く、順位も真ん中あたりです。県の平均が全国より低いのは、主に男性の時給の差によるものです。
47都道府県の上位と下位、産業別の全国の数字はパートの平均時給にまとめています。
産業別の平均時給:教育・学習支援業が2,416円で最も高い
同じシートの企業規模計(10人以上)の産業別の値です。高い順に並べました。労働者数は10人単位の推計で、「4,148」は約4万1,480人という意味です。
| 産業 |
男女計 |
男性 |
女性 |
労働者数(十人) |
| 教育・学習支援業 |
2,416円 |
2,964円 |
2,099円 |
4,148 |
| 医療・福祉 |
1,959円 |
3,711円 |
1,743円 |
13,062 |
| 学術研究・専門・技術サービス業 |
1,911円 |
3,487円 |
1,405円 |
942 |
| 情報通信業 |
1,836円 |
2,834円 |
1,627円 |
336 |
| 複合サービス事業 |
1,817円 |
1,759円 |
1,847円 |
246 |
| 金融業・保険業 |
1,683円 |
2,008円 |
1,652円 |
574 |
| 建設業 |
1,544円 |
1,505円 |
1,561円 |
634 |
| 製造業 |
1,395円 |
1,736円 |
1,307円 |
4,772 |
| 不動産業・物品賃貸業 |
1,390円 |
1,367円 |
1,402円 |
810 |
| サービス業(他に分類されないもの) |
1,341円 |
1,358円 |
1,332円 |
10,730 |
| 生活関連サービス業・娯楽業 |
1,309円 |
1,301円 |
1,312円 |
3,565 |
| 運輸業・郵便業 |
1,296円 |
1,341円 |
1,256円 |
2,697 |
| 卸売業・小売業 |
1,267円 |
1,246円 |
1,276円 |
27,780 |
| 宿泊業・飲食サービス業 |
1,218円 |
1,216円 |
1,219円 |
16,606 |
教育・学習支援業は、1日の所定内の時間が4.1時間と短い産業です。講師の仕事が多い産業で、短い時間の授業に高い時給がつくため、平均が高く出ます。1日の時間が短いので、時給が高くても月の給料が多いとは限りません。
製造業の1,395円は、男性1,736円と女性1,307円で大きく違います。製造業で働く短時間労働者の約8割は女性で、県全体の製造業のイメージとは別の数字として読みます。
企業規模別:大きい会社ほど高いわけではない
| 企業規模 |
男女計 |
男性 |
女性 |
労働者数(十人) |
| 1,000人以上 |
1,377円 |
1,434円 |
1,358円 |
34,647 |
| 100〜999人 |
1,632円 |
1,868円 |
1,531円 |
23,557 |
| 10〜99人 |
1,395円 |
1,459円 |
1,367円 |
28,714 |
| 企業規模計(10人以上) |
1,452円 |
1,569円 |
1,407円 |
86,918 |
大きい会社ほど時給が高い、という並びにはなっていません。1,000人以上の会社は1,377円で、3つの区分の中で最も低い値です。1,000人以上の会社で働く短時間労働者のうち、卸売・小売と宿泊・飲食が68.4%を占めます(同じシートの労働者数から計算)。時給の低い産業で働く人が多い分、平均が下がっています。
100〜999人の会社の1,632円は、医療・福祉の2,322円が引き上げています。この規模の医療・福祉では、男性が5,047円と高く出ています。会社の大きさより、どの産業のどの仕事かのほうが時給の差を大きく分けます。
男女別:時給・年齢・勤続年数・働く時間
| 項目 |
男女計 |
男性 |
女性 |
| 1時間当たり所定内給与額 |
1,452円 |
1,569円 |
1,407円 |
| 年齢 |
45.3歳 |
41.9歳 |
46.6歳 |
| 勤続年数 |
6.4年 |
5.0年 |
7.0年 |
| 1日当たり所定内実労働時間 |
5.2時間 |
5.3時間 |
5.1時間 |
| 実労働日数(6月) |
13.8日 |
12.4日 |
14.4日 |
| 年間賞与その他特別給与額 |
3万7,100円 |
2万5,700円 |
4万1,500円 |
| 労働者数(十人) |
86,918 |
24,241 |
62,677 |
愛知県の短時間労働者の72%は女性です。女性は男性より年齢が4.7歳高く、勤続年数も2.0年長く、6月に働いた日数も2.0日多くなっています。
男性は平均年齢41.9歳ですが、卸売・小売の男性は33.1歳、宿泊・飲食の男性は29.4歳と若い層です。一方で医療・福祉や教育の男性は時給が高く、若い層と高い時給の層が混ざった平均です。
平均の1,452円は、医療・福祉と教育の高い時給に引っ張られている
平均は、時給の高い人が少しいるだけで上に動きます。愛知県の男性の医療・福祉は3,711円で、女性の1,743円の2倍を超えます。この産業には医師のように時給の高い職種も入ります。この男性の人数は1,436(十人)で、医療・福祉で働く人の1割ほどです。
学術研究・専門・技術サービス業の男性も3,487円と高く、平均年齢は62.3歳です。資格や長い経験を持つ人が短い時間で働いている数字で、一般のパート募集の時給とは性質が違います。
よく見るパートの求人に近いのは、働く人の多い産業の値です。
- 卸売業・小売業:1,267円(女性1,276円)
- 宿泊業・飲食サービス業:1,218円(女性1,219円)
- サービス業(他に分類されないもの):1,341円(女性1,332円)
卸売・小売と宿泊・飲食を合わせると、愛知県の短時間労働者の51.1%です(同じシートの労働者数から計算)。スーパーや飲食店のパートの時給を考えるなら、1,452円より1,200円台の数字のほうが実態に近い値です。なお、この表には中央値がありません。「真ん中の人の時給」はこの資料からはわかりません。
最低賃金との差:調査時点の額より375円高い
賃金構造基本統計調査の時給は、令和7年6月分の給与です。この時点で効いていた愛知県最低賃金は、令和6年10月1日発効の1,077円です。その後、令和7年10月18日に1,140円、令和8年10月1日に1,195円へ上がりました。くわしい推移は愛知県の最低賃金にまとめています。
| 比べる額 |
時給 |
産業計の平均1,452円との差 |
| 令和6年度の最低賃金(調査時点) |
1,077円 |
375円 |
| 令和8年度の最低賃金(令和8年10月1日から) |
1,195円 |
257円 |
| 卸売業・小売業の平均 |
1,267円 |
− |
| 宿泊業・飲食サービス業の平均 |
1,218円 |
− |
宿泊・飲食の平均1,218円は、令和8年度の1,195円より23円高いだけです。卸売・小売の平均1,267円も72円しか上回りません。平均がこの位置なので、令和7年6月の時給のままでは、今の最低賃金に届かない人もいると読めます。最低賃金を下回る時給は、労働契約の中で無効になり、最低賃金の額で払う決まりです。
自分の時給が最低賃金を上回っているかは、基本の時給で比べます。通勤手当、残業代、深夜や休日の割増分は入れません。月給や日給で働いている人の比べ方は時給の計算と最低賃金との比べ方で説明しています。
時給を年収に直す計算と扶養の壁
時給から年収を出すときは、「時給 × 1日の時間 × 月の日数 × 12 + 年間賞与」で計算します。愛知県の平均の値を入れると次のとおりです。
1,452円 × 5.2時間 × 13.8日 × 12 = 1,250,346円
1,250,346円 + 37,100円 = 1,287,446円
6月の実労働日数を12か月に広げた計算で、平均どうしを掛けた額です。この調査に載っている「平均年収」ではありません。女性の値(1,407円、5.1時間、14.4日、賞与4万1,500円)で計算すると128万1,461円になります。
この水準だと、扶養の線のどこにかかるかが関わってきます。税金の線は103万円の壁で整理しています。勤め先の社会保険に入るかの線は106万円の壁に、家族の扶養から外れるかの線は130万円の壁にまとめています。自分の時給と、実際に入っているシフトの時間で計算し直します。
正社員を含めた県の給料の水準は愛知県の平均年収で見られます。求人の多さは愛知県の有効求人倍率にあります。
パートでも、残業と有給は会社ごとに違う
県の平均時給で分かるのは、地域全体の水準です。応募する会社の時給、残業、休みの取りやすさは、会社ごとに違います。短い時間で働く人でも、6か月続けて働き、決められた日の8割以上出勤すれば、働く日数に応じた有給休暇がつきます。日数の決まりは有給休暇の平均と取得率で確かめられます。
カイシャのホントでは、会社が厚生労働省のしょくばらぼに公表している数字を、県と市ごとに並べています。
公表されている残業時間や有給休暇の数字は、正社員だけを数えている会社もあります。パートで応募するなら、その数字に自分の働き方が入っているかを面接で聞きます。
その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめる
求人票では、基本の時給、時給が上がる条件、1日の時間、週の日数、交通費を分けて見ます。「時給【金額】円〜」のような書き方なら、最初の時給がいくらで、何をすれば上がるのかを聞きます。研修期間の時給が別になっていないかも確かめます。
面接では、「実際のシフトは週に何日、1日何時間ですか」「繁忙期に時間が延びることはありますか」と聞きます。扶養の範囲で働きたいなら、年の途中で時間を調整できるかも聞いておきます。
厚生労働省のしょくばらぼでは、会社が公表している平均残業時間、有給休暇の取得率、平均勤続年数などを見られます。調べる順番は企業研究のやり方で整理しています。
候補の会社が決まったら、愛知県の会社を採用の数字で比べるで数字を並べます。西三河で探すなら岡崎市の比較表もあります。