埼玉県のパート・アルバイト(短時間労働者)の平均時給は1,480円です。厚生労働省が出している令和7年賃金構造基本統計調査の値で、令和7年6月分、企業規模10人以上、産業計、男女計の時給です。全国の1,518円より38円低く、47都道府県で10番目でした。
男性は1,759円で9番目、女性は1,367円で10番目です。隣の東京は1,779円、神奈川は1,819円で、埼玉とは300円前後かそれ以上離れています。県内で働く人が多い卸売・小売は1,274円、宿泊・飲食は1,216円で、令和8年度の最低賃金1,196円との差は大きくありません。
県の平均より大事なのは、応募先の会社の時給と働き方です。会社ごとの残業時間や有給休暇の数字は、埼玉県の会社を採用の数字で比べるで並べて見られます。さいたま市や川口市の比較表もあります。
数字は、e-Stat の Excel と厚生労働省・埼玉労働局の資料を2026年10月26日に開いて確かめました。
埼玉県のパート平均時給は全国より38円低い
数字のもとは、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査、短時間労働者の都道府県別第1表です。e-Stat の埼玉〜長野のExcelの「埼玉」のシートを使いました。
短時間労働者は、1日の所定労働時間か1週の所定労働日数が、同じ事業所の一般の労働者より少ない人を指します。パート、アルバイトという呼び名とは関係なく、働く時間で決まります。時給は所定内給与を所定内の実労働時間で割った額で、残業代と賞与を含みません。
| 区分 |
埼玉県 |
全国 |
47都道府県での順位 |
| 男女計 |
1,480円 |
1,518円 |
10番目 |
| 男性 |
1,759円 |
1,769円 |
9番目 |
| 女性 |
1,367円 |
1,418円 |
10番目 |
男性は全国より10円低いだけですが、女性は51円低い値です。県全体が全国を下回るのは、女性の時給の差によるところが大きい形です。埼玉で働く短時間労働者の71.3%は女性なので、女性の値が県全体を左右します。
首都圏の4都県を並べると、神奈川1,819円、東京1,779円、千葉1,488円、埼玉1,480円の順です。ほかの道府県の順位はパートの平均時給で見られます。
産業別:教育・学習支援業が2,662円で最も高い
埼玉県の産業別の時給を、企業規模計(10人以上)で高い順に並べました。労働者数(十人単位の推計)も載せました。「20,592」は約20万5,920人です。
| 産業 |
男女計 |
男性 |
女性 |
労働者数(十人) |
| 教育・学習支援業 |
2,662円 |
3,253円 |
2,231円 |
3,336 |
| 医療・福祉 |
1,995円 |
3,616円 |
1,551円 |
12,268 |
| 金融業・保険業 |
1,810円 |
1,873円 |
1,804円 |
592 |
| 学術研究・専門・技術サービス業 |
1,646円 |
2,171円 |
1,539円 |
644 |
| 建設業 |
1,455円 |
1,615円 |
1,306円 |
973 |
| 複合サービス事業 |
1,395円 |
1,414円 |
1,387円 |
302 |
| サービス業(他に分類されないもの) |
1,362円 |
1,410円 |
1,342円 |
5,774 |
| 不動産業・物品賃貸業 |
1,356円 |
1,340円 |
1,368円 |
803 |
| 運輸業・郵便業 |
1,312円 |
1,501円 |
1,235円 |
3,340 |
| 情報通信業 |
1,299円 |
1,929円 |
1,242円 |
182 |
| 生活関連サービス業・娯楽業 |
1,291円 |
1,243円 |
1,315円 |
2,913 |
| 製造業 |
1,287円 |
1,328円 |
1,272円 |
4,067 |
| 卸売業・小売業 |
1,274円 |
1,303円 |
1,264円 |
20,592 |
| 宿泊業・飲食サービス業 |
1,216円 |
1,217円 |
1,216円 |
13,644 |
埼玉県では、表の14の産業のうち9つが1,300円台か1,200円台です。2,000円に届くのは教育・学習支援業だけで、医療・福祉も1,995円です。情報通信業は1,299円で、神奈川の2,471円と比べると1,000円以上低い値ですが、働く人は182(十人)と少ない産業です。
運輸業・郵便業は1,312円で、男性1,501円、女性1,235円です。倉庫業や配送の仕事は、この産業に入ります。
企業規模別:10〜99人の会社が最も低い
| 企業規模 |
男女計 |
男性 |
女性 |
労働者数(十人) |
| 1,000人以上 |
1,513円 |
1,862円 |
1,373円 |
31,831 |
| 100〜999人 |
1,520円 |
1,790円 |
1,417円 |
16,964 |
| 10〜99人 |
1,394円 |
1,581円 |
1,316円 |
20,645 |
| 企業規模計(10人以上) |
1,480円 |
1,759円 |
1,367円 |
69,440 |
埼玉県では、10〜99人の会社が1,394円で最も低く、100人以上の会社はどちらも1,500円台です。ただ、1,000人以上の会社で働く人の61.4%は卸売・小売と宿泊・飲食です。1,000人以上の平均を押し上げているのは、この規模の医療・福祉2,449円、とくに男性の4,421円です(同じシートの規模別の値と労働者数から計算)。
女性だけで見ると、100〜999人1,417円、1,000人以上1,373円、10〜99人1,316円です。男性ほど規模で差がつかず、最も高い区分と低い区分の差は101円です。
男女別:女性は男性より勤続年数が長い
| 項目 |
男女計 |
男性 |
女性 |
| 1時間当たり所定内給与額 |
1,480円 |
1,759円 |
1,367円 |
| 年齢 |
46.0歳 |
42.7歳 |
47.3歳 |
| 勤続年数 |
6.3年 |
5.1年 |
6.8年 |
| 1日当たり所定内実労働時間 |
5.3時間 |
5.2時間 |
5.3時間 |
| 実労働日数(6月) |
13.6日 |
12.8日 |
14.0日 |
| 年間賞与その他特別給与額 |
3万2,700円 |
2万6,700円 |
3万5,100円 |
| 労働者数(十人) |
69,440 |
19,938 |
49,503 |
女性は男性より4.6歳年上で、勤続年数は1.7年長く、6月の日数も1.2日多い値でした。年間の賞与も女性のほうが8,400円多くなっています。それでも時給は男性より392円低い値です。
この差は、同じ仕事の男女の差ではありません。宿泊・飲食は男性1,217円、女性1,216円、卸売・小売は男性1,303円、女性1,264円と近い値です。差が大きいのは医療・福祉(男性3,616円、女性1,551円)と、教育・学習支援業(男性3,253円、女性2,231円)の2つです。
平均の1,480円は、医療・福祉の男性に引き上げられている
埼玉県の男性の医療・福祉は3,616円で、平均年齢は60.0歳です。医師のように時給の高い職種が、短い時間で働いている数字と読めます。人数は2,639(十人)で、医療・福祉で働く人の21.5%です。
逆に、女性の医療・福祉は1,551円です。医療・福祉で働く人の78.5%は女性なので、この産業で働く多くの人の時給は、産業全体の1,995円より女性の1,551円に近い値です。
よく見るパートの時給に近いのは、人数の多い産業です。
- 卸売業・小売業:1,274円
- 宿泊業・飲食サービス業:1,216円
- サービス業(他に分類されないもの):1,362円
卸売・小売と宿泊・飲食で、県の短時間労働者の49.3%を占めます(労働者数から計算)。スーパーや飲食店の時給を比べるなら、1,480円よりこの2つの値を使います。中央値はこの表にないため、真ん中の人がいくらかは出せません。
最低賃金との差:調査時点の額より402円高い
調査の時給は令和7年6月の給与から出ています。その月に効いていた埼玉県最低賃金は、令和6年10月1日発効の1,078円です。令和7年11月1日に1,141円、令和8年10月1日に1,196円へ上がりました。推移と特定最低賃金は埼玉県の最低賃金で見られます。
| 比べる額 |
時給 |
産業計の平均1,480円との差 |
| 令和6年度の最低賃金(調査時点) |
1,078円 |
402円 |
| 令和8年度の最低賃金(令和8年10月1日から) |
1,196円 |
284円 |
| 卸売業・小売業の平均 |
1,274円 |
− |
| 宿泊業・飲食サービス業の平均 |
1,216円 |
− |
宿泊・飲食の平均1,216円と、令和8年度の最低賃金1,196円の差は20円です。卸売・小売の1,274円とでも78円です。調査のあと最低賃金は2回上がり、合わせて118円上がっています。令和7年6月の時給のままでは、今の最低賃金を下回る人もいます。最低賃金を下回る時給で約束しても、その部分は無効になり、最低賃金の額で払う決まりです。
比べるのは基本の時給です。通勤手当、残業や深夜の割増分は足しません。月給や日給の人の比べ方は時給の計算と最低賃金との比べ方にあります。
年収に直す計算と130万円の線
時給を年収にするときは「時給 × 1日の時間 × 月の日数 × 12 + 年間賞与」で計算します。埼玉県の平均の値を入れます。
1,480円 × 5.3時間 × 13.6日 × 12 = 1,280,141円
1,280,141円 + 32,700円 = 1,312,841円
6月の日数で1年間働いたと考え、平均どうしを掛けた額です。調査に載っている年収ではありません。女性の平均(1,367円、5.3時間、14.0日、賞与3万5,100円)で計算すると125万2,277円です。
この額は、130万円の線をわずかに上回ります。家族の健康保険の線は130万円の壁で確かめます。税金は103万円の壁で、勤め先の社会保険は106万円の壁で見ます。最低賃金が上がった年は、同じ時間でも年収が増えます。
正社員を含めた県の給料は埼玉県の平均年収で見られます。求人の多さは埼玉県の有効求人倍率にまとめています。
パートでも、会社によって残業と休みの数字は違う
時給が同じくらいの求人でも、残業の多さや休みの取りやすさは会社で違います。残業の数字の読み方は残業時間の平均で整理しています。
カイシャのホントには、しょくばらぼの公表データから作った埼玉県の順位表があります。
会社が公表している数字が、正社員だけのものか、パートを含むものかを確かめてから比べます。
その会社の実際の数字は、求人票・面接・しょくばらぼで確かめる
求人票では、基本の時給、昇給の時期と基準、1日の時間、週の日数、交通費を分けて読みます。「時給【金額】円〜」と幅のある求人なら、自分の場合の最初の時給を確かめます。研修中や早朝・夜の時給が違うかも見ます。
面接では「1日の時間が延びることはどれくらいありますか」「休みの希望はいつまでに出しますか」と聞きます。扶養の範囲で働くなら、年の途中で時間を減らせるかも聞いておきます。
厚生労働省のしょくばらぼを開くと、会社ごとの平均残業時間、有給休暇の取得率、平均勤続年数がわかります。手順は企業研究のやり方で順に説明しています。
候補の会社が決まったら、埼玉県の会社を採用の数字で比べるで並べます。県の西部で探すなら川越市の比較表もあります。